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間違えて(間違えてない)

全体公開 1311文字
2022-08-13 01:33:58
Posted by @uk_plus_



 「あれ?」

お風呂上り。ベッドに置いていたスマホを拾い上げて見ると珍しい人からメッセージが来ていた。相手はクラスメイトの越知君だった。なんとなく連絡先を交換はしていたが、普段からメッセージのやり取りなどしない相手だ。私はそれを不思議に思いながらメッセージを開くと、何やら“怪しげな文”が羅列されていた。

fkkどpspさpかまl;sd@s@そ

「どういうこと?」

その不思議な一文に首を傾げていると、突然電話が鳴りだした。相手はやっぱり越知君で、私は更に不思議に思いながらその電話に出た。

「もしもし?越知君?」
「あ、ああ。いきなりすまないな」
「ううん、どうしたの?」
「その

すると越知君は何かを言いにくそうにしながらぽつりと言った。

「猫が
「猫?」
「猫がおかしなメッセージを送ってしまった」

そこまで言われて私は合点がいく。先ほどのおかしな一文とたった今かかってきた電話について。恐らく開いたままのスマホを越知君の家の猫が踏んで、丁度開かれた私にメッセージを送ってしまったのだろう。

「本当にすまなかった」
「大丈夫だよ」

何も気にしてないしと言えば、越知君はそうかと返事をする。その声はどこか元気がなさそうに感じられた。

「わざわざ電話ありがとう」
「いや、別段
「それじゃあね、また学校で」
ああ、また」

その言葉を聞いて私は通話を切る。不思議なこともあるものだと思いながら机にスマホを置いた。

――――――――――――――――――――――――――――


 まさかこんなことになるなんてと、越知は通話の切れたスマホを握りながら呆然としていた。そしてそばで寛いでいる愛猫をじっと見てため息を吐いた。

 それは越知がリビングから自室に戻った時だった。珍しくリビングにいないと思った愛猫が何故か己の自室にいたのだ。そこからが更に珍しいことで、普段は見向きもしない越知のスマホに愛猫が何やら悪戯をしていたようで

「なんだ、これは」

光が点灯しているスマホの画面に“好きな子”の名前が表示されていて、かつその子におかしなメッセージを投げていた。

どうしたら

そう越知が思った瞬間だった。愛猫がまた画面に前足を起いたのだ。

「やめなさい」

言いながら愛猫を抱きかかえて画面を見ると、通話状態になってしまっていた。

まずい

抱きかかえていた愛猫に構わず越知は電話を取り、すぐに耳に当てた。

「あ、ああ。いきなりすまないな」

聞こえてきた声に返事をしながら、越知は横目で愛猫が部屋から出て行く姿を見送った。


――――――――――――――――――――――――――

「何がしたかったんだお前

電話の後に、愛猫に越知が問うてもただただにゃあと返事が返ってくるだけだった。


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