@shikanoko_aki
俺の名前は杜預。将軍として軍を率いた経験もあるが、どちらかと言えば平和主義である。と、聞こえの良い言い方をしたが、要するに自分の人生が不安なく安泰ならば良いという意味である。その平和に他人は含まれていないのであった。
ところで。現在、俺は軍人ではない。そもそも、その類の職業が成立する国はもはや少数。そういう時代になったのである。時は202◯年。杜元凱は現世に転生を果たしたのである。
「大将。そろそろ、お客さんが来る時間だから……」
「あっ!しゅーし♡」
台所からヒョコっと顔を出したのは、同居人の周旨だった。読者の方はご存知だろうが、俺と周旨とは前世で縁がある。それはもう、深い、ふかーい縁が。
そんな俺と周旨が同じ時代の、同じ場所に転生した。こんな偶然があるだろうか。もはや運命としか思えない。しかも、互いにしっかりと前世の記憶を保持していた。奇跡だ。
「……って、あー!?大将ってば。また、こんなに散らかして……」
「ギクっ!こ、これはその……」
俺の向かうテーブルには、自分の顔より大きく分厚い本が開かれていた。その足下には、身長よりうず高く積まれた本の塔が二本、いや、三本も。リビングはまるで書斎のごとき有様だった。
「も〜。さっき、片付けたばっかりなのに……」
「だ、だって。しゅーしが遊んでくれないから退屈で……」
家事の邪魔をすれば周旨は怒る。大人しく待っているにも退屈だ。仕方がないから読書に耽っていたところ、没頭してしまい今に至るという訳で。
「今日はお客さんが来るって言っただろ。ほら、自分でお片づけして」
「………」
「……なんだよ。座ったままじゃ、片付けられないでしょ」
お片付けを言い渡された俺は、しかし、周旨の言葉には従わず、椅子に座ったままぶらぶらと両足を上下に揺さぶっていた。片付けたくても、片付けられない。その理由が俺にはあった。
「………降りられない」
「へ…?」
「だから!ひとりで椅子から降りられないのっ!!」
悲しいかな。俺は自力でこの椅子から、降りることすら叶わないのであった。何故ならば、俺の身長は現在110cm。はい。随分と小さいなとお思いでしょう。
そして、ウチのダイニングテーブルの高さは約90cmと一般的なものよりも少し高めである。となれば、それ相応の高さの椅子が必要で。自分が今まさに座っているこの椅子は、ちょうど身長の半分程度の高さに座面があった。
「自分で座ったんじゃねえのかよ……」
「登るのは簡単だけど、降りるのは怖いもん!」
「そんなことで威張らないの!もう、5歳にもなって……」
何を隠そう、俺の年齢は現在ぴっちぴちの5歳。要するに子供なのであった。それに比べて、周旨はと言えば。20代の男盛り。俺と周旨は20歳以上の年齢差があったのだ。
ああ。神よ。何故、俺にこんな試練を与えたのだろうか。同じ時代、同じ場所に転生したというのに、奇跡はそう何度も続かなかった。俺は周旨より20年も遅く生まれてしまったのだ。
「しょうがないな〜。はい」
溜息混じりに、周旨は俺の背後へと近寄る。そして、その両脇に手を差し入れ、ひょいと軽々5歳児を持ち上げた。宙ぶらりんの俺はゆっくり床へと下ろされ、無事、着地を果たす。
俺の体重はわずか16kgほどしかない。周旨は俺を抱っこも、肩車さえも出来てしまえる。それはそれで役得なのではあるが、やはり子どものままでは色々と不便だ。うん。色々と……
「あ!やべっ、もう来ちまった」
と、そこへ玄関チャイムの音が鳴り響く。時刻は午後1時きっかし。周旨の言う、客人が来る予定時刻と1分の誤差もなかった。
バタバタと忙しなくスリッパを踏み鳴らして、周旨が玄関へと駆けてゆく。その背中を見送りながら、放置された俺は不満げに両頰をぷくっと膨らませた。ほどなくして、周旨はリビングへと戻る。客人を連れて。
「おじゃまします。本日はわざわざお招きいただき、ありがとうございます」
「そんな。かしこまらなくてもいいっスよ」
現れたのは若いというよりも、子供と言った方が適切な年齢の少年だった。子供と言っても、俺ほど小さくはない。10代前半くらいというところだろうか。
ちなみに、彼の名前は鄧艾と言う。まあ、名を述べれば詳しい説明は不要だろう。あとは俺や周旨と同様である。ただ、生まれた年がバラバラなだけで。
「てか、なんでランドセル?」
