童懐屋ぐりこ様 作シナリオ
KPあつむ氏 PL自分
@35kayaku
【シナリオを経て率直な感想】
石橋叩いて叩き折るとはこのことか。以前のセッションでの『そうしたつもりが、そうじゃなかった』トラウマがくっきり尾を引いているのがありありと分かる。でも余計なことをたくさんしてたなあ。
個人的には楽しく糖分高めの導入と、明確に本人ではないと感じながら泳がせつつの動向探索は楽しかった。モニタールームでみせつけるとか、最高のシーンだった、ありがとう。
【ざっくりした探索者説明】
自探索者:松原末起夜 男性 30歳 職業スタントマン
最初のシナリオから幾つかのシナリオを経て、二年の歳月が流れている。継続探索者。
今回一緒に食事をする籠球希とは、最初のシナリオで共になり相棒を経て、現在お付き合いの関係に至る。
性格は、妹を大事にするぶっきらぼうながらも面倒見がいいタイプ。
なお、今回はそれが仇となったようだ。
KPC:籠球希 女性 20歳 職業大学生
性格は、元気かつしっかり者。おばあちゃんっこ。高校時代の部活はバスケ部だった。
導入はお蔭さまで糖度たっぷりになりましたとさ。
【導入ですよ、本編ではない】
数ヵ月前から妙な視線を感じるようになった。物を取る、直接害を与えるようなものは無いが、常に視線を感じ、更にそれは日を追うごとに増していった。
そんなとき、籠ちゃんから「お食事食べに行きませんか?」とお誘いが来る。断る理由もなく、予定を合わせて食べることした。それが今日の出来事である――
というわけで、見慣れた街並み、見覚えのある背景、そしてBGM。嵐の前の静けさ、何も知らなかった平穏、と言いたくなるような既視感を覚える。
籠ちゃんから誘われて、待ち合わせ場所に居る。しかし時間になっても彼女の姿が見えない。事前に「ごめんなさい、5分ほど遅れます」と連絡は来ていた。(そんなに気に病まなくてもいいのに)と思いながらも「別に気にしてないからゆっくりでいい」と返信する。ぺこりと謝るスタンプが返って来たのを見ながら、手持ち無沙汰に待ち合わせ場所で待機している。
KPから『何かしたいことはあるか』と聞かれるも、5分ぐらいだと他で時間を潰すほどでも無ければ、飲み物を買いに離れてもなあと。とりあえず他の人の邪魔にならないように、隅の方へと移動しつつケータイを弄りながら待ち続ける。
5分後、走りながらこちらへ駆け寄る籠ちゃんの姿が見える。
「ごめんなさい、遅くなりました……」
「別にいいって。気にしてないし……というか、そんな慌てて来なくても良かったのに」
「ああ……あ、ほんとはもうちょっと早くに着く予定だったんですけど」
「ん」
「色々見てたら遅くなっちゃいまして……」
「まあ、そういうときもあるだろ。つか、走って来たんだ?」
「そ、そう……待たしちゃいけないなって」
「別にいいのに……てか、ゆっくりでいいって返信したし」
「……」
「まあ、そんな気にし過ぎるなって。あーてか、走って来て喉乾いてんなら、なんか自販機で飲み物でも買うか?」
「あ、ああ、そうですね。末起夜さんは何か飲みたいものってあります?」
「んー別にこれといって飲みたいものないし。自販機の中身見てから考えるわ」
「じゃあ、こっちの方にあったんで……」
「あーそっちか。じゃあそっち行くか」
「はーい」
籠ちゃんが言う方に向かうと、1~2分歩いたところに自販機があった。
「ああ、ほんとにあった。んで、なに飲む?」
「えーと……じゃあ、この、ピーチティーに」
「ああ、それか。んー何にすっかな」
籠ちゃんはピーチティーを、そして自分は適当にスポドリを選ぶ。勿論自分が先に小銭入れて出してますよね、と聞けば。何度もこういうやり取りしてるなら、そもそも籠ちゃんは財布すら出していないという。
なんだろう、最初に会った頃――そのときのセッションと比べて進歩している感じがして何かいい。
というわけで、当たり前のように小銭を入れて当たり前のように出てきた飲み物を彼女に差し出す。
「ほい」
「ありがとうございまーす」
「ん、じゃあ少し飲んでから、お店? 場所? どこかわかんねぇんだけど」
「あ、えーとこの道を真っ直ぐだったと思うんですけどー」
そういって籠ちゃんがケータイを取り出してMAPを出す。割と直ぐ近くで分かりやすい位置にあった。
「へえ、ここなんだ。まあ分かりやすい位置で楽っちゃ楽だな」
「バイキング形式で美味しいらしいですよー」
「まあ色々選べて尚且つ美味いっつーなら、そら人気も出るか。楽しみだな」
「じゃあ行きましょー」
早速歩き始めようとする籠ちゃんを見て、思わず声が出る。さっきまで走って来たばかりなのに、そんなに急に動いて大丈夫なのかと。
すると走って来たといってもそれほど距離は無いので大丈夫だと。むしろどこか変ですかと聞かれて、変ではないが疲れた体にむち打ちような事をして良いのだろうかと返す。
それほどではないし、部活の走り込みの方が大変だったと話す籠ちゃんにそれもそうかと同意する。
KP『これは純粋な疑問なんですけど、お手とか繋ぎます?』
多分する方が向こうが喜びそうだから、求められるなら手は繋いでると思われる。時系列的なら既に籠ちゃんは成人しているため、別にいいかと。ただし嫌がるようならしないけど。
そう思いながら手を差し出せば、彼女は嬉しそうな顔をして手を繋ぐ。「こっちです」と誘導するように、手を引いて目的地である店へと連れてってくれる。
そしてここで籠ちゃんが待ち合わせ場所に遅刻してきた理由が、贈って貰った服を着て、変な所無いかとチェックしていたら出て行く時間を遅れてしまったとのこと。
会ったときに色々見てたらと言っていたから、たぶん身だしなみとか気にしてきたんだろうなと思ったけど。そういうことか。
そしてこの遅刻理由はシナリオには一切関係は無いと明言される。別に危害を加えらえたとか、話の伏線になるとか、そんなことは一切合切ないとな。
改めて自分がコーディネートした服をまとっている籠ちゃんを見る。純粋になんか満たされるような気がする。満悦である。
「あーてか、早速着てくれたんだ、それ」
「あ、はい、えっと……」
「うん」
「……変じゃないですか?」
「いいや。てか、似合ってるし」
「へへ……」
「可愛いと思うよ」
「良かったぁ」
「ふふ、ああでも似合ってて良かったわ」
「ん?」
「純粋にこれ着てるとこ見てえなぁと思ってたけど、似合ってなかったらどうしよっかなあと思ってたし」
服を選ぶのもコーディネートするのも苦手で自信がないし、頓着が無いと話す。籠ちゃんが不思議そうな顔で聞き返すが、だいたい着ている服を見れば分かるだろう。流石に着れればいいまでは言わないが、機能性動きやすさ重視だからセンスに自信がない。そもそも服を贈ることがそんなに無いと正直に伝える。
「でも……今日の服だと、ちょっとお揃いみたいですね」
「あー……まじか。全然それは意識してなかった。まあ……悪くないんじゃねぇの」
「嬉しいです、ありがとうございます」
「ん、よかった」
籠ちゃんがここです、ここと指す方を見れば分かりやすい位置に目当てのお店があった。
***
店内へ入れば、お昼時のため混んでいるが幸いにも座る事が出来る席はあるようだ。店員に二名だと伝えれば、空いている席へと案内される。
当店のご利用は初めてですか、という問いに今回誘ってくれた籠ちゃんの方へ視線を向ける。籠ちゃんは今回で二回目の来店だと言い、こちらへ視線を返す。それに対して、店員に自分は初めての来店だと告げる。
すると初めての自分に対して店員がシステムについて説明してくれる。それによると、二時間制のビュッフェ形式でワンドリンク後はセルフで好きな物を取ってくる、簡単な調味料など用があれば店員まで、とのこと。
説明を聞き終えて、とりあえず籠ちゃんに何か取ってくるなら先に自分は席の方で待って荷物を見ていると伝える。その言葉に甘えるように、籠ちゃんが先に料理を取ってくる。
待っている間は手持ち無沙汰なので、適当にメニュー表や特集、シーズンものなどが載っているパンフを手に取って目を通す。そこにはシェフのオススメメニューや季節の限定デザートなどがあった。
戻って来た籠ちゃんがよそったプレートを見れば、載っていたシェフのオススメ料理があった。
「このシェフのオススメってやつ、取ってきたんだ」
「あ! これ、美味しかったんですよー末起夜さんにも食べてもらおうと思って」
「へえ、そんなに美味いんだ?」
「はい! あ、末起夜さんも取って来たいものがあれば取って来てください、私見てますので」
「あー悪いな、じゃあ取ってくるわ」
そういって今度はバトンタッチして、自分が取りに行く。昼飯だから普通にガッツリ主食を一つ多めにとって、あとは軽く摘まめるものを何種類か取って行こうと考える。とりあえず一回目はオカズというか、主食系統だけを取って、ドリンクバーでお茶を選択する。手間取るティーセット系統は避ける。中の人は色々試したい派、だからファミレスはCOCOSとか好きですね。
だいだい見て回り、食べたいものを取って席へ戻る。
「戻った」
「おかえりなさいー」
「なんか……思ってたより色々あって、目移りしてた」
「ねーいっぱいありますよねー」
「ほんと色々あるな。あとさっきパンフ見たけど、割と季節ごとに期間限定が多いんだな」
「そうなんですよーデザートとかも結構豊富で」
「デザート見てなかったなあ。まあどうせまた取りに行くし、そん時見ればいいか」
ここまで話をして、籠ちゃんが席に戻って来たときのままプレートが手付かずだったのに気が付く。まだ食べてないんだ、と言えば一緒に食べようと思ってと返される。尚更待たせて悪かったなと詫びるも、全然いいですよと返される。
揃ったところで、いただきますと料理を口にする。料理はおいしく、評判になるのも分かる気がした。そういえば自分が食べたいものだけを選んで料理を取って来たが、もし食べたいものがあるなら分けると話す。
すると自分が取って来た料理を見てそれどこで取って来たんですかと、籠ちゃんが尋ねる。あそこにあったと場所を教える。
「へーそっちまでは行かなかったなあ」
「気になるなら一口食ってみるか? んで、気に入ったなら取りに行けばいいし」
「え、いいですかー?」
「別に気にしねぇよ」
「わーい」
逆に籠ちゃんが美味しいと言っていたシェフのオススメが気になってきたため、それを少し貰ってもいいかと聞けば快く返事が返ってくる。
「どうぞ、これ二人分取って来たんで」
「おお……気が利くな。んじゃ、もらうわ」
「どうぞー」
確かに口に入れれば、オススメされるだけあって美味しい。率直な感想を言えば、でしょーと同意する籠ちゃん。そんな籠ちゃんも気になったものを口にすれば、気に入ったらしく今度はこれを取りに行こうと話す。
食べ進めていくうちに皿の上が空いてきたため、また取りに行こうと席を立つ。その際に籠ちゃんへ、何か欲しいものがあればついでに取ってくると言えば、さっき気に入ったやつを頼まれる。
料理を取りに行き席を離れたところで「……料理が旨いと食べるのに夢中になって、さらに口数が減るな」と思わず声が漏れる。一方の彼女は楽しそうな表情でご飯を食べていた。ならまあいいかと思う。
籠ちゃんは料理を口に入れる度に目をキラキラ輝かせて、嬉しそうな笑みを浮かべている。そんな表情を見ると更に食べさせたくなってくる。
あんまり餌付けすると怒るか……? と悩んでいると、KPから『何か彼女の好きそうなものを取っていきますか?』と聞かれる。
それに対して、好きそうなものを適当に取って、もし食べられそうにないときや要らないときは自分が食えばいいと返答する。
KP『実は籠ちゃん、好物がキャラシに書いてあるんですけど』
PL『……』
KP『カンニングせずに当てられるか、やってみるか』
PL『ずる!そういうの!!』
KP『ずるくない、これ(最初のセッション)のときから書いてるから』
PL『ええ……そういうのずるいと思う』
思わず、リンクを開くもその先のURLには何も書いていなかった。
おばあちゃんが作ってくれた料理が好きだと言うのはなんとなく覚えている。それをいえば、だいたい作る系統が決まっていると返される。和食系……手作り料理、例えばおにぎりとか出てくるか、こういった場所で。KPから『何かこれっていうの出てくる?』と聞かれて、困惑するPLであった。
ちなみにここまで導入の真っただ中で、本編はミリもかすっていない。だからRPを愉しもうという時間である。
てっきりこういった日常を送っている途中で<目星>を振らされて、視線が突き刺さるような気がすると言われるとか思ってた。
ここでなんとなく料理、おにぎり、シソ……サッパリ系だったと思った気がすると返す。はたしてビュッフェにあるのだろうか、イメージがないんだが。
KPからはあるかどうかは<幸運>判定となる、と返される。失敗したため、やはりシソのおにぎりはなかった。
しかしメタ的な読みだと、ビュッフェ形式でも出せそうな好物があるはずである。それをなんとか読み解こうとする。手作り、大好きな物、ハンバーグ……唐揚げ……<幸運>判定……?
