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高熱に魘されるⅣ(凌牙璃緒Ⅳ同居設定)

全体公開 遊戯王ZEXAL(Pixiv未UP) 6 2246文字
2015-05-12 19:21:44

暗い部屋 カーテンが開けっ放しの、電気の付いていない部屋
(何だ、璃緒の奴帰ってねえのか)
トントンと靴を脱いで、リビングに入って電気を付けようとした瞬間に、
リビングのテーブルに突っ伏す見知った人影を見つけて、
凌牙はギョッとした。
「うわっ。脅かすなよ、いるならいるって
言葉を切った凌牙は、直感に引っ掛かった警鐘に、急速に眉間を険しくして暗闇に目を凝らした。
テーブルに突っ伏したⅣは、疲れて眠っているように見える。けれど凌牙の耳に、ぴちゃん、と水の跳ねる音が滑り込んだ。
家の外を、車のライトが一瞬通り抜けて行って、部屋が灯りに一瞬浮かび上がる。
ピチャン。テーブルの下へ、水がぶちまけられていた。
ガラスのコップが、倒れたまま。

「ッおい、Ⅳ!」

凌牙が慌てて引いた電気の紐に、部屋が一瞬で明るくなる。
目がチカついたのは一瞬で、見ればⅣがテーブルに力無く伏せていた。
顔が赤い。
寝ているんじゃない、倒れたんだ。

「ッどうした!」
凌牙が肩を引けば、妙に篭った熱気が凌牙の手のひらに返ってきた。
ずるっと滑り落ちた腕から、風邪薬のパッケージが封の開いたまま床に落ちて散らばった。息の荒いⅣは意識が無い。凌牙が額に手をやると、とんでもない熱さだった。
「お前、馬鹿か!?何で呼ばなかったんだ!」

※凌牙璃緒Ⅳが同居設定の話で、
凌牙が帰ってきたらⅣが高熱で人呼ばずに倒れてた話。
凌牙が担ぎ上げた拍子に、Ⅳの飛んでた意識が一度戻って、
そしたら凌牙の腕を抜け出してあろうことか外に出ようとするので、凌牙が怒鳴りつけてベッドに戻そうとしたら暴れる話。
半分これも熱で意識が飛んでるんだけれど、魘されてんのを聞かれたくないって叫ぶのだけはとりあえず解って、
で、結局その後凌牙にベッドに強制送還させられたⅣは、凌牙が見てる前で延々熱に魘されて、
繰り返しトロン、III、V、と、
もう呼ばなくなって久しい復讐の頃の家族の名を、魘されながら呼び続けるのだが

◆◇◆
「離して、くれよ
「ハイソウデスカって訳にいくか!
だいたい!何行こうとして」
「凌牙、頼むから
ふらふらと懇願した力無い指先に
弱々しくすがられて
普段とあまりに違う行動に思わず固まった一瞬に、
Ⅳは足元から膝が抜けるように、崩れた。
凌牙の腕をすり抜けて傾く体に、ハッとして凌牙が腕を伸ばしたが間に合わず、床にガタンと肩を打ち付けたⅣは、「う」と小さく呻いて、うろりと虚ろに視線を彷徨わせた。
「Ⅳ、オイⅣ!」
冷たいフローリングに倒れ伏したⅣは赤い顔で荒い息を繰り返しながら
抱え上げられた凌牙の腕の中で力なくあえいで、そのまま昏倒した。



「う
苦しげに身をよじるⅣは、喉で空気を求めて喉を反らした。
苦しげに身をよじらせる内に枕を乗り上げ、苦しげに喉を反らしたまま「ぁ」と苦痛の声を上げるⅣに、凌牙は顔をしかめて、見かねて手を頭の後ろに差し込んで枕を直してやった。
限界まで反らされていた顎がかくりと落ちて、「は」とやっと通るようになった呼吸に、わずかに緊張を解いたⅣは、それでも意識の無いままハーハーと熱くて荒い息を繰り返して眠っている。
浅い眠りを行き来するⅣは、熱に阻まれ深く寝入る事が出来ないまま、夢とうつつの境目を漂って、ずっと体力を奪われ続けている。


ハ、ァ
熱い息を繰り返し吐き出して頭だけかくりと寝返りを打ったⅣを見ながら、
Ⅳの額をずるりと横に滑って落ちた濡れタオルに、凌牙はⅣの額の汗を拭ってやってから取り上げ、たらいの水ごと新しいものに変えてやろうと深い溜息をつきながら席を離れた。
ほどなく戻った時には、少し落ち着いていたと思ったⅣはまた体をよじっていて、眠りがまた浅くなったのか「熱いあつ、い」とうわ言のように繰り返していた。
額に濡れタオルを置いても変わらず、
熱を測るのに手の甲を首筋にひたりと当てれば、先ほどより高い気がする。脇に当てた氷嚢も溶けていた。
「Ⅳ、起きれるか?今、氷
「あつ、い、トロン、やめ」
Ⅳの態勢を変えようと腕を肩に回していた凌牙は、そのうわ言にピタリと動きを止めた。
凌牙に担がれながら、Ⅳは意識を落としたまま何かを払おうと身じろいでいる。
ん、でトロ、ンオレに熱、い熱い、痛、いやめとう、さん」
うつろに瞳をうっすら開けて起き上がったⅣは、凌牙に半ば担がれながら力無くもがいた。
凌牙は深く深く溜息をついてⅣを起き上がらせると回した腕で水差しを口に差し込んで傾ける。
ん、と虚ろに瞳を揺らして粉薬の溶けたそれを嚥下したⅣは、
やっと半分を飲み干したところで力尽きたように再びカクンと落ちた。それを元通りに布団に寝かせると、すー、と深い寝息が聞こえて、時折混ざる熱い息以外また部屋に何も聞こえなくなった。

勘弁しろよ」

誰にともなく呟いた凌牙は、はぁ、と今度こそハッキリ溜息をついて
そうして、腰掛けた椅子に深く座り直してギシリと鳴らした。
この手のうわ言は、これで5度目だ。
熱気のこもった暗い部屋には、時計の針が鳴る音と、浅い息使いだけが取り残された。


To be continued
※璃緒を一年看病してた影響で看病慣れしてるし、むしろ看病してた方が思考が悪い方に流れなくて何も考えなくて済むから延々看病してる凌牙と、
悪い夢を彷徨うⅣの話


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