「他に適切な良い鞄がなかったもので」
「まあ、いいけど。適当に座ってて下さい。お茶淹れるんで」
俺の何かを訴えかける膨れ面に気づきもしないで、周旨は再びバタバタと台所に舞い戻ってしまう。ますます、俺は不満を募らせた。
鄧艾は言われた通り、素直にリビングであぐらを掻いて座る。そうして、やたらと重そうな、ごくありふれた黒いランドセルを肩から下ろした。しかし、彼の荷物はそれだけではない。
「鄧艾さん……」
「はい」
5歳児が幾分か年上の相手を呼ぶには、どのようにするのが適切だろうか。鄧艾先輩。少し堅苦しい気もする。鄧艾お兄ちゃん。その呼び方はなんか生理的に嫌だ。と言うことで、無難にここは鄧艾さんとしておこう。
「………それが、例の?」
「ああ。……はい。今は眠っていますが」
そう答えるや、鄧艾はわずかに前屈みになって、その胸の内のものを俺にも見えやすい角度へ傾けた。のであるが、俺はそれに何の興味もなかった。
ランドセルを背負っていても尚、鄧艾からは微塵も小学生っぽさが感じられないが。そして、更に彼を小学生らしからぬ雰囲気にさせている要因が、もう一つあった。
その腹にも、大きな荷物が抱えられていた。それは抱っこ紐でしっかりと固定され、ランドセルよりもずっと大事そうに扱われている。紛れもなく、赤ちゃんだった。
「あっ。その子が今年生まれた司馬師ちゃんですか?」
「はい。ひと月ほど前に、首が座ったばかりです」
どこからどう見ても、1歳にも満たない乳児。これがあの司馬師だと告げられても、にわかには信じがたい。とは言え、ここに俺と周旨、それに鄧艾という前例が有るのだから、何があっても可笑しくはない。
「は〜♡かわいい〜♡」
語尾にハートマークを付け、周旨は夢中で赤ちゃん司馬師の寝顔を眺めた。ぷにぷにの頬を突っついては、その柔らかさにうっとりとして。
俺の方がかわいいもん。心の中で叫んでいた。理性的な俺は、赤ちゃんというものに匹敵する可愛さなど、この世に片手の指で足りる程度しか存在しないと知っていた。それはそれとして、内なる5歳児の俺が主張するのだ。俺の方がかわいいもん!と。
「……抱っこされますか」
「え?いいんっスか!?」
鄧艾が抱っこ紐を解いて、司馬師を下ろす。乳児をその手に抱けるという期待感に、周旨のテンションは途端に爆上がった。それほどまでに脅威的な存在なのだ。赤ちゃんとは。
「や、柔らか……かわ………」
司馬師をその腕に抱き、元々知力の低い周旨は語彙力を失う。その表情は、見たこともないほど幸せそうだった。
俺は先ほどの比ではないくらい、最大限に空気を溜めて頬を大きく膨らます。やはり、周旨は気づいてくれない。
なるほど。これが世に聞く、幼児期の嫉妬というやつか。などと、俺は冷静に自己分析をする。いやはや、これは子供がワガママになるのも頷ける。なにせ、精神はおっさんなはずの俺にも耐えがたいものなのだから。
「ふ、ふえっ……」
「やべ。起きちゃった」
すやすやと寝息をたてていたはずの赤子が、ふと、周旨の腕の中でグズり始める。不機嫌そうな泣き声はなんとも耳障りだった。
なんて贅沢なヤツだ。周旨に抱っこされるという羨ましいことこの上ない状況に、なんの不満があるというのだ。こっちは最近「もう5歳なんだから抱っこは卒業」って言われて、滅多にして貰えないというのに。
「ミルクでしょうか。台所をお借りしても」
「ああ。司馬師ちゃんはオレが看てますね」
「お願いします」
赤ちゃんが泣き出したと同時に、二人はバタバタと忙しなく動き始める。無論、赤子の機嫌をとるために。俺のことなんか、てんで眼中に無いと言った様子で、周旨は司馬師をあやすのに必死だった。
どうせ、ミルクを飲めば泣き止むのだから放っておけばいいものを。何故、皆こぞって赤子の涙を止めるのに無駄な努力をするのだろうか。俺には到底理解できなかった。
「ほら。杜預もミルク作るの手伝って……」
「―――ヤダ!!」
いつもなら、周旨のお願いなら大抵なんでも聞く。だけど、俺はぷいとそっぽを向いて、その言いつけを無視してしまう。俺は絶対に赤ちゃんの下僕には成り下がらないという、強い決意の元に。
「あ、こら!んも〜。すいません。ウチの子、最近ちょっと反抗的で……」
「……いえ。ミルクできました」
