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クトゥルフ神話TRPG【おとぎのおはなし】2021/03/14感想

全体公開 感想 22986文字
2022-03-24 22:29:52

KPあつむ氏 PL自分 のセッション感想です。

Posted by @35kayaku

CoC く様作【おとぎのおはなし】感想

これより下記はシナリオのネタバレとなります。避けたい方はご遠慮下さい。


まずはシナリオ製作者、KPのあつむ氏、ありがとうございました!




















































































【ざっくりとした感想】
クトゥルフなんだけど、本当に癒された……和んだ、心のオアシス的な話でしたね。ある意味ではSAN値(リアルも含めて)回復シナリオでした!
本当に綺麗なものだけを詰め合わせたような箱庭の空間で、不思議で可愛らしい世界で陽だまりのような暖かさに包まれながら話を紡いでいく、そんな可愛らしいファンシーだけに触れていくような、物語みたいでしたね……これは素敵。クトゥルフ神話らしさとはちょっと違うんでしょうけども、好きなお話ですね。閉ざされた理想郷で幸せに包まれる、そんな感じで。


それから小さい頃のKPCが出てくるのが本当に可愛い。
探索者同士ってどうしても成人ないしは、物心をとうに過ぎた年齢なので。彼らの幼い頃がどうだったかなんて機会がなければ想像もしないと思うんですよ。中の人だってそんな感じなのに、実際探索者サイドは幼少期がどうだったかなんて知る由もないわけでして。それがこうやって目の当たりに出来るっていうのは大きいですね。
人の小さい頃って大きく分けて二つパターンがあると思うんです。一つは今の性格のまま。そのまま成長したパターンだから子供時代もさして変わらない。もう一つは今の性格が過ごして来た過程を経て形成された場合、子供の頃とかけ離れているパターン。
相手の探索者がどっちのタイプなのか。いずれにせよ、その性格に至る経緯を考えれば本当に面白いですよね!
その点、相手の探索者の木子くんは……頼れる大人って人だったので。こうして気弱で遠慮がちの優しそうな男の子というのが、庇護欲を誘われる。可愛い。守りたい存在。中の人は終始、抱き締めたい、頭を撫でたい、可愛がりたい、とにかく抱き付きたいって気持ちで一杯でしたよ!!!!


あとは単純に幼くなったKPCが自分を頼ってくれる、甘えてくれる、感情を素直に表出してくれる。それが可愛くて愛しくて仕方なくて、ロールプレイもその気持ちが全面に出てきてしまいますね。
ようするにくっそ声が甘ったるくなった。デロデロに甘い。めっちゃ気に掛けたし、甘やかしたくなってめっちゃ甘やかした。だって可愛いんだもん。仕方ない。
特に自分の場合が、KPCが自分の探索者よりも年上で、頼れる相手という印象が強いからこそ、普段自分を鑑みて甘やかしてくれる彼が、自分を頼ってくれるというところに言いようのない充足感と愛しさが募った気がしました。

これは人の探索者の幼少期が見てみたいし、逆に自分の探索者の幼少期が見てみたい。その場合は、小さくなった自分の探索者に対してどう接するのか、も気になる。
このシナリオ通過しても、人を変えてやりたくなりますね……!!




































【ざっくりした探索者たちの説明】

PCが継続探索者でもあり、冒涜的出来事に巻き込まれまくっている花仲さん。最大の特徴はDEX6です。
KPCが仕事の同僚で相棒でもあり、花仲さんが頼りにしている相手でもある木子くん。PLの自分は「くん」付けで呼んでいますが、木子くん(27)は花仲さん(21)よりも年上(6歳差)です。





【本編:導入】

ぽかぽかと暖かい陽気に、優しく風が流れて、水のせせらぎが聞こえてくる、そんな穏やかで落ち着いた場所にいるようだ。その心地の良さに微睡んでいれば、ふと自分の身体を誰かに揺さぶられている気がする。

おきて、ねぇ、おきて

それでもあまりの心地の良さにずっと寝ていたくて、思わず「もうちょっと寝てたいかなあ」という声が漏れる。別に誰かに向けて言った言葉ではなかったのだが、その言葉に「ええ……どうしよう」と困ったような声を上げる――幼い、声変わりもしていない年頃の男の子の声だ。

「もうちょっとで起きれそうだから……

そういって重たそうに身体を起こしてみると、そこにいたのはどこか見覚えのある幼い男の子であった。更に周りの景色を見渡せば、一面が緑ばかりで植物に囲まれた空間であった。
しっかりと道はレンガで舗装されていて、蔦が絡むアーチに手入れがされている花壇に咲き誇る花々。今居る場所はガラスドームに覆われているらしく、そこから差し込む日差しは柔らかく暖かい。水のせせらぎはどうやらそこにある大きな噴水から流れる水から聞こえていたらしい。植物園と思わしき空間に覚えは、なかった。

「あ……起きた……?」
「ん……起きた、よ?えっと……ここはどこで、君は誰、なのかな?」
「えっと……ここがどこなのかは……僕にも、わかんない……

花仲が起きたことに、傍に居た男の子が声を掛ける。それに返事をして尋ねれば、どうやら彼にもこの場所が、状況がどうなのかは分からないようだ。
ここでKPから<アイデア>の指示。
気付けるかなあ、PLはもしかして、と可能性が頭を過ぎったがPCの花仲さんはどうだろうか。
しかし<アイデア>は1足りず、56で失敗。ギリ気付かないのな!すごく見覚えがあって引っ掛かるのに、もうちょっとなのに、もう少しで出て来そうなのに出てこないという感じなのだろうか。
失敗したものの、目の前にいる男の子がどことなくよく知る人物に似ていると思った、とのこと。

「ごめんね……どこかで見た覚えがある気がするんだけど、思い出せなくて」
「おねえさん……ぼくを知ってるの?」
「どう、なのかな……なんとなく、どこか見たような気がしたから、でも気がしただけで思い出せないんだ」
「そう、なんだ」

すると、男の子が「おねえさんにこれを、わたしなさいって……」と一枚のカードを渡してくれる。
そのカードを受け取って見てみれば「目の前の彼は紛れもなく君の大事な人、本人だよ。ちょっとばかり厄介な呪いをかけられているから、君の力でなんとかしてあげるといい」といった内容が書いてある。
その内容を見て「ん……?んん?えぇっ!?」と驚く花仲。大事な人と言われて、思い浮かべるのは彼しかいない。確かに面影はあるものの、どうしてこうなったの。と思いながら彼にお礼を述べて、それが本当なのか確認をする。

「えっと、それでね、お姉さんの名前は花仲由利って言うんだけども。それで、僕の名前は何て言うのかな?」
「ぼく……ぼくのなまえは……きごみつなり」
「ん、んんっ……そうなんだ」

ここまでで予想はしていたものの、実際そうだったことに思わず動揺が隠せない花仲。なんとかその動揺を抑えて彼に何て呼べばいいのかを尋ねる。

「えっとそれじゃあ……木子くん、でいいのかなあ?」
「う、うん……おねえさんは……?」
「うん?」
「おねえさんは……なんてよべばいい?」
「うんと……君の呼びやすいようにいいよ。」
「じゃあ……ゆりおねえさん?」
「うん、いいよ。じゃあ、由利お姉さんだね。じゃあこれからよろしくね、木子くん」

