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ツイステなりきり連句の裏話と感想

全体公開 ツイステ 1 10643文字
2022-04-07 22:06:59

あやめ(@aym_rosetty)さんと遊ばせていただいたツイステなりきり連句の裏話と感想です。拙句の一部はTwitter投稿時から手を加えており、あやめさんの句も下記リンク先の訂正版を参照しています[2022.4.9]。
あやめさん側の裏話はこちら〈https://privatter.net/p/8710816〉

※キャラ名の後にどちらの句かを付記しています(敬称略で失礼します)

Posted by @Dr_gaap




拙句の裏話とあやめさんの句の感想
作者の切り替わるタイミングで―――――を挿入しています


うたうほど文字は増えるが腹は減り  ラギー・ブッチ(あやめ)
 元になった四彩(@4irodori_0068)さんの句も、そこにレオナさんから指導が入るのも、愛おしすぎて大好きな始まりの句です。

 四彩さんの句ではラギーくんにとって“遠いもの”でしかなかった連歌(連句)が、レオナさんからの指導後には自分で「うたう」ものになっている、という変化が無性に嬉しかったです。

学びの飢えも身の足りてこそ  レオナ・キングスカラー(あやめ)
 自分が第二王子として立つ国のスラム出身の後輩のあの句にこう付けるレオナ・キングスカラー……!!
 ラギーの句に「身の足りてこそ」と付けるとき、レオナさんは自身の負うている責任を振り返っているんだろうなぁと思って本当に堪らなくなります。

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昼食に足した林檎は魔法史分  ジャック・ハウル(Dr.ギャップ)
 前句をひっくり返しつつ、具体的な状況に落とし込んだつもりです。
「学びの飢えも身の足りてこそ」=「学びにおける飢え(知識欲や向学心)が発揮できるのも、まずは身の飢えが満たされ足りた状態があってこそ」をジャックくん自身の生活の中に探したとしたらこういう句になるのではないかなぁと。
 こちらのあやめさんのツイートから発想をいただいています。

母さんのうさぎりんごなつかし  デュース・スペード(Dr.ギャップ)
 こちらもあやめさんのツイートを意識して付けさせていただきました。ジャックくんの句の「林檎」から、自分にとってのりんごの思い出を持ってきたデュースくん、という想像です。
 連句のルールだと「林檎」「りんご」で連続しちゃいけないと思うのですが、デュースくんはやっちゃうかなと…… また「なつかし」が文語なのはデュースくんが意識したものではなくて、「“なつかしい”だと音が合わない……」とウンウン唸っていたところを周りから「なつかし」でいいよと教えてもらいました。

キャラ弁はイヤだと駄々をこねた頃  エース・トラッポラ(Dr.ギャップ)
 デュースくんの句を(エレメンタリースクールの頃って感じ)とふわっと捉えて反射的に付けたという印象。エースは前句がよっぽど難しい(句意が掴めない/まったく知らない単語が入っている)とかでない限り、句作の瞬発力が高そうなイメージです。
 そして付けてから気づきましたが、ジャックくんの「昼食」とエースの「キャラ弁」は近すぎましたね……

生意気言うなとすごむ姉ちゃん  ケイト・ダイヤモンド(Dr.ギャップ)
 エースくんの句の「駄々」から自分の思い出を引っ張ってきた作ったケイト先輩でした。「姉ちゃん」は打越(二句前)の「母さん」に近すぎるし、ケイト先輩もそれには気づくと思うのですが、他に幼少期や過去の話(句)を出してくれなさそうな気がするなと思ってこうしています。姉ちゃんが怖くて~、というのはケイト先輩自身がキャラ付けに使っている印象なので例外。
 ただ、ケイト先輩自身の思い出とかでは全然ない客観写生句でもよかったな……と思います。主体の見えない句はケイト先輩に似合う。

