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越知月光は見ているだけではなくなった7

全体公開 11 1019文字
2022-03-30 23:14:10

続編

Posted by @uk_plus_



 もう何度目の景色になるだろうか。自席で背を丸めて肩を落とす越知の姿を眺めながら小柄な彼の友人はため息を吐いていた。

「よかったじゃん越知」
「よかったんだろうか

 越知は困り果てていた。昨晩、大事な彼女からデートに誘われたのである。メッセージを見た時はただただ肯定で返すだけで精一杯だった。一晩経ってようやく大変な約束がされたことに気付いたのだ。
 そして机を挟んで対面する小柄な友人は、何故越知がこのことについて困っているのか全くわからず首を傾げていた。

「っていうか何が心配なの?」
「その
「書庫燃やすよ?」

口ごもる越知を睨みながら線の細い友人は頬杖をついた。そうして未だもごもごとはっきりしない越知に脅すような圧で声をかけると、ようやく続きを話した。

「彼女に楽しんでもらえるだろうか
「そーんなこと心配してるの!?」

越知の発言に素っ頓狂な声を上げて、小柄な友人はまだ丸めている肩をひとつ叩いた。

「なるようにしかならないってそれは!」
「そうだろうか
「もー越知は心配しすぎなんだって」

あまりにもネガティブな越知を目の前に業を煮やしたのか、細い友人としては珍しく少々声を荒げた。そしてぐっと越知に詰め寄って再び静かな声音で言った。

「大丈夫だってば。だってきっと彼女はさ、越知と一緒にいられればいいんだから」
「そ、そうなのか?」
「あのね越知、もう片想いしてた頃とは違うの。彼女だって越知を大好きなんだから、大丈夫なの」
「すっ!」
「何度でも言うよ。彼女は越知のことが好きなの」

好きという言葉に過剰反応する越知をからかうでもなく、小柄な友人は真剣な表情でもう一度言った。

「だからね、何も心配せず、越知もデートを楽しんでおいでよ」

彼女と一緒にいられる時間をねと付け足して、友人はにっこりと笑う。それを見て越知はようやく丸めた肩を起こしてゆっくりと頷いた。

「そう、だな。そうしてみよう」
「いいデートになりますように」

ついでにちゅーでもしといでと余計な一言を付け足せば、越知は顔を真っ赤にして両手で顔を隠した。


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