マークとスティーヴンが謎のウイルスによって動物に変態してしまうお話です。
ジェイクがひたすらお世話をしています。
分裂同居設定。CP要素は無し。3人仲良し。
ご都合設定なのでいきなり始まります。
そして多分続きます。
@tara_moso
『人間が突如動物になってしまう奇病が蔓延してます』
テレビからいきなり飛び込んできたこの速報に
なんじゃそりゃ、とポカンとしてしまう。
後ろでトーストを齧っているマークに
「変なニュースだね」
と振り向けば、トーストを持っている彼の右手にフラフサとした金色の毛が生えている。
「それ…」
と指差せば、自分の異変に驚いたマークが盛大にトーストをコーヒーに落っことした。
ジェイクが大荷物を抱えて帰ってきた。
どこから手に入れてきたのか防護服まで着込んでいる。
僕が半泣きになりながら出迎えると容赦なく消毒液を吹きかけられ、服を脱がされ、新しい服を着せられ、防護服を被せられた。
ジェイクの指示通り、マークはバスルームに隔離している。
ノックすると「入るな!」と響いた声に、ジェイクが感染対策をしてあるから安心するように伝える。
ゆっくり扉を開いてみればシャワーカーテンを引いた向こう側にマークの影が見えた。
「具合は?」
「変な感じだ。痛くも苦しくもない。少しボーっとする。あと…腹が減った」
最後の間の抜けた言葉にすこしホッとする。
「症状が現れた手を見せてくれ」
おずおずとカーテンの向こうから、金色の毛並みの大きな獣の手が現れた。
そっと触るジェイク。痛みはないか?動かせるか?と問診をしながら手をひっくり返すとおおきな肉球が現れた。手の中心から指先に向かってぐっと押し込むと立派な爪がニュっと出てくる。大きな猫科の動物だな、なんて2人で推測しながら大きな肉球をフニフニし続けていると、
「も、もういいか?」
と手が引っ込んだ。
「どの程度進行してるのか確認したい。
覗いても良いか?」
「嫌だ!」
強めの返答と、
「それに…もうすぐ全部変わる…」
と悲しそうなマークの声が続いた。
言葉通り夕方にはバスタブの中には人間のマークは消え、一頭のライオンがそこに居た。
ニュースでは動物になった人は凶暴化するだの、いや人間の記憶を持っていて意思の疎通をとれるだの色々な情報が飛び交っている。
(中でもオウムになった人は喋ることでコミュニケーションをとれたとか!)
まずはライオンになったマークとの意思疎通を図る。リビングに出てきたマークは大人しく部屋の隅っこで丸くなっている。こちらを襲う素振りは見せてこないので、僕たちのことは認識できているようだ。
僕はYESとNOとそれぞれ書いた紙をマークの前に置いた。質問をして、その回答の方の紙をタッチしてもらう作戦だ。
「僕たちがわかる?」
YES
「人間の時の記憶はある?」
YES
僕とジェイクはほっとした。
「具合は良い?」
YES
「痛いところはある?」
NO
「苦しいところはある?」
NO
身体は健康なようで安心した。
「何が必要…」と言いかけて、これは2択で答えられないな、と思い直した時、マークが体を起こした。直立して、巨大な猫足をお腹の前でさする。
「お腹がへった?」
YES
アニメキャラクターみたいな伝え方に僕たちは思わず笑った。
ジェイクが大量の生肉を買い込んできた。
僕はスマホで
【ライオン 飼い方 】とか
【ライオン 世話 】など
色々調べてみたけど、家庭でのライオンの世話の仕方など出てくるわけもなく、動物園の紹介記事を参考に、とりあえず肉だろう、となった。
でも今はライオンでも元は人間。この大量の肉はステーキにした方が良いのか、と2人で悩んでいると、マークがやってきて、肉をちょいちょい、とつつき、次は自分の口をちょいちょいとつついた。そのままでいいの?と聞けば、頷いた。
ダイニングチェアにはマークはどうにも収まりが悪かったので、結局床に置いて食べてもらう事になった。地べたはさすがに可哀想なので適当に引っ張ってきたシーツをレジャーシートがわりにして、その上にドーンと巨大な肉の塊をこの家で1番の大きな皿に乗せて(といっても肉がはみ出してしまっている)マークの前に置いた。
ウズウズしていたマークはすぐに肉に喰らい付く。テレビで見たサバンナのライオンみたく、大きな肉の塊を器用に牙で切り取りながら食べていく。人間の時よりもずっと幸せそうに食べているから、なんだか嬉しくなってニコニコと微笑んでしまう。それはジェイクも同じようで、優しい目をしながら食べるマークを見ていた。
なんだか、あまりにマークが美味しそうに食べているから僕もお腹が減ったな。山盛りのサラダが食べたい。青々とした葉っぱがたっくさんのやつ。うちにいま肉以外の食べ物何かあったかな。
キッチンに向かおうとした時、ズボンの裾に足を取られた。防護服はぶかぶかで動きづらいんだ。裾を持ち上げながら歩こうとした時、ガシッとジェイクに捕まれた。その顔は青ざめている。何事かとマークをみると、マークも食べるのをやめてこっちを見ていた。なに??自分の体を見下ろす。あれ…明らかに着た時よりも服が大きくなっている…?
