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大海嘯に沈む(光忠が長谷部を探しに行くパターン)

全体公開 3123文字
2021-10-26 04:33:21

大体タイトルと注意書きに集約されてる気がする。お供はコレ→https://www.youtube.com/watch?v=0KpXr0YaoA8

!!あてんしょん!!

タイトルをフォロワーさんからもらうタグで、タイトルを頂いたので書きました。

バッドかメリバです。確実にハピエンではないと思ってる。
燭へし以外のCPつまりカップリングの描写が、
無いと思ってます。でも人から見たらほんのり?ほんのり……?入ってるように見えます。
死ネタなのか微妙、平気ならとりあえず読んでみてください。

しかし!読んだあとの文句は聞きません!のであしからず。
此処まで注意書きで書いてるので読むのは自己責任でお願いしますね!

それでもOKOK大丈夫だぜ!って人は次のページへどうぞ。




昔々、恋人と海に行った時、恋人が海嘯に流されてしまった。
何年も探したけれど、ずっと行方不明で。結局、彼の死亡届が提出されてしまった。
僕は彼を諦め切れなくて、ひとりでずっと彼を探していた。

そんなことをずっと続けていたら、二人旅をしている少年と逢った。
弟くんかな、と思った方がお兄さんらしくて。ちょっとだけ驚いた。
お兄さんの貞宗くんは笑っていたけれど、弟の廣光くんは溜息を吐いていた。

お兄さんは最近この辺りを歩いているみたいだけれど、何か探しているの?と、聞かれた。
実は、と、何も知らないであろう二人に話した。
結局は誰かに吐き出したかったのかもしれない、なんて思いながら。

二人は笑わずに真面目に聞いてくれて、そうだったの、つらかったね、と。
貞宗くんは僕に優しい言葉を掛けて、頭を撫でてくれた。

『ねぇ、好い物が在るんだけれど』と、貞宗くんが僕に言う。
『運命の出会いを信じるのであれば、此れを付けて此の辺りを散策してみて』と、
ひとつのブレスレットを差し出してきた。
そのブレスレットには、真珠や宝石が付いていて、とても綺麗だった。

『此れはね、運命の人と出会わせて呉れるアクセサリーなんだ』
『運命の相手なら、死んだ相手にも逢わせて呉れるよ』
『お金は要らないけれど、貴方は此れに何を賭けられる?』
と、意味の分からないことを聞かれた。

廣光くんは止めているみたいだけれど、貞宗くんは無視をしている。

『貴方の捜し人が、貴方の運命の相手なら。此れを使えば必ず逢えるじゃない』
『だから、もし。其の人を運命の相手と信じるならば。此れを使うに何を賭ける?』
『お金なんて要らない。俺が欲しいのはもっと価値の在るものだから』
『其れは屹度、貴方の役に立つよ。だからどうかな?』

例えば貞宗くんは、何が欲しいのだろうか。
お金は価値が無い、みたいなことを言っているけれど。

『選べるのであれば、貴方が付けている其のネックレスが欲しいな』
随分と昔に買った安物だけれどいいのかなと思いながら、そのネックレスを渡す。

『折角だから貴方が歩くべき方向も教えてあげよう。此の道を真直ぐ行くと喫茶店が在る』
『其処に入って、珈琲やら紅茶やらを頼むと好い。迚も美味しいから』
『それじゃあね、光忠さん。またね』

そう言って貞宗くんは、廣光くんを連れて去ってしまった。
そういえば名前なんて教えていないのに、どうして僕の名前を知っているのだろうか。



彼に教えてもらった道を行くと、確かに喫茶店があった。
そこの店員さんは、髪も黒くて醜くて、どうにも彼には似ていなかったけれど。
何だかすごく気になって、その喫茶店に通うことにした。
その店員さんとは気が合って、でも話は合わなくて。何だか彼と話してるみたいだなぁと。
何となく思ってしまった。
あの店員さんのことをもっと知りたい。
もっとこういう道具があれば店員さんと仲良くなれるのではと、思ってしまった。

