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同人誌「☆」について

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2021-04-27 20:55:56

情報更新 2021/05/01

タイトル ☆
副題 五条悟は虎杖悠仁を推している
A5サイズ、218ページ、2100円、年齢制限なし
俳優の五条悟が、アイドル虎杖悠仁を推す話です。悠仁ファンに無自覚マウントを取ったり、推しの尊さに溶けたりします。悠仁くんも五条が大好きで、相思相愛です。
※カップリング未満ブロマンス以上の作品です。
俳優五のSNSがアイドル悠の公式アカウントと思われるくらい悠の情報と話で溢れている話(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14848624)シリーズの再録と新作を収録しています。

■販売について
とらのあな、フロマージュ、BOOTHで取り扱い予定。
とらのあな→https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040030905245/
フロマージュ→https://www.melonbooks.co.jp/fromagee/detail/detail.php?product_id=912102
BOOTH→https://um-5yu.booth.pm/items/2924630



■サンプル
※基本設定などはhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14848624をご参照ください。

※書き下ろしサンプル
悠仁のTwitterアカウントを作成したり、五条が「僕は君のファン!」告白をする話


今時のアイドルならば、SNSのオフィシャルアカウントを設立すべきだよ。せめてTwitterかインスタだけでも持っていた方が良い。そう力説したのは、五条悟だった。そうやってファンを新規獲得するのも大事だし、既存のファンをつなぎとめるのも重要だった。
 ただ悠仁本人は、あまり前向きじゃないらしい。ううん、と首をひねって「どうしてもやんないとダメ?」と言った。彼の世代は、生まれたときにはすでにインターネットが普及していて、慣れ親しんで育ってきたはずだ。使いこなせて当たり前だろうに、なぜ。むしろSNSをやっているがゆえに、不祥事を起こすような子すらいるような時代なのに。
「あんま得意じゃないんだよね……。マメにはできないだろうし、なにをすればいいのかも……
「なるほど。悠仁は、あんま向いてないのか」
「かなぁ? 前、プチトマトの観察日記をインスタでやってたんだけど、日記じゃなくて数ヶ月記になっちゃって……
「プチトマト、数ヶ月記」
「うん……
「そのアカウント、まだある?」
「あー……。消してないから……
 一応、事務所としては過去のインターネット上の活動なんか把握できている方が安心ではあるが――
「あ、これこれ。なつかしー」
 悠仁がスマホを操作し、過去のインスタアカウントをみせてくれた。本名も顔出しもなし、個人を特定できる情報もない。完璧すぎるものだった。数ヶ月に一度、プチトマトの育成記録があるくらい。ときどき祖父との写真や食べたもの、穏やかな写真ばかりだった。
「あんま面白いこともできないんだよねー。けどさ。五条先生が言うのも、わかる……。これからの時代は、そうやっていかないと生き残れないよね……
「ま、無理強いはしないし。悠仁のペースでやればいいよ。管理を伊地知に任せてもいいし」
「けっこう緩いんだねー。めっちゃありがたい」
「ノルマあるところもあるらしいけど。うちの事務所は、そこまでガツガツしていないしね……。悠仁が頑張りたいなら、そうすればいいし。何事も楽しくなくちゃね」
 と、悟はウインクをした。
 聞き分けがよすぎるし、妙な圧を感じた。
……なんか裏があるのでは?」
「へへ。そんなことはあるよ」
「マジ?」
 五条悟は、食えない男だ。悠仁に対しても、同様であった。やっぱりなにかあるのか――と思い身構えてしまう。
「僕が楽しみだから」
 彼は、いい笑顔で言った。
「悠仁のアカウント……。Twitterでも、インスタでもなんでもいい。あるんだよー? 嬉しくない? 嬉しい!」
 である。なんだそれ。悠仁は、噴き出してしまった。
「事務所の許可もとってあるよー。アカウント作ろ! 僕がぜんぶやってあげる」
そんな動機で、こんなことまでしてくれたのか。悠仁は、ふは、と笑う。
「懇切丁寧だね」
「それがウリだからねー」
 軽快に飛び出したのは、五条悟ジョークだった。こんなに扱いの難しいじゃじゃ馬を通り越した暴れ馬はそうそういない。競馬好きの記者から、ゴールドシップと称えられたこともある。2010年代に活躍した名馬で、素質才能はピカイチ。しかし、その気性の荒さと気まぐれさ、賢すぎるがゆえに騎手や調教師をからかい揶揄する性質。気分が乗っていれば、世紀の名馬の名をほしいままにする走りをするが、そうでなければ手もつけられない。自由な馬なのだという。
 五条自身、反論もなかった。
 彼は、なにかに縛られるのを嫌がる。社会規範や法律は守るし、非情や薄情とされることも回避できない状況にでもならない限りは行わない。良心や道徳は持っている。だが、それと周囲の望む振る舞いをし続けるかどうかは、別の話になってくる。いくら名優と呼ばれようとも、それが本人の意にそぐわないことならば、事務所の迷惑や大事な人たちの損益にならない範囲で、自由を選択する。そういう男だと自覚はあるし、付き合いのながい夜蛾からも指摘されたことがある。なので、否定する気にもならなかった。