KPから唐揚げはあるから、人気があるので売り切れていないかという<幸運>判定を振らされる。失敗、残り
2個しかなかった。
とりあえず色々取り終えて席へと戻る。
ご飯時だからか、幾つかの料理が既に無くなっていたことを話す。自分が取ってきた料理に対して、籠ちゃんがどんな反応するかと様子を窺えば、そもそも取ってきてほしいと頼まれたものがあったのでそれを先に差し出す。籠ちゃんは嬉しそうな様子であった。
他にも食べたいものがあるかと聞けば、唐揚げが食べたかったけどさっきは無かったと籠ちゃんが言い、またあとで見に行きますと。それなら自分が持ってきたのを取ればいいじゃないかと話せば、二個しかないけどいいんですかと返されたため、別にいいよたぶん食べると思ったからと答える。すると彼女が更に嬉しそうな表情で食べる。
PL『好きなのかなあ……』
KP『あとで答え合わせしよっか』
PL『こわっ』
ちなみに答えは『梅とシソのおにぎりと唐揚げ』ですって。やっぱりシソのおにぎりじゃん。梅とかシソなどが好きなので、はさみ揚げとかそういったものを提案すれば出てくるらしい。
正直ハンバーグとめっちゃ悩んだ。でもおばあちゃんが作ってくれるものって言ってたし……! とすごい悩んだ。なんか勝手なイメージだけど、籠ちゃんと某休止中アイドル飼育員の方と似てるんだよね、唐揚げ好きなのかあ(・◇・)
KPの突発クイズみたいなところがあったが、楽しかったらしい。いきなりのことに若干冷や汗をこっちはかいた気がする。今度、ひっそり好みや嗜好品でもイメージ固めておいて書き足しておくべきか。
主食をガッツリ食べて、そろそろデザート系を取りに行こうと。良かったら取ってきますよと言ってくれた籠ちゃんのお言葉に甘えて、希望はガッツリ食べたから今度はサッパリ系と頼んだ。
見送った自分に、KPから<聞き耳>もしくは<アイデア>を振るように言われる。技能値成長を考えて<聞き耳>を選択し、成功。
するとここ何カ月か感じていた視線をここでも感じる。背筋に悪寒が走る、SAN値チェック、成功、減少は無し。折角の楽しいひと時に水を入れられて思わずため息が零れる。「ここでもかよ……」
視線の元がどこか探ろうとすると、途端に視線が外れたのか気配が無くなってしまった。「んだよ……質悪ぃ」とキョロキョロしていたとき、籠ちゃんが戻ってくる。
戻って来た籠ちゃんはさっぱり系デザートという要望にグレープフルーツのゼリーを取って来た。グレープフルーツ平気ですか、と聞かれて特に苦手でもなかったため貰う。
沢山取って来たのを見ていると、好きなのとってもいいですよと言われたため、目に着いたミルフィーユを貰う。
貰ったデザートを食べていると、籠ちゃんから不意にさっきキョロキョロしていた事を指摘され、誰か知り合いでもいたんですかと聞かれる。こういうときの籠ちゃん目敏い、気付いてほしくなかったところに気付いてしまうところ、あるよね。
知り合いというか、と口を濁しながらも、見られたらからかってきそうなヤツがいると本音を混ぜながら誤魔化す。そう、こういう場面を見てからかってくるヤツがいた気がしたんだ。どこからともなく「ええ~心外だなあ」という声が聞こえた気もする。なんか成仏してないみたいで申し訳ねぇ。
ともかく指摘された以上、悟られて変に心配を掛けないように、自分の立ち振る舞いを改めようと気を引き締める。
ちなみに籠ちゃんが食べているデザートはフルーツ系、ムースが多い。唐揚げが好きで食べているから、油っぽいものの後にはサッパリ系が欲しくなっているようだ。自分が選んでいるのと同じ系統だったのかなあと思いながら、好きにデザートを取ると籠ちゃんは嬉しそうな表情を浮かべる。それを見て可愛いなと思う、その表情を肴にではないがこちらも食べ進めていく。
KP『いやあこの導入、糖分高いなあ』
PL『てかストーカーに悩まされてるんだ、これくらい美味しい思いをさせろ』
サッパリ系で口の中もスッキリした後は、甘いものがほしくなって別系統のデザートを取りに行こうとする。籠ちゃんに「何か食べたいものはあるか? 別に一口分だけでも、後でこっちが喰うし」と言えば、彼女は色々食べたいものがあって悩んでいる様子だ。
なら、適当に取って来てほしいものがあれば貰うという方式で落ち着く。ショコラやプチシューといった甘い、クリームやチョコレート系を選んで取ってくる。欲しいものあるなら取っていい、と言えばケーキをチョイスしたためそれを渡す。
そろそろドリンク系が無くなることに気が付いて、さっき一緒に取って来れば良かったなとぼやいていると、籠ちゃんが取って来ましょうかと言う。その申し出に甘える。希望を聞かれたため、ストレートでミルクやガムシロは要らないとアイスティーを頼む。
KP『コーヒーかと思った』
PL『これ個人的な主観だけど、なんかコーヒーだと余計に味が口の中に残る気がして。お茶の方が飲む後すっきりするような』
KP『コーヒー飲めない人種なんでね』
これは中の人の完全な好みというか感覚だけど。
なんとなくコーヒーだと飲んだ後もしばらく後味が残るから、スッキリはしない気がする。でも清涼飲料と違って直前に食べたり飲んだりしたものに、味を振り回されないから気にせずに飲めるところはある。果物食べたあとにジュースは後味嫌な酸味が舌につくが、乳飲料だと甘酸っぱさによって飲み物の味が変わるとかあんまりない気がする。あとコーヒーとかって、臭いが気になったりしませんか。これは紅茶もいっしょか。
籠ちゃんが二人分の紅茶を持って戻ってくる。
籠ちゃんはガムシロを入れている。デザート食べたあとでガムシロは口の中甘ったるくならないか、と思いながらもその辺りは個人の主観であるため、特に言わずに茶を飲む。可愛い。
だいぶ食べたなあと思いつつ、一息を吐く。実際比べても結構この二人食べている方だと思われる。でもまあ食べた分だけ動くから、消費されてることだろう。動いた分のカロリーが欲しくなって食べるところはある。いいと思います、健康的で。
***
一通り食べ終わり、雑談となる。
今度の休みはいつですかと聞かれ、そろそろ仕事もワンクール明けるためそろそろ来週辺りにはまとまった休みが入るのではないかと伝える。ただ突発でぶちこまれる可能性もあるため、予定は不確定ではあるが。お仕事大変そうですね、と相槌を打つ籠ちゃんに仕事あるうちは有り難えよ、不規則不定期だしと返す。
逆に籠ちゃんの予定を聞けば、だいたい課題などはやってあると。試験とか講座は大丈夫なのかと聞けば、来週辺りには試験範囲が公開されると。じゃあ大変になるんじゃないかと言えば、しっかり勉強したり聞いたりしておけば大丈夫だし、分からないところもないから特に困っていなさそうな様子だ。
大学の話になり、ふと自分の学生時代について思い返していると、籠ちゃんのケータイから通知が入る。それを見た彼女が、来週の休みはいつですかと聞かれる。忙しくはないと答えると、どうやら飲み会のお誘いが入ったらしい。行くのか、と聞けばどっちでもいいですけどと。もし行くなら終わりの時間をだいたい教えて貰えれば迎えに行くと言えば、飲み会に行くことに決めたようだ。飲み会の場所と時間を言ってほしいと言えば、分かり次第伝えれくれるらしい。別に飲み会に行くこと自体はとやかく言わないけどさ。
そういえば時間はどうだろうかと時計を見ると、コース時間終わりまで残り10分程であった。どうするかと聞けば、籠ちゃんは出ても大丈夫ですとのことだったため、これでお店を出ることにした。
会計を済ませることとなり、まとめて二人分支払うことに。それでいいかと聞けば「いいですよ」と返ってきたため支払う。するとお釣りと一緒にクーポンが渡される。クーポン要るかと聞けば、籠ちゃんは前回貰ったからどうぞと言われたため、また今度来た時に使うかと答える。
***
支払いを終えて店の外へと出ようとしたとき、後ろから勢いよく突っ込んできた誰かと籠ちゃんがぶつかって転倒する。は?
