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ゲーム、プレイ

全体公開 15 1186文字
2022-08-06 01:43:28
Posted by @uk_plus_



 今日は珍しい光景が広がっている休日だ。何が珍しいかというと、あの月光がリビングでテレビゲームをしているのだ。そのゲームはどうやら猫がたくさん出てくるものらしく、パッケージに釣られて月光は購入を決めたようだった。私はそんな彼の様子を見ながらソファで読書を楽しむことにする。

 「月光、どう?楽しい?」
ああ」

聞こえた声色が心なしか高い気がした。背中しか見えないが、その雰囲気だけで楽しんでいる様子がわかる。
 月光の視線の先には、猫がとてとてと可愛らしく歩くテレビ画面が広がっていた。どうやら今は森の中を探索しているようで、月光が操作する猫がぴょんぴょんと飛び跳ねる様が映っている。意外なことに彼はこういったゲームが上手いのかもしれない。

 「っ!?」

すると急に月光が肩をびくつかせ、声にならない声を上げた。

「どしたの!?」

私は本を置いて座っていたソファから少し腰を浮かして月光に声をかける。するとぎぎぎと音が立ちそうな動作で首をこちらに向けた月光が、少々震えた声で言った。

「ね猫が落ちた」
え?」

その言葉に釣られるようにテレビ画面を見ると、足を引きずった様子の猫が映っている。どうやら操作していた猫が上から落下して負傷してしまったらしい。その痛々しい姿に月光は驚き心を痛めているようで

「すまない途中まで、やってくれないか
「え?私が?」

コントローラーを差し出した月光はなんだか青い顔をしている。私はそれをおずおずと受け取り、わからないなりに操作をし始めた。ひょこひょこと足を庇い歩く画面上の猫の姿が痛ましい。そして数歩歩いたところでその描写がなくなり、通常通りの歩行を猫が始めたところで私はコントローラーを月光に渡そうとした。

「はい、なんか、戻ったよ」
……
「月光?」

しかし反応がなく私は彼の名前を呼んだ。よく見ると月光はその大きな両手で顔を覆っている。そしてそこからがばりと顔を上げて、がしりと私からコントローラーを受け取ると少々力強い声で言った。

「ありがとう」
「つ、月光?」

疑問符を浮かべた私を置き去りにしたまま月光は背中を向け、そのままの姿勢で言った。

「俺はこの猫を見守ろう」

それから月光は黙々とゲームをプレイして猫を着実に進ませて行ったのだった。その背中はとても大きいのにとても微笑ましく見えた。


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「どこまでいけた?」
「もうすぐゴールだ」
「はっや」




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