反抗ではない。これは抗議だ。正当な権利に対する、俺の精一杯の主張だ。周旨は俺のものなのに。何故、赤子というだけでそれを易々と奪われねばならないのか。あまりにも理不尽すぎる。
周旨の胸を独占している赤子を恨めしそうに眺めながら俺がいじけている内に、ミルクが出来上がる。さっさとこれを飲んで寝てくれ。心から俺はそう願った。
「……素直に飲んでくれるでしょうか」
「そういえば。イヤイヤ期なんですっけ?」
「はい。哺乳瓶が気に入らないらしく……」
「それで、そんなにいっぱい哺乳瓶を……」
鄧艾はランドセルから、ミルクが入ったものとは別の哺乳瓶を次々に取り出す。その数、4つ…いや、5つ。やけに荷物が多い訳だ。しかし、パッと見では何が違うのかさっぱり判らなかった。
「それで育児経験のある貴方にご相談を、と思いまして」
なんと周旨は俺を5歳まで育てた、育児経験者なのだ!今や、立派なママさんである。
「ウチもめちゃくちゃ嫌がりましたよ。哺乳瓶」
「そうなのですか」
そうなのか!?自分のことなのに初耳だった。前世の記憶はあるが、乳児期のことはあまり覚えていないのだ。勿体無い。俺も周旨ママの子守唄や添い寝や、一緒にお風呂とかを記憶に留めて置きたかったものを。
「ん〜っ!!」
「……駄目です。飲みません」
鄧艾が哺乳瓶を口元へ近づけるも、司馬師は嫌がるように呻いて、ぷいと顔を背けてしまう。空腹ならばさっさと飲めばいいのに、何故か頑なに拒否を示す。
赤子とは面倒臭い生き物だ。だから、俺は子供というやつは嫌いなのだ。……今は俺自身もその子供なのであるが。
「やはり母乳ではないと嫌なのでしょうか」
「じゃあ、おっぱいを吸わせてあげればいいんじゃないっスかね」
「―――おっぱいを!?」
いったい何を言っているのだ周旨は。俺と鄧艾は多分、同時にそう思ったことだろう。そして俺たちが困惑している間に、周旨は突如としてTシャツを首までたくし上げていた。
「キャーッ!?し、周旨さん!?い、いったい何を!?」
思わず、俺は両手で目を覆い隠して恥じらった。と言いながらも、指の隙間からちゃっかり周旨のピンクな乳首を視姦していたのだけれど。
「何って、司馬師ちゃんにおっぱい吸わせてやろうと思って」
「は?何言ってるんだ!?」
「さすがに母乳は出ないけど、男の乳首でも吸えば安心するみたいで。杜預も前はよくオレの乳首を一生懸命吸ってたっけなあ。なつかしー」
「マジで!!?」
それも初耳なんですけど!?乳幼児の俺が周旨の乳首を吸っていただなんて。どうして、そんな重要な記憶を忘却してしまったのだろうか。悔しい。羨ましい。俺は過去の自分に嫉妬した。
「ほら、司馬師ちゃ〜ん。おっぱいでちゅよ〜」
赤ちゃん言葉を用いて語りかけつつ、周旨は自身の乳首をおもむろに司馬師の口元へと近づける。そんな。まさか。周旨のおっぱいが、他人の口に……!?
「―――だめっ!だめだめだめ!!絶対にだめーっ!!」
「あっ!?何するんだよ、杜預!?」
咄嗟に、俺は周旨と司馬師の間へ割り入っていた。赤ちゃんへの対抗心剥き出しな駄々っ子ムーブで。
「ヤダヤダヤダー!!しゅーしのおっぱいは俺のだもん!あげないもん!!」
「そんな、赤ちゃんみたいなこと言わないの!もう、お兄ちゃんでしょ!」
「いやだーーーー!!!」
俺は力の限り暴れた。誰がお兄ちゃんだ。こちとら、むしろその赤子の元義弟だぞ。ちょっと先に生まれたからって、勝手にお兄ちゃん扱いしないで欲しい。
「そもそも、なんでコイツが赤ちゃんなんだよ〜!?普通に考えたら、先に死んだ方が早く転生するんじゃないのか!?」
「ほら。業が深いと、人間にはすぐ転生できないって言うし」
「だったら!周旨はともかく、鄧艾さんが俺より先なのは納得いかない!!」
「自分に贖罪すべき業などありません」
コイツは、いけしゃあしゃあと。などというツッコミはこの際、どうだっていい。今、重要なのは周旨の乳首を死守すること。
「ともかく!しゅーしの乳首を吸っちゃだめ!赤ちゃんでもだめ!!」
「もう!ワガママだなあ大将は。……まあ、それは元々か」
「では、僭越ながら自分が……」
小学生らしからぬ口調で申し出た鄧艾が、周旨同様Tにシャツを捲る。その腹筋も周旨並に6つに割れていた。本当に小学生ですかあんた。俺は若干引いた。
「あ、ほら!見てください!ちゃんと、おっぱいを吸ってますよ。司馬師ちゃん」
