@Flamin514
今回「銀の河、星の海(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5432643)」を書くにあたって行った過程の覚え書きです。自分があとから読んでもわかるようにを意識して書いてますが、講座とかそういう大したものではないです。
いろんな本や他の方のやり方を参考にしています。
① なにをする話か決める
おおまかになにをする話か決めます。くらりょが温泉旅行に行く話、とかくらりょがオムライスで仲直りをする話、とか。
今まではこういう工程をぜんぶEvernoteでやっていたのですが、手書きのほうが頭が働くという話をよく聞くので1冊百均で罫線のないA5無地ノートを買ってみました。
今回「Honey Moon(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5383711)」はくらりょが温泉旅行に行く話だったのですがほとんどそこしか決めてなかったので原稿作業がかなり難航しました。
というわけで「銀の河、星の海」は倉持が同棲したいっていうけど亮さんが断る話、それをめぐってケンカする話、高校時代(付き合い始めたころと卒業式あたり)をふり返る話、お互いのご両親にあいさつに行く話…みたいな感じで複数の主題を決めました。
てかもともと去年くらいからこういう話書こうっておもってたのでそれを改めて書き起こします。
(①’ 表紙とタイトルを決める)
普段はだいたいこういう話にしようと決めたあたりで表紙を作ってタイトルも決めます。今後の原稿に取り掛かるためのモチベーションアップのためです。表紙はとにかくかわいく作るのが信条。
市販の素材集やpixivのフリー素材にお世話になってます。本当にありがとうございます。
「Honey Moon」は温泉旅行→新婚旅行!月!ゆかりんの曲!とにかくかわいい表紙!!みたいな勢い
「銀の河、星の海」はくらりょと星空の組み合わせが好きなのでなんかこうしっとりしてて星がまたたく空の下でくらりょにキスしてほしい…みたいなイメージで星空となんかそれっぽいタイトル。そういえば前回紺色がうまく印刷されなかったのでそのリベンジもこめてた。
あと今回は2冊で月と星の本になりました。偶然です。くらりょプチに合わせるからってことで装丁もA5正方形タイトル箔押しとグリッター加工。うかれポンチです。
② 山場を決める

↑これは本に載ってたの図なのですが、ハリウッド映画の三幕構成と同じで物語の最初に気を引く事件が起き、そこから展開や葛藤があって山場で物語がいちばん盛り上がり、収束する。という流れ。
bの地点が山場。ノートにこの図を書いて、山場に持ってきたいエピソードをb地点にある▽に書きます。仲直りするとか、はじめて手をつなぐ、とかなんとか。
話にメリハリをつけるためには、その直前にある▲あたりでそれとは逆の出来事をもってくるとよいらしいです。さっきの例だともう仲直りできないかもしれない…ポケットに手を突っ込んでるから手をつなげない…とか。
正直ここまで明確に意識したのはつい最近です。むしろ書き終わってからあっこういう話が書きたかったのかって気づくことのほうが多かったので。
というか今回は山場シーンを書きたいがためのお話だったので、今後そこまで明確に山場が決まるかどうかは謎。未来の自分がんばって。
③ 全体の流れを決める
先ほどもちらっとふれましたがまずaまでがセットアップ、最初の事件が起きるところ。起承転結の起ですね。
だいたいこんな始まりっていうイメージ。
で、aからbまでをつなぐエピソード。まずそれを▲に結び▽へ到達できるように。承部分ですね。
なんでaの出来事が起こったのか?とか、どうしたらaの出来事が解決できるか?とかなんとかをいろんなエピソードでつなげる感じ。
▲▽のあたりが転になりますかね。場合によっては▽が結になることもあるかも?
