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とある手記(瓶詰めの魔法使い余談)

全体公開 2 579文字
2022-07-23 20:43:18

「瓶詰めの魔法使い」でモブの見つけた手帳の最後のページ。




結局、本人の作ったシュガーとの相性がいちばんいい。
砕いて粉状にすれば、混ぜ合わせて瓶詰めにしやすいし、人間でも口にすることができる(たとえば賢者とか)。そのまま飲み物に溶かすなり、調味に使うなり、応用も利く。
保存性も悪くないはずだ。中身は魔力のカタマリみたいなものだし、瓶にも魔法がかかっている。

まさかこんな試行錯誤をすることになるとは思っていなかった。
最初にファウストから話を持ちかけられた時には、とんでもないことを頼まれたと思ったもんだが。気づけば瓶の数は少しずつ増えている。いざという時のためにと、シュガーだけ置いていってる奴らもいる。いつのまにか「そういう場所」になっちまった。
これは、「そういう場所」を引き継ぐためのメモだ。配合だの、適した封印魔法だのについて書いておくつもりだ。
(経年でほどよく薄れるような魔法がいいんじゃねえかなと考えている。人間には弔い上げってものがあるらしいが、魔法使いの寿命に見合う鎮魂は、果たしてもっと長いだろうか)

思えば、墓なぞ見たくない一心で過ごしたような頃もあった。それが、今じゃこんなものを書き残すことになっている。さて、長生きはしてみるもんなのか、どうなのかね。

いつか、ただの瓶詰めになる日を思って
ネロ・ターナー



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