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エレンの好きな所5つ

全体公開 6 119
2022-02-04 12:09:14

19歳の中にも15歳の時と同じエレンがいること。地ならしとトロッコ問題。

Posted by @sou_note

※注意書き
エレンの解釈はエレン推し同士で話しても割れることが少なくない印象です。キャラ解釈が似通っている仲が良い相手でも時々起こるくらい。
だからなのか、エレン関係のカプでも原作の解釈についてTwitterスペースで語ってるところを、私はあまり見たことがありません。
私が進撃にハマったのは原作完結後なので、リアタイでエレン界隈にどんなことが起こって、皆さんがどんな風に傷ついたのかを残念ながら知りません。色々あったらしいことは何となく感じていて、界隈の有識者から「エレンの解釈は荒れる」とも伺っているので、もしかしたら物語終盤のエレンの話をすること自体避けられている風潮があるのかもしれない。

「なぜフェンスが立てられたのか判るまでは、決してフェンスを取り外してはならない」という格言があって、私は基本的にこの言葉に納得して大事にしている方なんですが、でも大好きなキャラクターの大好きな部分のことが、もし話してはいけないタブーになっているとしたら悲しい。心から好きだと言いたい。

そういった思いがあり、「推しが違う者同士の原作の話をして、お互いの推しキャラの解像度を上げたい」とハンジ推しのこーぺんさんにお誘いいただいた際、そのコンセプトに同意してエレンの話をしようと思いました。
できるだけ願望で語らないよう、原作のシーン(事実)に基づいて、Twitterスペースでは何故そのシーンをピックアップしたのかをお話しました。(2022年2月3日)
以下はその時の話数と台詞のメモを元にしたまとめです。

※原作最終話までのネタバレを含みます(これ書き忘れてた!アニメ派の方すみません。←2/5追記)



【エレンの好きな所5つ】

① 弱くて脆いけど降参しない
脆く傷ついてカッコ悪く泣きじゃくりながら何度でも自力で起き上がる


▼重すぎる重圧に耐えきれずに弱音を吐く描写
●65話 レイス家の教会地下
「オレと親父が巨人の力をあるべき場所から盗んだせいで、一体どれだけ人が死んだとても償いきれない」「オレは いらなかったんだ」
重すぎる責任に対して、償いきれない」と泣く。弱い1人の普通の人間である部分も丁寧に描かれている
●恐怖心の描写
シガンシナ決戦前夜の夜間行軍でランプを持つ手が震えてアルミンに心配される
「自由を取り返すためなら力が湧いてくるんだ」って震えが止まる
エレンが一貫して、恐怖心と勇気を両方持ち合わせて戦っていることが分かる

選ばれた特別な人間ではないことを受け入れる描写
●いきなり巨人化の能力に目覚めて、人類の希望と言われて調子に乗ってたことを自覚する

66話 レイス家の教会地下
「お前は選ばれた血統なんだぞ!オレは違う!何も特別じゃない!オレがこのまま生きてたらみんなが困るんだ!!」
「オレは役立たずだったんだ人類の希望なんかじゃなかった」

みっともなく泣いて、でも泣きながら行動する みんなを守りたい
●わざわざ自分をぶん殴る正直さ

 68話ロッドレイスをオルブド区外壁で迎え撃つ
直前の自分のどうしようもないコメント「本当についてないのは人類の皆さんだオレなんかが切り札でよ」
に対して、いきなり自分の顔面を2発も殴り 「どうしようもねえクソガキをブン殴っただけなんだけど死んでたらいいな」



②意外な状況判断力(巨人駆逐に関してにだけ)(それ以外全部ザル)
こんなに状況判断ができるのに、何でそれは気づかない??ていうのが可愛いという話

興味のあること(巨人駆逐)に関してだけ地頭の良さを発揮する
● 4話 「初陣」超大型巨人に向かって「5年ぶりだな」って言った後

超大型巨人に立ち向かって飛びながら「こいつ、固定砲を狙いやがった、開閉扉を狙ったのも偶然じゃなかった、知性がある」
● 12話「ピクシス司令は現状を正しく認識している、敵は巨人だけじゃない」

ピクシスがいきなりアルミンの作戦を採用したことにアルミンは慌てたが、エレンは落ち着いて俯瞰した視点で物を言ってる。意外。

自己分析も割と真剣にやる
● 68話ロッドレイスの巨人を撃つために壁上で準備中。
ヒストリアがエルヴィンに自分も戦闘に参加することを説得するシーン

ヒストリアの姿を見てエレンが1人で考える
「お前のこと弱いヤツだと思っていたけど逆だった弱いのはオレだ」「どこかで自分は特別だと思っていたんだ だから他の兵士がオレのために死ぬことも「仕方がない」って受け入れた 巨人の力だってそうだあれほど憎んだ巨人を自分の体だとすんなり受け入れられたのも その強さは自分のものだと思いたかったからそれこそ弱い奴の発想だ」