そういってお互いの挨拶を終える。
ここまで会話をして、ふと先程貰ったカードの裏面が無いかを確認する。継続探索者、こういうメモやカードはしっかりと裏面を見ておくクセが付いている。大事だからね。
案の定、カードの裏にもメッセージが書いてあり「君たちだけの御伽噺の手助けをしてあげよう。ヒントはそこら辺に散りばめておいたから頑張れ(´∀`)b」といった愉快な人柄(?)が滲み出るような文面であった。
思わず、木子くんに「このカードを渡すように言ってきた人ってどんな人?」と聞いたら、綺麗なお兄さんという回答が返ってくる。なおどこに行ったのか分からないようだ。いったいどこのポテトなんだ……


ともあれ、受け取ったカードに「ここから出る手掛かりがここらに色々とあるみたいだよ」と掻い摘んでその内容を木子くんに伝える。そして彼に「良ければだけど、一緒にいてくれないかな?」とお願いする。それに「いいよ」と返事をしてくれる。


では、辺りを見渡して探索出来る場所があるのか確認すると何ヵ所か調べられる探索箇所があるとのこと。

ここまで幼くなった木子くんと会話をしてみて『どうなのかな~人見知りなのか、初対面だからなのか、それとも元々の性格なのか』と自分が普段見慣れている木子くんと性格が結構違って、引っ込み思案な気弱な気質にみえることを話すPL。
いやまあ育ってきた環境や状況によっても性格は変わっていくと思うが、思ってたよりも自信がなさそうな性格だったんだもん。ちなみに、自分が思ってる今の木子くんの性格は「実力相応の自信家。表向きは物腰柔らかい、しかし相当頑固で強か」です。更に言うと「対花仲さん限定で底抜けに甘くて優しい、最優先」だと思ってる。


完全にシナリオ関係ない余談ではあるが。
木子くんの花仲さんに向ける感情の度合いは「B'zの愛のままに(ry」だと思ってる。「僕は君だけを傷つけない」はそりゃそうだと思うけど。「他人の血が流れても一途な思いをふりかざそう」は本当にそうだと思ってる。
君、まじで花仲さん最優先だと思ってるよ。過去のシナリオ、PCの花仲さんは慮って守ったけど、中の人の情緒は守ってくれなかったもんな。木子くん。

というかKPCのショタ木子くんの立ち絵豪華すぎるだろ。ショタが付いてくるって聞いてへんぞ。いったい何を対価として支払ったんだ??

あとあの顔文字なに。(´∀`)bってどういうこと???愉快すぎやしないか、黒幕、真犯人よ。






そして閑話終了。
どうやら調べられる箇所は、ガラスドームの外、花畑、蕾の花壇、白薔薇の花壇、噴水、の全部で五か所のようだ。
地形としては、大きなガラスドームの中にそれらがあるらしく、さながらデカいテラリウムの中に自分達が居るようなイメージらしい。

状況を整理したところで、KPから<目星>の指示が出る。これは成功。
大人しそうな少年の左手の薬指に5つの石が埋め込まれたデザインの指輪がはめられている事に気が付く。見覚えのないそれは、美しくも禍々しく感じる。そしてそれに視線を向けたほんの一瞬、冷水を浴びせられたような寒気が襲い掛かる。
底知れぬ不気味さにSAN値チェック。これには失敗で1喪失、残値は27。


目星ついでに、木子くんの様子に異変がないかをKPに問う。具合が悪そうとか、何かないかと。
すると彼は時折けほっと咳き込んでいるように見えるとのこと。それを見て「大丈夫?辛そうな様子だけど」と花仲が声を掛けると、木子くんは「だいじょうぶ……」と返す。それに「元々気管支が弱いとか……喘息があるとか、そういうのがあったりする?」と具体的な症状や病名を出せば、木子くんは「ぜんそく……?」ときょとんとした様子を見せる。
気管支とか喘息とか言っても伝わらないか、と思って「息がしづらいとか、喉がぜーぜーするとか前からあったかな?」と尋ねれば、たまに薬を飲んでるとのこと。
それを聞いて持参している吸引器ないし内服などがあるかと尋ねれば、それはこの状況でも持っていたようでホッと安堵する。その他に身体の重怠さや不調などは無いかと聞けば無いとのこと。

「もし具合が悪いとかあったらすぐに言ってね。お姉さんとの約束だよ」
「うん、やくそく……
「うん……こういうときって、指きりとかした方がいいのかな?」
「ゆびきり……する? ぼくちゃんとまもれるよ」
「木子くんはえらい子だね。じゃあ、指きりをしようか」

そういうとおずおずと木子くんが小指を出す。それを見て花仲も小指を出して、彼の小指と絡める。

「指きりげんまん、嘘ついたら……デコピン一発かなあ」
「ハリセンボンのます、じゃないの?」
「それは痛いからね、だから嘘ついたらデコピン一発だよ」
「うん、わかった」
「うん、約束」


そしてここで小指を出されたことで必然的に指輪も見えるため、その指輪について最初から付いていたのかと尋ねる。
すると持ってないと答える。「もうちょっと見てもいい?」と聞けば「でもとれないよ?」と返ってくる。

『引っ張ってみますか?』
『いやそんな無理なことはしませんよ』
『wwwwwwww』
『そんなことしないよ、取れないんだって言うなら「そうなんだ」でしょ!』

そのことについて「もし指が痛かったりしたら教えてね」と何か異変があったら知らせるように伝えて、この先どこへ行こうかと相談する。
「どこがいいかな?」と聞いても「わかんない……」とのことだったため、ひとまず一番印象が強かった噴水から行くことを提案して進むことにする。
もしも急な空気の変化等が気管支に障って喘息を引き起こすことでもあれば、そういった体調の変化はすぐに言ってねと木子くんにお願いをしておく。そして自分が歩けば木子くんはその後ろを付いていくように、てとてとと歩き始める。



まあ、初めましてのお姉さんに対してなかなか自分の意見とか気持ちとか言いにくいよなあ。聞かれたとしても言い出しにくかろう。
その辺りは仕方ないよね、本当に嫌だったらきっと言ってくれるだろう、もしくは感情が顔に出てくれるはず……出てくれ。察せるか分かんないけど。しかし本当におどおどした、気弱で臆病で身体も弱い子だったんだなあ……
あと、なんで指きりでハリセンボンじゃなくてデコピン一発にしたかと言うと。なんとなくこの子にハリセンボン飲ますというのも気が引けるし。あと遠慮したり、気を遣って敢えて不調を言わなかったというのも考えられるし。そういった事情があった上で嘘を吐いたことを責めるのもちょっと違うんじゃないかなと。
だったら「嘘を吐いたことを責めてるんじゃないの」「心配だから言ってほしいの」というこちらの心情を表に出すために、現実的なデコピン一発の方が伝わりやすいんじゃないかなとも思って。