転んだ彼女に向かって「大丈夫か、つかぶった? 擦った?」と聞けば、手の甲を差し出してそこには擦り傷が出来ていた。後ろからぶつかってきた人物は、背が低くフードを被っていたため容姿はよく分からない。
心配して店員が駆け付けて、応急セットを持ってきてくれる。店員は悪くないし、折角持ってきてくれた応急セットを有り難く使わせて頂くことに。ただ一応擦り傷なため、傷口は洗い流したいと言えば、お手洗いに案内される。「染みるかもしれないけど……」と流水で傷口を洗うと、染みるのか痛そうな表情を浮かべる。申し訳なさそうな彼女に「普通に考えてこの狭い店内で走ってぶつかってくる方がどうかしてる」と少し苛立ちが出る。洗った傷口の水気を取って、絆創膏を貼って処置する。他に怪我しているところはないかと聞けば、ないとのこと。
処置を終えたところで、応急セットやお手洗いを借りたことを謝りつつお礼を述べて店内を後にする。
最後に散々だったが、他にも見て回るところがあれば付き合うと言えば、籠ちゃんから色々見て回りますと言われる。とりあえず目的もないため、適当に散策することに。これからショッピングウィンドウ始まるのかな。
ここまで約1時間半。導入である。一応シナリオに明記されている想定時間は3時間程だと。おかしいな。
このままクトゥルフせずに穏やかな日常を過ごしましたでもいいんじゃないかと言えば、KPから『籠ちゃんを突き飛ばしたヤツそのままでいいんですか』と言われる。しかし既に逃亡されて、容姿も分からないんではお手上げである。
***
そうやって街中を見て回ると、離れたところからブレーキ音と何か大きなものがぶつかったような音が聞こえてきた。思わず反射的に籠ちゃんの方を見やれば彼女にも聞こえていたようだ。
「なにか……すごい音がしましたね」
「状況的に……ブレーキ掛けたけど間に合わなかったみたいだな」
もし万が一のこともあるし、一度見た方が良いのではないかと思っているとKPから<聞き耳>を振ってくださいといわれる、成功。
悲鳴や野次馬の騒ぎ声が聞こえ、どうやら近くでトラックが信号を渡っていた歩行者を引いたらしい、更に言うとそれが女性であることがわかる。
野次馬の声を聞いて、救命活動がされているのかを確認すれば誰かが救急車を求める声が聞こえる。籠ちゃんの方を見れば彼女は不安そうな様子だ。
前にもこんなことあったな、と思いながらも、何か手伝えることがあるかもしれないと事故現場に足を向けることに決める。
ちょっと見に行ってもいいかと籠ちゃんに聞けば、了承は得られる。もしキツイなら少し離れたところで休んでてもいいと言えば、大丈夫ですと返ってくる。
そして事故現場に向かおうと、一歩足を踏み込んだ瞬間耳元から声が聞こえた。
「ワタシハ アナタヲ オイテイクコトハ デキナイ。カナシマセル ワケニハ イカナイ」
その女性とも取れる声が聞こえて、息を飲む。その瞬間、ぐらりと視界が歪み、視界が黒に染まった。そしてどさりと自分が倒れた瞬間、隣でも誰かが倒れたような音がした。
【本編】
ここに至るまで1時間30分程。シナリオ想定時間3時間半、うち導入で半分ぐらいは経っているとはどういうことだろうか。
誰かが呼ぶ声で意識が浮かび上がる。その声に聞き覚えがある。それは一緒にご飯を食べていた籠ちゃんのものだ。彼女が「末起夜さん、起きてくださいっ」と必死に呼び掛ける声で目が覚める。「ここは……?」と返事をすれば、彼女は「良かった……」と安堵した様子だ。「球希……?」と少しぼんやりした声音で呟けば、彼女が「大丈夫ですか?身体痛いところとか、ありませんか?」とこちらの心配をする。
自分の身を確認すれば意識を失う直前まで着ていた服装のままで、気分や体に変調はなさそうだ。「悪い……心配掛けたみたいだけど、今のとこは痛むところとか体調とか問題なさそうだ」と答えれば、彼女は「ああ良かったぁ……」とほっとしたような様子だ。「つか、そっちは?」「具合が悪いとか、気分が悪いとか。その辺はどうなんだ?」と反対に彼女の方の具合について尋ねれば「ないですよ」と返事が返ってくる。その返答を聞いて「それなら良かった」と安心する。
互いに無事だったことを確認したところで「てか……今どこにいるんだ、自分達は」と声を上げれば、彼女も「どこなんでしょう……?」と相槌を打つ。
周りを見渡せば、白い四角い一室で、窓は無い。自分の前後に一つずつ茶色の扉があることが分かる。そして壁に何かが掛かっていることも分かる。思わず「全っ然身に覚えのないところに連れて来られたのか……」とぼやく。
壁に掛かったものを見れば、それはマップのようなものだった。
「なんだこれ……地図、か」
「たぶん……ここ5番って書かれてるところですよね」
「ああ、たぶんな。他に前後に扉があるとこねぇしな」
この時点で持ち物を確認すれば、普段持っているものは持っていないことに気が付く。ただアクセサリーは身に付けたままであるため、指輪は首から下がっていた。
「貴重品とか連絡するもんとかは無さそうだ……これ球希の方もないのか」
「そうですね、持ってなくて……」
お互いに持ち物は持っていないことを確認したところで、ふと彼女の方が先に目が覚めていたことを思い出して、先に気が付いたときの状況について彼女に尋ねる。
「てか聞きそびれたけど、目が覚めた状況ってどんな感じだったんだ?」
「えっと私が目が覚めたのはここじゃなくって……なんか、廊下? みたいなところで……目が覚めて。で、末起夜さんどこかなって思って……探してたら……ここで倒れてるの見つけて……」
「廊下みたいなとこっつーと……扉開けて、この部屋に入って来たってことだよな?」
「そうですね、良かったぁ……すぐ見つかって」
「ちなみにどっちの扉から入って来たんだ?」
「えっと……あっちです」
彼女はそういって地図上は下にある、南側の方の扉を指差した。
「そっか……ちなみに廊下はどんな感じだったんだ?」
「なんかこの部屋とあんまり変わんなくて、とりあえず扉があったから、入って来ちゃって……ごめんなさい、あんまり覚えていなくて」
「そっか……その、意識を失う直前まで何してたかは覚えてるか?」
「直前?」
「ああ、どういう状況で意識失って、それでこんなとこまで連れて来られたのか」
「えっと……末起夜さんとご飯連れてってもらって……それで、事故、ですよね」
「ああ……あったな」
「見に行くってところまでは……」
「つーと、俺とそう状況は変わらないのか……また何かに巻き込まれたのかな、これ」
「ですかね……」
「かもな。まあ、ずっとここにいる訳にはいかねえし。少しは探ってって、色々情報は集めてくか」
「はい」
「じゃあ、動けるんだったら一緒に動くか」
「はいっ」
ここまで会話をして、周囲を探索していくことに。
まずはマップを確認するが、これは埋め込み式のため持ち帰る事が出来ない。写メるケータイもないため、自身の記憶で把握しておかなければならない。
部屋全体に対して<目星>が振れるため、振って成功する。
部屋の隅に黒いカードと空の小瓶があることに気が付く。小瓶をよく見れば、空だったが中身が入っていた痕跡が残っている。無色の液体のようだ。
黒いカードの方には金色で「おかえりは白い扉からどうぞ」と書かれている。『裏返してみると何も書いてない?』と聞けば、裏には「心残りのないように」と書いてある。掲げて光に晒しても特には書いていないようだ。
ここまで調べたところで、彼女が「なにかあったんですか?」と尋ねたため、見つけた小瓶とカードについて詳細な情報まで伝える。
彼女は黒いカードの方に何が書かれているのかを尋ねたため、表と裏それぞれに書かれていた内容について話す。すると彼女は「じゃあ白い扉を探せばいいんですね」と答える。
「……まあ、文章そのまんま受け止めるなら。でも心残りのないようにってことだから、あくまでやりきってからってことだろうな」
「やりたいことってなんでしょうかね」
「さあな。今の状況じゃ全然わかんねえけどな。まあたぶん他の扉も見て回っとけってことだろうけど」
再度彼女にどこの扉から入って来たのかを確認する。ここは心当たりのある方から出てって調べていく方が良いんじゃないかと言って、5番から南下して調べていくことを提案する。そのことに彼女も同意を示す。
ここでKPから籠ちゃんに<目星>することが出来ると提案されたため、振って成功する。
身を心配していた彼女は怪我はしていないが、あのときの店先で出来た擦り傷は付いたままだ。
ここまで進んだところで一回トイレ休憩が挟まる。
***
トイレ休憩から再開。
ふとシナリオタイトルが気になることを話す。【奪取脱出ストラグル】というが、それぞれの単語が何に掛かっているのだろうか。何を奪い取ったの?ダッシュと掛けているの???怖いな???
KPはニコニコしながら聞いてるとな。自分はいつもセッションをやるときは緊張しているというのに。
***
籠ちゃんの方を見ていた貴方は<聞き耳>を振って下さい、とKPから言われて振る、成功する。すると2番方向の扉から、ぽすぽすという小さな軽い音が聞こえてきたことに気が付く。
「……なんか、あっちの方から音しねぇか?」
そう言うと、ギィ……と音を立てて扉が開かれる。その扉の隙間から、ボタンの目が取れ掛けて薄汚れたクマのぬいぐるみが現れた。
PL『アカンアカンアカン!!』
そのまま扉を開けてこちらへと向かってきているのが見えた。いきなりぬいぐるみが動くという事態に、恐怖と悪寒が走りSAN値チェック。失敗
KP『ちなみにこれデカいんですけど』
PL『デカい(SAN値チェック量か??)といった矢先にこれ(失敗)なんですけど!!』
KP『デカいんですけど、本来の大きさは膝より下です』
PL『ああ、そういうことね!!』
SAN値チェック失敗は1d2、2の喪失であった。
動くぬいぐるみを見て思わず「ぬいぐるみ……動いてんだけど……」「扉を開けて入って来たが……どうやって扉開けてきたんだ?」と困惑を露わにする。するとそれを見た彼女が息を呑む音が聞こえた。
「え?」
「やだ……追ってきたんだ……あの化け物」
「は?」
「逃げましょう!末起夜さん!」
そういって彼女が腕を掴んで、ぬいぐるみが来た方とは逆の8番方向へと引っ張る。その瞬間、部屋に入ってきたぬいぐるみが見るも無残な動く死体へと変貌していった。
PL『はあ?ビフォーアフターよりも酷ぇんだが??』
上半身と下半身が辛うじて繋がっており、中の臓物が無残にも晒されている。顔は潰れてしまっているも、なんとか女性であることが判別できる。そんな動く死体を見てしまったことにより、SAN値チェック。失敗どころか99。SAN値チェックにファンブル適応されなくて良かったよ。しかし減少値1d6で、3を引く。
更に空間全体から気味の悪い悪寒を感じ取る……更にSAN値チェック、失敗。
PL『ねえ、ここで発狂させる気満々じゃねえの???』
減少値は1固定。
彼女は腕を引っ張って反対方向へと逃げようとする。KPから『振り払ったりしますか?』と聞かれたが、SAN値チェック全て失敗しているので、呆然としながら引っ張られるがままになっていると思われる。
KPから<聞き耳>を振って下さいといわれるも、失敗。呆然と引っ張られるがまま、部屋を出て行くところに化け物が何かを言っていたような気がしていたが、それが何かを聞き取ることは出来なかった。そのまま扉を開けて部屋を出て行く。
「あれ……なんだ。さっき追ってきたつってたよな、あれか」
「そうそうなんです、ここで目が覚めて……探してる途中で何か音が聞こえて、それで見たらアイツがいて……とりあえず近くの部屋に入ったら、末起夜さんを見つけて……」
「あれ……なんなんだ」
「わかんないです……」
「正直……気が動転してて、ろくに見てなかったんだが、あれどんな形してた……?」
「え……あまり怖くて見なかったんですけど……」
「そっか……とにかくあれに追われながら調べて回ることになるのか、これ」
「たぶんそうだと思います……早く出口を探しましょう」
「ああ」
現在彼女に連れられて、8番の部屋の前の廊下にいる。例の化け物がどんな様子なのか、扉越しに<聞き耳>で音を探ろうとするも失敗。扉に耳を当てるも、聞こえるのは同様のあまり早鐘を打つ心臓の鼓動ばかりで聞こえない。
「駄目だな……一回冷静にならねえと」
相次ぐ事態に、一旦心を落ち着かせようと自分に言い聞かせる。口にしたところで彼女に「とりあえず片っ端らから部屋を調べて回ろうと思うが、それでいいか?」と提案する。彼女から同意の言葉が出たため、探索を始めることに。
***
現在地、8番の部屋の前に居る。「とりあえず近場のこの部屋から調べるか」と、まずは部屋の扉の色を確認して茶色の扉だと分かる。しかし鍵が掛かっていて入れない。
「まじか……あー駄目だ。鍵掛かってんな、ここ」
「鍵……じゃあ、他の部屋ですね」
「他に天井とか廊下とか床にヒントとかあればいいんだけど」
8番の部屋が入れないため、今度はその付近にある6番の部屋へと向かう。この扉も茶色ではあるが、鍵は掛かっていない。入る前に確認として<聞き耳>を振る、推奨技能なのに低い(55)んだよなあとぼやくも成功、出目が7だったので『他の卓だったら即時成長なのになあ』と漏れてしまった、一体何卓なんだ……
特に音は聞こえない。「とりあえずここの部屋、鍵は掛かってないし、音も聞こえねえから一編入ってみねぇか?」と彼女に尋ねて同意を得てから入っていく。
ここでKPがシークレットダイスを振る、なんで振るんだ???