どういうことかとジェイクを見ると、ジェイクの顔がいつもよりもずっと上にある事に気がついた。
これは…僕が小さくなっているのか。
防護服を脱ぐ。ジェイクは止めようとしたが、バサッと脱ぎ捨てて現れた僕の腕はまっしろな毛で覆われていた。ああ、手遅れだったんだ。視界がぐらっと揺れて背中ににぶい衝撃を感じる。覗き込んでくるジェイクとライオンの顔がぐるぐるくると回り出した。
ぼんやりとした意識の中で、身体の中もぐるぐると回っていくような気持ち悪さに、さっきのマークはやせ我慢をしていたんだと知った。
目が覚める。目の前はぼんやりしているけれど、妙に周りの音だけははっきり聞こえた
「気付いたか!」
ジェイクの声と振動が近づいてくる。
何度か瞬きをしていると視界が少しクリアになってきた。目の前に大きなジェイクの顔があった。
ピャッ!!!!
身体は飛び跳ねるし、なんか聞いたことのない声が出た。
「す、すまない驚かせた」と慌てて離れるジェイク。すごく心臓が早い速度で動いている。ドキドキが少し落ち着いてから、ジェイク、と声をかけようとしたのに、喉から声が出ない。代わりに鼻からプッ、とか、キッ、なんて音が出る。
なにこの鳴き声。
目の前にYESとNOの紙がだされた。
ジェイクが質問してくる。
「私たちがわかるか?」
YES
え、何この小さいおてて。
タスっと紙に触れた手を見て、あまりの頼りなさに愕然とした。フワフワの白い毛に覆われた手はとってもファンシーな見た目と小ささをしている。
いや、ジェイクの顔の大きさから予想はしていた事だけど、自分が変身してしまった動物が、あまりにも可愛らしい小動物だという事が、動物に変身した事自体よりもショックだった。
思わず頭を抱えると、予想通りのながーいお耳に触れた。
はぁああああぁ…
あ、ウサギってため息つけるんだな。なんてどこか他人事のように考えていた。
「どうした?具合悪いのか?」
ジェイクが心底心配そうに覗き込んできた。
向こう側に同じく心配そうにこっちを見てくるマークがいる。
なんで??元々は同じ身体、同じ魂のはずなのに!
マークはかっこいいライオンで僕はウサギなの??
面白くないっ!!!!!!
イラつきがそのまま足に伝わって思いっきりテーブルを踏みつけた。
ダンっ!!!!
お?
ダダン!!
おお??
足がリズム良くテーブルを叩いている。すっごく足が早く動く!!
ダダン!ダダン!ダダン!!
なんだか楽しくなってきて夢中で足を慣らしていた。
テンションの上がって行く僕と反比例してどんどんジェイクは慌てていった。
「どうした?どこか痛いのか??スティーヴン?!」
テンションが上がりきった僕はついにピョーーーんとテーブルから飛び降りた!
タンっと見事に床に着地をしてそのまま駆け出す。
ビュンビュンと景色が飛んでいく!
僕を慌てて捕まえようとしてくるジェイクの手をかわし股下をくぐり抜けさらに走り回った!