【最初は噴水へ】
この空間の中央にあり、なかなかの大きさである。やたら冒涜的で精巧に造られたタコと水瓶から水が噴き出ている。そしてその水は日差しに照らされてきらきらと反射しながら落ちていく。噴出された水を受け止める部分は、底に水晶のような透明な石が敷き詰められており、きらきらと光に照らされて輝いていた。

木子くんは噴水に駆け寄って、覗き込むように水底を見て「わあ……きれいだ」と目を輝かせている。花仲はそれに同意しながら、彼がそのまま噴水へ落ちないように駆け寄って傍に付いて一緒に様子を見る。
そして自分も覗き込むついでに、水の底に何か落ちていないかと詳しく見ようとするとKPから<目星>に+10の補正を付与される。

<目星>に成功した花仲は、噴水の底にカードが沈んでいるのを発見する。それを木子くんに伝えると「わ、ほんとだ」「……とる?」と聞いてきたので、自分が取ってくるからそこで待っていてほしいと伝える。
沈んでいるカードがある場所は水深が浅く、手を伸ばせば届く距離にある。そのまま手を伸ばしてカードを取るとメッセージが書かれていた。彼が人魚姫になっても君が抱き上げて運んであげられるね、と。裏面を確認すれば何もなく、隅々まで見ても何もない。念入りにカードを見ていると、ばしゃんと大きな水飛沫の音が立つ。

「へっ!?」と驚いて音のする方へ駆け寄れば、びっしょりと全身が濡れて噴水の中に座り込んだ木子くんの姿があった。先程カードを拾い上げたように、この噴水は底が浅いため沈むことはない。ぺたんと座り込んだ彼は首をぷるぷると振って水分を飛ばしていた。
そんな木子くんに「大丈夫っ!?落ちた……?」と声を掛ければ「手がすべって……おちた」とのこと。「怪我とかは大丈夫?擦り剥いたりしてない?」と確認すれば「だいじょう、ぶ」と言い掛けて止まる。その表情は驚いて焦ったように花仲を見上げる。「……あし、うごかない……」と呆然とした様子で呟く木子くんの足元を見やれば、濡れた箇所から鱗のようなものが付着していた。

そんな彼を見て、先程のメッセージの内容を思い出す。彼は足が動けない、もし人魚姫になぞらえての事だったら地面に足底が触れた瞬間激痛が走るかもしれない。
そう思った花仲は「ちょっともつね」と言って、噴水に座り込む彼を抱き上げる。木子くんも抱き抱えられた腕にぎゅっと力を込める。そうして抱き抱えた彼を、噴水の縁――は、また落ちる可能性があるため、噴水の下、縁にもたれるようにして座らせようかと考える。するとKPから<目星>の指示、これは成功する。

すると、いつの間にか用意されていたのか。近くにベンチがあり、しかもそこに置かれた編みカゴにはこんもりとバスタオルが盛られていた。「い、いつの間に……!」しかもその場所はちょうど日差しが当たって、ぽかぽかと暖かく、タオルで適度に水分を吸い取れば後は自然と濡れた衣服も乾くことだろう。
いまだ抱き抱えていたままの木子くんを「ごめんね、あっちにベンチがあるから腰掛けようか。そのまま掴まっててね」と声を掛けて、ベンチに腰掛けさせる。改めて木子くんの姿を確認すれば、濡れた足の部分のみに鱗が生えているようだ。
とりあえずタオルで水気を吸い取りたいため「ごめんね、ちょっと拭くよ」と頭の上から順に拭き取っていく。
一番濡れているのは頭、髪だからそこを乾かさないと水分が下にぴちょぴちょ垂れてしまい、下も濡れちゃうだろうなあと。一方の木子くんは柔らかな日差しと、タオルのふかふかな感触が心地良いのか気持ち良さそうにしている。
「痛くない? 寒くない? 水飲んだりとかしてない?」と聞けば大丈夫と返ってくる。「足とかは痛くない?」と聞けば、タオルで水分を拭った箇所から鱗がぽろぽろと剥がれ落ちる。特に痛そうな素振りは見られない。剥がれた鱗を手に取れば、緑がかった貝殻のような形をした鱗のようだ。鱗が剥がれ落ちた部分の肌を見れば、特に異常は見られない。
「ちょっとごめんね」と断りを入れてから、鱗が生えていた箇所に触れて痛みの有無を確認する。すると木子くんから「なあに?」と不思議そうに聞かれる。「鱗が生えてたから、痛くないかなって」と率直に返せば「いたくないよ、あとうごくようにもなった」とのこと。「足着けれる? 痛くない?」と聞けば、足をぱたぱたさせて床に着けるも痛そうな素振りは見えない。


ひとまず異常はなかったみたいでホッとする。突然鱗が生えてきて驚いたものの、怪我とかをしたわけではなかったので良かったと花仲が話す。すると木子くんが「ゆりおねえちゃんも、ぬれてる……」「えっと、えっと……ここ、すわって」と言われたため、花仲がそのまま座る。「屈んだ方が良いかな?」と聞けば「たぶん、ここのれば……とどくとおもうから」とちょっと背伸びをしながら拭いてくれる。
「もうつめたくない?」と聞かれたため「うん、拭いてくれたからね。冷たくないよ、ありがとう」と返せば、木子くんが「よかったあ」と微かに笑い掛けてくれる。「ゆりおねえちゃんもありがとう」とお礼を言う木子くんに「どういたしまして」と返す花仲。




ここまでの立ち絵の差分が豪華すぎる。
濡れた途端に足に鱗が付いたバージョンの差分に切り替わるし、そしてここの微笑んでくれたとこも表情が少しほぐれた差分になってて、豪華すぎるでしょ???ねえ、ゆづち殿。めっちゃ可愛いんだけど、ショタ木子くん。真顔で可愛いという他ない、セッション中言ってましたけど。



今まで聞きそびれていたが今の木子くんは何歳だろうかと尋ねれば「ぼく? 5さい、になった、よ?」とのこと。「そっかあ。いろいろ気を使ったりとか、優しかったり、良い子だね、木子くんは」と花仲が褒めれば「そうかな……? えへへ」と少しはにかむ木子くん。そんな彼に「触られたりとか撫でたりとか嫌じゃないかな?」と聞けば「ゆりおねえちゃん、なら……だいじょうぶ」と言うので「ほんと? じゃあ良い子、よいこ」と頭を撫でると照れくさそうにしている。



いったい今の状態だと年齢差どのくらいあるのかなと思ったら、思った以上に大きかった件について。小学生くらいかなと思ったら、上がってすらいない。


ふとそのとき、木子くんの身体がほのかな光に包まれてパリンという何かが割れる音がする。その音が聞こえた方を見れば、彼が嵌めていた指輪にあった石のうちの一つが砕けていた。割れた石の破片が当たっていないかと尋ねればそれは大丈夫とのこと。こうして一つずつ手掛かりを見つければ解決しするのかもしれないね、と言えば「そうなのかな……」と返ってくる。