【6番の部屋~誰かの自室~】
入ってみれば、そこは女性的な印象を受ける綺麗に整頓された部屋で誰かの自室のように見える。しかしそれよりも先に目に飛び込んできたのは部屋の壁、そして天井まで覆うように貼られた自分の写真の数々であった。
「は???」
狂愛を感じさせる部屋に対して、SAN値チェック、失敗。
PL『あのっ……さあ……!!』
失敗は1d3、3点喪失。
PL『ショックが……でっけぇんだわ!!』
KP『そらそうだわ』
<アイデア>が振れるということで、アイデアを振る。
PL『追加で(SAN値チェック)食らいそうだけどな……知ってます?そろそろ不定(の狂気)いきそう』
KP『わあ』
PL『だから今のうちに削れるところまで削った方がマシ感ある』
>>アイデア98致命的失敗<<
PL『まって??クリティカル出てないのに、ファンブルこんなに出てくんの???』
動揺のあまり、何も思い浮かばなかった。
PL『というか、もう(理解を)拒否してる。理解を拒んでる』
この部屋で調べられる箇所が、ベッドと本棚と机ということでとりあえず本棚から調べていくことにする。
しかしその前に、当事者である松原さんがこんな目に遭ってショックを受けているが、籠ちゃんの反応はどうなんだ? と気になった。それを確認すれば、彼女はキョロキョロしている。
PL『その表情は?』
KP『表情か……何て言えばいいのかな、驚きはしてるけどそわそわみたいな』
PL『……なんで?』
KP『落ち着かなくてそわそわ』
PL『……理解を拒んでいるけど、ちなみに写真はどれもカメラ目線じゃない、ですか?』
KP『wwwwそうですね、カメラ目線のものは少ないなって思います』
PL『更にもうちょっと突っ込んだこと聞きますけど、視線をやたら感じるってあったじゃないですか。それって自分の休日やプライベートだけじゃなくて、仕事場も入ってます??』
KP『はい』
PL『(思わずため息を零す)』
KP『入ってます』
PL『「マジかよ……」』
部屋中を覆い隠すほどの自分が撮られた写真を見て、大きく長いため息を吐く。「なんで俺なんだよ……」と思わず声に出してしまった。それを見た彼女が「えっと……末起夜さん……大丈夫、ですか?」と気遣うような声を掛ける。それに対して「悪ぃ……大丈夫か大丈夫じゃねぇかっつったら大丈夫じゃねぇ……」「ちょっと……つうか、流石に……これは、やべぇだろ」と疲れ切った声音で返す。すると彼女が「えっと……私に出来ることあったら言って下さいね」と慰めの言葉を掛ける。それに対して「どうも……気を使わせたな」とその言葉に応えた。
RPを終えたところで、これらの盗撮写真の中に籠ちゃんや妹である光希が映っているかを尋ねる。すると写真自体には映ってはいないが、この写真の枠の先に居るだろうなと想像は出来る構図のものが多いことが分かる。あくまで被写体は松原さんのみ。
***
一気に疲れが出たような表情を浮かべながら、本棚の方を調べていく。本棚には<目星>を振ることが出来る。成功。
たくさんの自分写真が納められたアルバムの隙間に一枚の切り取られた新聞記事と自分ではない誰かの写真を一枚見つける。
切り抜きの日付は意識を失った日の翌日であった。そこには一人の人物が不慮の交通事故で死亡した旨が書かれていた。更にその被害者の名前と年齢が記載されている。
その被害者の性別年齢名前は誰かと尋ねれば、『女性、墨咲柚子(24)』であり、見覚えがあるかと問えば『あると言えばある』とのこと。ものすごくメタなことを言うとこの苗字と名前で見覚えがあるなら有るんじゃないのか?? と聞けば『あるけど、顔までは思い出せない……どっかで見たことある気がするなあ』というレベルだとな。
では、事故に対する新聞記事ならその内容の詳細まで載っているのではないか。例えば事故現場や時刻その経緯とか。と確認すれば、事故現場はあのとき食事をしていた場所付近の交差点にて、トラックに撥ねられて死亡、現在運転手には事情聴取を行っている――とのこと。
事故発生直後に恐らく遭遇して、じゃあどうするかという場面で意識を失った――という経緯だったのに、既に翌日の新聞記事が出ている……? どういうことだってば。
そういえば写真についてまだ詳細を聞いていなかったと、写真について情報を尋ねる。
するとそれは証明写真に近く、女性で成人はしているだろう年頃で、短めの髪に明るめの色、穏やかそうな印象を受ける。
その女性に見覚えがあるかと聞けば、同じ仕事場で自分と同じスタント役をしており、喋った覚えがある。そして名前まで思い出し、それが先程の新聞記事に載っていた彼女と同一であることが分かる。
彼女と面識があることを思い出して、頭に当時彼女と話していたことが過ぎる。そのとき、彼女は嬉しそうな表情をしていた。彼女には同じ年頃の妹がいること、その妹とは雰囲気は違うけど、危険が伴う業界だから気を付けてねと気遣いの言葉を掛けたこともあってか、仕事の休憩の合間によく話をしていたことを思い出す。そんな人物から狂愛を受けていたことにSAN値チェック、成功、固定値1減少。
PL『あのさ……人間不信になりそう。知ってる?この段階でもう既に10(SAN値)削れてるんだよ』
KP『わあ、削れたねえ』
PL『15削れると不定入り?』
KP『待って12じゃない?』
PL『12……まって、あと2なんだが???』
KP『がんばれ♥がんばれ♥』
PL『もう駄目じゃね? 狂気表持ってくるわ』
次から次へと露呈する事実に「まじかよ……まじかよ」という声しか出ない。それを心配そうに彼女が「末起夜さん……」と声を掛けてくる。それに対して「悪ぃ……居心地悪いと思うけど、まだ調べてねぇから……もうちょっとこの部屋に居るから」と詫びれば、彼女が「大丈夫ですよ……ついてますからね。やりたくないこととかあったら言ってくださいね」と返す。それに対して「気使わせて悪いな……さあ、気取り直して調べてくぞー……」と明らかに元気のない声音で探索を続けていく。
***
溜息を吐きながら、本棚を見た流れで机の方へと視線を向ける。そこには起動しているPCがあり、メモ帳が開かれたままとなっていた。そこに書かれていたのは「ニゲロアブナイニセモノ」という文面であった。「どういうことだ」と呟いてしまう。<目星>を振って下さいと言われるも、失敗。特に何も気付くものはなかった。
PCについて他に調べられるものがないか尋ねると、机には引き出しがあり、そこには鍵と綺麗に束ねられた分厚い書類が見付かる。鍵の方は扉に使われるもので、プレートには「モニタールーム」と書かれている。『いい予感がしねえ』鍵については「どっかが開くんだろうな」と思いながら、それはポケットに仕舞う。
書類の方に目を見やれば、そこには籠ちゃんの個人情報、癖や口調などが写真と共に詳細にあった。「……随分と念入りに調べてくれてんだな」
KP『籠ちゃんの方ね、松原さんの方じゃなくて』
PL『うん』
KPにこれらの書類を見ているときの隣に居る彼女の反応が気になると話せば、彼女はパソコンの方へとカチカチと動かして他に何かないか見ている様子だ。
「どうもそのパソコン開きっぱなしのようだけど、なんか見つかったか?」
「いえ……特になさそうですね」
「ふうん……見てもいいか、俺も」
そういってモニターを覗き込むが、そこにあるのはモニターに映る"松原末起夜●●年●月●日"と書かれたフォルダと写真ばかりだ。『それを彼女はどういう表情で見てるんだ……?』と疑問を持てば、彼女は眉間に皺を寄せて何やら考え込んでいる様子だった。
「どうしたんだ」
「え」
「ああ、何か考え込んでるみたいだから」
「ああ……何か手掛かりあるかなって思ったんですけど、わかんないなあって」
「ああ、そうか。見たとこ色々保管してたっぽいな……いったいいつの間にこんなに撮ってたんだろうな」
PCを動かしていると、そのキーボードに赤インクが付着していることに気が付く。インクが付着している箇所を確認するも、それは全体的に付いているようだ。その机周りに赤インクがあるか聞くと、多少は付いているとのこと。さり気無く彼女の指先を見てみるが、インクは付着していないと。先程までキーボードを弄っていた自分の指先には多少インクは付着している。
これらのことについて『へえ』と思いながら「ベッドの方まだ見てねえからそっち見に行くか」とベッドの方へと向かう。
***
ベッドの方は特に変わりのない様子だ。
PL『枕に下とかに有ったりしない?』
KP『ああ~~~では貴方が枕の下を覗くと写真が一枚あったりします』
PL『……ちなみに、どういう写真だった?』
KP『寝顔かな……』
「どこで撮ったんだよ……だから……!」
KP『寝顔なのか、たまたま目を瞑っている写真なのか分かりませんが』
「……まじ、ほんと、執念感じる」
「ざっとこの部屋こんなもんか?」と言って辺りを見渡すも、他には見当たらず。調べものも終わり、この部屋を出ることにする。
***
▼ここから完全に当時PLが思っていた内容です。
まず部屋入った時点で、あの視線が何だったのかが判明して思わず呻き声と溜息を出してしまった。このときのPCとしては声に出してた通り「何で俺なんだよ……俺、そういう対象に入らねぇだろ、好かれるとは思わねぇだろ!」とこんな風に好意を持たれるとは夢にも思っていなかった。だから間違っても自分がそういったことに巻き込まれるとは予想もしていなかった分、想定外の出来事でダメージ食らってました。それがありありとSAN値チェックの値に現れてた気がして『そらそうだわ』と納得してました。
それで今度は籠ちゃんの反応を確認してみたら、予想していた反応と異なっていてここで確信ではないですが、恐らく彼女は籠ちゃんではないと予想してました。
たぶん籠ちゃんなら、松原さんがこういった目に遭った場合動揺するか、彼の事を心配すると思ったんですよね。異常とも言える偏愛を見せつけられて、これが何をしでかすか分からない以上彼のことを心配してくれる……これ、思い違いだったらくっそ恥ずかしいな。
そして反応が、驚きはしているけどそわそわとキョロキョロ落ち着かない様子と言われて、本気で『なんで?』とこっちが困惑しました。
その前から最初の5番の部屋で会ったときに話した目覚めたときの様子と、化け物といった物と遭遇したときに喋った内容と、食い違うところが有ったところも引っ掛かってはいたんですよね。
なんで最初廊下みたいなところで目が覚めて自分を探してたらここで倒れてるのを見つけて、すぐに見つかって良かったと言っていたのに。
化け物に遭った途端に、探している途中で遭遇して追い掛けられて逃げるために近くの部屋に入ったら自分を見つけたって。
若干ニュアンスが違くね。探して扉開けたら見つけたと言ってたのが、逃げるために扉開けた先に居たとは。大筋は変わらないかもしれないけど、意味合いが変わるよな。あと化け物がいて、追い掛けられて現状があるならそれを真っ先に伝えるよな、遭遇するまで一切触れなかったのも不自然じゃないか。
という風に引っ掛かっていたところで、反応が違うなとなったので。以後は、籠ちゃんではない彼女と認識して対処していました。
だから目が覚めた直後以外は名前をほぼ呼ばなかったし、頭を撫でるといったスキンシップも取らなかったし、一線引いて接してました。
かといってそれを指摘して、逆上されても怖いし、この段階では彼女の身体が籠ちゃん自身のものなのか、籠ちゃんがどこにいるのかもわからなかったので、下手な地雷には触れずに放置しておこうと思ったんです。
おびただしい量の写真
これだけの量取られてるなら、絶対盗撮だろ、ならカメラ目線のものなんて無いよな……と思ったら案の定だよ!!