楽しい!!楽しい!!楽しーーーーい!!!
ボスん!!
急に柔らかい壁にぶち当たった。なんだろうこんなモフモフの壁うちにはないのに。
顔を上げると大きなライオンが僕をのぞいていた。
キャーーーーーーーー!!!!!
今日一番のジャンプで飛び上がる。
全身の毛が逆立って心臓が跳ね上がった。
何歩分も後ろに着地して息を整える。
目の前にはおなじく毛を逆立てていたライオン…もといマークが目を見開いて僕を見ていたけど、毛が寝ていくのと合わせて、マークの顔が八の字の困り顔になっていった。君はこんな姿でもショックを受けた時は分かりやすい表情するんだね…
後ろからひょいっと抱き上げられた。
ジェイクが僕の体をあちこち見てから、
「怪我はないか?」と聞いてきた。頷きながらピスピスと鼻を鳴らして答える。
マークを見ると今度はこちらに背を向けて、最初のときよりもさらに丸く小さくなっていた。
マークだって分かっているはずなのに、ライオンの顔と匂いを感知した途端、危険信号が全身を電流みたいな勢いで巡った。これはウサギの生存本能なのだろうか…。ああ、なんて迂闊なことをしてしまったんだ。
ジェイクの手を軽く掻いて、下に下ろしてくれるよう頼む。ジェイクは少し迷っていたけど、僕の望み通りにしてくれた。
ぴょこぴょことマークに近づく。
マーク、と声をかけたが、出てくるのはブゥブゥという音だけ。マークは顔を向こうに向けたまま動かない。
ポスん。とマークの背中に飛び乗った。
ビクッとしたマークがさらに身を固くしたので、そのまま背中で足をボスん!と鳴らす。
グフっと音が聞こえたが、それでも動く気がないようなので、何度もボスんボスんとしてやれば、少しだけ顔を上げてグルルルルと非難めいた低い声を上げたので、その少しだけ見えた顔に向かって飛びついた。そのまま振り落とされないように抱きついてグリグリと顔を擦り付ける。君を怖がる事なんて、冥府から生き返ったあの日以来あるわけないと思っていたのに。
ごめんよ、の気持ちを込めてなんども顔を擦り付けた。
すると、大きなもふもふの腕が恐る恐る僕を包み込んで、マークの大きな顔が僕の全身に擦り付いた。ゴロゴロと響いてくる地響きはマークの喉から聞こえてくる。嬉しくなって僕の鼻もぷうぷうと鳴った。
上から安堵のため息が聞こえた。ジェイクが僕たちを覗き込んでいる。すごく、優しい目をしていた。彼は僕たちをそれぞれの手で撫でた。ジェイクの手は手袋ごしだからカサカサなったけど、それでもとても心地よくて、僕たちもまたゴロゴロぷうぷうと鳴らした。
ジェイクはそれからまた買い物に出かけ、さっき以上の大荷物を抱えて帰ってきた。
テーブルの上に荷解きをしたものを並べていく。
僕もテーブルに乗って彼が買ってきたものを眺める。
お肉の塊に、沢山の野菜。ラビットフード…そしてウサギの飼育本に、猫の飼育本、ボールに猫じゃらし?
僕の視線に気がついたジェイクがほら、と僕の眼の前で猫じゃらしを振った。うーん、全然興味が湧かない。
しらーとしている僕の後ろから、フンフンとした鼻息が聞こえた。
マークが大きく開いた目をランランとさせながら、揺れる毛の塊を狙っていた。
ほらほらほら、とジェイクがマークの前に猫じゃらしを揺らせば大きな手がひょいひょいと追いかける。
ちなみにマークはいまタオルとスポンジで作った手作りの手袋をはめている。爪を気にしてなかなか自分から近寄ってくれないマークにジェイクが作ってくれたのだ。
「猫じゃらしで戯れるマーク」には興味津々の僕はジェイクに足踏みで催促して猫じゃらしをもらった。
口で咥えてテーブルの端で揺らす。マークがそれを追いかけてひょいひょいと手を伸ばしてくる。
僕たちの遊んでる様子を楽しそうに眺めながらジェイクは買い物の整理を再開した。
だけど、興に乗ったマークが猫じゃらしに身体ごと飛び付いたせいでテーブルがひっくり返り、並べたものは全てごちゃ混ぜになってしまった。
片付けはすっかり日が暮れた頃に終わった。
(マークはまた落ち込んで部屋の隅で小さくなり、僕は手伝おうとチョロチョロしてジェイクに踏まれそうになったのでマークの背中で待機を命じられた。ほぼ全てジェイクが1人で片付けた)
マークの体重に耐えられず脚の折れたテーブルは、解体され部屋の隅に置かれている。
広く開いたスペースに、ジェイクは先程買ってきた大きなレジャーシートを広げた。カラフルな色のそれはまるでピクニックようで、室内なのにワクワクする。
ジェイクは沢山のお皿を使って、お肉に野菜にと、
肉食草食が共に晩餐を楽しめる用意をしてくれた!
