一部グロ・スプラッター的な描写あるので気をつけてください。マジックキングダムの過去をめちゃくちゃ捏造しています。ブルーとルージュは出てきません。
@wasser_welle
そこにはまるでこの世のものとは美しい光景が広がっていました。暖かな光、頭上を舞う天使、見たことのない美しい花。この時、この場にいた魔術士の誰もが思いました。——我々は、天国を作れたのだ、と。
けれどそれは、すぐに間違いだと気付きました。
優雅に舞っていた天使が、彼らの存在に気づいた瞬間、急降下を始め、彼らの身体を紙を千切るように切り裂いたのです。
運良く襲われなかった者たちは、何が起こったのかわかりませんでした。
天使は、そのまま身体をぐちゃぐちゃにするものもいれば、肉を喰むもの、血を啜るものもいました。
その内の一人が「逃げろ」と声をかけて逃げてゆきます。しかしそれに気づいた天使が背後から追いかけてきます。魔術士たちは術で応戦しますが一人、また一人と襲われて脱落してゆきます。かろうじてその空間から脱出すると、すぐさまその境界を封じました。
天国を作り出すなど、人間が行える所業ではなかったのです。古代から伝わる願いを叶える指輪を集めて作り出したそれは、見た目は美しくもその中身はひどく醜悪なものでした。どうしてこんなことになったのか、魔術士たちは絶望しました。
その時、指輪が再び光出すと目の前に先程の天使たちのような美しい女性が三人現れました。魔術士たちは思わず身構えます。けれど、彼女たちは先程封じた場所に再度強固な封印を施し、魔術師たちに叡智を授け、傷ついた身体を癒すとすぐにまた姿を消したのです。その後には一つの腕輪が残されました。
魔術士たちは彼女たちに敬意を表するため名乗りもせず去った彼女たちを三女神とし、それぞれ「魔力」「叡智」「慈愛」と名付けたのです。残された腕輪は三女神の腕輪とし、丁重に祀られました。
そうして、素晴らしい知恵を得た魔術士たちはあの空間を封じ込めるための対策を話し合いました。寝ても覚めてもなかなか結論は出ません。万策尽きたかと思われたその時でした。
——人為的に双子を作り出し、対になる術を会得させて殺し合せ、残った方に術を全て継承させ最強の魔術士を作り出せば、あの凶悪な天使にも対抗できるのでは、と。それは素晴らしい着想だと誰もが思いました。
そうして、遥かな昔から今に至るまで、魔法王国を名乗る魔術士たちは最強の魔術士を造り、地獄を封印し続けるために存在しているのです。
——とある魔術士の記録より抜粋。
【終】
「楽園のような地獄」
箱庭006@お題アイディアbot
@taitorubot