自分の休日のみなのか、それとも仕事場もあるのか。これで仕事場もありますと言われたら、同僚ないし職場内にストーカーがいるということになるため、KPに肯定されたときは溜息を吐きました。いやでしょ、職場にストーカーとか。
そして籠ちゃんや妹ちゃんが含まれているかについて。もし一緒に居るところも撮られているなら、彼女たちの事は把握されているだろうから、頼むから邪魔者としてターゲットにされて危害を加えるとかマジやめてくれと思っていました。これで写真が黒く塗りつぶされているとか、もしくは切り抜かれているとかだったら更に黒が濃厚になりそうだから……本当に。
籠ちゃんの詳細に書かれた書類
これを見て、籠ちゃんのポジションを取りに来たのか、それとも本当に籠ちゃんそのものに
成り代わるつもりなのか。どっちにしても只の身辺調査だったら、わざわざ彼女のクセや口調なんて調べないよな。じゃあそれを調べてたってことはいったいどういうつもりだったんだろうな?と、正直怒りは覚えていたと思う。
それで、これを見つけたとき向こうはどういう反応するんだろうかと思って聞いてみたら、PCの方を見ていたとな。
枕下に入れていた写真
本当に枕下に入れてやがった……まさかそこに入れてないよね、と聞いてみたらマジであって、ちょっとそれには引いた。もとより引いているが。
***
扉を出て、先程の部屋の惨状を思い返して、息が出る。
「……俺何かしてたっけ。思わせぶりな態度取ってた、とか」
「思わせぶり……? どうですかね」
「なんつーか、期待させるような態度?」
「末起夜さん、優しいしなあ……」
「そうか? 割と素っ気ないつーか、愛想ねぇなって思ってんけど」
「そうですか?」
「って、自分では思ってる」
「でも、光希ちゃんも優しいから、みたいなこと言ってましたよ?」
「……どういう意味だよ」
「そういうことじゃないですか?」
「いやだからどういう意味だよ!……はあ、わかんねぇ。考えても埒明かねぇし、他回るか」
次の部屋は何処へ行くか、そのまま南下して9番の部屋に行くことにする。こちらも茶色い扉で、鍵は掛かっていない。<聞き耳>を振る。
>>4決定的成功<<
PL『嘘だろ!ここで出す出目じゃない。雑談の試し振りよりましだけど』
特に音がしないことが分かる。温情としてクリティカルチケットを貰う。音もないし、茶色の扉であるからこのまま9番の部屋に入ることにする。
【9番の部屋~本棚がある~】
入ってみれば大きな本棚が並んでおり、奥には机らしきものが見える。辺り一面に本や書類が散らばっている。
KPから<アイデア>と言われて振ると成功。どうやらこれは荒らされたというよりかは、争った形跡のようだと思う。それを聞いて、争った形跡ならどこで争ったのか現場というか争点は分かるかと尋ねれば、入り口付近の壁際の本がよく落ちていることが分かる。
とりあえず部屋の手前から調べていくことに決めて、奥の机は後回しにして本棚から手を着けていく。
***
本棚は何語か分からない言語の古い本が多く、それらのほとんどが色褪せていた。KPから<目星>を言われて振る、成功。
それらの中から四冊の真新しい本を見つける。背表紙には『ピーターパン』『赤ずきん』『美女と野獣』『ヘンゼルとグレーテル』と書かれていた。
PL『ええ……別にこれら原典が一緒って訳じゃないよね』
KP『原典?』
PL『ええと、グリム童話でまとめられてる、とか』
KP『ああ、違う。それぞれ四冊が別にあるから』
PL『なんだろ、チョイスが謎だなって』
ひとまず真新しい本があることに気付いたため、それらを手に取って中身を見る。すると途中に白紙のページがあることに気付く。不思議に思えばジワジワとインクが浮かび上がり挿絵が現れる。そんな奇妙な体験にSAN値チェック。
PL『だからさあ、あと2(不定の狂気入りまで)』
>>2決定的成功<<
PL『だから、ここで出すクリティカルじゃねぇんだわ!』
KP『ああ~しかし2なので何も起こらないのである(1or100適応)まあどのみち成功は0なんですけどね』
PL『無駄打ちなんだわ』
浮かび上がった挿絵はそれぞれ、ピーターパンが窓からウエンディを外に連れ出そうとしているシーン。狩人が狼の腹の中から赤ずきんとお婆さんを助け出すシーン。ベルと野獣が口づけをしているシーン。2人で魔女を釜に落としているシーン、であった。「エンディングって訳じゃねえけど……決定的なターニングポイント……クライマックスっていうわけ、か?」結局、それが何を指すかは分からなかったため、他の場所も探すことに。
***
続けて、部屋の奥にある机を調べることにする。
木製の机であり、引き出しの類は付いていない。KPから<目星>を言われて、成功する。
机の上の物が乱雑に散らかっており、赤いインク瓶が倒れているのが見える。更にそのインクが零れた痕跡から、名刺サイズのカードがそこにあったことが分かる。更に別箇所から、この零れたインクによって机に何かでこすりつけたような二つのマークがあることに気が付く。
それに対してKPから<アイデア1/3>で振れると言われる。『アイデア1/3!?』と動揺するも、出目7で成功する。えらい。そのマークが"ニセ"と書かれていることが分かる。
さて一方の彼女はというと、自分の後を付いて回っているため「これ……なんですかね?」と声を掛けてくる。
「さあ、なんだろな。争った形跡って言えばいいのかな」
「争った形跡……」
「誰と、何か、は分からねぇけど」
「さっきの化け物に襲われた……とか?」
「……だとしたら、さっきの化け物に襲われた、もう一人の人間がいるってことになるけどよ」
「…………」
「そういや、色々この部屋見て回ってるけどよ……何か見つかったり気になるものとかあるか?」
「気になるもの? いえ、特に……」
「……まあ、そうか」
「白い扉のヒントとか、見つからないですよね」
「……そうだな」
ざっとこの部屋はこんなものかと、一通り探索を終えたところで部屋を出ようとする。
すると部屋を出ようとする前にKPから<聞き耳>を振ってくださいと言われ、振る。
>>97致命的失敗<<
特に何も聞こえなかったため、警戒することなくそのまま扉の前まで来てガチャリと開けてしまう。扉を開けた目の前には、先程遭遇したあの化け物がいた。
KP『戦闘です』
PL『まっじ、か……っ!』
DEXはこちらが早い。逃げると言う選択肢は取れるかと聞けば、その場合は<DEX*5>に成功すれば可能とのこと。それならば初手逃げるを選択したいと宣言して、振ることに。DEX14のため、成功率は70。成功して、問答無用で無言で彼女の手を引いてその場から離脱する。
逃げる行き先については、ひとまず撒きたいため角を曲がり、2番の部屋に向かうことにする。
***
▼
争った形跡について
よくもまあ、アイデア1/3成功したよね。頭の回転がここ一番級に冴え渡っている。いつも、ここぞというときに発狂して正気を保てなかったり、動揺してたりするのに。今回本当に一番冷静かつ鋭かった気がする、松原さん。
それと、争った形跡について触れた際に、彼女が化け物のことを出したとき「なら、もう一人化け物に襲われた人間がいるってことになる」と冷静に返したの、今更ながら怖いなと思った。この人、暗に「さっき目が覚めたばかりの彼女がこの場にいる筈がないから、ここで襲われたのなら別に人がいる」「つまり自分の発言が矛盾してるかもしれないがどうなんだ」と示してる。そりゃ、彼女何て返そうか言葉に詰まるよな……
ただそれ以上は追及せずに話を変えたのも、深入りはせずに核心には敢えて触れないで様子見していた感じだったなあ。まだこの段階だと別人だとは分かっているけど、身体が成り替わっているのか、それとも見た目だけ似せているのか、しかしあのときの擦り傷と処置した跡はあるだよな、じゃあ変に刺激しない方がいいな、何仕出かすか分からねえし、という思考回路だった気がする。
【2番の部屋~ここが出口ですか~】
化け物から逃げだす。とりあえず角を曲がって行き先が悟られないようにしたいと思って、そのまま角を何回か曲がって付近の扉を目指す。そうなると、また遭遇した時に逃げやすいように角は避けたいなと間にあった2番の部屋に決める。
追われて急いで入りたいという心境だったため、聞き耳もせずにそのまま扉のノブに手を掛ける。
入った先は似たような部屋、しかしその部屋だけはプレートが掛けられた白い扉があった。そのプレートを見やれば「おかえりはこちらから」との文字が見える。
このタイミングでこの扉を見つけてしまうか、とまだ出るつもりなんて無かったから見つからない方が良かったなと思いながら、思わず声に出てしまった。
「……御誂え向きに用意されてんの」
「白い扉……! 見つかって良かったですね」
「ああ。……悪いけど、まだこの扉開けて出ていくつもり、ないからな」
「え、出ないんですか……?」
「申し訳ねえんだけど、流石にちょっと自分の置かれてる状況知っちゃってるからな……もうちょっと知っときたいんだよ、たぶんその手掛かりとかが残ってるだろうから」
「……」
「つーわけで見つけたけど。一回この部屋出て。その周辺にある部屋、見て回るつもりだけど、それでいいか?」
「……わ、かりました。でも、危なくなったら、帰りましょうね?」
「……わかった」
白い扉から出たそうな彼女を言い留めて、自分はまだこの空間を出るつもりが無いことを伝える。彼女は出たそうな気持ちは変わらないものの、流石にここまで言われれば意向を無視できないのか、了承はした。
流石に彼女を疑っているとは直接言えないため、暗に自分のストーカー行為にて脅かされていたことについて調べたいと名目を立てる。
出る前に白い扉以外に部屋の中に目ぼしいものがないかと確認すれば特に見つからず。
一応<聞き耳>を立てて、この部屋を出ることにした。KPが処理を忘れていたと、シークレットダイスを振る。そしてその後<聞き耳>を振り、成功する。するとグチャグチャとした音が扉の傍から聞こえることが分かった。
隣にいた彼女に(音は立てないでくれ)というニュアンスを込めて、自身の唇に手を当てる。その意図が分かった彼女が頷く。そして扉の傍まで近寄り、化け物が通り過ぎるのを待つ。それが出来なければすぐに駆け出せるように備える。
やり過ごせればそれに越したことはない。そう思っていたが、扉はゆっくりと開かれてグチャグチャとした死体が身体を引き摺りながら入って来た。
戦闘開始である。『ここ、こんな頻繁に遭遇するもんなのか』と思わずぼやく。
KP『すぐ逃げたいということなので、僕は優しいのでDEX*6で振ってください』
PL『優しいねえ……84か。(DEX14)』
KP『流石にねえ、成功するやろ』
PL『どうしてそんなこと言うの、心境「おいやめろ」だよ』
DEXは成功して、予想していたこともあり彼らは化け物の横を急いですり抜けるように走り去っていく。戦闘終了である。
PL『もしかして、永遠とこの追いかけっこすんのか』
KP『どうだろうねぇ~(コロコロ)』
PL『おい今、シークレットダイス振ってんじゃねぇか!』
次の行き先を決めることとなる。MAPを見て、角を曲がって曲がって7番の部屋へと行き先を決める。
【7番の部屋~ぬいぐるみがいっぱい~】
7番の部屋の前へと向かい、扉を見やる。そこは茶色の扉で鍵は掛かっていない。すぐにノブを回して中へと入る。
室内の作りは似たようなものだが、たくさんのぬいぐるみが置かれてごちゃごちゃとしている。めぼしいものがないか、例えば段ボールの中に何か入っていないかとか。そう尋ねれば、KPから<アイデア>を提示される。
<アイデア>成功で、この部屋は物が乱雑に置かれているからこそ、隠れることが出来るのではないかと思い至る。
PL『……青鬼の、タンス?』
KP『メタ的に話をすると、<隠れる>+50の補正が入るぞ!』
PL『……(クソデカ溜息)<忍び歩き>なら持ってたのになあ!忍び歩きに補正は掛からないんですか??』
KP『掛からないなあ……』
PL『<隠れる>の初期値幾つ?』
KP『10だね、だから60で振れる』
PL『すげぇ身もふたもない話していい?』
KP『にげr』
PL『隠れるより逃げる方が確率高いってどういうことなの』
+50の補正なかなかないですよ! というKPの言葉も分かる。たぶんこの補正を活用してやり過ごし探索してね、という意図なんだろう。DEXが高い故に……と言われたが本当にそうである。
とりあえずいざとなれば隠れる場所がある、と頭に入れたところで、次の部屋へと探索に向かうことに。しかし追手に追い付かれる前に、次の部屋に向かうのは間に合うのだろうか。というわけで行き先は4番の決める。
PL『ぶっちゃけ8番は一番最後に取っておきたいんだよね』
***
▼8番を一番最後に探索したい理由
8番は、6番から得た鍵を使って入れる箇所だと思っていたので。モニタールームと書いてあるなら、そこが8番だろうと。
だとしたら恐らく、そのモニタールームに決定的証拠や真相があるのではないかと推測していたからこそ、ここは最後に回したかったですよね。
【4番の部屋~何に使った、その中身~】
扉は茶色で、同様に扉に鍵は掛かっていない。
そのまま扉を開ければ、部屋の作りは同じもので、その部屋の中央には丸テーブルがあり、その上には何かが置かれていた。
それに目を向ければ、見覚えがあった。アタッシュケースだった。
PL『あの、見たことのあるアタッシュケースって言われると、心当たりが二つほどあるんですけど。絶対違うでしょ??』
KP『wwwアタッシュケース自体はみたことあるでしょ!』
PL『いやまあ、アタッシュケースは見たことあるけど。多分記憶に一番根強いんだよ。あと、この部屋に来る前が"事故って声が聞こえて現場に行こうか"っていうんで、尚更なんですが』
嫌なデジャヴ感じるなと思いながら、アタッシュケースを開ける。
中を見れば、そこには三つの小瓶とその小瓶と同じくらいのサイズのものが入っていただろうというスペース、そして黒いカードが一枚入っていた。
まず黒いカードの方を見やる。そこにはアタッシュケース内にあった小瓶の中身についての薬情のようなものだった。それぞれ覚醒薬、痺れ薬、回復薬、幻覚薬が入っていたということが分かる。そして幻覚薬だけがそこには無いことが分かる。
次いで裏面に記載がないかひっくり返す。そこには「使用できるのは一度きり。使うも使わぬも君次第」という文面が書かれていた。
ここで一番最初の5番の部屋で見つけた空の小瓶と、そこのアタッシュケース内のスペースの大きさは一緒かと確認をする。同じような大きさだと分かる。
「……まあ、折角の貰いもんだから、貰っとくけどな」
そういってそれぞれ中身がある小瓶を手に入れる。MAPを見返して、まだ行っていない部屋が1番と3番だけだということを確認した上で、ある程度のリスクは承知の上でどちらの部屋も確認しに行くことを決める。
というわけで、この部屋での探索を終えて出る前に<聞き耳>を振る。成功して、先程同様にグチャグチャとした音が扉越しに聞こえてきたのが分かった。
「……悪ぃけど。今は、撒くぞ」
同じく極力音を立てないようにして、逃げる体勢を取る。するとゆっくりと音を立てて扉を開けて、再び化け物が部屋の中へと入っていく。
戦闘開始である。事前に身構えていたこともあってDEX*6で振ることになる。
PL『もうさ、数字が信用できねぇんだよ』
いくら8割成功とはいえ、失敗するときはする。怖いなと思いながらも振れば成功して、その化け物から逃げることが出来た。次の行き先は近場である1番の部屋へと向かう。
PL『メタいこというとさ、「こころのこりがないように」という忠告以外は貰ってないからさ。正直時間を掛けても探索してもいいという解釈の元動いてるけど』
KP『ああ、いいんじゃないですか』
PL『ただ、そのシークレットダイスが時間制限によるものだとしたら詰むんだけどな!』
KP『なんでしょうね~このシークレットダイス』
***
▼「悪ぃけど、今は撒くぞ」の本音
この部屋で薬についての情報が出た辺りで、自分が最初に幻覚薬によってぬいぐるみを化け物だと視認するようになったと気付く。
となると今、追い掛けてきているのは――となったが、今持っている道具では状態をどうにかする方法がないため、その方法を探すため部屋の探索を続けることに決めた。
あと、それを彼女がいる前で指摘したら逆上して何をするのかも分からなかったため、説明も弁明も出来なかった。だから、ずっと逃げてて申し訳ないけど、今は捕まって事情を話すわけにはいかないから、撒くぞ。という心境だった。
【1番の部屋~倉庫のようだ~】
ドアノブに手を掛けると、鍵は掛かっていないことが分かり、そのまま捻って中へ入る。どうやら棚があって色々と者が置かれているようだ。
メタ的に言うと、<幸運>に成功すれば欲しいものが出てくるかもしれないという場所であると。
KPに『流石にこれは無いでしょ!』という物を要求したら<幸運>にマイナス補正が入るかと尋ねれば、そもそも無さそうなものは振らせないという回答が出る。
それを踏まえて、まず大きな布が無いかと尋ねる。シーツないしはバスタオルぐらいの大きさのもの。
<幸運>を振るも、2足らず失敗。唐揚げが出せなかった幸運が此処に響いている。被せてやり過ごせるもの、だったら二人分には足りないぐらいの大きさの布なら見つかる。
むしろ『そんなものねぇよ!』という物の方が有ったりするのでは……と思い至り、バナナの皮を要求する。KPよりバナナの皮は<幸運>の半分で振らせて貰えると。むしろ振らせて貰えるの!? と驚きながら振るも、これまた2足りず失敗。ギリ足りない、もうちょっとなんだけどな、という意地悪が見て取れる。流石にバナナの皮は無かった。
それならば、光量の大きい、ライトがあるか要求する。すると幸運は成功して、ライトを手に入れる。ひとまず欲しいものはそれぐらいで、それらを手に取って部屋を出る。
その前に聞き耳を振る、スペシャル。特に音は聞こえないようだ。聞こえないなら、そのまま部屋を出て3の部屋へと向かう。
***
▼どうしてそれらを欲しがったの?