驚いてハリネズミたちは丸くなる  トレイ・クローバー(Dr.ギャップ)
 連句の作法のうえでも次を詠む(と勝手に想定していた)リドルへのパスとしても、“幼少期”や“家族”から離した句を作ろうとするトレイ先輩、という想定でした。こういうパスを出すのがトレイ・クローバーだよ……の気持ち。
 最初は【驚いてパッと丸まるハリネズミ】と考えていたのですが、体言止めが続きすぎだよな~でも【驚いてハリネズミたちは丸くなる】はリズムがもっさりしてるよな~と悩み、トレイ先輩なら体言止めを避けるほうを選ぶかなと思ってこちらを出しました。

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荒ぶる風に凜と咲く薔薇  リドル・ローズハート(あやめ)
 リドルが薔薇をどう捉えているかが垣間見えて素敵です。
 前述の通りトレイ先輩の句は次をリドルが付けると想定して作っていたのですが、自分がリドルに付けさせるなら~と考えていたクロッケーやお茶会よりもずっと力強く格好いい句で「さすが……!!」となりました。入学後即寮長の座を襲った、という事実を思い出します。

火と水に舞って砕ける白手袋  エペル・フェルミエ(あやめ)
 直前まであんなにザ・ハーツラビュルだったのに、一気にポムフィオーレになって驚きました。これが連句……!! と、読み返してあらためて慄きます。
 二者による決闘で一人が火の魔法を、もう一人が水の魔法を使っているというシーンをイメージしました。前句を受けて引き出されるのがこの句になるほど、ポムフィオーレでは決闘が身近なのかと想像するとそれも愉快です。

火花を散らす眼差し美し  ルーク・ハント(あやめ)
 決闘の当事者ではなく、決闘している二人を見守る位置に視点を置くところに狩人たるルーク・ハントの性分を感じます。「美し」の語は言わずもがなですが、「火花を散らす眼差し」への注目そのものでルーク・ハントを感じるし、そこでルーク先輩を感じさせるあやめさんの腕がすごい……

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春雷を浴びに駆けだす友のいて  ヴィル・シェーンハイト(Dr.ギャップ)
「火花」から「春雷」へ、そして前句で「眼差し美し」と観察していた主体を「春雷を浴びに駆けだす友」に置いて作りました。
 ルーク先輩の句をヴィル先輩がどう受け取ったか、と考えたときにぱっと出てきたのが(第三者視点に立ってんじゃないわよ!)だったんですね……ヴィル先輩がそんなことを思うか自信はないのですが……
 ヴィル先輩は見られる側に立つことが多いだろうし、ルーク先輩からの「美し」ならなおさらそちら側の自分を意識するだろうし、もしかしたら「火花を散らす」からネージュとの関係を思い浮かべもしたかもしれないなぁという想像があり、そういう自分に対し一歩引いたような観察の句を出したルーク先輩に対して「一歩下がってんじゃないわよ!」と物申すヴィル先輩が出てきました。
 最初にイメージした句の形は【春雷を浴びて輝く友の笑み】というような「観察していたはずが巻き込まれている」というものだったのですが、ルーク先輩は巻き込まれるというより飛び込んでいきそうだな……と、この形に落ち着きました。
 なお「火」の連続になるので避けましたが、ポム3年生コンビには「野焼き」が合うなぁと思ったのでどこかで使いたいです。

絶縁体メーカー倒産の報  アズール・アーシェングロット(Dr.ギャップ)
「春雷」から「友」を守る「絶縁体」と、自分から雷に打たれに行くような友との「絶縁」(が出来はしないからこその「倒産」)というイメージでした。
 ヴィル先輩はルーク先輩を思い浮かべて「友」と付けたのですが、アズールは自分のところの副寮長を思い出した、という。春雷に飛び込んでいくような手に負えない「友」をどうしてくれよう……と頭を抱えてはいるのですが、『リトルマーメイド』においてジェットサムとフロットサムはアースラの放った雷撃で命を落とすに至っているので、あまり突き放した感じの句をアズールに付けさせたくないなと。
 春雷を浴びに駆けだそうががここへ帰ってくるなら良い、というニュアンスで【「ただいま」の声に若葉の気配】という付けも考えていたのですが、掲出句の方がヤケクソ感=アズールの愉快なところが出せるかなと思ってこちらで付けさせていただきました。

