会話文のみカウントダウン話。
@hirop573
▼あと6日
「皆忙しそうだな。近々何かあったっけ?」
『はて…この荘園内の事は把握しているつもりだが…』
「誰かに聞いたら分かるかな。ねぇ、」
『手を止めてまで聞く必要はなかろう』
「?そう?じゃあいいか」
『援助を求めるならば自然と声もかかる』
「うん」
(ナイス!)
(ナイスです王!)
▼あと5日
「ノートン、試合行こうぜ。昼間入ってたろ」
「うん」
「ノートン、試合の後頼みたい事があるのだけどいいかな?」
「?うん、後で行くよ」
「ノートン」
「はいはい」
…………
「ここ毎日誰かに誘われてる気がする。…さては何か隠してるな?あなたもグル?」
『心外だな。疑心暗鬼になるのは毒ぞ』
「……追求して空気悪くするのも御免だからね。黙っておくよ」
『そうするといい』
(なんだろう。どこかで分かるといいけど)
▼あと4日
『ここにいたのか。探してしまったぞ』
「あなたなら分かるだろうに」
『この居館は我でも感知出来ぬ場所だ。荘園にいないのならばここしかあるまいと消去法に頼るしかなかったのだぞ』
「ふうん。…荘園にいるとつい探るようになっちゃってさ。ここなら落ち着けると思って引き篭もってる」
『そうか』
「ねぇ。何か面白い話してよ。本読んでてもいいんだけど、文字を見るの飽きちゃった」
『ならば星の話をしてやろう。そうさな、一つの星が爆発した話を…』
「え…僕それ聞いていい話…?」
▼あと3日
『そなたは鉱山で働いていたと聞く。空を見上げた事は?』
「夜空はたくさん見たよ。早朝だし夜明けはかろうじて見たかもしれないけど覚えてないや。だからこの荘園に来るまでの道中とか今もそうだけど、青空ってこんなのだったっけって思った」
『して、感想は如何程だ』
「暗いのは苦手だけど、こんな何もない空より星が見える夜がいいかな」
▼あと2日
「空を飛べたら世界はどんな風に映るんだろう」
『急にどうした』
「いや、地上から空を見る事はあっても、逆はないなと思って」
『我に人間の感覚は表せられん。物理的に言えば人すら見えず、木々や海が見えるぐらいだ』
「はは。人は見えない、か。……次は鳥になれたらいいな」
『………』
「?ハスター、黙ってどうしたの」
『いつかは飛んでやろう』
「?」
『空を、宇宙を見せてやろう。そんな些細な事は考えられぬぐらいに』
「なに急に。でも悪くないな。そうだな、僕が死んだら灰は宇宙に流してよ。生前の僕がどうでもいいと思えるぐらいの場所で」
『……言うようになったものだ』
▼あと1日
「………。あぁ、そうか。明日か」
『気付いてしまったか』
「まぁ。皆あれだけ慌しくして、おまけに余所余所しくなったら察するに余りあるだろ」
『知らぬふりをしてやれ。騙されてやるのも一興よ』
「あはは。いいね。頑張って演技してみるよ」
▼
『今日は生誕した日か。めでたい事よな、ノートン・キャンベル』
「………」
『なんだ』
「あなたから…祝われるとは思わなくて」
『この我からの祝詞だというに。素直に捉える事を覚えるといい』
「普段あなたから言われ慣れてないからだから。僕のせいじゃないから!」
『あぁ、よい、よい。それで構わぬ。今は甘んじて受けよ』
「!ちょ、っと……!何!?」
『そなたが生まれた事、喜ばしく思うぞ。おめでとう、ノートン』
「!!う、ぁ…あぁ……」
『泣くでない。宴はまだこれからであるぞ』