ふと先程木子くんが5歳だと言うのを思い出して、花仲が自分が21歳だから「一回り以上離れてるんだあ……」と遠い目をしてしまう。
「ゆりおねえさん」「ん?」「おとな、だね」
その言葉に思わず花仲から「……大人、かなあ」という声が漏れる。確かに今の木子くんから見たら年上だけど、果たして自分は大人になれているのだろうか。そう呟けば、木子くんが「ぼく……なにか、ちがった?」と心配そうに尋ねてきたため、慌てて花仲が「違わないよ。ただ、大人って難しいなあ……って」と言えば、彼は不思議そうにしていた。
大人ってなろうと思ってなれるものじゃないから、難しいから……と言う花仲に「そうなんだ……」と返す木子くん。
ともかく他のところにも行ってみようということで、白い薔薇の花壇へと向かうことに。



5歳の子の前でいう話ではない。
でも今まで彼女の傍でずっと支えてくれている木子くんは年上なだけでなく、彼女から見て「大人の頼れる男性」だったから。彼との年齢差は6歳差だけども、自分はまだまだ子供だし、年齢以上に幼いとも思っているので。
そして今の状況だと、彼との年齢差は16歳差だけども。彼の方がよっぽど年の割に気も遣えて成熟しているように思えて、自分がとても大人とは言えないような気がしたのです。だから年は彼に比べて取ってるけど、でも大人とは言えないよね、とちょっと卑屈気味になっている……

今振り返ると、木子くんの呼び方「ゆりおねえさん」だったのが「ゆりおねえちゃん」になってたりして、可愛い。







【白薔薇の花壇にて】

蕾ばかりではあるが、その中に真っ白な薔薇だけが咲いている。薔薇ともあって、その花壇には茨がたくさんあった。
そんな花壇を見て、一緒に付いてきた木子くんが「わあ……きれいだ」と嬉しそうな声を零す。

KPから<目星>の指示。「綺麗だなあ……」>失敗<というのに目が取られていた、と。

白い薔薇かあ。いったいなんの御伽噺に由来して……と独り言ちてると、木子くんが<目星>を振る。元の値が61であったが、今の状況では半分の値になるようだ。
それでも30以下の出目を出して成功する。思わず『つよっ!』と感嘆の声が漏れる。

木子くんが「なにかあったよ」と一枚のカードを見つけて差し出してくれる。「見てもいい?」と許可を求めればいいよとのことだったので、それを受け取ってカードを見てみる。
そこに書かれていた内容は「茨の棘は糸車の針の代わりになるかもしれない。そうなったときは君が目覚めを贈ってあげなさい」といったもの。これに『親指姫ではなかった……』と予想していた御伽噺が違っていた心境を吐露する。いや、人魚姫と来て親指姫かと思ったんだけど無辜の呪いみたいなね、アンデルセン的な。

受け取ったカードをよく見て、他に何か書いてないかと探せば特には見つからず。これにも書いてないかあと思っていると、ふと隣で花の匂いを嗅いでいた木子くんがいきなり体勢が傾き、そしてどさと倒れ伏した。

突然の事に彼を受け止めることも出来ず「まって、まって、えっと、だいじょうぶ?」と慌てて駆け寄って声を掛けようとする。しかしその瞬間、ぶわりと今まで咲き誇っていた純白の薔薇が深紅に染まった。恐ろしいほどに美しい赤い薔薇に、背筋がぞくりと震える。一方の突然倒れた木子くんはすうすうと寝息を立てているものの、揺らしても声を掛けても何も反応せず起きない。まるで死んだかのように眠っていた。

人魚姫で鱗、そして眠り姫で棘で眠りに着く。
花仲さんはある事に思い当たって、一人狼狽える。「え、だ、だって、だって、えと、えっと、ね、寝てるんだよ?」しかしその声に応える者は誰もいない。KPから『<アイデア>をどうぞ』と言われるも、やることは分かっているである。しかし<アイデア>は失敗、何も分からないと。


「違ってたら、ごめんね……?」と木子くんの額に口付けを落とすと、先程までいくら揺すっても声を掛けても起きなかった彼が目を開ける。そんな彼に「あ、起きた……? 大丈夫? 木子くん……?」と声を掛けると、木子くんは顔を赤らめて「だいじょうぶ……」と視線を逸らす。

そんな木子くんを他所に「擦り剥いたり怪我とかはしてない?」「トゲに触ったりして、切ったりしてない?」と聞けば、彼から「なんかちょっとチクっとしたけど……もういたくないよ」とのこと。どの指か確認すると右の人差し指を出される。そこには一切の傷跡はなかった。


ここまでで木子くんと視線が合わないことに花仲が「えっと……木子くん。私、なにか悪いこととか、したかな……?」と聞けば「えっと、どうして?」と聞かれる。そのことに「顔が合わないなあって」と言えば、木子くんは「ゆりおねえちゃんは……なにもわるいこと、してないよ」と答える。
それに「本当に? 私、木子くんに嫌なこととか、してない?」と聞けば「してない」と返ってくる。その言葉に「私、嫌われちゃったのかなって……」と花仲が言うと、木子くんが「ううんっ」と必死に首を横に振る。
そんな彼の様子を見て「意地悪なこと言っちゃったね」と言えば、木子くんが「う、嬉しかったよ……?」と恥ずかしそうに言う。それに「良かった、木子くんが嬉しいなら、私も嬉しいよ」とほっと息を吐く。

すると木子くんの指が光を纏い、またぱりんという音がする。その音がする方を見れば、また一つ指輪にある石が一つ減っていた。また一つ進展があったことを確認すると、今度は蕾のある花壇へと足を進めていく。




結構、木子くんの恥ずかしい心情とか配慮せずに『羞恥心を煽ってんですか??』みたいな発言がみられますが……別に花仲さんはそんなつもりは一切ありませんので。
花仲さんの考えでは「気付かないうちに木子くんに嫌なことしちゃったかな……あ、きっと知らない人にいきなりおデコにキスされて嫌だっただろうなあ」「この木子くんは自分の事を知らないけど、でもやっぱり木子くんに距離を置かれるのは、寂しいなあ」と思って言っている。
5歳の少年にとんでもないものを残していこうとするな。APP14のお姉さんであることをもっとちゃんと自覚してほしい。

でも木子くん。「おねえさんが悪いんじゃなくて、そう思っちゃった自分が悪い」と思って「わるくない」とちゃんと言えるところや、花仲さんが「嫌われたかと思って」という発言に必死で否定したり、恥ずかしかっただろうに「おねえさんを悲しませたくない」と思って「うれしかったよ」と口に出してくれるところ、本当に花仲さんに甘い、優しい。















【蕾の花壇へ】

色とりどりの花があるものの、そのどれもが蕾であった。どうやら咲いている花はぱっと見る限りは無さそうだ。

KPから<目星>を提示される。ここがむしろ親指姫だったかと思っていたら……
>>100致命的失敗<<

ここで出すか100ファン、まじかよクリティカルもスペシャルも出してないんだが???
どうやら何かに気を取られていて足元がおろそかにになり、躓いて転んでしまう。耐久値1喪失。
それを見ていた木子くんが「だいじょうぶ……?」と心配そうに声を掛けてくるので、花仲が「ううん、平気。大丈夫だよ」と何事もなかったように返す。