新聞のページを宙で繰る練習  ジェイド・リーチ(Dr.ギャップ)
「絶縁体メーカー倒産の報」が掲載されている「新聞」という付け。
 自分は新聞を宙に広げて読めない(床が欲しい)のですが、アズールにもそういう時期がありそうだなという想像と、ジェイドからアズールへの意趣返しとしての句、という想像でした。
 努力の君たるアズールは、今では机や床を使わず新聞を読むこともできるだろうし、そちらにフォーカスを当てた【新聞を今では宙で繰る両手】という句も考えていましたが、アズールの句の雰囲気に応じてちょっかいをかけるジェイドが見たかったのでこちらで。

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キャンプで燃やしてマシュマロ焼いた  フロイド・リーチ(あやめ)
 白状しますと、フロイドはどうしても自分で付けずにあやめさんに付けていただきたく、あえて自分で付けずに回しました。推しだからこそ人の句で読みたいタイプの推しなんですフロイド・リーチは自分の中で……!! 
 破調だけれど口馴染みがとても良いところ、“句”として構えて作った感じがしない言葉づかいなのが最高にフロイドっぽくて大好きです。また自分の中でアズールとジェイドは互いの句でバチバチしている想定だったので、そこをばっさり切って話題を変える態度もフロイドっぽいなと嬉しくなりました。最高の句をありがとうございます。

『情弱の癖にイキったカキコ乙www』  イデア・シュラウド(あやめ)
「マシュマロ」をこう持っていくか!! と膝を打ちつつ笑いました。フロイドも“句”として構えた感じを受けなかったのですが、イデアも自分の畑の言葉と世界で組み立てたな~という感じが強くて(“連句”の雰囲気に寄せようという意識がなさそう)、その態度にらしさを感じます。

口無き胸に突き刺さる言葉  オルト・シュラウド(あやめ)
 ハロウィンでのセリフを思い出して胸が痛くなりました……とはいえオルトくんは「口無き(口がない/言葉を持たない)」とは言いきれないと思うので、もう少し普遍化された「反論を抑え込んで一方的に批判・罵倒される」ような状況を詠んだものかなと取りました。
 イデアの句に対して視点を変え言われた側から付けるというのが、意外だけれどオルトくんらしいと感じてハッとしました。

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虹架ける呪文の元にある思い  モーゼズ・トレイン(Dr.ギャップ)
「言葉」から「呪文」へ、そして「言葉」と「思い」が対比になるかな……と考えて付けさせていただきました。
 オルトくんの句を読んでいて、優しく塗り替えるような句を付けてもらいたいなと思い、またそういう付けをしてくれるトレイン先生が見たくてお出まし願いました。「虹架ける」は励ましや慰めのイメージ。オルトくんとトレイン先生(とルチウス)のチームが可愛くて好きです。

“孤長ℓ”に四度目の赤  デイヴィス・クルーウェル(Dr.ギャップ)
「“孤長ℓ”」は「弧長ℓ」の誤字。理系科目担当なら一般教養としての数学の授業も担当していて良いのでは……と勝手に思っています。
 虹から弧のイメージを継ぎつつ、トレイン先生が優しい先生路線で付けたので反対にとクルーウェル先生は辛めの句を付けました。

何度でも飛べるまで飛べ!大空に!  アシュトン・バルガス(Dr.ギャップ)
 思いつきで付けさせよう、と考えて作りました。思いつきが働いた箇所は「四度目の」→「何度でも」。
 そしてトレイン先生・クルーウェル先生がそれぞれ担当科目に寄せたイメージで付けているので、じゃあとバルガス先生も飛行術のイメージで付けてくれました。「青空に」なら「赤」との対比がより際立つかなと思いつつ、バルガス先生がとっさに使うのは「大空」の方かなと考えてこの形にしています。
感嘆符の後の一字あけがないのは、原稿用紙の使い方に頓着しなさそうという偏見によります。