 そんな悟と懇切丁寧さは、とても遠い距離にある。そういう関係性だ。だから――いまのは、笑う場面だったのに。悟本人もそういうつもりだったのに。悠仁は、わは、と笑った。
「ホントそれ! チップは、デザートに五条先生の好きなお菓子一品でいい?」
 彼は、当然のように肯定する。
 五条悟という存在が、これだけトリッキーでも。
「マジ?」
「なになに?」
「僕が親切……て本気で言ってるの?」
「五条先生が言い出したことじゃん! え、いまさら?」
 それ聞いちゃうの? と不思議そうに悠仁は、笑うのだ。無理もない。悟本人発の話題で、悠仁はそれを肯定しただけなのだ。なのに、悟から「マジ?」と不審がられたら、どういうことなのという気分にもなるだろう。
「僕を親切だと言ってくれた人間は、これまで三人……
「また具体性のありそうな数なのが、ツッコミずらいんだけど」
「硝子が苦手なのか最後までとってたイチゴを食べてあげたときに……、傑ややってたクロスワードの最後の答えを横からさらっていったときに感謝の念をたっぷりこめて……
 ひとつめ、ふたつめ、と指を立てて数える悟。
 それ、どっちも嫌味や皮肉込めてなんじゃ……という考えが浮かんできたが、とても言葉にはできなかった。五条先生そういうところあるから。悪気ないまま人の楽しみを奪っていく……というか。本人は、悪気ないから。親切心からだから。怒ることもできないし、叱るのも気が引けてしまう。あれだ。
……あとひとつは。悠仁のデビューイベントのとき、道迷ってたファンぽい子に道聞かれて案内したとき」
 悟が、三本目の指を立てた。
 文句なしの親切だ。だが。
「来てたの!?」
 そっちのほうが、驚きだった。
悠仁のデビューイベントは、少し前に開催された。同事務所の先輩アイドルグループのイベントと併催させてもらったのだ。そのほとんどが先輩たちのファンで、まだ知名度も低く、悠仁単独では難しい。顔見せとお披露目のようなものである。
イベントの規模に貴賤はないし、開かせてもらえるだけ嬉しいし幸せなものだ。だが、多忙を極める五条悟を招待するのは、まだいまじゃない。そう思って、悟本人には「俺がビッグになったら、招待するから! 待ってて!」と伝えた。恩人であるし、演技指導から様々なことをたたき込んでくれた。悠仁の成長と成功は、そんな彼への恩返しでもある。だから、ひとつ目標でもあった。五条先生に見せたいと思えるほどのステージができるようになること。
 だから、デビューイベントには招待しなかった。そうしたら、本人が正体を隠して一般参加していた。どういうことなの。悠仁は、目眩を覚えた。
「あ」
……俺、聞いてない」
「内緒にしてたんだっけ……。てへ、うっかりしちゃった」
 悪戯っぽくはにかむ五条悟。いつか、彼がお菓子のCMに出た事があった。11月11日はポッキーの日! というフレーズを告げた後、ポッキーをかりっとかじって、てへっと笑う。女子高生を中心に五条悟の笑顔がやばたにえんブームとなったのも記憶に新しい。悠仁がまだ高校生だったから――数年前のことだ。あの頃もテレビっ子だったし、相当な頻度で見かけた記憶がある。ワイドショーでも特集されたくらいだった。
 それは、横においておこう。五条悟の笑顔を無料で観てもいいものなのだろうか……とわずかな葛藤を抱いてしまった。が、それよりもデビューイベントについて。
「なんで秘密にしてたの……
 そっちが、気になってしまう。
 もしかして、ステージにデキがよくなくて、打ち明けられなかった……とか? 気まずくなるし、ふれたくなかった? それなら、わかるけれども。
「え、言わなくちゃダメ……?」
 と、わずかに気まずそうにしている。
「聞かせてほしい、かなぁ」
「そう……。僕も、覚悟を決めるよ」
 それほどあのステージはよくなかったのか……。悠仁も腹をくくって、悟の話を聞くことにした。芸の世界で生きていくと決めたのだ。悪い点は、ちゃんとなおしていかないと。悟ほど信頼できる相手からの指摘ならば、今後のためになる。これほどありがたいものはないだろう。けれど、やはり聞くのが恐ろしくもある。どんなダメ出しをされるだろうか。相手は、あの五条悟だ。人を視る目も肥えている。
 なのだが――悟は、「あの……。あのね……」と恥じらいを出しながら、悠仁のほうを見ている。
「ひと思いに言っちゃってよ!」
 そんなに言いにくい欠点……? と、悠仁が彼の背中を押そうとしたら、五条悟は意を決して口を開いた。
「僕が……悠仁のファンだから」
 予想外過ぎる言葉が返ってきて、悠仁の手からスマートフォンが転がり落ちかけた。慌てて掴む。
「え……、とぉ?」
「だから、僕が、悠仁のデビューイベントに参加したかったから参加したの! ちゃんとチケット戦争もしましたー!」
 誇らしげに告げる五条悟。悠仁は、よく理解できなかった。
「事務所通せば、関係者枠で入れたんじゃ……
「ズルじゃん」
「いや……違うでしょ」
「立場を利用してる、職権濫用です」
「ええー。だって、五条先生は、俺の先生だし……
「その前に、君のファンなんだよ」
 悟は、きっぱりと言い切った。
「ファンが、そういうことしたらズルになるでしょ」
 彼の言い分は理解できなくもない――が、それを言いだしたら、悠仁だって悟の舞台や現場に招待してもらっている。ファンというほど熱心に追っていたわけじゃないが、テレビっ子である悠仁には、俳優五条悟も憧れの人だった。彼の演技には、それだけの魅力があるのだ。



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