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懲罰記録:ライノー

全体公開 15 76 868文字
2021-05-29 10:58:42

……それで、その」
ベネティムは控えめに声をかけた。
最初の頃からずっと、この男を迎えに来るのは彼の役目だった。他の隊員はまったくやりたがらない。タツヤは頼めば動きはするだろうが、複雑な手続きなど不可能だ。

「一応聞いておきます。ライノー、今回は何をやったんですか?」
懲罰房の鉄格子から見える、ライノーの顔はいつも通りだ。
ただ笑顔を浮かべ、疲弊した様子は一切ない。

「困っている人を助けただけだよ」
ライノーはまた、当然のことのように答えた。
「人はみんな、そういうのが好きだろう? 感謝もされたしね」
「それはそうでしょうけど」

実際のところ、懲罰理由はすでに聞いていた。
いつもの命令違反だ。
進軍の途上で、食糧難に見舞われている村があった――無視して進軍しようとしたところで、ライノーはそれに従わなかった。砲甲冑とともに姿を消し、その村に食料を差し入れたらしい。肉や穀類をいくらか。それで村人は一時的にでも体力を戻し、より大きな付近の街へ避難することができた。

「どうやって食料を確保したんです?」
「近くに賊徒の集団がいてね。彼らから分けてもらったんだ。他人も襲うし、なかなかいい生活をしていて、どうも貯め込んでいたようだから……痛みや負担は平等に分かち合わないといけないだろう?」
「そう、かもしれませんね」

納得できない。
そう感じている自分がいる。ベネティムは考える――確かに、付近に賊徒の根城があった。それは確かだ。しかし、彼らの食料は果たして潤沢だっただろうか?
特に、肉だ。保存用の干し肉ではない種類の肉を、村人は口にしたという。そんな上等なものを、賊徒が大量に備蓄しているものだろうか。
ただ、それを聞いても意味はない。

(まあ、いいか)
ベネティムはすぐに思考を打ち切った。彼の特技の一つだ。自分を騙すことは、他人を騙すよりもずっと簡単だ。

「いきましょう、ライノー。次の任務が待っています」
「わかった。楽しみだよ」
ライノーはゆっくりと立ち上がる。
「人類の勝利のために、全力を尽くそう」


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