元気なハス探いつもの。
@hirop573
【待ちわびる】
「……うっぷ…」
「おや、具合悪そうだねノートン。大丈夫かい」
『イライか。今朝からこの調子でな。試合もままならん』
「………」
「そうですか。……王?彼をじっと見てどうしたんですか」
『……いや』
「?」
『いつ吐くのかと』
「……!!!!」
「あー…はは。意地悪も程々にですよ」
【カスタマイズ】
「ねぇ。散々した後に僕が寝てる間、あなたはどうしてるの」
『何も。…あぁ、強いて言えばそなたの磁石を見ているか』
「磁石?」
『うむ。特に変わった事はないがな。では逆に問う』
「?」
『最近悪夢を見るか』
「悪夢?…そう言えば見ないな。それがどうかした?」
『ならば良い』
「また自己完結してる。言ってよ」
『呪いを少し』
「まじない?」
『磁石にな』
「へぇ。………え?」
『害は無い。我の加護よ。有り難く思う事だ』
「いや…え?なん……何勝手に…」
『悪夢は見なくなったのだろう』
「そう、だけど」
『問題あるまい』
「…………。人体改造される人ってこんな気持ちなのかな…」
【黄衣の王は俳優がお好き】
『時にノートンよ』
「…あなたから名前を呼ばれる時は碌な事がないんだけど…何」
『この衣を召すがよい』
「ロナード?なんで」
『後は囀るが良い』
「質問してるんだけど」
『ノートン』
「…う…な、に」
『報酬だ。これぐらいならばよかろう?』
「!」
『どうだ。その気になったか』
「……あなたがそこまで見たい理由が分からない」『我の好みであるからだが』
「…………えっ。好きなんだ、あれ」
『左様』
「………。分かった、分かった。報酬もいらない。いいよ、やるよ」
『次の試合は雨でも降るのではないか』
「失礼だな!着てあげないけど!?」
『そう機嫌を損ねるな。空腹か?』
「あなたのお陰でそうかもね!」
【猛獣居館】
「……」
『どうした。水槽など見飽きているだろうに』
「そうだけど、あの泳いでる魚とか名前知らないなと思って。あれは何」
『サメだ。己より大きい獲物でも喰らい尽くすぞ』
「へぇ。…あれは?」
『クラゲだ。中には猛毒を持った存在もおる』
「……気のせいかな、危険な生物ばかりじゃない?」
『さて。この者達はどうだったか…』
「しらばっくれるって事はそうだな?」
【シモ事情】
「変な事聞くんだけど」
『なんだ』
「セックスの事とかどこで学んできたの」
『………』
「余りにも的確というか戸惑いがないか…ら……」
『そなた、自分が何を言っているか分かっておるのか?』
「今気づいたからいい、もういい。忘れて」
『この面白い状況、忘れる訳がなかろう。愚か者のする事だな』
「ひ、…!やめて!僕が悪かったから!」
『なぜ謝る。誰にも非はない。ただそなたが墓穴を掘っただけだ』
「う、ううう」
『さて、致しながらでも話してやるとしよう。良いな、ノートンよ』
「嫌って言っても聞かないだろ!!!!」
【聡い子】
「あなたって神様だけど邪神なんだよね。何するの?」
『そうさな…。元々我は無から信仰されて生まれた存在故、人間に恩を返すということはない。寧ろ逆だ。ある者を呪え、殺せ、とな。それを良しとした信仰者がこぞって我に集る』
「へぇ」
『興味があると?』
「ないと言えば嘘になるけど、して欲しいとは思わないかな。それにもし出来てたとしたら、ここにいる皆が生きてる訳ないもんね?」
『ほう、聡くなったものだ』
【限度がある】
※別邪神風の描写有
「"人間皆平等に"なんてスローガンとか馬鹿げてるな。女子供や男女差別もナシにしろって話にならない?」
『人間社会の事は我にとって永遠に未知故、そのように疑問を提示するのは良いぞ。そなたにとってもそうだが、我にとってもな』
「あなたに何の得があるんですか」
『ふむ…』
「?」
『どうしたんですかオニイサン』