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星空と交わすアルフ・ライラ  カリム・アルアジーム(あやめ)
 アラビア語だ~!! と読んだ瞬間テンションが上がりました。バルガス先生の飛行術の空(昼)から、カリムくんが絨毯で飛ぶ星空へパッと光景が切り替わるのが鮮やかで素敵です。
 それから「アルフ・ライラ・ワ・ライラ」=『千夜一夜物語』のイメージが「何度でも」と響き合う感じが好きです。バルガス先生の句ではざっくりとした「何度でも」でしかなかった一回一回が、「アルフ・ライラ」によって一つずつの物語として光を当てられるようなイメージを持ちました。

道に立ち先く人も後も無く  ジャミル・バイパー(あやめ)
 本当にしみじみ好きで、読むたびに「ジャミルくん……!」の気持ちになります。旅の道中の「道」と、先達がいなかったりといった観念的な「道」が二重写しになって感じられました。
「先く人も後も無く」は最初さみしいイメージで読んでいたのですが、前句を振り返り、星空とアルフ・ライラを交わしながらの道中であれば望んだ一人旅の実現といった趣が強いのかな、楽しんでね、という気持ちで今は読んでいます。

在り去る我に時は儚し  マレウス・ドラコニア(あやめ)
 最初にジャミルくんの句を読んだとき、次を誰がどう付けるか全然予想ができなかったのですが、この句を読んでなるほどなぁと……
 ジャミルくんの句、カリムくんの句と合わせて読んだときとマレウス先輩の句と合わせて読んだときの印象が本当にぜんぜん違って、これが付け句の醍醐味なのかなぁと思いますし、マレウス先輩はジャミルくんの句からこういうイメージを得たんだなと思うと堪らない気持ちになります。孤高、高尚のさみしさを思います。

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茨草 谷る王に寄り添うべし  セベク・ジグボルト(Dr.ギャップ)
 マレウスの次はセベクに付けさせてあげたかったので頑張りました。
「茨の谷」と国名に入るくらいなので、あの国で茨は国のシンボル、あるいは原典から考えれば守護のイメージも持っているのではと思うのですが、王が茨の力で国を守るように茨よ王自身のことも守り長く寄り添えと呼びかけつつ、自分も茨の一本として寄り添うぞ、という決意のイメージでした。
「寄り添う」に付ける助動詞を何にするかめちゃくちゃ迷ったのですが、ここは「べし」で良かろうと今は満足しています。

納戸に眠る小さな毛布  リリア・ヴァンルージュ(Dr.ギャップ)
「寄り添う」から「毛布」を引っ張ってきました。実際にシルバーくんに寄り添わせていた「毛布」を思い出したというイメージです。あとは「茨草」と「毛布」で質感の対比になっていればいいなぁという気持ち。
 リリアが果たして納戸のあるような大きめの家に暮らしていたのか……ということが引っかかりつつ出しました、という本当にしょーもない裏話があります。

父の背を追い越した日の大夕焼け  シルバー(Dr.ギャップ) 
 体が成長して毛布が小さくなって、父の背を追い越した日ももう遠い、というイメージでした。
 最後の五音にすごく迷って、最初は「寒の晴れ」など冬の寒いけれど美しい空というイメージで言葉を探していたのですが、「の」が続くと流れが悪くなるし、「寒昴」はシルバーくんがとっさに使う語彙の中にあるのか……と迷ってこの形にしました。

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伸びし影は肩を並べて  ディア・クロウリー(あやめ)
 シルバーくんの句と読んだときとサムさんの句と読んだときで面白いほど印象が変わって、そのつかみどころのなさが学園長らしいなぁと感じます。
 次にサムさんが付けると分かっていてこの付け方をしていてほしい、という願望があります。

密やかな報せもたらす友人の  サム(あやめ)
 サムさんの句は語といいリズムといい軽やかで歌うような印象で、そこをサムさんらしく感じました。「密やかな」「友人」というキーワードについそわっ……とします。