すると木子くんが<応急手当>を試みる。KPが『成功する気しねぇなあ』と40の半分でぼやきながら振ってみると。
>>6成功<<
>>1d3で3点回復<<
これには思わず引き笑いが出る。KPも『この頃から片鱗が出てるなあ』と呟くが本当である。なんで花仲絡みのダイスに限って凄まじい出目を叩き出すんだ、木子くんよ。

木子くんがおずおずと「ばんそうこう、もってるよ」「おねえちゃんにあげるね」と転んで擦り剥いた箇所に貼ってくれる。
花仲が照れくさそうに「情けないところ見せちゃったね」と目の前の花壇が蕾ばかりであることに気を取られていたことを話す。そして何に躓いたのかを見れば、そ

れは園芸はさみであった。

そして再度<目星>を試みる。木子くんは失敗するも、花仲は今度こそは成功する。すると、花壇の中にカードを見つける。そのカードを手に取って見てみれば、そこには「花にはそれぞれの想いが込められている、言葉でいうのが難しいなら花を贈ってみたら?」といった内容があった。なるほどね花言葉に託せということか。

カードに書かれていたことを掻い摘みながら、木子くんにも伝える。そしてその間にKPがシークレットダイスを振っている、なにそれこわい。

KPから再び<目星>を振るように言われるも失敗。そして1d3を振ってほしいと言われて振れば3が出る。なんだろうなあと思っていると、花仲は花壇にあるたくさんの蕾から一輪だけ咲いている花を見つける。それは百合の形をしていた。
KPに対して『知識の半分でもいいので百合の花言葉を調べても良いですか?』と問えば、ひとまず<知識>で振ってほしいと言われる。そのため振ってみれば成功して、この花がダイヤモンドリリーという花だということが分かる。
そしてこの花の花言葉を知っているか、<知識>の半分で振ってみてほしいと言われる。知らんがな、分からんがな、ここまで限局されて分からんがな!と叫べば案の定失敗して分からず。

木子くんには蕾だらけの花壇の中に、一つだけ咲いている花があり、それはダイヤモンドリリーと呼ばれる花だという事を伝える。あんまりお花の事は詳しくないんだけどね、と言いながら先程足元に落ちていたハサミで花を切る。

そして「良ければだけど……この花は木子くんが持っててほしいな」といって彼に切り落としたダイヤモンドリリーを手渡す。「私からのプレゼントってことで」と言えば、木子くんはたどたどしい口調で「ぁう、……あり、がとう」とお礼をいう。顔を赤く染めながら戸惑いつつも、おずおずと嬉しそうに渡された花を受け取ってはにかむ。

するとまた木子くんの身体が淡い光に包まれて、ぱりんという音と共に指輪に付いていた石が割れる。それを見て、手掛かりを見つけて進展があったからなんだろうなあと思っていると、木子くんが「一つだけなんだ……」と声を漏らす。
その言葉に花仲が「花は一つしか咲いてなかった」といえば木子くんが「そうだね……」と歯切れの悪い言い方をしたため、石もあと二つだね、と付け加える。そして花仲が木子くんに「お花、喜んでもらえたのなら嬉しいな」と伝える。すると木子くんも「うれしい……」と言葉を返す。


そのまま次は花畑へと向かおうとすると、KPから道中で<目星>が振れますよ、とのこと。『え、木子くんの容体の変化ですか??』と聞きながら振る、これは成功。木子くんの方を見やると、彼の体調は見たところ変わりはないようだがポケットからカードを覗かせていることに気が付く。
これに対して花仲が木子くんに対して「他に何か持ってたりしない?」と尋ねれば、彼がしどろもどろに「えっと、」と繰り返す。その様子に「ゆっくりでいいよ」「言いにくかったら言わなくて良いよ」と花仲が声を掛ければ、彼が「これ、見つけたんだけど……」と顔を赤くしてポケットからカードを取り出して見せてくれる。
そこに書かれていたのは「ダイヤモンドリリーの花ことばは『また逢う日を楽しみに』」といった内容であった。そして木子くんが「ゆりおねえちゃん……またあえる?」と聞く。その言葉に花仲が「そうだね……木子くんがまた会いたいと思えば、きっと」と返す。「私もまた木子くんに会いたいから、待ってるね」と言えば、木子くんが「待ってて、ね」と返す。






【花畑】
広い植物園の一角に、小高い丘があり、そこにシロツメクサとクローバーが咲き乱れる花畑があった。どうやら中に入っても大丈夫なようで、先に進んでいけば土に刺さったプレートに「シロツメクサ」と書かれている。

KPから<目星>の指示で振れば成功、花畑に埋もれたカードを見つける。そこには「可愛いあの子には可愛いティアラがつきもの、花で編めたら最高だね」といった感じの内容が書かれていた。

それを読んで『やな感じがする……(DEX6)』と思わず声が漏れる。これ絶対手先の器用さが求められるからDEXで振るやつじゃないの。だとしたらDEX6の花仲さんには無茶なのでは???
というか、シロツメクサが出てきたから『これだけ沢山のクローバーがあるんだから、四つ葉のクローバーを探そう!(幸運判定)』かと思ってたら、現実はなかなかシビアだった。かといってPOW11なのでさほど高い訳でもないんだけども。

ともあれ木子くんにカードを見つけたこととその内容も含めて伝える。「お花をうまく組んでいけば花かんむりが作れる……らしいんだけど、」と後半語尾がすぼんでいくものの、彼にそのことを話す。「でも私、不器用だからなあ……」と零せば、木子くんが「ぼくにもおしえてくれる?」と聞くため、花仲が少し笑いながら「いいよ、でも私も苦手だからうまく出来なかったゴメンね」と返す。

自分『はたして、花かんむりを作ることは……
KP『はい! DEX*5で花かんむりを作ることが出来ます』
自分『嫌な予感がしたんだよ!!』

DEX6の人の*5は、成功率30%である。親の顔より見た三大初期値よりも確率が高い! いや低いわ、錯覚だよ。

案の定、花仲は失敗。やはり慣れない作業はうまく出来ないようだ。
KPからもう一回振って下さいと言われて振るも失敗。なんか少しずつ出目が上がってきてるんだが。

すると木子くんが「えっとこれでいいのかな……」と花仲に見せてくる。そこにはしっかりと作り終えた花かんむりがあった。さすがDEX11だ。花仲さんよりも高い!
綺麗に出来た花かんむりを見て花仲が「わあ……!すごい!木子くんすごい!」と声を上げる。「木子くんは器用なんだね、すごいね!」と褒めれば、少し照れくさそうに「そうかな……」と返す。そして「ゆりおねえちゃんはできた?」と言われて、少し口ごもる。
「ちょっと、苦手だから……もうちょっと、かな……?」と花仲が苦笑いを浮かべれば、木子くんが「ぼくもいっしょにいい?」と言う。一緒に彼が手伝ってくれるため、+20%の補正で再び振ることが出来る。

自分『それでも50%って、泣いていいですか』

しかし振っても失敗。うっそでしょ。さっきまでまだ出目40ぐらいだったじゃん、それなら成功してたのに。ここに来て60まで上がるとか何事か。

「あっと、うんと、ごめん……ゆりおねえちゃん、つくりづらいから、そっち、ちかづいてもいい?」
「うん、いいよ? おいで」

そういうと木子くんがとてとてと歩いてきて花仲の膝の上にちょこんと座る。え、何事か。躊躇いがないな??当たり前のように上に乗ってきたよ、え。私の反応がおかしい???やましい気持ちがあるせいか???