そんな頃に、貞宗くんが一人で喫茶店に来た。
『最近の調子は如何かな、お兄さん』
『そのブレスレット素敵でしょう、もっと欲しくない?』
『彼の店員さんが気になるのでしょう。だったら素敵な商品が在るんだけれど』
『次はピアスにしようかな。シンプルなデザインなんだけれどね』
『其のピアスは、相手の声が好く聞こえるようになるんだよ。其れに貴方は何を賭ける?』

何が良いかな。今付けている指輪と交換で大丈夫かな。

『勿論さ。それじゃあ、俺がピアスを付けてあげるね』
『痛くないよ、一瞬だからね。屹度、貴方に好く似合うと思うんだ』
『そういえば貴方から貰った此のネックレス。気に入って毎日付けてるんだよ』
『此の指輪も大切にするね。毎日付けるよ』

そう言われて、ピアスを開けられた。彼の言う通り、全く痛くなかった。

『嗚呼、そうだ。此れは魔法の道具だからね。入れ込みが過ぎて、身を滅ぼさないように』
『俺は貴方の願いを幾らでも叶えてあげられるし、叶えてあげたいと思っているよ』
『でも努々忘れないでね。使い所にも、俺との取引も、全て疑ってね』
『俺は、完全な善人じゃないから。俺も利己的な理由で動いているからさ』
と、不思議なことを言って貞宗くんは店員さんと入れ違いに去ってしまった。

店員さんと話していると、声とは違うものが聞こえるようになった。
それはどうやら人の本心のようで。耳を塞いでも聞こえるらしい。
しかし、店員さんは喋っている声と本心の声は、随分と声質が違うんだなと思った。
他の人は声色の違いはあれど、声質は同じものなのに。



それからも貞宗くんとは色々な取引をした。彼は本当にお金に興味が無いみたいで、
彼はお金ではない、僕が大切にしているものを僕から取っていった。
気が付いたら片目も失っていて、声も出なくなって、腕も脚も動かなくなった。
記憶もほとんど無くなってたし、此処へ来た最初の目的すらも覚えていなかった。
でも、もうそれはどうでもいい。僕はその店員さんが欲しくて堪らないから。

そうしてたくさん取引したおかげか、ようやく店員さんと付き合えることになった。
また明日、と別れて。次の日に喫茶店に行ったら、別の男が僕の名前を呼んだ。
だって姿も声も全く違うから。僕の愛する人は何処へ行ったのだろう。
貴方は誰?と聞きたくても、貞宗くんに声を差し出してしまったので話すことすらできない。
僕の名前を呼ぶ彼は、僕の記憶には居ない。ほとんどの記憶をあげてしまった。
そういえば、誰に記憶をあげてしまったのだろう。もう何も覚えていない。
あれだけ仲良くしてもらった子なのに、もう何も覚えてないなんて。

結局、この綺麗な男の人は僕の恋人になったらしくて。
しかしどうしてだろうと思う僕は、簡単な意思疎通すらも出来ないことに気付く。
腕が使えないから文字が書けない、声が出ないから話すこともできない。
僕は、ずっと、この知らない人と暮らしていくんだろうか。
そう思うと、気が狂いそうになる。

そんなことを考えていると、頭の中に声が聞こえる。

『だから言ったじゃないか。全て疑えと』
『願いを叶えるには代償が必要なんだよ。知っていたでしょう?』
『でも決めたのは全て貴方だよ、光忠さん。俺は其れを叶えてあげただけ』
『貴方は代償を支払った、俺は其れで貴方の願いを叶えてあげたの』
『人間って莫迦だよね、甘い餌を与えれば何でも、何れ程大切なモノでも差し出すんだから』
『此れで貴方との契約は完了したから、貴方の全ての記憶を貰って行くね』
『それじゃあね、光忠さん。どうか息災で、お元気で』


待って、待ってよ。僕は、この人となんて暮らしたくないんだ。
どうして、僕は彼と、知らない人と、ずっと暮らさなくてはいけないの?
意味が分からない。誰か助けてよ。




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