「さぁ、2人ともご飯にしよう!」
明るく呼んでくれる声に答えるべく、ピョンピョンとと飛び跳ねる。すぐに動こうとしない足元のモフモフには足を鳴らして催促し、一緒に晩餐の席へとついた。
目の前に広がるご馳走に、ぼくの鼻はぷっぷっと鳴りっぱなしだし、しょげてたマークも目の前のお肉にキラキラと目を輝かせている。
「ほら、遠慮なくお食べ」
と促されたので、では遠慮なく、と目の前の青葉に齧り付く。食べやすいようにとスティック状に切ってもらった野菜も美味しいし、野菜だけじゃ栄養不足だ、と目の前に差し出されたラビットフードも、この身体で食べてみると意外と美味しく、僕にはうさぎの食生活がとても性に合っているらしい。
マークも目の前の肉の塊を舐めながら満足そうにゴロゴロと喉を鳴らしている。
この身体になって分かったのは、とにかく食べることが楽しく、幸せに感じる、という事だ。もともと僕は食べることも好きだったけど、なによりもマークが幸せそうに食べている姿をみれるのが嬉しかった。
それはジェイクも同じようで、マークの方を優しい顔で眺めている。そんなジェイクの様子もまた僕は嬉しくて、鼻がプウプウと鳴った。
僕とマークがお腹いっぱいに食べ物を詰め込んで幸せな気分でゴロゴロしていると、片付けを終えたジェイクが、ブラシを手にやってきた。
ジェイクは、同じくゴロゴロしていたマークを背もたれに腰を下ろすと「スティーヴンおいで」と膝をポンポンして僕を呼んだ。
ぴょんとジェイクの膝に飛び乗れば優しく撫でられる。
手袋越しなのが残念だけど、それでも優しい気持ちに包まれてなんて心地よいんだろう。背中を撫でていた手がブラシに変わった。おお…これは…なかなかに…
「気持ちいいか?」と声をかけられたので、ぷうぷうと答えた。全身をくまなくブラッシングされた後、さぁ交代だ、とマークの背中に下ろされた。
大人しくジェイクの背もたれになっていたマークは、よもや自分もされるとは思っていなかったようで、僕を乗せたまま立ちあがろうとしたところをジェイクに元の位置に戻された。
ジェイクは僕を撫でたブラシから、少し間隔の空いた櫛に持ち返るとマークの立髪を梳かし始める。人間の時の髪の毛と同じ、黒っぽいチョコレート色の立髪は、家から出てないのでそんなにボサボサしている訳ではなかったけど、それでも櫛を通した場所がサラサラになってゆく。ライオンの立髪のブラッシングなんて普通は絶対できない体験は、自分もやってみたかったけれどこればかりは仕方ない。
退屈なのでマークの頭の方へ移動する。そこにはなにやら緊張した面持ちでブラッシングを受けているマークの顔があった。その様子がおかしくて僕は笑ってしまった。残念ながらウサギは表情筋が乏しいらしく笑顔にはなれないけれど、鼻からはぷっぷぷっぷとご機嫌な音が漏れた。それを察したマークがむっとした表情を見せる。どうして君はライオンなのに表情が分かりやすいんだろう。
やがて寄せられた眉間の皺はトロンと溶け出して、瞼を重たそうに瞬かせながら、ゆっくり頭が床に降りてゆく。
手の届く位置にきた鼻筋を掻いてやる。だけど短い前脚ではどうしても鼻先にお腹を付けなきゃいけなくて、くすぐったかったのかマークが大きなくしゃみをした。コテンとひっくり返る僕を見て、ジェイクはハハハと笑うし、マークはガフガフと鳴いた。