荒ぶる中の人の心情はさておいて、花仲は「どうかな……?」と木子くんが座りやすいように少し体勢を変えて膝の上に乗せる。木子くんは真剣な顔で花仲に花かんむりを作るのを手伝ってくれる。更に+20%の補正。つまり70%で振ることが出来る。しかしそれも失敗。完全に動揺が出目に現れている。平静を保てない!!


木子くんに教わりながら苦労しながらも時間を掛けて、なんとか花かんむりを作ることが出来た。ただ先に出来ていた木子くんのものよりは形が崩れている。不格好なのは仕方ない。一生懸命作り方を教えてくれた木子くんにお礼を言う。すると木子くんが「つくったの、ゆりおねえちゃんにあげるね」と教えてくれたお礼として花かんむりを渡してくれる。「私の方が教えてもらった気がするけどなあ」と言いながらも感謝の言葉を述べる。

そして木子くんが渡しやすいように花仲がしゃがむ。ぽふんと頭の上に花かんむりを乗せてくれる。
ここでKPから<幸運>をどうぞと言われて振るも花仲の幸運は55で決して高くはない、そして失敗、90ってどんどん出目が高くなっていくんだが??

木子くんから花かんむりを貰った花仲は「木子くんのよりもちょっと形が崩れてるけど……受け取って貰えるかな?」と聞けば、木子くんは頷く。木子くんの頭にぽすんと花かんむりを被せれば、ふんわりと木子くんが笑ってお礼を言う。
笑う木子くんにほのかな光が包んでいき、パリンという音が聞こえる。どうやらまた石が割れたようで、指輪をみれば残りの石はあと一つのようだ。


ここでKPがシークレットダイスを振る。
いやなんだ、これ怖い。何に対する判定なんだよ。とびびりながらも、木子くんに今まで色々と歩いて回ったけど体調は大丈夫かと尋ねれば大丈夫との返事が返ってくる。本当に大丈夫なんだろうか、心配させまいとしてるわけじゃないよね?とKPに<目星>を振っていいかと確認してから振る、これには成功する。
木子くんは見る限り血色は良さそうで息が上がっている素振りもみられない。そのことにホッとしながら、最後にガラスドームの外へと行くことにする。「もうちょっとだけ、いてもらってもいいかな?」と聞けば、木子くんは快く頷いてくれる。








【ガラスドームの外】
ガラスドームの外へと目を向ければ、そこはどこまでも広がる湖だった。その思いがけない広さに唖然としていると、青く澄んだ一面の湖面のその先へと視線をやれば、ガラスに隔たれた外側には何もないのが分かった。ガラスの先には、陸も建物のも船も、この一面に広がる青色の水もなにも存在していなかった。あるものはなにもない。
どうやら自分達がいるガラスドームの中だけに広がる庭園しかこの空間には存在しないようだ。ガラスドームの中に囲われて、ぽつんと浮かぶようにこの世界がある。
何もないことをはっきりと見て分かってしまった花仲はSAN値チェック、失敗、1喪失。出目は39で悪くないんだが、そも諸般の事情で現在SAN値が27なので仕方がない。残値26である。


「なんにも、ない……」と外を見た木子くんが呆然とした口調で呟く。その言葉にただ同意していると、木子くんの瞳が潤んでいく。どうやら外の景色を見て、不安と恐怖に襲われているようだ。

「ゆり、おねえちゃん……このまま、かえれないのかな……

そう不安そうに見上げる彼に、花仲が静かに視線を落として彼を見つめる。

「大丈夫だよ、木子くん。きっと、きっと。帰れるよ」

不安そうな彼を慰めるように、ここまで色々と不思議な出来事があったのだから、きっと不思議なことによって帰れるはずだよ、と声を掛ける。しかし励ましの言葉を貰っても彼の不安は拭えないようで、潤んだ瞳はそのまま涙を湛えて、ついにぼろりと滴となって頬を伝う。それを発端にして耐えきれなくなった涙腺が決壊して次々と涙を流していく。

ここでKPから<目星>の指示、それに成功する。するとふと視線を向けたガラス面に「これは夢。君と彼だけの御伽噺に入り込んだ呪いはきっと君にしか解けない。彼の涙も、君にしかぬぐえない」と書かれてあることに気が付く。

その内容を見た花仲がしゃがんで木子くんと目線を合わせようとする。彼は止まらない涙を自分の袖口で乱暴にぐしゅぐしゅと拭う。それを「駄目だよ、擦ったら目が赤くなっちゃう」とやんわり止める。それに「でもっ……」と言い淀む木子くん。そんな彼に「突然こんなところに連れて来られて怖かったよね、寂しかったよね」と花仲が共調する。

「家族に会いたい……?」
「うん……
「うん、そうだよね……でもだいじょうぶ。これは全部夢だから」
「ゆめ……?」
「そう、だからまた眠って、目が覚めたら。そしたらまたいつもみんながいるよ」
「ほんと、に……?」
「うん、本当に。じゃあもう一個約束しよっか」
「なあに?」
「木子くんは今まで約束を守ってくれたでしょ? 痛いこととか何かあったらちゃんと教えてくれたから。だから今度は私が約束を守るの。きっと君が元に戻れるって、約束する」

そういって木子くんに小指を出すように促す。今度は木子くんがデコピンする番だよ、と伝える。了承してくれた木子くんによいこ、と言って「だから擦っちゃダメだよ、目が赤くなるから」と自分の袖口で軽く触れるように目元の涙をぬぐってあげる。すると「もう、だいじょうぶ……」と言って「ゆりおねえちゃんがやくそくしてくれるもんね」と少し顔を綻ばせる木子くんを肯定する。ふにゃりと微笑む木子くんが光に包まれてパリンという音がする。見れば指輪にあった石が全て割れていることに気が付いた。



石が全て割れたがどうだろうか、と指輪は抜けそうかな? と聞けば一生懸命引っ張るものの、どうやら指輪は抜けないようだ。抜けないなら無理に抜かせる必要もない、とそれ以上はやんわりと止めさせて次の行動を思案する。すると木子くんが「こっち、きて」と服の裾を掴んで引っ張る。
それを見て木子くんの引っ張っていく方へと付いていく。








