メモ帳見返してたら書きかけの話があったので勿体無い精神でうpしました。
サガフロでスクラップの面々とブルーがご飯食べて喋ってるだけです。
@wasser_welle
術の資質を得る為なら、あらゆる手段を用いて良いと教えられた。他人を利用するのは当然で、きっと相手だって目的のために一時的に共に行動しているだけだと。——だのに。
「おーい、ブルー! 飲んでるか〜?」
「なんだよせっかく術の資質が集まったっつー祝賀会なのによお〜。主役が飲まねえでどうする!」
「酒臭い! 近寄るな! あと勝手に注ぐな!」
クーロンの片隅にある焼肉屋。秘術の資質が全部揃ったんだから祝おうぜ!というリュートの提案に皆が賛同し、なし崩し的に俺も参加することとなった。広めの席へ案内され、皆好き勝手に次々と注文していく。
そうして酒に目がないゲンとそれに乗っかったリュートは早々に出来上がっており俺に絡んできた。ええい、鬱陶しい!!
「ゲン様、リュート様、ブルー様が困っております」
T260Gがやんわりとゲンとリュートに釘を刺し、俺のグラスに酒が注がれるのは阻止された。だが、その逆隣でクーンが俺に許可を求める前にドボドボとオレンジジュースを注いでいく。
「じゃあブルーはジュース飲もうよジュース!」
「自分で注ぐからやらんでいい! あとなみなみ注ぐんじゃない!」
焼いた肉や野菜を取り分けていて今気づいたのだろう。俺の声にメイレンがクーンを嗜める。
「ちょっとクーン! そういうのはちゃんと聞いてからよ! ……ごめんなさいね、ブルー。でもちゃんと食べてる?」
グラスギリギリに注がれたオレンジジュースを溢さぬようすすりながら飲んでいく。ある程度減ったところで一度グラスをテーブルへ置いた。
「……勝手に食べてるし飲んでるから安心してくれ」
ため息を吐きながらそう言えば、メイレンがクスリと笑って取り分けた肉と野菜を渡してきた。
「せっかく秘術の資質が揃ったのに仏頂面のままだからみんな心配してたのよ。よかったわ。そう言う元気があって」
「別に……資質を得るのはキングダムの術士として当然のことだ。なんの感慨もない」
そう。これは当然のこと。この先、ルージュと戦い完全なる術士になるための手段であって目的ではない。俺の話にメイレンは困ったように笑いながら言う。
「……そう。でも、たまにはこういうのもいいんじゃないの? 貴方には貴方の事情があるのは知ってるけど、ずっと肩に力入れてたら疲れると思うし」
「……」
渡された肉を口に含み咀嚼していく。俺には術の資質だけあればいい。ずっとそう思って生きてきた。だが、こうして外遊し多くの人と出会い様々なリージョンを巡るうちに本当にそれでいいのか、と思うようになった。いっそこのまま、この仲間たちと旅を続けて——
「ま、とりあえず今日はいっぱい食べていっぱい飲みましょ。また明日から、新しい術の資質を探しに行かなきゃいけないものね」
「……ああ」
メイレンのその言葉に我に返った。
あと一つ。あと一つ術の資質を手に入れればこの旅は終わり。この者たちとも別れて、完全な術士になって故郷へ戻らねばならない。それが俺の目的だ。
だから飲み込んだ肉が重く感じるのは、きっと気のせいだ。
【終】
がらくた@お題bot@grktodai
「ひきつけられて、ひきずられて」