リベンジに今度はマークの顎の下を掻いてやる。グルルルと心地良さそうな声が漏れて、再び床にベターっと顔を預けた。ゴロゴロと喉を鳴らしながら目を閉じている無防備なマークを見ていると、身体が温まるような、幸せな気分になる。なんだか僕も眠くなってきて、マークの顎の下でモフモフに包まれながら、うつらうつらと瞼を閉じた。ああ…このままでいれたらいいのに…
夜中に目が覚めた。
僕を包んでいたモフモフからは大きなゴーゴーとした寝息が聞こえてくる。
ジェイクの姿を探すけど近くには見当たらなかった。
ふと、バスルームから光が漏れているのを見つけた。
マークが家の中で過ごすようになったので、ジェイクはバスルームを完璧に掃除も除菌もして簡易的なクリーンルームを作っていた。この家ではもはやバスルームだけが防護服無しで過ごせる場所だった。
扉の前で中の様子を伺う。耳が良い、というウサギの長所が役に立つ。
中からはニュースの声が聞こえる。スマホを持ち込んでネットニュースを見ているらしい。
『改善の兆しは見られず事態の収束は困難を極めています…政府は緊急処置として隔離シェルターを用意、動物化した人々の治療と感染予防措置をとる方針を決め…』グスッ
キャスターの声よりも、一瞬聞こえた鼻を啜る音に、不安な気持ちが全身を巡った。その気持ちは頭より先に足に伝わってしまい、ほとんど無意識に足をドンっと鳴らしてしまう。
「スティーヴンか?」
中からジェイクが声をかけてきた。
「ちょっと待ってろ」と中からガサゴソと防護服を着込む音が聞こえる。しまった…せっかくゆっくり休んでいるところだったかもしれないのに。
防護服を着込んで出てきたジェイクは、昼間と変わらない優しい顔で僕を抱き上げた。
眠れないのか?
ジェイクが僕の背中を撫でてくれる。
この身体は人間の頃よりずっと正直に出来ているらしく、心地よさを感じればあっという間に眠くなってしまう。でも寝たいわけではないんだ、と身をよじってジェイクを見上げる。
ん?と覗き込んでくるジェイクの目に、涙の痕跡はあるまいかと探してみたけど、彼の目はただただ優しく僕をみているだけだった。
寝ているマークのところにやってきた。
ジェイクは僕を抱いたままマークに寄りかかると、マークが顔と尻尾を寄せてきた。三日月みたいに丸まったマークに背中を預けて、彼の呼吸に合わせて上下するお腹に揺られながら僕を撫でていたジェイクの手から力が抜けていく。やがて手が完全に止まって、彼の呼吸が穏やかな寝息へ変わったのを確認してから、僕も目を閉じた。
小話1
マークが部屋の隅をじっとみている。
僕には見えない何かを見つめているらしい。
彼の尻尾はウズウズを我慢しているかのように
ユラユラと揺れている。
何かが移動したのか、マークの目線もそれを追う。
逃げるようにあちこち移動しているけれど、
マークは目でずっと追いかけている。
ジェイクがそれを見て笑いを堪えている。
きっと彼に取り憑いている鳥頭の神様を狙っているんだろうな。
※マクとステは契約解除。ジェイだけコンスと繋がっている設定。
マクは今、見えてないものを感じ取れる猫ちゃん。
小話2
スティーヴンはウサギになっても表情豊かなんだな
ジェイクにそう言われてびっくりした。
ウサギに表情筋なんてないでしょう?
と首を傾けると、
彼は僕にスマホの画面を見せてきた。
そこには美味しそうににんじんスティックを齧る僕の写真。目元はフニャッと下がってて、口角がニコッと上がってる。
ウサギって表情筋豊かなんだなぁって初めて知った。
※タイミングによってほんとに笑ってみえる。
鳴き声やボディーランゲージも様々で結構感情豊か