【彼に連れられた先は】
彼に引かれて付いていけば、そこは蕾ばかりの薔薇と茨が絡みつくアーチがあった。それを潜っていけば傍は小川が流れて、水のせせらぎが聞こえてくる。
木子くんが「ひみつのばしょがあるんだ、さいごにいきなさいっていわれたとこ」と更にその先へと連れていってくれる。まだ道はしばらく続いているようだ。KPから何かしたいことは有りますかと言われて、花仲は木子くんに向かって話しかける。

「さっきね、また会えるよって言ったけども。たぶん花かんむりのときみたいに、色々と助けてもらうことが多いと思うの」
「そうなの……?」
「ほら、私いろいろと鈍くさいところあるから」
「ううん、おねえちゃんはカッコいいよ?」
「ほんとに? ありがとね。ええとね、それでね。いろいろと助けてもらうことが多いと思うんだけど、それでも良かったら……一緒にいたいな、って」
……うん、ぼくも、おねえちゃんといっしょに、いたいな」
「いて……くれるかな?」
「うんっ」
「そっかあ、一緒にいてくれるならありがたいなあ。それじゃあ、また会うときは……よろしくね」
「うん……よろしくね」

二人が会話をしながらレンガ造りの道を歩いて行くと、アーチを潜り抜けたその先には開けた場所があった。そこはぐるりとその場を囲むように、生い茂る草花には真っ白な薔薇が満開に咲き誇る。辺りは甘く心地よい香りがする。
そこには二つの椅子が置かれて、テラステーブルにはクロスが敷かれてその上には二人分のティーセットに器、カトラリーがあった。いつの間に用意してあったのか、そこにあったティーポッドは湯気を立てており、器には美味しそうなケーキやマカロン、チョコレートにスコーンいっぱいのバケットがあった。木子くんがおずおずと「おちゃかいをすればおわりっていわれたの」と口を開いた。

それを聞いて花仲が木子くんに「椅子に座れそう?」と尋ねる。対して彼は「たぶん……」と返すも、そこそこの高さがあるため少し心配になる。花仲が「もし、良ければ抱えてあげようか?」と聞けば、木子くんが「えっとぉ……」と両手を伸ばして抱き上げられる体勢を取る。そんな彼を抱き上げて、椅子に優しく降ろす。そして彼を座らせたところで、花仲は向かいの席へと腰掛ける。

自分『さて何があるって言ってたっけ』
KP『言えば生えてきますよ』
自分『生えるんか』
KP『あとDEX*5で紅茶も淹れれますよ』
自分『う~~~~~~ん、まあとりあえず……

花仲が木子くんに飲みたいものがあるかを尋ねれば、ミルクがいっぱいの紅茶が良いと答える。その言葉に今紅茶を淹れてみるね、と返す花仲。

『DEX(6*5)かあ……』と諦めながらも振っていく。こんなにもDEXが求められるシナリオだとは思わなかったなあ???と言いながらダイスを振れば、

>>>1決定的成功<<<
KP『良いっすねぇ~~~~!!良いっすねぇ……!!』
自分『1クリwwww一番感情こもってんじゃん!!』

というわけでかなり美味しい紅茶を淹れることに成功する。「よしっ……今までで一番美味しく出来たかも!」とミルクティーを渡せば、木子くんは目を輝かせて見ている。
それから何を食べようかと悩みながら木子くんにお腹は空いてないかなと尋ねれば、彼も少しお腹が空いているようで、イチゴのケーキがいいなと遠慮がちに答える。甘いもの好き?と聞けばうん!と答える木子くん。
甘いものかあ、と視線を向ければいつの間にかいろいろとイチゴのショートケーキやらタルトやらが置かれていた。

一方の木子くんはいろいろとあるケーキに目移りしながら目をキラキラさせている。花仲はいろいろケーキがあるから食べてみたいので、木子くんも一緒に食べるのを手伝って貰えると嬉しいなあと言えば、快く頷く。
そして彼が目移りしてたなら、どのケーキに一番視線が集まっていたかなあと気にしてみれば、全体的に視線は向けられており全部なんなら食べたいんだろうと判断する。
木子くんが「ゆりおねえちゃん、たべたいものある……?」と聞かれたため、花仲は「木子くんが食べたいものを一緒に食べてみたいから教えてほしいな」と言えば頷かれる。

というわけで、木子くんがフルーツいっぱいのロールケーキを美味しそうに頬張っていく。それを見て、花仲が「美味しそうだね、私も貰ってもいいかな」と聞けば、木子くんが「うんっはい、どうぞ」と自分のスプーンに乗せてロールケーキを差し出してくる。それに花仲が「……ん?」と困惑していると、木子くんが「たべないの?」と言うのでそのまま差し出されたスプーンを口に入れて食べる。木子くんが「おいしい?」と聞くので「美味しいよ」と答えれば、ニコニコと嬉しそうに笑ってまた美味しそうにケーキを頬張る。

他にも食べたいものはあるか、と聞けば木子くんはお腹がいっぱいだと答える。それに花仲が一口でも食べたいものがあるかなと聞けば、KPから『しょっぱいもの食べさせたいなあ』という声が漏れる。そういうとバケットが急に生まれる。
チーズやバジル、トマトが乗ったもので、それを見て花仲が「これとか食べてみる?」と尋ねる。すると木子くんが「美味しそう……」と言うので差し出してみると、いっこうに口へ入れない木子くんを不思議に思って聞いてみれば「ぼく、トマトにがてで……」とのこと。それを聞いて他にも苦手なものはないかと聞けば、いくらが食感が苦手で、好きなものはハンバーグとかが好きとのこと。
それらを踏まえて、トマトが苦手ならトマトを外したサンドイッチを差し出すと美味しそうに頬張る木子くん。「おねえちゃんも、たべてね?」と言われるものの、食べられそうにないなら助けようかなあと思っていると、木子くんは少しだけ取って自分が食べられそうな分だけに留めている事が判明。それを確認したところで、花仲も少しだけ手に取って食べる。

軽食を摘み、紅茶を飲みながら会話を交わしていく。
先程は食べ物の好みについて聞いたけども、それ以外にも木子くんのことを知りたいなと言えば、彼の口から「あんまりおそとであそべないから……」と返ってくる。そんな彼が「いっぱいそとであそびたいなあ」と言葉を洩らせば、花仲が大きくなればもっと身体も強くなって外に遊べるようになるかもしれないよ、と声を掛ける。その言葉に木子くんが「おおきくなったら、ゆりおねえちゃんもいっしょに、あそぼうね」と声を掛けるので、花仲も「大きくなったら、一緒にいろいろと遊ぼうね」と返す。

木子くんが「おかわりしていい……?おねえちゃんのこうちゃ」と催促したため、残りの分を彼のカップの中へと注ぐ。
そのとき、カップの底に文字が掛かれていたことに気が付く。そこには「ハッピーエンドの時間だ、御伽噺の最後はもちろん王子様のキスで」という内容であった。

