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★第249幕幕間

全体公開 1 21 1678文字
2021-05-31 21:48:40

実写縁戦に対するインタビューを読んで、私なりに原作の孤島戦の意味を考えた結果の小話。ほぼ剣心のモノローグ。
剣薫前提、剣→巴オンリー。ただし、恋愛描写、かぷ描写はゼロです。

Posted by @tachik_k

 ーー姉さんは微笑っているか?

 その問いに「いや」と答えると、縁は怪訝そうに眉をしかめた。
「微笑う微笑わないの前に、拙者にはもう、見えていない」
 目を閉じても思い浮かぶのは、白い冬の森だけ。
 そこに巴の姿はない。
 それを寂しいとは思わなかった。
 なぜならーーようやく、彼女はあの冬の森から、哀しみから解放されて、あるべき場所へ還ったのだ。

 だからーー最後の笑顔で十分。

 あの雪の日から15年。
 もがいて、もがいて、もがき続けた日々。
 その果てにたどり着いた、贖罪の答え。
 そして今、何よりも大切だと想う人がいること。
 得難い仲間がいること。
 それに気づいたから、自分は罪を背負って、それでもこれから先を歩いていける。

 ーー巴。
 もうけっして返ってこない声に、見えない姿に呼びかける。

 俺を、生かしてくれてありがとう。
 たくさんのことを教えてくれた君に、何も返すことができなくてすまない。
 だからせめて、縁を頼むと言った君との最後の約束を果たそう。
 俺が必ず君の弟を止めてみせる。
 それが何も返せない自分が、たったひとつ君に返せることだと思うから。

 ーー飛天御剣流ーー

 ざ、と砂が乾いた音をたてた。
 低く姿勢を落とし、抜刀の構えをとる。
 対する縁もまた、倭刀を構えるのが見えた。
 目を閉じ、神経を研ぎ澄ます。

 ほんの一瞬ーーーー
 最後に見た巴の笑顔が、心に浮かび、消える。

 ーーさようなら。
 さようなら、巴。

「ーーーーっ!」
 踏み込まれた右足の衝撃に、砂が弾けるように吹き上がる。
 刹那、見据える縁の肩越しに、祈るように手を組む少女の姿が見えた。

 ーー薫。

「っ、お、おおおおっっ!」
 裂帛の気合いとともに、剣心は左足を渾身の力で踏み出しーー踏み込む。



 ーー天翔龍閃ーー



 太陽がまぶしく輝く夏空の下、刃の弾け飛ぶ鋭い音が響きわたった。





 B公開前に! と思って、ほぼ推敲なしなので、その内ちゃんと見直して、しぶにUPするかもしれません。
 次ページは実写と原作の縁戦に思うことです。興味ある方はどぞ!!




 ……実写インタビューで「縁戦で答えを出すのは、傲慢に思えた」とありましたが、私はそうは思いません。そもそも、原作で剣心が答えを出すのは、孤島の縁戦より前ですし。
 私は孤島戦は「巴さん」に剣心が誠実に向きあうための戦いだったと思ってます。そして、その上で縁に向き合った。剣心の雪代姉弟への誠実さが現れてるんじゃなかと。
 確かに実写はそれまでの展開が違うので、ラストバトルで縁に対して「贖罪の答え」を言うのは唐突感があったのかもしれませんが。……答えがないなら、謝るしかないですよね。
 実写の縁戦は、原作における神谷道場戦な気がします。そこから一気にエピローグに跳んだ感じ。
 ただそれなら、巴さんへのお墓参りの言葉は、原作まんまではなく、もっと違うものにしてほしかったな……
 答えがないまま「さようなら」と言うのもなんか違う……「これからも答えを探していく」とかなんとか。ちなみに、その横に薫ちゃんがいるのはデフォですよ!!

 原作孤島戦は、きっと夢に出てきた巴さんからの別れの言葉に対する、剣心の返答なんだと思います。そして、夢と孤島戦での二つがあって、お墓参りでの「ありがとう、すまない、さようなら」に繋がるんだろうな、と。
 話の中でも書きましたけど、答えは見つけた、大切な人も仲間もいる。自分はもう大丈夫だから、心配しないでくれ、的な。
 薫ちゃんが「剣心の新たなる一歩」って言ってますけど、もう本当、まさにそれ。

 そんな縁戦でした。



 ……ちなみに蛇足。
 天翔龍閃の踏み込んだ右足と左足は、

 右足→過去から踏み出す一歩
 左足→未来へ踏み出す一歩

 って感じでした。それぞれの足が踏み出す直前に巴さん(右足)と薫ちゃん(左足)の描写があるのはそのためでしたー(妙なこだわり)


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