→自分自身の弱さや失敗についても分析して、明確な言葉で語る

終盤に向けて色々と1人で判断して行動したのは、状況を分析して整理する力があるから
● 116話ピークに銃口を向けられたエレン

自ら額を銃口に当てて「いやわかる あんたは撃たない 始祖の巨人を殺すことは許可されてない」

未来が見えているから自分は死なないと確信しているわけじゃなく、ピークが撃てない理由を語っている
● 118話先日アニメが放送された「騙し討ち」の回

コニー「何でジークやイェレナに逆らわないんだ」に対してアルミンは「逆らわなくていいからだよ!」と、エレンがその程度の状況判断当然するだろうと信じている。

なのにそれ以外のこと(色恋とか)は信じられないほど鈍感
●同じく鈍感のマルロの、ヒッチに対する発言を責める104期たちに
「何でだよマルロは間違ってないだろ」と気付いてない
●130話ミカサの頭痛の正体を知りたくて、ジークに巨人学会やマーレの情報を聞くシーン

こんなに状況判断と整理ができるのに何で気がつかない??????可愛い。


③苛烈なところ。
幼少期からの本性

最初から持っていた凶暴性
●9歳でミカサを助けた時の「死んじゃえよクソ野郎」
さっきまで「森で迷って」って泣いて涙まで出してたの全部演技で、ナイフを棒にくくりつけた武器まで準備してた。
まだ会ったこともない子を助けたいという善意よりも、「死んで当然の害獣」をブッ殺すことに強烈な目的意識を感じる。「こうなって当然だ!」と叫びながら何度もナイフを振り下ろす。怯えての行動ではないことは、 2人ぶっ殺したあとも全く震えずにミカサに話しかけているところからも窺える。
●戦い方が幼少期から全く変わっていない
巨大樹の森へユミルとエレンが連れて行かれてライナーベルトルトと会話するシーン

調査兵団が追ってきたため急いで出発しようとするライナー「エレン 無駄な抵抗はするなよ」

エレンは急に演技を始める「乱暴なマネはよしてくれよオレはこんな状態なんだぞ?(まだ腕も足も再生しきっていない)抵抗なんかできるわけないだろ?なぁ頼むよ」
からのブン殴り「死ね!死ね!」「殺す!ぶっ殺す!」

→ガキンチョの頃からこうやって演技を挟んで自分より強い悪ガキたちと戦ってきたんだな。でも完全にワンパターン。

命の尊さも最初から理解している
●グリシャに叱られて「有害なケダモノを駆除しただけだ!」と抜き身のナイフみたいな正義感で激しく反発
するも、「お前が命を軽々に投げ打ったことを咎めているんだ」と叱られて急に静かになる
。
親が医者だから日常的に見てきたのか、命の大切さについてよく理解している描写が結構出てくる。命を奪うことに何も感じないのではなく、他者の命を一方的に奪う害獣が許せなくて駆除したい。
●そんなことの後に、帰る家がない女の子にマフラーを巻いて「帰ろう、オレたちの家へ」

 凶暴性と慈愛。両極の二面性。最高。

手足がもげて化け物に食われた腹の中なのに諦めない
● 10話「左腕の行方
」
腕も足もちぎれて巨人の腹の中なのに、「諦めてたまるか駆逐してやる!俺がこの手で!」って左腕を上げる(腕は食われたので無い)壮絶すぎる。完璧に進撃の継承者。そして初めて巨人になる。普通の人間だったらあの状態なら諦めてるから、目的意識がなくて巨人になれなかった。

仲間達に対する強烈な愛情
● 108話トロッコの上で104期の仲間に「巨人の継承者を決めなきゃならない」って自分から言っておいて、みんながそれぞれ自分が継承すると名乗り出たら「誰にも継承させる気はない」と言い出す

「オレはお前らに継承させるつもりはない」
夕日のエレンは可愛さに目が行きがちだけど、このシーンでじっくり描写されたのは仲間たちが継承者になろうとしてエレンがキッパリ断ったところ。
「お前らが大事だからだ 他の誰よりもみんなを愛していることを強調する影で、仲間の誰にも責任を押し付けずに「オレがやる」と決心したのかもしれない。
●関連会話:37話ニック司祭に秘密を打ち明けて欲しくてハンジがエルミハ区の状況を見せるシーン
ニック司祭「私は話せない自分で決めるにはあまりにも大きなことだからだ」「我々にはあまりにも荷が重い壁の秘密を話せる人物の名を教えることならできる」

