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越知月光は見ているだけではなくなった6

全体公開 9 899文字
2022-03-17 21:39:46

続編

Posted by @uk_plus_



 「今度の休み、行きたいところあるんだ、っと

自室のベッドで寝転がりながら、カツカツと私はスマホにメッセージを打ち込む。時刻は夜の八時。そろそろ越知くんが忙しくなくなる時間を見計らって自分から“デートのお誘い”をしてみた。

 理由はとても簡単で、近頃越知くんが私の為に時間を作ってくれることが嬉しかったからだ。ならば私自身も頑張って彼を誘ってみても良いのではないか、そんな思いからだった。どうしたら彼が喜んでくれるだろうか、たくさん考えて“二人の共通する場所”に誘ってみようという作戦にした。

 メッセージを打ち込んでみてしばらく、画面を睨んでいたがすぐに既読は付かなかった。それは仕方ないことだ。なんたって氷帝学園高等部男子テニス部部長は多忙すぎる。

「返事は明日でも大丈夫、そ、大丈夫」

私は言い聞かせるように独り言ちて、部屋を出てお風呂に向かった。すぐに既読にならない寂しさを紛らわせるように。

――――――――――――――――――――――――――


 部活が終わり帰路に着いた越知は、自室に荷物を置きに行った時にスマホにメッセージが来ていたことに気付いた。そしてその内容を目にして越知は動きを止めた。

『今度の休み行きたい所あるんだ。一緒に行かない?』

この一文を理解するのに越知は時間を要した。今己は何を問われているのだろうか。これは一体どういうことだろうかとしばらく考え込み、ようやくわかった時には心拍が飛び跳ねた。

デートに、誘ってくれている

全てを理解した時、越知の爪先から頭のてっぺんまで衝撃が走った。

「でっ……!」

そして思わず出た声と同時そばの本棚に頭を強か打った越知はその場に座り込んでしまう。

とにかく返事を

そうしてようやく打てた返信は『そうしよう』一言だけだった。



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