このあたりは山場で決めてるので、あとはどう収束させるかですね。
ここまでうだうだ書きましたがこの時点ではほんとうにぼんやりです。ぼんやりだいたいこんな感じって適当に決めてます。ので書き込みも??が多いですこのへんでこのシーン?っていう。
わたしの場合は絶対にあとでどこかのシーンが決定的に変わります。こうして書いてもまったくそのとおりの内容になったことないです。なのでこういうの決めないほうがいいんじゃないか?っておもったりもしたんですが、行き当たりばったりすぎて毎度死にたくなるのでメモしてます。
でもこういうこと決めることによって一万文字の壁は越えられるようになりました。やったねブイブイ
④ 書きたいことのネタ出し
ここはノートに直接ではなく黄色と水色2色のふせんを使いました。名刺サイズ小くらいの。
黄色のふせんにあれこれ書いてはノートにぺたぺた貼ります。
内容は本当にさまざまです。ふり返ってカテゴライズしてみると
背景→時間軸、季節、場所、前に書いた話から見てどのあたりの話なのか、新しい世界線ならどういう点が今までと異なるか、など。
エピソード→③で決めた流れにそって、このあたりにこんなシーンほしいっていうメモ、ここがこうなるからこのシーンはこの後、なぜそうなるか?などの細かい流れ。
セリフ→思いついたセリフ、こういうやりとりしてほしい、こういうモノローグいれたい、など。
萌えポイント→こういうくらりょ、亮さん、倉持が萌える!!!っていう情熱。
不確定事項→このシーンはいらないかも?ここはこうしたほうがいいかも?これはこうなる予定だけど、そしたらここはどうする?みたいなメモ。
の5項目くらいにざっくり分けられたかな。不確定事項はあとで確定事項の書き込みが増えました。ぜんぶでだいたい100枚くらい?中には「くらりょは○○だから萌えるなぁ~( ;∀;)」みたいないらんふせんもあります。
とにかく書きたいことをびゃーっと書きます。この作業がなかなか頭が働いて楽しかったです。キャラの行動の裏付けとかもこのとき考えておくとのちのち楽でした。あとはついったーで過去にぽろぽろ落としたネタを拾って使えそうならそれも書きます。
水色のふせんは「ここは外したくない!」「ここ大事!」みたいなシーンやセリフや行動理由を書いてぺたぺた。(忘れるから)いってもこの時点では水色は2枚あるかどうかでした。最終的にも4枚。
今回は時間がなかったので表紙作業以外はここまで1日。
⑤ 流れの明確化とふせんの並べ替え
ふせんを書くことでだいたいの流れが頭のなかではっきりしてきます。というかはっきりさせるように考えながら書きました。
ちなみに①で書いてる「お互いのご両親にあいさつに行く話」という主題ですが流れ的に収集がつかなくなったので、小湊家のお宅訪問は没にしました。でも亮さんのお母さんにいわせたいセリフがあったのでとりあえず亮さんだけ実家に戻るシーンを追加することに。
そのあたりはまぜこぜ取捨選択をくり返します。ふせんもいっぱい書きましたが没になったのも結構あります。
で、なんとなーくお話の全容が自分で見えてきたので大まかなプロットを立てるために前半部分と後半部分を1Pに書き出します。
例:愛は愛より出でて愛より愛し(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3882488)
前半:同棲してしばらくたっているくらりょがケンカをする。原因は非常に些細なことだったが今回はめずらしく長引いてしまった。はやく仲直りしたい倉持。
後半:倉持が帰宅すると亮さんが料理をしていた。今までになかった展開に驚く倉持。亮さんは倉持の好きなオムライスを作って、謝ろうとしていたのだった。しあわせの味がするオムライス。無事仲直りできた。
みたいな感じ。このあたりまではまだ大雑把。③でぼんやり決めた流れに沿って、ふせんで書いたことを意識しつつ分けます。
次にこの前半後半をさらに分割して大まかな起承転結にします。1Pに起承転結4分割して収まる程度の文字数で。1項目につき4行程度。
上記の前半後半はweb用に書いた話でそこまで細かく分けられないのでここの例はなし。
ここまできたら、書くだけ書いてぺたぺたしてたふせんを剥がして起承転結順に貼り直してきます。ふせんを使うのはこのためです。また並べ替え中に新しく思いついたことも追加していきます。並べ替え中にあぶれたこれどこに入れよう?っていう萌えポイントやモノローグはとりあえずそれっぽいところに。細かいところは(゚ε゚)キニシナイ!!