ハンジ「責任を誰かに押し付けて、自分たちの身や組織を守ってきたってこと?」

→エレンは世界の行く末を自分で決めて、全ての責任を背負おうとした

トロッコの上というシチュエーションは「トロッコ問題」という有名な思考実験に対するオマージュなのかもしれない(きっとリアタイ当時に語り尽くされたことなんだろうなとは思いますが)


【トロッコ問題】犠牲になる命を選べるか?という思考実験
ブレーキが効かなくなったトロッコ(電車)が猛スピードで進んでいて、あなたはその運転士です。
レールの先が二つに分岐していて、このまままっすぐ進むと5人の作業員を轢き殺してしまう。
分岐したもう一方のレールを見ると、1人の作業員がレールの上にいる。
あなたが運転席でレバーを切り替えれば、5人の作業員を助けることができるが、安全だったはずの1人の作業員を轢き殺してしまう。

あなたはレバーを切り替えますか?切り替えませんか?
今すぐ判断しないと間に合わない。

5人を救うために1人を犠牲にすることができるか?という問題で、この質問だと多くの人が「1人を犠牲にする」か、「レバーを操作しない(自分は何も手を下していない)」を選ぶらしいです。

しかしトロッコ問題はここで終わりではなく、「5人を救うために1人を犠牲にする」の多数回答に対して別パターンが提示されるところに本当の意図があります。
レールの上に立っていたのが作業員ではなく園児と老人だったらどうか、健康な人と余命宣告された病気の人では?など、殺す命の種類を変更したパターンと、「あなた」が行う行為がレバーの切り替えではなく、「橋の上から人を1人突き落としてトロッコを止める」など、手段に生理的嫌悪感が加わるパターン。「あなたは医者で、5人の救急患者が運ばれてきた。それぞれ胃や心臓など5つの臓器のドナーがいなければ死んでしまう。隣の部屋に昼寝をしている健康な人間が1人いるが、5人を助けるためにその人を犠牲にして臓器移植するか?」など、無関係な人間を能動的に巻き込むパターンなどがあります。


「地ならし」と「安楽死計画」
「地ならし」はそのすべてのミックスであり、巨人継承の余命設定も「今すぐレバーを引かないと間に合わない」という時限設定で選択肢を限定するために必要だったようにも見えます。

エレンは責任を誰かに渡して自分は楽になる(巨人を同期に継承させる)とか、世界のために仲間たちを犠牲にすることを絶対によしとせず、家族が長生きするために世界の8割を踏み潰す。そして自分の全てを捨てる。という選択肢を「自分の心に自由に」能動的に選んだのだなぁと私は感じました。(※個人の感想です)

ジークの安楽死計画をトロッコ問題に置き換えると、より少ない人数をなるべく残虐ではない方法で犠牲にしようとしているので、エレンの対立意見として選ばれた選択肢としてとても納得ですし、巨人という「神が下した力」に逆らう主人公がそれを受け入れず、自由で愚かな生き方を示す構図も作中ずっと一貫していて、残酷で美しいと感じます。(※物語の構造についての見解で、虐殺という結果に対する肯定ではありません)



④人の尊厳を尊重するところ(無自覚タラシ成分)
同期にモテモテ

表現がストレートで恥ずかしい
● 16話 訓練兵団にて。立体機動の姿勢制御ができなかった時、困ったエレンが山奥組に相談したシーン

ベルトルト「僕には自分の意志がない。羨ましいよ自分の命より大事なものがあって

 エレン「自分の命を大事にすることだって立派なことだろ?」

自分の主張がとてつもなく強いはずなのに、自分とは違う他人を認める言葉がストレート

姿勢制御はジャンにもバカにされながらも頭下げて教えてくれって頼んでる。
かなり我が強いのにプライドが邪魔しない。
● 54話中央憲兵に追われて替え玉作戦中、エレンとヒストリアだけ2人で待機しているシーン

 「みんながっかりしてたでしょ?」と言うヒストリアに対して

「いいやそんなことねぇよ、他はどうか知らねぇけど。オレは以前のお前が結構苦手だった(中略)けど、今のお前は何かいいよな」

 ストレート!!飾り気がない!駆逐以外ニブさ爆発なので「恥ずかしい」とか「照れる」とかないんだと思う
● 74話シガンシナの穴を硬質化で塞いだ後
巨人から出た際にマントを持って行かれてしまい、ミカサがマントをかけてくれた事に対して相手の目を見て「ありがとう」

ミカサほど近しい人間に対しても「悪ぃ」とか「さんきゅ」とか軽く言うんじゃなくて目を見て「ありがとう」
はずかしい!!!!!!