自分『大丈夫かな、うっかり力込めすぎてピキってなったりしないかな』
KP『DEXもう一回振ります?』
自分『やめろ、1クリ出したろ』

木子くんにどれだけ飲みたいか確認をして、先程と同じくらいの量を彼のカップに注ぐ。注ぎ終わったところで、先程聞いた会話の内容を掘り返していく。外に行けないなら一緒に遊んでくれる人は居るのかについては兄が一緒に遊んでくれると。そして他に家族は両親と姉兄がいることを教えてくれる。家族が一緒にいてくれるから、外で遊べなくても寂しくはないと答えてくれる。その言葉に花仲は彼が寂しくないなら良かったと言ってこれからは外で遊べるといいねと頷く。



木子くんが紅茶を飲み終えた頃を見計らって、花仲が声を掛ける。そして「ちょっとだけ、目を閉じて貰っても良いかな?」と言えば、彼はゆっくりと瞼を閉じる。
彼が目を閉じたことを確認して、花仲がその額に口付けを落とす。直接彼の口元へキスする勇気はなかったからだ。
一方木子くんはいきなり額に柔らかい感触がしたことに驚いたのか、目を大きく開いてまんまるな瞳をぱちくりとさせる。
そのことに花仲が「ごめんね」と謝れば、彼は顔を真っ赤に染め上げる。それをみてつられるように一緒に顔を赤く染め上げる。
そして「ごめんねっ」とぽかんとしている隙に、彼の口元へ口付けを落とす。真っ赤な顔を更に赤く染め上げて、その目は驚きで見開かれていたものの、ゆっくりとその目蓋を下ろしていく。
ほのかな光は温かく彼を包み、そしてふるりと震えたあとに指輪はかしゃんと音を立てて砕け散った。

すると穏やかな時間を過ごして来た二人に、心地よい微睡みがやって来る。その眠気に誘われるように、瞼を閉じる。
再び、彼と会うために。








【目が覚めたら、】
ふと目を覚ませば、どうやら腰掛けたまま眠っていたようだ。少し身体の節々が痛む。窓をみられば、オレンジ色の夕日がカーテン越しに差し込む。そして隣には、いつも自分の傍で支えてくれていた彼の姿があった。同じように彼もまた座ったまま眠り込んでいるようだ。
KPから何かしたいことは有りますかと問われて、まず記憶があるのか確認する。花仲にあのときの記憶はしっかりと残っているようだ。

ねえ、KP。わたし、立ち絵が、スチルがあるなんて、知らなかったなあ???なにそれ、なにそれ、聞いてない。イラスト付きとか豪華かよ、書き下ろしが付いてくるセッションとか聞いてへんぞ。てかあああ~~~~~~~~~木子くんの顔がいい!!推しの顔が良い!!!!!かっこいい!!!普段隙のない、完璧に振る舞う彼が無防備にしている様子、よい!!!大変よいです!!!!うわあああああああああああああああああああああああああ



という中の人の心の声はさておいて。
花仲としては、そのままにしておくのは忍びない……!と思って、木子くんの服の裾をちょいちょいと引っ張る。起きて、記憶があることを確認してからずっと顔は真っ赤である。裾を引っ張られたことで起きて、ぼんやりと木子くんがこちらの方を向く。寝てるなんて珍しいねと言えば、少し寝てたようだと返す木子くん。

何か変化はあるのかと思いながら注視するため<目星>を振ると、特に変化はないようだ。そのことに安堵を覚えるのと同時に、少しの寂しさを感じていると「ああそうだ、花仲さん」と木子くんが声を掛けてくる。彼が「これ、良かったら」とラッピングされた包みを渡してくれる。ちょっと早いけどね、と言われたプレゼントの中身は四つ葉のクローバーが挟んである本の栞だった。
どうしてプレゼントを貰ったのだろうかと不思議に思って聞いてみると、ホワイトデーのお返しでもあり贈りたかったからと答えが返ってくる。有り難く使わせて貰うね、と言いながらもバレンタインデーも大した贈り物もしてなかったのに、と花仲が言葉を洩らせば、自分が贈りたかったからと返す木子くん。


思いがけず贈り物を貰ったことにニコニコと笑顔を浮かべている花仲に、木子くんが「ああそうだ、ゆりおねえちゃん」と声を掛ける。
その呼び方に思わず声が上ずってしまう花仲に、不思議そうに「花仲さん」といつものように声を掛ける木子くん。
呼び方の変化に疑問を覚えながらも、声を掛けたのは何か理由があったからじゃないの、と聞き返せば今度の休日に一緒にどこかへ出かけないかというお誘いの言葉であった。

どこに行くかは決めていないものの、好きなところに、一緒に行ければきっと良いから、とお互いが思いながら黄昏の中、二人は日常に溶け込んで戻っていく……



といったところで、シナリオ終了でした。
ここまでお疲れ様でした。






【セッション後の感想】
プレゼント貰えるなんて聞いてなかったよ!!!!!私聞いてない!!!!!バレンタインデー、めっちゃ苦戦して大したもの贈れてなかったよね!?!??!だってDEX6にお菓子作りをさせるな!!!!!!!!上手くいく訳ないだろ!!!!!!!!
それなのに、律儀にお返ししてくれる木子くん……ちゃんと選ぶのは初めてだから緊張してとか、君そうやって擦り込ませていくのずるくない???こういうことをするのは君だけだよみたいなこと醸し出すのずるくない???



そして最後「ゆりおねえちゃん」って呼ばれてめちゃくちゃドキッとした。え、記憶残ってないよね???と思ったら残ってはいないと。ただ、無意識に残った呼び方とかはあるかもしれない。KPとしては『覚えてないと思った???どっきりした???』という意図らしい。まんまと引っかかったよ!!!!私は彼に年下の女の子をおねえちゃんと呼ばせてしまう業を背負わせたのかと思ってヒヤヒヤしたよ!!!



シナリオ報酬はSAN値1d4回復で3点回復。呪いを解いたので1d3で3点回復。幸運のクローバーを持ち帰ったで1d2で1点回復。結構回復したねぇ、合計7点回復。残値33。いやまあ元値が低いのはある。

そして成長報酬は、一番出目の高いのは問答無用で100ファンした目星……は成功して無し。一番出目の低いのは技能で言えば目星なんだよなあ、と思っていたら。
KPから『紅茶の1クリがめちゃくちゃおもろかったので、確か君は調理技能を以前持ち帰っていたのでそれを成長する』ということに落ち着く。以後あの技能は貰っちゃうやつなんだ……と思いながら、自動成長か成長倍増チャンスにするかの二択で自動成長を選ぶ。そして1d10、振って出た値は10、最大値である。

KP『それはそう、あんな美味しい紅茶を淹れたらそれはそう!解釈一致!!』

これで不本意ながら製作:料理が50%を手に入れたぞ!!!
紅茶で成功するのかあ……


まあ今回のセッションで色々分かったことがあるよね。意外に甘党。甘い紅茶が好きなんだなあ。かわいい。
そしてトマトが嫌い。これは年を経ても変わらず、よくみれば食べれてはいるけども顔を顰めている姿が見えることだろう。

あとは小児ぜんそく持ち。CON6が窺えるなあ。
なお成長してからは少しは改善したようです。ただ無理をすると出てきてしまうので、その辺りは気を付けている様子。


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