FGO 2部6章後
妖精騎士ランスロットとパーシヴァルについての幻覚
@syuu_29
はじめまして、と膝をつかれた。
そうして目線を合わせるために膝をつく彼はつくづく大人だった。ああ、知らない、そんな顔は知らない。私のパーシヴァルは大人びた顔をよくしていたけれど、でも違った。彼を見ればわかる。あの子はたったの十六歳。身体が大きくなったところでやっぱり子供だったのだ。
もちろん見た目だけなら、汎人類史のパーシヴァルは彼にそっくりだ。それでもここにいるのは正しく年を取ったのだろう知らない誰かだ。
あたりまえだ。あの子は人間だったのだ。あの妖精國の人間だった。英霊の座に刻まれてはいないのだ。
浮かれた事を恥じる。そもそもパーシヴァルに会わせる顔なんかない。母竜としても姉としても、師としても、友人としてだってそんなものはない。
でも会いたかったのだと、今更わかる。自覚すれば胸の中が澱むのも、砕かれた心臓が疼くのも。
仮面をかぶり、無遠慮に飛んで逃げる。それが最適解だろう。でもその前に、口が余計なことを言った。
「たぶん、私は君よりもずっとお姉さんだよパーシヴァル」
私の言葉にパーシヴァルが目を丸くする。ああ、そんな表情は本当にそっくりだ。
「謝らないでいいから」
ますます強くなる未練を断つようにどうにか踵を返す。ふわりと浮き上がり、もう後ろは見ない。背後でパーシヴァルが戸惑ってマスターの顔を見るのが想像できた。知らない他人なのに、その困惑した顔を知っている。その声だって知っている。あの子の泣き顔だって知ってるんだから。なんだって知ってる。
でも、違う。
僕のパーシヴァルは槍に命を三度も捧げてしまった。彼のようには大人になんてなれなかった。
知ってる。わかってる。彼の身体が砕け散るのは竜骸の瞳に映っていた。座の記録に残っていた。わかってるけどそっくりだから、期待してしまっただけなんだ。
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メリュジーヌの座の記録にパーさんの最後の姿について記録されていてほしいし、オーロラがいなくてもメリュジーヌでいられる理由は虹への憧れだと語られていても、それでも何も持たなかったはずの彼女が得てしまったもの、思い出さなければならなかったもの、自分の命と引換に心臓を貫いた弟…ということでもいいんじゃないか、いや、そうであってほしいなーーーーと思って書きました。
おそまつさまです。
まあ弊デアは妖精騎士ランスロット引けませんでしたが………………………………。