赤子の本能なのだろうか。司馬師はごく当たり前のように、目の前へ曝け出された鄧艾の乳首をちゅぱちゅぱ一生懸命に吸っていた。これを義兄だと思うと、俺の脳がバグりそうだ。
「今です!ほら、口元に哺乳瓶を近づけて!」
周旨に言われるがまま、鄧艾は自分の乳首に夢中な司馬師の唇を、哺乳瓶の先でちょこんと突っつく。すると、赤子の唇はようやくそれを口に含んだ。
「―――の、飲みました!」
そんな子供騙しな手法で、まんまと赤子は授乳に成功された。赤子なのだから、そりゃあ子供騙しに騙されて然るべきではあるが。
ともかく、問題解決されたことは俺にとってもこれ幸い。さあ、早くこのうるさい赤ちゃんを連れて、さっさと帰ってくれ鄧艾。
―――という俺の願いも虚しく、鄧艾はそこからたっぷり2時間居座って、周旨から育児ノウハウを教授して貰った。クソ真面目凝り性オタクなところは相変わらず。
ところで。その間、司馬師はどうしていたのかと言えば。不幸にも、俺が遊び相手をさせられていたのであった。
「つ、疲れた……」
来る時と同じように、背には黒いランドセル。腹には赤子を背負った鄧艾がようやく帰ってくれたのは、ほんの10分前。ようやく、俺と周旨の愛の巣はいつもの静けさを取り戻した。
「ったく。今日の大将はどうしちまったんだ?本当に赤ちゃんに戻ったみたいに、ワガママばっかで……」
「だって……」
乳児期は卒業したものの、俺はまだ5歳なのだ。まだまだ甘えたい盛り。と尤もらしいモノローグを加えたが、前世の記憶を保持する俺の精神年齢は以下略である。
「……しゅーしを取られるのはヤなんだもん」
「大将………」
しかし、である。中身がどうあれ、見た目が5歳であることに変わりはないのだ。つまり、その可愛らしい見た目で周旨を見上げ、潤んだ瞳で訴えかければ。……どうなると思う?
「―――んも〜!可愛いんだから!しょうがねえなあ、大将は!!」
「しゅうしぃ〜♡」
そう。周旨はその愛らしさにすっかりメロメロになってしまうのである!可愛くてありがとう。5歳の俺。
同じ目線の高さまでしゃがんだ周旨は、ギュッと俺を抱きしめる。加減してくれているのだろうが、それでも少し苦しかった。
「なあ、しゅーし。お願いがあるんだけど……」
「なんすか。もうすぐ夕飯だから、おやつはダメですよ」
小さな俺を軽々ひょいと抱き上げて、周旨は人差し指で額をコツンと突いた。めちゃくちゃに子供扱いされている。実際に子供であるのだから、それは致し方のないことではあるが。やはり俺は少し不満で、早く大人になりたいと思うのだった。……が、それはそれとして。
「………俺もおっぱい吸ってもいい?」
俺はもう5歳だからミルクは飲まない。そもそも、周旨から母乳は出ないし。でも、吸いたいのだ。その願望の根源は到底5歳児らしからぬもの。そう。エロスである。
「しょうがねえな、大将は。甘えん坊さん♡」
しかし、俺を5歳児扱いする周旨はそれに気づかない。ただ甘えたがりの子供と思うだけ。計画通り。俺の望みは受け入れられた。
早く大人になりたい。そう願っても、5歳児が急に大人になることはない。であれば、子供という利点を大いに利用するまで。
「ほら、どうぞ♡」
「よ、よし!いざ……」
周旨がTシャツを捲り上げ、ピンクの乳首が露呈する。俺は思わず生唾を飲み込んで、いざ、その美味しそうな果実にしゃぶりつこうとした。その時であった。
「あ、電話だ。もしもし。あ、鄧艾さん?」
「おのれ鄧艾〜!!」」
思わず、敬称を忘れて俺は叫んでいた。突然鳴り出した忌まわしき電話の主は、先ほど帰ったばかりの鄧艾だった。
「え?今度はおっぱいを離さなくなった!?」
周旨の乳首を吸いたくて仕方のない俺は、電話の内容をぼんやりと盗み聞きながら、早く終われと念じた。だが、その願いは脆くも打ち砕かれるのだった。
「あー…。悪い、大将。鄧艾さん大変そうなんで、オレちょっと行って来ますね」
「え!?」
「一人でお留守番できますよね。お兄ちゃん」
「え!?ちょ、まっ…!そんなあ〜!しゅうしぃ〜!!」
かくして、俺はおっぱいおあずけを食らい、置き去りにされる。なんだ、このお約束なオチは。
ああ、義兄よ。早く大人になってくれ。どう足掻いても、赤ちゃんにだけは勝てない。となれば、司馬師の乳児期が終わるまで、俺の我慢は続くのだ。我慢は慣れっこだ(撤退)
「……んなわけあるかい!!」
続かない