足止めというか、直接危害を加えないで動きを封じれるものが欲しかった。
だって追い掛けて来てるのは籠ちゃんだと分かっていたから。いくら人形とはいえ、籠ちゃんを傷付けたくはないから。となると、布で覆って足止めするか、ライトで目くらましして足止めするか。
だから武器とかそういったものは最初から取るつもりはなかった。
【3番の部屋~ここで事件は起きました~】
案の定、扉に鍵は掛かっておらず、そのままノブを回して部屋へと入る。すると7番の部屋のように、たくさんのぬいぐるみが乱雑に置かれた一室であった。
もしかしてここも隠れられるエスケープゾーンなのか、と思い至る。KPから<聞き耳>を言われて振るも失敗。すると何か異臭がするが、それがはっきりと何かは分からない。部屋に入って来た時にこれを感ずる。
少し思案して、無言で彼女の腕を引いて自分の胸元へと寄せる。そして傍まで来た彼女の匂いを確認する。彼女は驚きつつも、そのままされるがまま胸元に収まる。匂いは普段から嗅ぎ慣れているヘアオイルの香りがした。
「末起夜さん……?」
「ん? ……ああ、悪い。ちょっと動揺して、柄にもないことしたな」
「いえ……大丈夫、ですよ」
「そうか、悪いな……色々あって疲れたかもしんねぇわ」
「そうですよね……どうします? この部屋を調べます? それとも他の部屋を調べに行きます?」
「ああ……まだこの部屋調べてねぇし、先にこの部屋を調べてから出ようとは思ってる」
「わかりました」
彼女の身体から異臭がした訳ではないことを確認して、やはり部屋のどこかに死体があるんだろうなと確信したところで、もう一つの事について確かめるために行動に移す。
「ああ、てかそういえば……」
「はい?」
「いや、そこに付けた跡。もう薄くなってんだなあって」
「あと……?」
「ん? そこ、首筋」
「え、あ……えっ、えぇ……?」
「ああ、悪い。言うだけ野暮だったな」
「ちょ、えぇ……いきなりどうしたんですか?」
「さあな。じゃあ、この部屋調べてくぞ」
「わ、は、は、い……」
こちらの言ったことに対して目に見えて狼狽えるというか、困惑する彼女。それについて特に揶揄うことも、言う事もなく淡々と本題である探索を進めていく。
<聞き耳>は失敗してしまったが、とりあえず部屋を探索することにする。それならばKPより<目星>を振ってみて下さいという提案がされる。
異臭がするのであれば、残骸やら染みといった"痕"がこの場に残っている筈である。それを探すためにはやはり<目星>かと思えば、そのまま散らばったぬいぐるみを掻き分けて探していくうちに<目星>が無くても見つかるものがあるという。
PL『もうね、不定の狂気入りは覚悟してるんだ』
一つ一つぬいぐるみを掻き分けていく、しかしその手があるものを見つけたことによって止まってしまった。それは辛うじて、身体が繋がっている――先程見た化け物の姿に酷似していた。思わず反射的に身構えるも、その死体は動かない。しかし傷ましい死体を見たことによってSAN値チェック。
>>1決定的成功<<
KP『キュピーン……は?』
PL『1!?』
本来であれば、SAN値減少値は1/1d4であったが、1クリであるため減少値は0として処理される。ハウスルールのSAN値チェックに限り、1or100は適応されるという話があったからね。
ある程度腹を括っていたからなのか、意地でも不定の狂気入りはしないという強い意志か。死体を見つけても、その精神は動揺せずに目の前の現実を直視する。
まじまじと遺体を見て6の部屋で見た墨咲さんの面影はあるのかと確認すれば、グチャグチャに潰れているものの、僅かに残る顔の輪郭や髪色といった面影からこの死体が彼女であろうと思う。
この状況で彼女はどんな様子なのかと尋ねれば、彼女はあまり死体は見ようとはせず、触りたがらないといった様子だ。更に自分がより彼女の死体について調べるため、死体に触れたり動かしたりしているが、その際の彼女の反応について尋ねる。
「えっ……末起夜さん、へい、き……なんですか?」
「まあ平気か平気じゃないかっつったら、平気じゃない方だけど」
「…………」
「いや、調べてて分かったけど、彼女の死体なんだな」
「え……」
「墨咲さん……の、死体なんだろうな」
「な、んで……こんなところ、に」
「なんでだろうな……てか、彼女もこういう状態見せたくなかっただろうに。荒らすような真似して悪かったな、本当に」
「…………末起夜さん、ごめんなさい……ちょっと、」
「悪い、付き合わせたな」
そういうと彼女は口を押えて、ふらふらと壁際の方へと項垂れるようにして凭れる。
「……彼女に、悪いことしたな」
そう言って1の部屋で拾った布を彼女の遺体に被せる。
KPから死体をまじまじと確認したのであれば<目星>が振れるという提案が出る。
PL『ええ、この流れで振らないことある?この一連でしていたという体でお願いします』
KP『いいよお』
<目星>に成功して、鍵と財布が見つかる。鍵は6の部屋で見たような小さな鍵であったが、それとは違いプレートは付いていない。
財布の方には免許証が入っていた。恐らく免許証の身元は……と聞けば案の定、その名前は墨咲柚子という名前があった。他に財布の中にあるのは、免許証といった身分証明書ぐらいだろうなと思ったら、他には保険証やポイントカードや幾らかの現金といったものが入っているという。流石にそれらを持って行くことはしないよ……名前はいずれも墨咲のものであった。
***
遺体を調べ終わって、壁際で具合が悪そうにしている彼女の方へと声を掛ける。
「悪いな、気分悪いところ」
「ごめんなさい……私も手伝うといったのに」
「ああ……気にするな、こういう状況だから。逆に俺が困ってたら、助けてもらうかもしんねぇけど」
「はい」
「あともう一か所。鍵掛かってて入れなかったとこ、今は鍵があるから入れるかもしんねぇ。そっち見てもいいか?」
「あ、はい……行きましょう」
そういって部屋を出ようとする。いつものように、外にいるかどうかを確かめるため<聞き耳>を振る。成功して、グチャグチャとした聞き覚えのある音が聞こえてくる。同じようにダッシュで逃げようと身構える。ゆっくりと扉が開かれて死体が入って来た。
PL『今回は?』
KP『DEX*6……う~んいやまt』
コロコロ
PL『ちょっと待って!』
>>100致命的失敗<<
PL『いや100したから無かったよ!』
KP『うけ』
PL『すごいな。まるでKPの悩みに答えてくれたような出じゃん』
KP『わあすごいなあ~このダイスボットちゃん優秀~』
普段だったら<聞き耳>成功して察知していた分、早く動けてDEX*6だった。今回は彼女が体調を崩しているため、早くは動けないだろうということでDEX*6は厳しいかなと思ったら、どのみち失敗なので意味はないと。
これで遭遇するのも四回目、そろそろ動きも読まれてきたのか、逃げようとすればその行く手を阻むように塞がれてしまった。
「……流石に通してくんねぇか」
化け物のターン、攻撃を仕掛けてくる。その対象は、自分ではなく、彼女であると。触手が伸ばされるものの、彼女はそれを<回避>する。
そして次のターン。取る行動は、逃げる一択。
DEX*5で判定してスペシャル、さっきの100ファンは何だったのだろうか。そうだ、100ファンなんだ。KPから<POW*5>を振ってくださいといわれる。ぎりぎり2足りて成功する。
すると目の前にいた化け物の形が一瞬歪む。すると最初に見えたクマのぬいぐるみのような形が見えた。しかしそれも瞬間の事で、また化け物の姿に見える。
なんだ、とは思うものの、そのまま化け物を避けて扉へと向かい、部屋を出て行く。
PL『あ、じゃあ去り際にさあ』
KP『うん』
PL『「悪ぃけど、ちょっと待っててくれよ!」と言って、ダッシュで逃げます、8番に行きたいんですよね』
***
▼なんで腕引いて抱き締めたの?
抱き締めたのは、異臭の元がどこからか確かめたかったから。
部屋に入ることがスイッチで彼女の身体が変質したのか、それともこの部屋に死体があるのか、どっちなのか確認したかったから。そして後述の理由もあって、それに繋げるためにも自然かなあと思ってこの方法を取った。
本当に柄にもないことしたよな。彼女の満更でもないというか、嬉しさを隠しきれない様子に「違う」と強く思ったことは覚えている。
▼なんで跡付いてるとか言ったの?
どんだけ調べても色事の彼女の反応なんざ分からねぇから確かめられるだろ。
どういう反応するんだろうなと思ってやってみたら、やっぱり違うなとなって別人だなと改めて思った。いきなりそういうこと言われたら、顔真っ赤にして爆発しそうになったかと思えば詰め寄られそうだなあと。
違う別人にそれ以上触れることもないから、それさえ確認出来れば用は無かったから特に追及もせずに流した。なんで彼女じゃない奴に、反応を求める意味あんの。
ちなみに感想戦にて『結局付いてたんですか?』に対して「さあな」って意味深に返したけど。見える位置に普通は付けない。意味や意図が無ければ、無闇に付けない、マナー的に。
▼死体のSAN値チェック、1クリやばくね?