「っ!?」
『?大丈夫ですか?』
「………心臓に悪い事しないでもらえません?」
『心臓?お兄さん具合が悪いんですか?』
「あの、悪戯も大概に」
『悪戯?おや、誰かにいじめられていると』
「ち、が…え?あの…ハスター?」
『はすたー?誰ですか、そんな輩』
「!!?あ、誰だ、お前…!」
(違う、ハスターじゃない!誰だ、誰だ誰だ誰)
『前々からa、が、あ』
「っ!?………」
『無事か』
「は、スター…」
『別の依代を使った瞬間を突かれたな。大事ないか』
「だい、じょうぶ」
『……その様子は無事ではなかろうて』
「…………」
『ノートン』
「大丈夫、大丈夫……ひ、はは…」
『あぁそうだ。大事ない。大丈夫、だ』
「………」
…………
「で、最近は悪戯を控えている、と」
「彼が不安定なのもあるけどね。…しかし不思議なものだな」
「何がです」
「ノートンとハスター様の付き合いだよ。あの方が興味を持つまでは分かるのだけど、そこからがね」
「あぁ。そうですねぇ…随分と人間らしくなりましたから」
…………
「やあノートン。あれから調子はどうだい」
「…何の事かな。僕は普通だけれど」
「そうか。それなら何より」
「………。ハスターは」
「うん?」
「ハスターが、どうして僕に構うのか聞いた事ある?」
「いいや。あの方は基本的に雑談をしないからね」
「そう…」
「ノートン…」
「あのひとはハンターだ。慈悲なんて見せずに、腹の中を暴くなりなんなりしてもいいはずなんだ。それなのに…それなのにこれはなんなんだ…」
「……」
「僕も僕だ。構うなって言いたいのに言えない。甘えてしまっている。…何のためにこの荘園に来たのか分からなくなる…」
「その悩みは当人に打ち明けるべきではないかな、探鉱者殿」
「……言わないよ。だって、こんな事益々人間らしくさせてしまうだろ」
「そうだろうね」
「だからいい。墓場まで持って行くさ。…次の試合があるから行くよ。聞いてくれてありがとう」
「あ、うん」
…………
「…と言ってましたがどうなんですか」
『愛い奴であろ』
「………はぁ…」
【笑うひと】
『……フ、そうか』
「!……」
『む。どうした、呆けた顔をしおって』
「…いや、なんでもない」
…………
「て言う事があってさ」
「はぁ。邪神サマなんだから笑う事ぐらいあるんじゃないのか」
「そうじゃなくて。人間みたいに笑うんだ。思い出し笑いとかそういう類いの」
「………」
「おや、何か言いたそうだねイソップ」
「えっ。あ、いえ…」
「いいよ、言ってくれて。第三者だからこそ分かる時もあるから」
「えと…その、黄衣の王がその様に笑う時はキャンベルさん、貴方がいる時だけだと思います」
「僕…?」
「はい」
「そもそも私達がいる時は笑いさえしないからね、あの方は」
「………」
「ノートン?」
「そんな訳ないだろ。あのひと、僕がヘマした時爆笑してるのかってぐらい笑うんだけど」
「え…」
「本当かい!?」
(逆に見てみたい)
「なん…いや、ぇえ…?」
「あちち…!」
「お、聞き慣れない声すると思ったらお前か」
「あれ、ナワーブ。今試合中じゃなかった?」
「出たいって言った奴がいるもんで代わったんだよ。で、また珍しく何してんだ」
「料理の練習してるんだよ。あの一件から時々催促されるようになっちゃってさ…」
「邪神サマか」
「そう。最初はクッキー焦がしちゃったけど見てよこれ。ましじゃないかい?」
「お。すごいな。大違いだぞ。やるじゃんか」
「ふふん。でも思ったより熱くなっちゃって火傷しちゃった」
「……それ、口に出してもいいのか?」
「!!あっ…」
『……ほう?』
「う、わぁぁあ!ごめんなさいごめんなさい!違うんだ火傷じゃなくてこれは…そう!ぶつけて!」
「無理がある」
『………』
「ううう……」
「邪神サマ絡むと途端にポンコツになるよなお前……」