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ブバルディア プロローグSS

全体公開 プロフィール・プロローグ 1703文字
2022-06-11 22:43:19
Posted by @DSSmafia

プロローグ「夢を見る蝶」


それは少女の夢の物語。


屋敷が燃えていた。
煌々と燃え上がる炎が全てを呑み込み、焼き尽くした。

とあるマフィアのボスの屋敷だった。

全てが消えていく。
命も何もかも。

屋敷の主と敵対するマフィアの犯行であった。


そして一人の少女が残された。
彼女は一人出かけていて、偶然、難を逃れたのだった。
燃え盛り灰塵と化す全てを前に、ただ立ち尽くし、見守るしかなかった。

誰も彼女を助けてはくれなかった。

消防車は来なかった。
警察も何も調べなかった。

彼らはマフィアと癒着していたからだ。


絶望した彼女は夢を見ることにした。
遠い昔に見た夢を。


――――

襲撃カチコミだぁ!!」
「どこの連中だ!!『マッシュ』か『バンブー・チルドレン』か!?」

事務所に響き渡る銃撃音!
マフィア『サン・プール』は謎の襲撃者の攻撃を受けていた。
『サン・プール』はガトー・アイランドを支配する『マッシュ』『バンブー・チルドレン』からは独立した泡沫組織の一つであった。
アルフォートのビデオレターをきっかけに始まった抗争に便乗し、勢力を拡大するべく準備をしていたのだ。

「アハハハハハハハハ!!!今日の標的はここよ!!!さあ、私を楽しませなさい!アハハハハハハハハ!!!!」

そこに突如現れた謎の黒いドレスを着た少女。
漆黒の死神に構成員たちは次々と射殺されていく。

「おい、あれブバルディアじゃないのか」
「都市伝説じゃなかったのか」

最近、マフィアの間で流れる噂話。
昔、流行った小説の登場人物が、現実に現れ、マフィアの事務所やシノギの現場を襲撃して壊滅させている。
マフィアを恨んだ亡霊とも、まことしやかに囁かれているが、正体は不明。

その都市伝説の主人公が今目の前に現れていた。

「なんで小説の登場人物が襲ってくるんだよ!!!」
「知るか!!誰かの魔人能力じゃないのっ……ぎゃああ」

ブバルディアが二挺の拳銃を次々と発砲する。
マフィアたちが次々と射殺されていく。

「アハハハハハハハハ!!!弱敵!!もう少し抵抗して見せなさいよ!!!」

抵抗する構成員たちをすべて撃ち殺し、ブバルディアは『サン・プール』のボス、オヴォ・エン・デーイの元にたどり着いていた。

「ひいいいい、た、助けてくれ。金はいくらでもある。いくらだ!いくらほしい」

最早勝機はないと命乞いをするオヴォ。

「アハッ!命乞い?ボスがそんなんじゃつまんないよね。もっと抵抗しなきゃ」
「ぎゃああああああ」

オヴォの言葉を勘案することなく、両足を正確無比に撃ち抜いていくブバルディア。

「マフィアの誇りとかないの?雑魚」

オヴォを見下すようにブバルディアが言った。

「ガキが言わせておけば」

最早命乞いでも助かる道はないとオヴォが懐に手を伸ばし拳銃を取り出そうとした。

「そうそう、抵抗してくなきゃつまんない」

無慈悲にオヴォの頭部を撃ち抜くブバルディア。

「ま、無駄な努力なんだけどね、ウケる。アハハハハハハハハハ!!!」

ブバルディア以外誰もいなくなった事務所で彼女の高笑いだけが響き渡っていた。


――――


「あの娘すっかりあの本に夢中ね」
「クレオメも私の娘だからな。マフィアに関心があるのだろう」

少女が夢中で小説を読んでいる。
その背後で彼女を見守る両親。

彼女が読んでいるのはガトー・アイランドで流行する小説『エル・スエーニョ』。
マフィアを単身襲撃し続け、最終的に破滅した少女の物語である。

しばらくして、本を読み終えた少女が口を開いた。

「私、お父様のような立派なマフィアになりますわ」
「おお、そうか」

少女の言葉を聞き、顔をほころばせる父親。

それはもう戻らない思い出の中の出来事

少女―――クレオメ・ファルファッラは夢の中にいる
かつて家族を殺され、絶望した少女は、狂気に身をゆだね、自分をブバルディアだと信じ込むことで精神の平衡を保っている。
彼女は今も「エル・スエーニョ」の中にいる。中にいる。


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