本当に散々序盤でSAN値削れてて既に不定の狂気入りは避けられないと思ってたのに。まさかここで出すとか思わなかった。最初は
精神的に動揺したとしても、ここまでで覚悟決めてたのか動揺しなかったなあ……ここぞというときに松原さんは見せるところ、あるよね。毎回。
▼死体に布被せたのって。
流石にこのまま晒して置くのもどうかと思って。丁度布も持ってたし。あとはもしそのままにしておいたら、いつ籠ちゃんが入って来るか分からないし。視界に入れるものではないとも思って、目に触れさせたくなかった。
しかし当の本人がいる目の前で、これが彼女だと突き付けるようなこと言っておくの酷いと思う。
▼「流石に通してくんねぇか」
バスケしてたの見てるから、相手の動きを読んでディフェンスするのもお手の物だろうなと。
これだけ追い掛けてくるんだから、相当必死なのも分かるし。だからといって彼女の眼の前でこっちの事情は話せないし。
ぶっちゃけ言いながらも焦りは無かった。むしろ(しゃーねぇなぁ、流石だわ)とあの身体で追い付いて、阻んでくる籠ちゃんにちょっとすっげぇなって感心してる節は有った。
▼「悪ぃけど、ちょっと待っててくれよ」
彼女がいる手前、事情は話せないけど。流石にここまで必死で追い掛けてきた籠ちゃんをこれ以上不安にはさせたくはないなと。そう思って、正体は誰か分かっているってニュアンスで籠ちゃんに伝えたかったんですよ。向こうに悟られず、具体的には言わずに、で。
なんというか、困らせてしまったのなら申し訳ないなと。
【8番の部屋~モニタールーム~】
声を掛けて逃げたその先は、最後に残していた8番の部屋。鍵が掛かっていることは分かっているため、6の部屋で得たモニタールームと書いてある鍵を取り出す。そして引き攣った笑いを浮かべながら鍵を回せば、その扉が開いた。
入ってみれば幾つものモニターが壁に埋め込まれていた。どうやら気が付かなかったが、全ての部屋そして廊下に監視カメラが付いているらしく、その様子をここで監視することが出来るようだ。室内は無人なのか、人の気配はない。
<目星>が振れるということで、振ってみると。
>>1決定的成功<<
PL『あの……1クリ出た』
KP『1クリ~~~????』
マニュアル本を見つけた。どうやら現在の映像ではなく、過去に録画されたものもここで見ることが出来るようだ。しかしそれをするには時間が掛かることも察する。
他に目ぼしいものは無いかと聞くも、特にないと返される。そのため、このクリティカルはチケットとして渡される。
とりあえず時間は掛かってもいいので、録画を見返したい部屋があるとは伝える。
KP『その前にお手洗いいいですか』
PL『もう1時だもんなあ……てか、導入で1時間半ってどういこと??』
KP『ごめんよお、楽しかったんだよお』
PL『そっかあ』
KP『というか、ちょっと聞きたいことが出てきましたけどね』
PL『何の事かなあ』
***
トイレ休憩を終えて再開する。
モニタールームの録画は、部屋を指定して確認出来るものの、二部屋見ればそれで一部屋分の探索時間を費やすことが説明される。
ひとまず目処は立てていたため、9の部屋――争った痕跡があった本棚の部屋の録画を確認することにする。
録画をいざ見返そうと思った矢先『今まで覚醒薬を飲んでいなかったが、それは過去の映像にも幻覚は当てはまるのか。だとしたらここで録画を正確に見ることはできるのだろうかという危惧』が頭を過ぎる。しかし今更感もあったため、薬は飲まずにそのまま映像を見ることにした。
***
録画は自動的に記録の一番最初まで巻き戻されるようだ。
そこには一人佇む籠ちゃんの姿があった。その視線の先に小さく何かが動く、それはぬいぐるみだった。起き上がり、しばらくすると彼女の方へと向かっていく。しかしそれを彼女は笑いながら蹴り飛ばし、壁に叩き付けられる。ぬいぐるみは何度も起き上がり、彼女の方へと向かうも返り討ちのように蹴り付けられる。それを何度か繰り返した後、ふいに彼女の表情が固まった。どうやら机の上に何かあったようで、そちらへ駆け寄ると机に置かれていた一枚のカードを手に取って苦々しく顔を歪める。そしてカードをポケットへと仕舞い込み、部屋を出て行った。
後に取り残されたぬいぐるみは机に懸命によじ登り、零れたインクを手に取って机に何を書いて部屋を出て行った。
その後しばらくして自分達が部屋を入っていき、探索をしている様子が見れる。そして部屋を出た後、遅れてぬいぐるみが入ってきたが、そのまま部屋を後にした。以降の映像は変わらないようだ。
PL『でもまあ、一つの部屋しか見てないから。一つの部屋を探索した時間は過ぎてないんだよね?』
KP『過ぎてないですね』
PL『逆に言うと、時間が経たないんですね?』
KP『そうですね』
次は何処の録画をみるか、6番の部屋に決める。
最初に映し出された部屋の中には誰もいなかった。ベッドや机、本棚がそのまま変わらずに置かれている。しばらくすると、扉から動く小さなぬいぐるみが入ってきた。ぬいぐるみは机に懸命によじ登ると、小さな手でポチポチとキーボードを叩いているようだった。そして叩き終わったのか、机から降りて、てとてとと小さな足取りで部屋を後にする。
しばらく動かない時間が続いた後で、二人の男女――自分達が部屋へと入る。そして探索をして、それを終えて出て以降は変化が見られない。
これらの録画映像を見ているとき、彼女はどういう様子なのか尋ねると入り口の扉を気にしてモニターは見ていないようだ。
***
二つの部屋の録画映像を見終えた。さて、一つの部屋を探索しただけの時間が過ぎた。
PL『来ますか?』
KP『<聞き耳>をどうぞ~』
<聞き耳>は失敗。モニターの映像を注視していて気が付かなかったようだ。いつの間にかギィという音を立てて、ゆっくりと扉が開かれる音を聞いて、初めて気付いて振り返る。
そこから見えたのは、小さなぬいぐるみだった。
PL『まって!まだ(覚醒薬)飲んでないから!』
KP『でも処理的には合ってるから』
PL『そうなの!?』
そこにいたのは、化け物ではなく、映像で見たぬいぐるみであった。戦闘開始である。DEX順であるため、今までの流れ同様こちらの方が早く行動が取れる。
入ってきたぬいぐるみにそのまま近寄って抱き抱えようとする。抵抗は、ない。抱き抱えれば、その様子は自分のほっぺをぽすぽすと叩いてくる。思わずその素振りが可愛くて、ふふふと笑みが零れてしまう。
それを見た彼女が焦ったような、驚いた様子で声を上げる。
「なにしてるんですか……! 離れて下さい!」
「ああ……悪かったなあ、随分と付き合わせてしまって」
「え、」
「ああでも、もういいから」
「何言ってるんですか……?」
「なにって……合ってるか分かんねぇけど、要するにこういうことだろ?」
そう言って、ぽすぽすとしてくるぬいぐるみの口元らしき部分に唇を当てる。
KP『はいはいはい、ちょっと待ってね……!』
PL『然るべき手順が欲しいよってことだったら、すっげぇ恥ずかしいことしてんなって思うよ』
KP『待ってね、これの手順とか今確認してるから』
PL『あい』
KP『ああああ~~~~~~~はいはいはいはい』
ぬいぐるみの口元へキスをする。すると、ぬいぐるみは動かなくなり、傍に居た籠ちゃんがどさりと倒れる。その際、カランという音が聞こえる。音がした方を見れば、そこにはナイフが落ちていた。それは彼女の直ぐ傍にあった。そのナイフを拾い上げて仕舞う。
「あー……セオリーだとこれで終わる気で居たんだが、くっそ恥ずかしいことしたな」
落ちているぬいぐるみを拾い上げて、ぎゅぎゅっと身体を重点的に押して確かめるも、特に中に入っている事は無かった。
ここでKPから<聞き耳>を振るように言われ、成功。遠くの方から何かを引き摺って近寄ってくる音が聞こえてきた。そして一行動だけ出来ると告げられる。
PL『ひどい!その選択怖い!鬼か!』
KP『wwww』
PL『ああー……読み違えてたのかなあ。てっきりあの人形が死体に見せられてるのかと思ったのに。だから美女と野獣宜しく、これで終わるのかなあと思ったのになあ』
彼女の方を見やれば倒れたままだ。起こすとか言ってないからね。先に覚醒薬でも飲んでおくべきだったか。事の展開が急すぎて今どういった状況なのか頭が追い付いていかない。
恐らく彼女の身体と人形の中身が入れ替わって戻った思うが、その自信がない。ドツボにはまってしまい、結論が出ない。というか結論を出して取り返しのつかない事態になることが怖い。
死体が近寄ってきている以上、籠ちゃんに危害を加えさせるわけにはいかない、庇うか? 薬を飲んでおくべきか、しかし人形が化け物に見せられているで合っていると思うのだが。しかし既にそれは解決されているから薬を飲む必要なくない? じゃあ次に取る行動は何か?
と、あれこれ悩んでいるとKPから『クリチケを消費するなら<目星>を振らせてあげよう』という提案がされる。それに乗っかり、振れば成功。良かったね、クリチケ無駄にならなくて。
成功の結果、籠ちゃんのポケットの中から黒いカードが一枚落ちているのが見える。そこに視線を向ける。あのとき、9の部屋で抜き取っていたカードに何が書いてあったんだ。そこには「元に戻したければ、童話のように魔法を解いて」と書かれており、一輪の紅い薔薇のマークが添えられていた。
KP『以上』
PL『……正直なこと、いっていいですか?』
KP『いいよ』
PL『もうこれしたやつじゃないか!?!?!』
KP『おもろいなあという気持ちでみてるよ』
ここで取れるのは一行動のみ。そうなると、籠ちゃんの身が一番危険だろうと判断して、彼女を直ぐに守れるもしくは離脱できるように抱えることにする。抱き抱えようとすれば、籠ちゃんが目が覚めた。
「あっ、末起夜さん!」
「うお、あー……その」
「良かったぁ……」
「要らん心配掛けたな……ん?どうした」
「……戻ってる」
「戻ってるって……あっちの身体じゃなくって、という意味か?」
「そう! 私さっきまであの人形……に入ってて」
「うん」
と、いうところまで会話をしたところでギィとゆっくり音を立てて扉が開かれる。思わず「空気読めねぇな……」とぼやいた先には、散々追い掛けられて見覚えがあり過ぎる死体があった。
***
というところで戦闘開始である。
DEXによる逃亡は有効だが、今までのようなDEX*5ではなく対抗ロールになると説明がされる。
それを受けて、今手持ちにある痺れ薬を<投擲>で死体にぶつけたいと意思を示す。KPから許可が下りて振るも、失敗。久々の投擲当たんねぇな!というかこういうときの投擲は外している気がするな。
ポケットに忍ばせた痺れ薬は、手元が狂ったのか化け物ではなくその手前の地点に落ちて小瓶が割れて中身をぶちまけた。
「……久々過ぎて、鈍ってんわ、これ」
籠ちゃんはこちらの手を引っ張って逃げようとする。というわけでDEX対抗となる、成功値は70だ。このタイミングで言う事ではないが、ヒントカードの裏面を見ていないことに気付いて気になってしまう。
しかしDEX対抗は1足りず、失敗。>にげられない!
身動きが取れないところを化け物が襲い掛かってくる。攻撃方法は<触手>成功。籠ちゃんが<回避>するも失敗。1d3で2点ダメージを負う。
流石にこの状況、この場から離脱したいため逃げることを
選択する。というわけで<DEX対抗>籠ちゃんと同じくDEX14のため、成功値は70となる、成功。
籠ちゃんの手を引いて、その場から離れることに成功する。戦闘終了である。KPからぬいぐるみの所在を聞かれたため、抱き上げたときにポスポスとされたならそのまま持っててそうと答える。
行き先を決める前に、ヒントカードの裏面を一応念のため確認してみるが、何も書いていないことが分かる。今まで裏面ちゃんとあったやんけぇ!! なんでこれにはないんや!!
