🐙×🧲。🧲が思う🐙の事。
@hirop573
「…………」
最近、僕はよく考えることがある。寝る時も、起きた後も、食事をしている時も、果ては試合中にも。
僕は、ハスターの事を、黄衣の王の事をどう思っているんだろうか。
さっきの試合は集中できた。そもそも余計な事を考える暇もなかったし、ナワーブやウィリアムがいて声が大きいお陰で覚醒出来たからだ。ばれないに越したことはない。
まぁ、解散して部屋に戻ればいつもの考え事が始まるのだけど。
第一印象は最悪といっていいほど。売られた喧嘩は買う、というのは今と変わりないけど、お互いに敵視してた分殺意があったように思う。僕はあいつに殺されるぐらいなら自害してやるってね。
でも、いつだったか僕が一人パニックになってしまった時に助けてもらってから、あのひとの態度が変わった、はず。
それは相対してた僕だけが分かる程度の、周りには悟られないぐらいの変化だったように思う。誰かと話をしていて、なんとなく帰りたいと思っていたらあのひとが声をかけてきたり、暗い場所が嫌だから夜に外に出ていたら話し相手になってくれたり。
初めこそ同情かと警戒もした。けど何を求めるでもなくあのひとは毎日僕と接した。何も求めないなんてどうかしてる。たぶん、そう思った時点で僕もあのひとに関心を持ったんだろうと思う。
そこが、そもそもの失敗だったのかもしれない。
だって今こんなに悩んで…悩んで?まぁ悩みとしよう。今こんなに悩んでいるのだから、あそこで僕が興味を持たなかったらよかった話なんだよ。
なんなんだよ、あのひとで頭が一杯なんですって?
大体あのひとが悪いんじゃないか。勝手に関わってきて何も見返りを求めないとか変なひと…。
待って、僕は今何を思った?
自己完結するには早すぎる。きっとそうに違いない。早まるなノートン・キャンベル。答えを出すのはまだいい。ここで出したら不味い。僕がいうのだから間違いない。女じゃないんだ。あんな、数回助けてくれただけのひと、を、僕は…。
違うんだ。どうしてだろう。認めたくない。違うと思いたいのに。どうしても離れてくれないのは僕が悪いんだろうか。
あのひとは、今の僕を否定しないから。
だから、いつか見捨てられたらと思うと怖くなってくる。そんな事死んでも言えないけど。言うつもりもないけど。でも、もう気付かれてるかもしれない。あのひとだから。
僕の過去も知っている。僕の今も知っている。
何もかも見透かされているようで、ザワザワして、酷く落ち着かなくて、でも一番隣にいて安心できる。こんなの、まるで…。そうなのかな、これは。
だったら僕はこの気持ちを墓場まで持っていく事にする。それに、まだはっきりそうと決まった訳じゃない。口にしたら戻れなくなる事、僕だって分かってるから。
「ねぇ、ハスター」
『なんだ』
「僕、あなたの事やっぱり分からないよ」
『…そうか』
ほら、分かったような言い方をする。
だから僕は今日も嘘をつく。
気づかないふりをする。
このひとは、僕の何なのだろうって。