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歌㌧と邪神の話

全体公開 第五 ハス探
2021-12-05 00:05:03

独自解釈、自己設定てんこもりなハス探。走り書き「」会話文構成。

Posted by @hirop573

歌トンと邪神のあれこれ

【歌】

「〜♪〜〜〜♪」
『随分と上機嫌だな、ノートンよ』
……。聞いてるとは思わなかった。別に機嫌良い訳じゃないよ」
『そうか。先程の歌は』
「え?あーなんだったかな。流行りの歌だったはずだけど。歌というより曲。僕はそれを鼻歌で歌ってただけ」
『ほう。もう歌わぬのか』
「え」
『続きがあると見たが』
「歌わないよ」
『何故』
「他の気配があると嫌。上手い訳でもないし」
『我はそなたの歌を聞きたいのだが』
やだよ」
『ノートン』
「やだって」
………
「うわっ!?ちょ、言わせるの卑怯だって言ってるだろ!歌えばいいんでしょ!」
『うむ』
「はぁ。どうしてあなたは。まぁいいか。期待しないで、あっち向いてて」
『それは勿体ないであろう』
……我儘」
『時にそなた』
「はい?」

『"謳える"な?』

「!」
『民謡でもなくましてや俗世の歌でもない。そうだ、讃美歌を。そなたのその声、聞き覚えがあると思っておった』
……、僕は
『何故歌わぬ。そなたの声は価値があるというのに』
「奪われたんだ」
『奪われた?誰にだ』
「誰?分からない。ただ、あれを歌おうとすると喉が焼けるように痛いんだ」
『そうか。ならば強要はすまい。そうか
「?」



【歌②】

「イソップ、イソップ」
「?キャンベルさん?」
「ごめん。少しの間だけ匿って」
「何か悪い事をしたのなら御免被りたいですが」
「違う」
「分かりました。鍵でもかけておきますか?」
「お願い」
で、理由をお聞きしても?あぁ、その前に」
「なに」
「ここにもう一人いるのですがよろしいですか」 「え?どこに?」
「やぁ」
「イライ?どうしたんだい君」
「イソップくんとお茶をしていた所なんだ。急ぎではないし、私の事は気にしないで
……イソップ」
「はい」
「彼は僕のアレ、知ってるかい?」
「いえ」
………。そうなら今は言えない。イライも口は硬いとは思うけど
「あぁ、あの事ですか。誰かに聞かれたとか?」
「それはない。誰にも言ってないし、あのひとだって他言無用にするはずなんだ。……誰だろう
「気にしないでと言った手前なのだけど、一ついいかな」
「?どうぞ」
「本人も言わない。関わりある人も言っていない。なら荘園の主の可能性は考えられない?」
「!」
「キャンベルさんもハスターさんも僕も言わないのであれば漏れるはずもありませんからね」
「余計な真似をしてくれるな本当に
「ノートン、どうどう」
ごめん。ハスターが今試合でね。それが終わるまででいいんだ」
「それはもちろんですが。今回限りでは済みませんよ、どうするんですか?」
「今から考える
そうですね提案が」
「提案?」
「試合中、納棺するために技術をもっと上げたいんです。なので匿う代わりに、貴方の顔をよく見せて欲しい」
「あぁ、なるほど。いいよ。僕の顔描きにくいだろ」
「いいえそんな事は。皆にも言えることです」
……そう」

『遅くなったか』
「いや。来てくれて助かったよ。断ってもしつこいから外に出られなくて
『そうか。我の部屋の方がよさそうか』
「しばらくそうしようかな」
「いつも通りでは?」
「言わない言わない。そうだノートン」
「?」
「いざとなったらコレ、だよ。コレ」
パンチ?」
「そう」
「キャンベルさんならまぁ口で言ってもしつこいようでしたら出ても仕方ないと思います」
「馬鹿にしてない?そのつもりもあったけど」
「やっぱりあったんじゃないですか」




【歌③】

………
「ハスター」
………
「?ハスター?おーい、ハスター」
『!なんだ、居たのか』
「結構前からいたよ。初めて見た。あなたが考え事で周り見えてないの」
『いや。そうだな。少し』
ちなみに何を?」
『あの歌を』
「歌?」
『奪われたのであれば取り戻せるだろうと』
………。いいよ、もう。聞きたいのは分かるけど、危険を侵してまで取り戻して欲しくはない。あなたは大丈夫だと言うけれど、僕が嫌だって前に話しただろう」
『それでもだ。目星はついているのでな』
え?」