手紙をなぞる鏡の前に  ヴィル・シェーンハイト(あやめ)
 ヴィル先輩で「手紙」とくるとついファンレターを想像してしまうのですが、前句にある「友人」から届いたものかなと想像しました。どんな友人からのどんな「密やかな報せ」なのだろう……と気になります。
(もしもルーク先輩からの矢文をこう扱い描写しているのだとしたらめちゃくちゃ豪気だな……と思いました)

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水仙の生いぬ湖畔にて暮らす  レオナ・キングスカラー(Dr.ギャップ)
「鏡」から湖とナルキッソスを連想した、と考えて付けました。「生いぬ」は完了ではなく否定。
 レオナさんから見てヴィル先輩も自分もそれぞれ「水仙の生いぬ」ところで暮らしている、というイメージがあったら大変ときめくな……という妄想を詰めこんでいます。

白ワイン手に囲むチェス盤  マレウス・ドラコニア(Dr.ギャップ)
「水仙」の色から「白ワイン」へつなげました。
 以下は句に詰め込み切れなかった妄想ですが、「水仙の生いぬ湖畔にて暮らす」前句の主体のところへ、白ワインを手にやってきてチェスに興じる訪問客、というイメージが下敷きになっています。
 なお「チェス」は前句のレオナと次のイデアそれぞれにつながりやすいなというマレウスからのパスでもある、という設定でした。

お互いに白黒譲れぬサガ同士  イデア・シュラウド(Dr.ギャップ)
「チェス」だから「白黒」だし「譲れぬ」というごく単純な付け方。イデアは張り切ればすごく凝ったものを詠んでくれそうだけど、そうでなければさらりと付けて手番を終わらせそうなイメージがあります。
 そして「お互い」はアズール氏をイメージしていると想定したボドゲ部推しです。

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仲立つ者が最後に笑う  アズール・アーシェングロット(あやめ)
 イデアがアズールを思い浮かべつつ「お互いに」「白黒譲れぬ」と詠んだのに、アズールはと言えば「仲立つ者が」と勝負の場からスッと引いてみせるので、その鮮やかさに手を叩いて喜んでしまいました。ムキにならない深海の商人然としたときのアズール・アーシェングロットだ~!

生業はこれが要と父の言い  カリム・アルアジーム(あやめ)
いつか己もと誓った心  リドル・ローズハート(あやめ)
 アズールも含めここの二年寮長の流れが大変好きで……それぞれの性向がはっきり表れているなと感じられるのと、アズール→カリム→リドルと雰囲気が句ごとに切り替わっていくのがくっきり見えて本当に読んでいて気持ちいいです。
(それぞれの前句も踏まえつつ、)アズールの「仲立つ者が最後に笑う」は他者から利益を掠めるようなどこかずるい印象があるのに、カリムくんの「生業はこれが要と父の言い」が付くと商人の心得といったマイルドな印象になり、またカリムくんがお父さんから商人としての振舞いを学んでいるシーンが浮かびます。そしてそこにリドルの「いつか己もと誓った心」が付くと実際の風景はぼやけて意識の世界に転じる……鮮やか……!! と読むたびに興奮します。

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メインストリートにオレ様の像も作るんだゾ!  グリム(Dr.ギャップ)
 グリムは絶対に定型には収めないぞと決めて作りました。特徴的な語尾(口調)はどうするか迷ったのですが、グリムも“句”としてかっちり作るイメージがなく(もちろんあの手で音を数えながら定型を守って作っても愛おしい)、「リドルの前句を受けて連想したこと、思ったことを口に出してそのままを転写した」なら口語体で良いかなぁとこの形にしました。

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はしゃぐ相棒一日が始まる  監督生(あやめ)
 挙句(最後の句)は監督生で、と最初にあやめさんと決めていたのですが、挙句に「始まる」を置くのが監督生らしくてとても好きです。《ツイステッドワンダーランド》はあの世界に暮らす彼らの物語だけれど、観測者たる監督生がいなければ始まりえなかった(プレイヤーの手元に渡ることはなかった)物語だとも思っているので。
 またすっと一歩引いて俯瞰するような句の作り方と、「一日ひとひ」というやや古風な読み方から受ける抑制の印象が監督生らしく感じました。


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