⑥ 起承転結のプロットを立てる
あらすじです。起承転結それぞれ1Pずつで書きましたが実際はもう起承転結もへったくれもなくなってきてたので数字で分けました。最終的に本文は5章構成になりましたがとりあえず1P1章で1a、1bといった具合に前半後半に分けたあらすじ。セリフとか、使いたい表現の一部も書きます。ここも例はなし。
ここまでがノートでの作業。一応プロットとして意識したけど実際は骨組みのような、設計図みたいな感じ。
⑤と⑥も1日で終わらせたけどしんどかったのでできればここまでの工程に3日くらいほしい。
⑦ 下書き作業
これまでの原稿といちばん違ったのがこの下書き作業。普段はあらすじまで決めたらWordに直書きでしたが下書きという概念を知ったのでためしてみることに。
冒頭のほうはいつものように直書きしてました。けどあらすじまでしっかり決めたせいでなんだか叙述的な気がしたのと、そのときすごく眠くてでもここになにを書くかだけは決めておきたい…!ってなったときに下書きを採用しました。
セリフはほぼ清書、その他はノートとにらめっこしながら流れをメモしたり。クライマックスとか、大事な部分はほとんど清書でした。原稿はほとんど三人称で書きますが下書きなのでそのあたりは気にせずとにかく書くことを優先。下書き、とはいえ漫画でいうネームみたいな感じ?
3日くらいでとりあえず下書きだけ書ききる。頭スカスカになったので二度と3日でしないと誓う。
最後にサンプルにしてる部分を下書き、清書、最終稿でまとめてます。あと印刷してフッターヘッダーの感じとかも確認しておきます。
⑧ 清書作業
というわけで下書きで書いた部分を清書していきます。
下書きをしてよかったところ→終りが見える。これに尽きます。原稿の進捗管理は文字数ページ数を記録するしかできなくて、いつ終わるのかむしろ終わるのかという不安と戦いながらだったのでここは精神衛生上とてもよかったです。
セリフやページ数、文字数の調整をしつつひたすら清書。今回は本文だけで40P目指してましたが到達できませんでした。章ごとのエピソードを増やせばもうちょっといけたかな。
これも作業時間だいたい3日くらい。本当はもうちょっと時間をかけるつもりだったのですが急遽早割に〆切を切り替えたのでフルマラソン全力疾走気分です。もう二度とこんなスケジュールで原稿しない。
これは2セット印刷する。片方はそのまま読み返して全体の流れ把握と誤字脱字チェック、もう片方は推敲に使う。
⑨ 推敲作業
こっからまた紙に戻ります。印刷した清書原稿にひたすら赤ペン先生。印象としては、やっぱり冒頭のいきなり書いた場所は修正が多かったです。

こんな感じ。
清書してる時点である程度推敲してる感じなので、あとは矛盾がないかとか同じ表現を使ってないかとかそのあたりも合わせてチェック。特に自分は「本当に」と「その・それ・そう」等の「そ」から始まる言葉を多用してしまう自覚ができたので気になるところは入念にチェック。修正が多くて書きづらいところや1文まるまる書き換えたい場合はまたふせんを貼ってふせんに書きなおしたりしました。これも終わりが見えるので下書きフルマラソンしてたときよりだいぶ楽。
⑩ 最終工程
赤ペン先生した原稿を見ながらまた修正。ページ数や一行、一段に収まるかどうかを意識します。
これはわたしが気持ち悪いからやるんですけど、だいたい段ごとにおさまりがよいように意識して改行してます。上段・下段やページを文が極力またがないように。またいでしまうとしてもなるべく単語を分断しないように。
そんな感じで修正してましたがラストの大事なシーンがどうしてもしっくりこなくて、がらりと書きなおしたりもしました。
あとは自分が納得できるところまで書きなおしたり誤字脱字を確認して、終了。お疲れ様でした。
作業期間:6/4~6/15(表紙除く)
下書きから最終稿までの変遷まとめ
下書き:
「亮さんの時間を今から二十四時間だけ、俺にください」
