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夫婦の時間の過ごし方4

全体公開 4 1211文字
2022-08-20 07:35:49
Posted by @uk_plus_



 「パパ~」
「どうした?」
「ママのこと、どれくらいすき?」

 休日の午後一時。妻はショッピングに出掛けていて、愛娘と越知だけで留守番をしていた時だった。
突然の愛娘からの質問に、越知は飲んでいた紅茶を噴き出した。まん丸で大きな瞳をキラキラさせ越知の膝に体を乗せながら、愛娘はソファに座っている己の返答を待っている。その姿を困惑した表情で見つめながら、越知は首を掻いた。

「あのね、あのね、わたしはね、こーのくらいすき!」

そう言いながら小さな両の腕を目一杯広げて愛娘はにこにこと笑った。その表情に心を綻ばせながらも、越知は未だに困惑し、とりあえず手に持っていた紅茶のカップをローテーブルに置く。

「パパ、パパ、どのくらい?」

返答をしない越知に急かすように膝をゆさゆさと揺さぶる娘に、越知はそうだなと頷いた。

「この、くらいだ」

そして娘と同じように両腕を広げながら越知が返答すると、娘は先程とはうって変わってむすっとした表情になる。急に不機嫌そうにしだした娘に再び困惑しながら、越知はどうしたとその愛しい頭をひとつ撫でて聞いてみる。

「パパのがおてておっきい

どうやら父親との体格差を不服と感じているようで、どう広げても届かないそれを不満に思ったらしい。なるほどと頷いた越知は愛娘の両脇に手を優しく差し入れ抱き上げて、膝の上に座らせてみた。

「パパ、わたしもパパみたいにおっきくなれる?」
パパみたいには、困るな」

純真無垢な質問に対して苦笑しながら越知はまたひとつ彼女の頭をひと撫でする。そして娘の眼前まで顔を寄せて、ひとつひとつ大事そうに話し出した。

「今のままで、充分大好きなことは伝わるぞ」
「うん?」
「ママが帰ってきたら、もう一度やってくれるか?」
うん!」

全てが伝わったかは別として、愛娘がもう一度笑顔になったことに越知は安堵した。いい子だともう一度頭を撫でながらその愛しい体を巨躯に抱きしめると、玄関先からガチャリと音が聞こえてきた。

「あ!ママだー!」

それを聞いた娘はひょいと越知の膝から飛び降り、ばたばたと玄関まで走って行ってしまった。未だ温かい温度が残っている胸に右手を当てて、越知はひっそりと口元だけで笑った。そして玄関先から聞こえるきゃっきゃと賑やかな声とママ大好き!という声を聞いて苦笑するのだった。


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「二人で何のお話してたの?」
「それは秘密だ」
「あのね、パパがママのことたーくさんだいすきってゆってたよ!」
「!?」




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