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あるBさんの証言5

全体公開 936文字
2022-06-02 21:38:39
Posted by @uk_plus_



 それは授業の合間休みでの出来事でした。越知君が男子のクラスメイトと何かやり取りをしていました。するとこんな会話が聞こえてきたのです。

「越知、それってさ苗字とおそろじゃね?」

盗み聞きするつもりはなかったのですが、私はなんとなく耳をそばだててしまいました。何故なら苗字さんの名前が出ていたからです。

 そして男子のクラスメイトが指している方を見ると、それはスマホケースについているスマホリングのことのようでした。

「ああ、同じものだ」

今、なんて?

私は己が耳を疑います。何故なら越知君は平然とそれがお揃いであることを認めたからです。え?お揃い?私の胸中はざわつきます。それから教室内にいた苗字さんの方を見て、ちらりと見えていたスマホを見て同じようにつけられているスマホリングを確認し、またどきりとしました。

お、同じだ

衝撃が走りました。だってそれはまるで“付き合っている”人たちのすることだったからです。何度も事実を確認してしまいましたが、二人は“付き合っていない”のです。

「なんでお揃いなん?」

すると私の胸中を代弁してくれるかのように、男子が聞いてくれました。この時ほど男子のクラスメイトに盛大に感謝したことはありません。

「理由はない」

しかし私は越知君のそんな言葉を聞いてまた衝撃が走ってしまいました。理由はない?それでお揃いとは成立するものなのでしょうか。お揃いとは二人でひとつであることを強く主張するものではないのでしょうか。私の頭は大混乱を引き起こしました。付き合ってない、なのにこんなにも仲良しな二人がいるのかと。

「ふーん、そうか」

え、そんな簡単に引き下がっちゃうの!?

他にもっと気になることはあるじゃないか!私は内心で男子につっこみます。しかしそれは声にはできません。こうして私の悩みは大きくなっていく一方なのです。


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