お願いします、と頭を下げられた。
ああ、いやだ。なにがいやだって、倉持のお願いしますに心底弱い自分がいやだ。
「こんなことするの、最後にしますから。お願いします」
最後にする。そうか最後にするのか。
それなら最後に、倉持のわがままをきいてやるくらいバチは当たらないはずだ。
これで、最後だ。
うながされるままに助手席に乗り込んだ。
「どうしたんだよこの車」
素朴な疑問。
「買ったっていえたらカッコよかったかもしれねえけど、今回は借りました」
「誰に」
なぜかそこで倉持はいい渋った
「御幸」
「ああ」
あまりにも苦々しくいうものだからちょっと笑う。
清書:
「亮さんの時間を今から二十四時間、俺にください」
お願いします、と頭を下げられた。
正直、どんな文句や恨み言をいわれるのかと身構えていたので、想定外のお願いに面食らった。
もともと、倉持は他人に恨み言をいいにくるようなやつではないのはわかっている。だがそんな懸念を抱いてしまうほど、このたびの亮介のやり方は正しくないという自覚があった。正しくない方法で、突き放すことしかできなかった。
「こんなことするの、これっきりで最後にしますから。お願いします」
倉持に今まで『お願いします』と頼まれて、亮介が断りきれたことは多くない。倉持は幸いなことに気づいていないようだが。できることならいつまでも気づかれたくない。
最後にする、というつもりなのは亮介だけではないようだ。自分に何度も言い聞かせる。最後、これで最後になる。
きっと、倉持のいう二十四時間後には自分たちは恋人同士としての関係を終わらせることになる。
ならば、最後くらい。倉持の『お願いします』にほだされてしまおう。
亮介が承諾すると、倉持はより一層気を引き締めるような顔をした。
「どうしたんだよこの車」
促されるままに助手席へ乗り込み、素朴な疑問を投げかける。まだぴかぴかで高級感のある内装インテリア。やはりどう見ても新車だ。一介の学生に手の出せるレベルではないだろう。
「買ったっていえたらカッコよかったかもしれねえけど、今回は借りました」
「誰に」
むしろ買ったといわれたほうが不審だ。本当の持ち主を問うと倉持はいい渋った末に「御幸」とだけ短く答えた。あまりに苦々しく答えるのですこし笑う。
「ああ、なるほど」
最終稿:
「亮さんの時間を今から二十四時間、俺にください」
お願いします、と頭を下げられた。
正直、どんな恨みつらみをいわれるかと身構えていたので、倉持の想定外のお願いに亮介は面食らった。
もともと、倉持は他人に恨み言をいいにくるようなやつではないのはわかっている。だがそんな懸念を抱いてしまうほど、このたびの亮介のやり方は決して正しくないという自覚があった。正しくない方法で、突き放すことしかできなかった。
「こんなことするの、これっきりで最後にしますから。お願いします」
倉持に今まで『お願いします』と頼まれて、亮介が断りきれたことは多くない。倉持は幸いなことに気づいていないようだが。できることならいつまでも気づかれたくない。
最後にする、というつもりなのは亮介だけではないようだ。自分に何度も言い聞かせる。最後、これで最後になる。
きっと倉持のいう二十四時間後には、この四年ほどで築いてきた恋人という関係を終わらせることになる。
ならば、最後くらい。倉持の『お願いします』にほだされてしまっても罰はあたらないはずだ。
亮介が承諾すると、倉持はより一層気を引き締めるような顔をした。
「どうしたんだよこの車」
促されるままに助手席へ乗り込み、素朴な疑問を投げかける。まだぴかぴかで高級感のある内装インテリア。やはりどう見ても新車だ。一介の学生に手の出せるレベルではないだろう。
「買ったっていえたらカッコよかったかもしれねえけど、今回は借りました」
「誰に」
むしろ買ったといわれたほうが不審だ。本当の持ち主を問うと倉持は言い渋った末に「御幸」とだけ短く答えた。あまりに苦々しく答えるのですこし笑う。
「ああ、なるほど」
お粗末さまでした。