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あるBさんの証言7

全体公開 1 868文字
2022-07-31 00:04:01
Posted by @uk_plus_



 今日の温かい午後でした。お昼休みを思い思いに過ごしていると、私の視界にある二人が入りました。そう越知君と苗字さんです。今日の二人は、二人でひとつの本どうやらそれは越知君の私物のようでした。を読んでいました。机を挟んで二人座っている姿はとても微笑ましいものです。がしかし私にはひとつだけ物申したいことがありました。

顔が!顔が、近い!

二人の顔がとても近かったのです。

近い!え、それは許される近さなの!?

私はハラハラしながら二人の動向を見守りました。だって今にもキスが出来そうな距離だったのですから。

たしかに一冊の本を二人しかも一人は巨躯で読めばそうはなるかもしれません。ですがそれにしてもでした。とてもとても二人の距離が近いのです。それは頭と頭がもうくっついていると言っても過言ではない程でした。髪の毛は触れ合っているのではないか、それくらい近い距離だったのです。

 私が動揺している中、越知君がぺらりと一ページをめくりました。すると苗字さんはまだと言いながらそのページを元に戻します。それに越知君はおいだとか言いながら咎めましたが、苗字さんは気にも留めずに黙って読み進めていました。その二人の姿を見ているとハラハラする私の気持ちも少しほっこりしました。

 そうこうしているうちにお昼休みの終了を告げる予鈴が鳴り、越知君は本をぱたりと閉じました。そして越知君が顔を上げると苗字さんも顔を上げて、二人で顔を見合わせにこりと笑い合いました。

 私はその時、一番二人の大切なものを見たような気分になり、午後はとても気持ち良く過ごせそうだなと思いました。私をこんな気持ちにさせる二人は、もちろん付き合っていません。


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