***
化け物の前から離脱した二人。行き先を問われたものの、もうこの状況は逃げるしかない。逃げる先は2の部屋。そういえば覚醒薬飲んでなかったなと思い、飲むとどうなるかKPに聞いてみる。
すると酷い頭痛に襲われる。どの程度かと言われれば、思わず膝を着いてしまう程。『使用用途に書いてなくね??? もっかい戦闘かな!』と言えば、案の定化け物がずるずると身体を引き摺りながら追い付いてきた。
KPから『2の部屋に行く際に、どう行ったか?』と問われて、8を出て東に行って6の前を通って2の部屋へ向かうつもりだと答える。すると、6から2の部屋に行く廊下の辺りで、見覚えのある布が落ちていることに気が付く。
PL『ふふふふ……知ってたよ!』
KP『wwwwwww』
PL『そら、そうだよな!!』
この死体、3の部屋から掛けてやった布を置き去りにして8の部屋まで来ていたということである。「あーあ……」と溜息を溢しながら、そのまま2の部屋へと向かって行った。
そして2の部屋の前で覚醒薬を飲み、膝を着いたところで化け物が追い付いてきた。という場面で戦闘開始である。
松原さんは膝を着く程の頭痛に見舞われているため身動きが取れない。籠ちゃんはそんな彼の前に立ちはだかり、化け物と対峙する。
PL『なんかこういうシチュエーション見覚えあるなあ??』
KP『見覚えあるなあ、なんだろなあ』
PL『毎回毎回既視感覚えるワンシーン入るの、なに』
そのため、籠ちゃんが逃げられないものの<回避>に補正が入る。しかし化け物の<触手>は失敗して、当たらない。
頭痛はそろそろ落ち着きますか? と尋ねれば、この頭痛は時間を掛けないと取れないため処理をどうするかという話に。とんでもないヤブヘビ突いた気がする。あとにあとにしていたツケがここに来て回った気がする。
KPからこの頭痛がある中での行動は、痛みを押し殺して動けたかということなので<POW>ではないかと言われ、<POW*5>を振り、成功する。
苛立ちながらも、こめかみを抑えながら籠ちゃんの手を引いて2の部屋へと逃げようとする。逃げれるかどうかの<DEX対抗>ロール――
>>99致命的失敗<<
PL『普通、ファンブルとかクリティカルとかそうそうでないもんだぜ?』
KP『出るねぇ』
PL『出たねぇ』
ここで動く死体に対するSAN値チェックを忘れていたため、この場面でSAN値チェックが入ることになる。
醜悪で悍ましい肉の塊が、こちらを見てにやりと笑うのが分かってしまった。背筋を凍りつかせるような悪寒が襲い掛かる――SAN値チェック、成功で1減少。
籠ちゃんがDEX対抗し、ぎりぎり成功する。ふらつくこちらを気遣うように引っ張り、扉の方へと誘導して中へと入る。
「末起夜さん、しっかり!」
「っ、悪い」
戦闘終了である。
***
「たぶん、あれ出口……」
「じゃあ、出ましょう」
そう言って扉に駆け寄る、先行していた籠ちゃんが扉のドアノブに手を掛けてガチャガチャ回すも動かない。
「開かない……っ! なんで……」
「かぎ、か」
思い至って、彼女の財布から抜き取った鍵を取り出す。しかし死体がすぐに追い掛けて、扉を開けてこちらへと向かってくる。
――戦闘である。
先程のやり取りで鍵は開けられた。KPから『どうしますか?』と問われる。
「心残りあるか、ねぇよなっ」
「ないです!」
「じゃあ、いいよな!」
そういって全力でドアノブを回して扉を開ける。ここで扉の外へと出られたかどうか<DEX対抗>となり、成功する。
二人は迫りくる触手を躱して、そのまま扉を開けて前へと進み部屋の外へと出る。
白い扉を開ければ、その先は光に包まれていた。それを籠ちゃんと共に意を決してその光の中へと飛び込んだ。その瞬間、自分を追うように執念の肉の塊は手を伸ばした。「まって、」という声が聞こえるも、その手が振れることは無かった。
光の中で薄れていく意識の中、男女のどちらとも取れない高笑いが聞こえた。
ここでKPから<聞き耳>と言われ振るも、1足りず失敗。
「アハハハハハハハハハハ!君はゲームに負けたんだよ、もう二度と会えない。残念だったね」
と、高らかに楽し気とも取れる声音だった。誰かが何かを叫んでいるようだったが、その声に掻き消されて何と言っていたのかは聞こえなかった。
***
目を覚まして最初に見えたのは見知らぬ天井だった。視線を巡らせれば、見覚えのある風景があり、そこが病室だとわかった。その横には不思議そうな顔で身体を起こす、籠ちゃんの姿があった。
「あ……病室?」
「ああ、たぶん、な」
二人が顔を見合わせていると、コンコンとノックする音が聞こえる。失礼します、と言って入室した看護師が良かった、目が覚めたのねと声を掛けてきた。
「起きたばっかで……状況が分からないんですけど」
そう言うと看護師が、昨日の夕方頃に路上で意識を失っていたところを搬送されてこの病院に来たのだと教えてくれる。
「そう……だったんですか」
容態が安定しているにもかかわらず、一向に目が覚めなかったため心配された様子であった。更に体調や気分について問われる。それについては大丈夫だとお互い答えると、看護師はホッとしたような様子で医師を呼ぶため病室を後にする。
「ゆ、め……じゃない、ですかね」
「……あそこであった出来事の話、か?」
「そう、ですね……あ、やっぱり夢じゃなさそうです」
ほら、とベッドサイドに置かれていた薄汚れたぬいぐるみを持ちあげた。
「ああ、それ……そっか。頑張ってくれてたもんな」
「えへへ……力になれてたかどうかわからないですけど」
「いや……充分力になれてたと思う。だから、それだけボロボロになってたんだろ?」
「まあ……そうですね」
少し照れくさそうな表情を浮かべる籠ちゃんを労わるように、その頭を撫でる。それを嬉しそうに笑って受け止めた。
「ほんと、不甲斐無くて悪かった。つか、申し訳なかったな」
「いいんですよ、分かってくれたし」
「だいぶ、傷付けた気もするけど」
「まあ……ちょ~~~~と、ショックでした」
「悪かったって……その、ずっと逃げてたとことか。その結論出せずに優柔不断にしてたとことか、ほんと悪かったって」
「しょうがないので、許してあげま~す」
そう悪戯そうな笑みを浮かべる彼女に、ふっと笑いが込み上げる。
「……寛大なお心に感謝するよ。で、自分も不手際つーか……自分のことで迷惑被ったつーことで……なんか、その、お詫びに一個だけ何でも、聞くけど。何がいい?」
「いっこ……うーん」
しばらく悩んだ様子だったが、ようやく決まった彼女が口を開いた。
「じゃあ、プリクラ撮りたいです、プリクラ!」
「……まじ、で?」
「ふふ、」
「……いいよ、言ったのこっちからだし、付き合うよ」
「やったー」
「んじゃ、今度行くとこゲーセンか?」
「そうしましょー」
「ん、わかった」
「あ、今日の恰好してきてくださいね」
「ん。え、ああ、なんで?」
「言ったじゃないですかあ、お揃いみたいだから」
「ペアルックみたい、だからか?」
「えへ」
「わかったよ、それぐらいのお願いぐらい聞くわ」
ほう、と息を吐く。ようやく日常に戻ってきたのだと実感が湧いて張り詰めていた糸が解れてきた気がした。
「……やべぇな、一気になんか。ホッとしたのか力が抜けてきたのかわかんねぇけど、疲れてきた気する」
「お医者さん来るって言ってましたよね、休みましょうか」
「そうだな、んじゃまたどうせ予定合わせて行くんだし……来週金曜辺りか……いや、また予定伝えとくから空いてるところで会うか」
「はーい」
その後医者に診てもらい、異常は見つからなかったものの、検査と経過観察のため少しばかり入院はあったが日常に戻ることが出来た。
ニュースを見れば、あのときあの場に居た彼女が既に死んでいることも分かった。二度と彼女が自分達の眼の前に現れることはもうないだろう。そう確信した。
確かにあった狂愛、死んだ人間、不可思議な空間、非日常の狂気。しかし確かに日常へと帰る道を掴み取ったのだ。
例え、これからあなたたちの進む道が非日常に蝕まれる可能性があったとしても――
ED:A 奪取脱出ストラグル、これにてシナリオ終了となる。
***
▼8の部屋で録画を見終えた後での『来ますか?』
正直、ここらへんの場面が一番楽しかったまでもある。率直な気分は、早く籠ちゃん来ないかな。早く彼女の眼の前で見せつけたいんだが。という心境だった。
録画を見ようが見まいが彼女がクロであり、籠ちゃんではないことは分かっていたので。だから籠ちゃんがこの部屋に来るまでの時間潰しだった。あとは明確に、証拠を叩きつけてから彼女の前で「お前じゃない」と見せつけたかったのもあった。
▼籠ちゃん可愛いね、ぽすぽす叩くんだ??
この空間に来てから一番だらしのない顔をしていた自覚がある。抱き上げたらなんか言いたそうに抗議したそうな感じでぽすぽすするの可愛いだろ。愛しいなあという気持ちでいっぱいだった。
あとその後の「悪かったなあ、」以降の言葉は、ストーカーに向けているようで全く眼中になかったし、目の前の籠ちゃんに向けて言ってた。
▼ヒントカードが全くヒントの体を成してない件
一行動だけ出来る宣言怖くない?私は怖い。
期待を込めてクリチケというKPの温情を使ったのに、出てきたヒントカードは全くヒントの何の役にも立たないとかなんなんだ。
▼「心残りあるか、ねぇよなっ」「ないです!」のやり取り一番好き。
わかってんだろ、感のこの会話好きだよ。
▼男女とも取れない高笑い
これを聞いた瞬間、心臓が握られて早鐘を打つように胸騒ぎがした。なにか、取り返しのつかない事をしてしまったかのような、悪寒とも言える感覚がしたよ。
だから病室での冒頭は、本当に日常へと戻れたのか不安だったし、緊張が取れていない硬くてぼんやりとした反応だったよ。
▼頭を撫でた、久しぶりな気がした。
割と労わるような心情で籠ちゃんの頭を撫でることが多いけど、あれは彼女ではないからそういったスキンシップをとらなかったため、これやるの本当に久々だなあと。嬉しそうな反応を見て、やっと戻って来たなあと実感できた。
【全体を通しての感想】
▼松原さん完全に被害者。
というか、別に特別可愛がったわけでも、世話を焼いていたわけでもなかったのに。普通に職場内の雰囲気の調和だったり、人並みに接していたつもりだったのに。そういった態度がどうやら裏目に出ていた様子。
しばらく、人との接し方に頭を悩ませそう。そしてそのことを妹にそれとなく相談していそう。でも妹ちゃんは(やっぱりなあ……だろうなあ)と思ってそう。
本人自分が何故ストーカーされるのか、そこまで執着されるほどの人間でも無ければ、魅力的とも思っていないので。本当にまさか自分が対象になるとは、という認識だったから。だって安定した職業でもないし、自分の風貌が決して世間的には好まれるものではないと思ってるし。
実際にその証拠を6の部屋の自室で思い知らされて、ガッツリSAN値が削れた気がする。精神的負荷と心労が重なりましたね。
とはいえ、割と口調は素っ気ないながらも面倒見が良いので。ストーカーの事はたぶん何かと気を配っていたのだと思う。体調とか、困ってるときとか。
KP的にはそうやって危険な同業者かつ妹と同じぐらいの年代の女の子とあって、気に掛けていたし。そして不意に妹ちゃんや籠ちゃんの話が出て、表情が緩むのを見てしまって、沼に叩き落されたのではないかと。
あり得そうだわ……
あと松原さん、別にSAN値極端に低いわけではないのに。今まで高確率で発狂してきたので、今回不定の狂気入りは避けられないなと思ったらまさかの残り1で踏み止まるとは思わなかった。
個人的には、籠ちゃんの危険を察して火事場の馬鹿力を発揮したのかなと思ってる。松原さんそういうところある。ここぞというときに、出目が飛ぶとこ。
▼露骨に態度に出ちゃったな
本編にて色々と彼女が疑わしいところがあったので、目が覚めた当初とかは普通に籠ちゃんと接するような感じだったけど。
途中から違うなと思った辺りから、接する態度が一線引いたような素っ気ないものになってしまったな。
見返してみると、彼女のことを名前で呼ばない、頭を撫でると言ったスキンシップを取らないとか。あからさまに出してたなあ……
▼彼女が彼女じゃないと言わなかった理由
だって身体は本人だと傷口で示されていたから。あれだけの狂ってる様と執着を見せられると、何をするのか分からない怖さもあったし。触らぬなんたら~という心境。
だから敢えていわずに、最後に彼女を元に戻すまでは泳がせて、モニタールームで集まったところで見せつけるようにやった。
シナリオ見てから振り返ると、最善の対応だったんだなと思った。
ていうか、ヒントカードが何にも役に立たなかったの笑った。しかも今まで裏面があったのに、これだけ見返してなくってヤバイ! と慌てて見に行ったら何も書いてなくて本当に当時は絶望だったけど。シナリオ知ると、ドンピシャでやってたんだなと思った。
というか、ストーカーに追及をしなかったから、あのイベント自体起こらなかったから……このヒントカードの駆け引きもなくなったんだなあ。
個人的には、頭痛で身動きが取れなくなった松原さんに言い寄って口付けをしようとする籠ちゃんや、蠱惑的な妖艶な笑みを浮かべてナイフをみせつけて誘う籠ちゃん見たかった。スチル回収出来なかったの、いろいろあったな!
でもまあ、身動きが取れない松原さんに這い寄る死体という、謎の回収は遂げたけど。
▼立ち絵最高か???
今回も立ち絵をKPに描いてもらったんですが。ほんとに最高だった。動きやすい服装でカッコイイな松原さん、そして手を握るように重なるような構図なのもいいね!
籠ちゃんも普段はみないような服装で可愛い。手を引かれているの可愛い。スタイルの良さも出てるし、カジュアルなのもよき!
ありがとう……まじありがとう。ペアルックみたい~と言ってたが、まじでそれっぽい、いいね。
▼籠ちゃん限定で甘かったんだなあ……
態度が露骨に違っていたというくだりで、本当に籠ちゃんに対しては甘い態度だったんだなと改めて実感した。
口調素っ気ないのは変わらないのに。ぶっきらぼうなのに。扱い方とか気の配り方とか、接し方とか全く異なるのだなと思い知らされた。
そしてこれを見返して、感想文に落とし込んだところでようやく実感するの、今更というかPCの思考回路なのに、どうして中の人であるPLが把握してないんだろうね?