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そんな理由―毛利寿三郎の場合―

全体公開 3 813文字
2022-07-22 01:33:37
Posted by @uk_plus_



 「なぁなぁ」
「なによ」
「今日なんか冷たない?」

席に着いてスマホをいじっていると目の前の席にいる寿三郎が急にそう言った。その面持ちはどこか真面目そうで、不服そうで、なんなら頬を膨らませていた。

「別に、いつも通りだけど」
「せやろか俺なんかした?」
「してない」
「ほんまに?」
「しつこい」

私はため息を吐いてスマホを机に置いた。

「ほら~なんや怒っとるやんけ」
「怒ってないってば」
「じゃあなんなん」

すると今度は寿三郎が怒ったように眉を寄せた。そして私に詰め寄りじっと見つめてくる。くるりと丸い瞳に見つめられ、私はまたため息を吐いてゆっくりと言った。

……あーもーわかったよ」
「なになに」
「言っても、笑わない?」
「笑わん笑わんよ」

少し声を潜めて、私は彼の耳にそっと耳打ちする。

「昨日、好きなバンドが、解散したの」
「えっ
「あーもーいいよ、わかってる、くだらない
「そんなことあらへん!」

くだらないよね、そう繋げようとした言葉は勢いよく立ち上がった寿三郎の大きな声に掻き消された。そして寿三郎は私の腕を引いて、こう言った。

「こうしちゃいられんわ!行くで!」
「ど、どこへ!?」
「どこでもええねん!」
「ええええ!?」

 そうして私は寿三郎に学校をサボらされた挙句、様々な遊びに付き合わされた。最後に辿り着いたカラオケでは例のバンドの曲をせがまれまくったのだった。

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「これはどういうことなの」
「そういう時はパーっと遊んだらええねん!な!」
「なんかありがと


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