『問うぞ、ノートンよ。そなた、もう"知っている"であろう?』

「!!」
『我の存じている存在あれに奪われたという段階までは把握していた。問い詰めればあれは不要なものだと放棄したと言う。故に持ち主に戻ったのではないか、と思うてな』
でも、僕はあれが
『怖いか』
「!」
『強いはせん。取り戻せたのであれば我は満足だ』
「ぼ、くは僕に歌が戻ってきたのはあなたのお陰なんだ、ハスター」
……
「あなたに引っ付いてた何かに触れて、それが失くなってた歌だと気づいたのは最近だ。あなたのために歌いたいのはある。けど、やっぱり怖いんだ
『強いはせんと言ったはずだ』
「僕も無理にするつもりはない。ねぇ、どうして聞きたいのかもう一度聞いてもいい?」
『大昔、そなたと似た存在の歌詠みがいてな。その者が歌っていた歌は大変我を高揚させた。今思えばあれが好みというものなのだろう』
……そう」
『奪われる以前のそなたのあの歌は、昔の歌詠みと全く同じ。今のそなたが歌えばまた違った歌が聞ける。そう思っただけだ』
「十分な理由だろう。でも、そうだな僕だって歌いたくない訳じゃない。歌うと火を思い出すんだ
『火か』
「その昔の歌詠み?って人みたいに特殊な仕事でもなくて、それこそイベントで賑やかしに歌を歌うって仕事だったんだ。でもある時の結婚式でそれこそ讃美歌、あれだね。歌ってたら急に火事があって」
………
「犯人も誰か分からないまま、結婚式も有耶無耶、新郎新婦も死んで、それこそ僕だけ生き残った。目が覚めたら焼け野原、おまけに声もしばらく出せなかった。覚えていた曲も一つどころかほとんど忘れてしまっていてやる事なんて取り乱す事ぐらいだったな」
……そうか』
「だからごめんよハスター」
『そなたが謝る事ではない。それにその犯人も予想はできておる』
「え、どうして」

『人の手によるものではないからだ。クトゥグア、我と同じ邪神の可能性がある』






『皆のためを想えないのであれば、我を想え』
ハスター?」
『恐ろしいか、不安か。それが邪魔であれば捨てるがいい。我のために歌え』
……僕の声なんて聞いても」
『有象無象がなんと言おうと我は良いと言っておる』
……。分かった。その代わり約束して」
『この我とか。よかろう。して?』
「僕と契約して、僕を守って。傷一つつかないで」
『ク、ハハハ。あぁ、確と。そなたの願い聞きいれよう』






「僕だって、僕だって!歌いたくない訳じゃない!無理なんだ!」
『理由を』
ッ無いんだ!"歌"も、"詩"も!"唄"も"謳"も"譜"も!!取られた!全部!全部だ!もう分かんないんだよ!いつの間にか無くなって、いつの間にか分かんなくなってもう僕には何もないんだ」
……否』
「ぇ……?」
『そなたのものは有る。未だ有る』
「どうして分かるんだ、そんなの」
『全てではないが我が把握出来るからだ。手を』
?はい」
『一つ取り戻してやろう』
「そんな簡単に!?ぇ、あ!?」
『ふむ。合っていたようだな』
「急に頭の中に?なんで貴方は一体何?」
『ハスター』
「ハスター?」
『左様。我は境界の門番に過ぎぬ存在今はそう捉えよ』
………。よく分からないけど、分かったよ?」
『して』
「!わっ!何、びっくりする!」
『取り戻したものは"歌"だ。間違いはないか?』
「う、うん。ありがとう。あの、聞くだけなら降ろしてほし、」
『対価を』
「!!あ……
『対価を、と。よもや無償で働いたとはそなたも思うまい?』
「それはそう、だけど。僕、本当に何も返せない
『否。ある』
「え?んむ!」
『我は何を取り戻してやったと思っておる』
「!歌えって?」
………
「え、と、しばらく歌ってなかったから、練習」
『今この時だ』
「う、あの」
『そうだ』
「〜〜〜!!分かった、分かったよ!下手でも知らないからね!」



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