周囲の反応
おそらく同期に対してはこれらの積み重ねがあって好かれていったと思われる。
● 59話ジャンがマルロを試したとき

マルロ「逆になぜあんたは俺をそこまで信用したんだ?」

ジャン「お前、俺の嫌いな奴と似てたからなあのバカに」

マルロ「そのバカって、アニが言ってたやつと同じやつか?」(ハッとするジャン)


その他、エレンをいじったジャンに、エレンがまともに感謝の言葉を返した時のジャンが慌てる様子も好き。


⑤覚悟。自由を奪う相手が許せないのに目的のためには死も厭わない(本当は生きたい)
死にたがりなわけでもないのに命まで捨てる覚悟

自分の命を投げ出す覚悟
● 67話ロッドレイスが巨人化してオルブド区へ向かうシーン

「オレをあの巨人に食わせれば、ロッドレイスは人間に戻ります。完全な始祖の巨人に戻すことはまだ可能なんです」
リヴァイ「お前はそうなる覚悟はできていると言いたいんだな」

 兵長まさかの翻訳
●ヒストリアからループタイを授与されるシーンのエレン

「何かを変えることができるなら、自分の命ぐらいいくらでも捧げてやるのにオレにはヒストリアを犠牲にする覚悟がない」
愛する仲間たちを犠牲にすることは絶対にできない

 →サシャが必ず死ぬとは確信していなかった/または可能性として知っていたが必ず起こる未来だと分かって絶望したのかな?

命だけじゃなく全てを捨てる覚悟
● 49話エレンを奪って故郷を目指すライナーとベルトルト

エルヴィンが片腕を失い、ミカサも巨人に鷲掴みにされて兵団が窮地に追い込まれた時のアルミン
「何を捨てればいい?僕の命と他に何を捨てれば変えられる!?」

→エレンは捨てた、命だけじゃなく大切な全てを捨てた
○ 身の安全(自分1人で世界を敵に回す)
○ 愛する仲間達からの信頼(自分の手でわざと突き放した)
○ 未来(仲間達に、アルミンやミカサに自分を殺させる)

実行する覚悟
● 130話「人類の夜明け」エレンが黙って1人でしてきたことが初めて読者に明かされる回
怪我すると普通に痛いのに自分で足を切って目を潰した

● 134話アルミンが「君のどこが自由なのか」って、運命と狭い選択肢に縛られたエレンのことを揶揄している。最終形態が操り人形のような見た目であったことも象徴的に見える。
でもエレンは自分のやりたいことをやった。最後はどんなに追い込まれても自分がやりたいことに対して自由だった。そして1話からのエレンの願い通り、巨人は1匹残らず駆逐され、「オレが死んだ後もずっとあいつらの人生は続くずっと幸せに生きていけるように」という言葉通り、仲間たちが長生きできるくらい世界勢力を衰退させるまで世界を平らにしてしまった。これは操られた結果ではなく紛れもないエレンの意志だと思う。
エレンが求めた自由っていうのは「自分の心に正直であること」だったのかもしれない。これはエレンの「私情」であり、能動的な自己犠牲のように思う。


【余談】「私情」
私情については、こーぺんさんが好きなシーンにピックアップして下さった「白夜」についての会話の中でもお話ししました。エレンだけでなく物語内のキャラクター全体が「私情」に向かって動いていったように感じています。
●リヴァイはケニーの最期の言葉(お前はなんだ英雄か?)のあと、無邪気な104期とヒストリア女王にグーパンされてありがとうと笑顔を見せたところからもう「英雄」をやめている
●そして白夜でエレンがアルミンの夢を語り、エルヴィンが死に際に幼少期の夢を見ていた姿を見て、リヴァイも公ではなく「私情」の決断に踏み切れたのかもしれない。

まとめ
愛にもいろんな形があるというのを、進撃という作品の中でさまざまなキャラの関係性を通して見せつけられた。エレンもそう。
許せないことに対する異常な凶暴性を持ち合わせながら、自分の命よりも大切な仲間たちを守るためとはいえ、自分が最も許せないことを自ら行う選択をしたエレン。そして許せないものを自分ごと消し去ってしまった。たった一つ叶わなかった願い「みんなと一緒にいたい」と涙しながら。
エレンの愛には裏表がなくて慈愛と狂気が同時に存在する。愛の純度が高すぎる。

※このまとめは私の「私情」であり、原作の解説ではありません。


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