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【サガフロ】俺/僕らの日常風景

全体公開 サガフロ双子 2825文字
2022-05-23 20:38:53

勝手にサガエアフェス数日前からカウントダウンで一日一個小話上げてたやつのまとめです。ヨークランドでふたり暮らし双子の穏やかな日常風景的な。

 ルージュにお茶の専門店へ行くからちょっと付き合ってとマンハッタンのショッピングモールへと引っ張られてきた。店に着くなり上機嫌で兄弟が次々と買物カゴへ商品を入れていく。
「そんなに買ってどうする。飲み切れるのか?」
「だって期間限定なんだよ? 買うなら今しかないじゃないか」
「いやしかし限度が」
「そんな事気にしてたら一生手に入らないよ!」
 俺が言い終わる前にぐっと握り拳を作り主張するルージュの紅色の瞳がまるで燃え上がる炎のように揺らめいた。……こうなってはもう誰の言うことも聞かないのを一緒に暮らす中で俺は知ったため、これ以上口を挟むには止めにした。
「金は貸さないからな?」
「ご心配なく。……じゃ、会計してくるね!」
 そう言ってルージュは臆することなく長蛇の列へと並んでいった。見るからに時間の掛かりそうなその光景に、いっそ新刊を持ってくるべきだったとため息を吐きつつ、店の外で待つことにした。
【終】
蝋梅bot(お題)@roubaititleより
「欲張りなルージュ」




「ブルー!見て見て!! レッドのお母さんからいちごいっぱい取れたからお裾分けもらった!!
「これは……お裾分け……なのか?」
 レッドの家に出かけていたルージュが玄関先で俺を呼んだ為、そちらへ向かえば床に置いた段ボール箱を開けて中身を見せながら興奮した声で言う。その中には小さなパックに詰められたいちごがぎっしり入っていた。……これはお裾分けの範疇を超えてないか?
「庭でいちご育ててたら今年すっごい豊作で、余らせるのももったいないからって貰ってきたんだよ」
「しかしすごい量だな。俺たちだって食べ切れるかわからんぞ」
「とりあえず知り合いに配ろうよ。僕ルーファスに電話してみるね。エミリアやメイレンは喜ぶと思うよ」
 たくさんのいちごに囲まれて嬉しそうにルージュがいう。そしてその場で携帯端末を取り出すと早速電話し始めた。こういう行動が早いところはすごいと思っている。口にはしないが。
——あ、今からでも平気? うん。あ、そっか。……ねえ、ブルー。夕食って作っちゃった?」
 俺が携帯端末のメッセンジャーを立ち上げようとしたところ、電話の途中でルージュが通話口を押さえて俺に尋ねてきた。
「ああ。鮭のホイル焼きだが」
「そっかー。ルーファスがせっかくだから夕食食べないかって誘ってくれたんだよねえ」
 困った顔をしながらルージュがいう。まあ確かに作ったものは取り消せない。さてどうするかと思ったが、答えは案外すぐに出た。
……明日の朝食を作る手間が省けたな」
「え、ってことは」
「ああ。お裾分けついでに夕食もいただくとしよう」
「やったー! ——あ、ルーファスごめんね。ブルーも良いって言ったからそっちに行くよ。うん、ゲートですぐ行くから! じゃあね」
「珍しい。お前がゲートを使うとは」
 普段なら「出かける情緒がない!」とシップをメインで使うのに。するとニコニコと笑いながら言う。
「だって運ぶ途中でいちご潰したくないよ」
「なるほど。確かにな」
「うーん、これくらいでいいかなあ」
 持っていくいちごのパックをいそいそと分けながらルージュが呟いた。自分が潰さずに持っていける量を吟味しているのだろう。俺はメッセージの文面を打ちながらルージュに言う。
……俺も持つからもっと持っていけるぞ」
「いいの?」
「別にこれくらい」
「ブルー、ありがとう! あ、じゃあレッドにアセルスのとこにも持ってってくれって頼まれてたからファシナトゥールにも寄っていい?」
「まあ、構わんが。なら先にそちらへ寄った方が手間がなくていいんじゃないか?」
 そういえばあの二人は同郷の知り合いだったなとルージュから聞いた話を思い出す。
「あ、そっか。それもそうだよね。じゃあアセルスにも電話するね〜」
……あそこは電話が通じるのか?」
 ふとした疑問が過ってルージュに問えば、端末に耳を当てながら笑って答えた。
「アセルスが『今どきテレビもラジオも電話もインターネットも繋がらないとかあり得ない!!』って言って電話線引いてネット環境整えたんだって。一部妖魔は反発したけど黙らせたらしいよ〜」
「あの小娘もなかなかやるな……
 千年近く渡って支配し続けていた妖魔の君を退けただけはあるなと妙なところで感心してしまった。俺が神妙な顔でそう言えば、ルージュはクスクスと笑いながら言う。そして相手とようやく通じたようである。
「本人は一国の城主だなんて向いてないっ! って言ってるけどね。——あ、もしもしアセルス? 今からファシナトゥール行ってもいい?」
 そして楽しげに電話で話すルージュの隣で、俺はメッセンジャーのグループチャットにようやく一斉送信の文面を書き込んだ。ついでに端末のカメラでいちごを撮影した写真を添えておく。
 そのいちごが微笑んでいるような気がしたのは——隣で楽しげに仲間と喋る兄弟のせいだろう。
【終】
創作お題bot@理想幻論@asama_sousakuより
「紅い天使は微笑んだ」


 別に、一人でも平気だと思っていた。旅の最中もそうだった。術の資質を得る為に仲間は利用するもので。そして双子の片割れは殺す相手でしかなかった。——なのに、今は。
「ブルー、ただいま〜」
「おい、さっき帰ると言ってどうして帰宅が一時間後になるんだお前は!?」
「お話好きの近所のおばさまたちに捕まっちゃったんだよ〜!」
「全く……それならそうと連絡しないか」
「ごめんごめん!」
 双子の片割れから、たかが一時間連絡がないだけでこんなにも心配してしまうようになるとは思いもしなかったのである。

「寂しがりなのはキミのせい」
お題bot*@0daib0tより


 朝起きて君におはようと言って始まり、一緒に朝食を食べて子どもたちの待つ塾へと向かう。君が主に教鞭を取り、僕は分からない子へのサポートをしながら授業を進める。放課後、子どもたちの話し相手になりながら暗くならないうちに帰るように促し、そうして僕らも帰路へと着くのだ。
 そう、これが僕らのここへ来てからの変わらない日常。愛しき日々。
「今日も一日お疲れ様、ブルー」
「ああ。明日もよろしくな、ルージュ」
 僕が笑顔でブルーの方を向いてそう言えば、ブルーも僕を見ながら微笑んだ。
 ——ああ、僕はこれからもずっと、こうして君と一緒に歩いてゆきたい。

「僕らの変わらない日常」
お題bot@レム睡眠@rem_odaiより


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