ハス探12セット目。いつもの会話文。
@hirop573
【所有物】
「いいってハスター。これ以上身に付けると重い」
『そうはいかぬ。そなたは外なるものから常に目をつけられておる。我が居ぬ間に有事が起こっても助けられん』
「そうは言うけどさぁ。物はさすがに勘弁してよ」
「おうおう、何揉めてんだ。また痴話か?」
「ナワーブ…違うって」
『こやつ我の居らぬ間に奇襲に遭う事が頻繁でな。護身用にと各々持たせておるのだが文句が多い』
「ほー。例えば」
「ブローチ」
「あぁ、それは前に見たな」
「飴缶」
「あったな」
「ネックレス」
「おお」
「イヤリング」
「お、おお…」
「手鏡」
「………」
「後は〜」
「待て。もういい分かった。俺から見ても多い」
『む。そうか…』
「というか人間には嵩張るんだよ。試合中失くさないにしても動きが鈍くなるから集中できん」
「特に僕だと金属に反応するからさ。磁石の誤作動が起こっても困るんだよ」
『要は邪魔にならなければ良いと』
「まぁ、そう、だけど」
「…………」
『では手を出せ』
「ぇえ?手?はい……あっづぅ!??」
「!?おい!何す…!」
『印だ』
「印?」
「手袋外せ。何か出てるな…これアンタのとこのマークだな」
『左様。これで一つ、次は』
「待っ………て身体中に付ける気!?」
『然り』
「お断りします!」
『そなたが嵩張ると申したのであろう』
「何個あると思ってるのさ!痛かったんだからね!!」
『ではそのままでおるのか』
「……ぐ、ぐううう」
「こればっかりはどっちかだな…」
「拷問だよこんなの!!」
【問答】
「ハスター、何度も言ってるんだけど物を貰っても僕は返せない。そもそも邪神といえどあなたが神様だろ。人間に貢ぐっておかしいじゃないか」
『我の勝手だと何度も答えたはずだが』
「……。僕が売ってお金にするって考えないの」
『すればよい。それでそなたが満足するのであればな』
「…………」
『この問答を幾度となく繰り返してきたが、ようやくそなたの問いが変わったな』
「僕だって続けたい訳じゃない。この疑問を終わらせたいだけだ。…物で釣ってるとか思わないの」
『そなたにそう思わせているのならばそうなのであろうな。だが我に人間の感情は未だ理解出来ぬ。罪悪感、多幸感…それらを期待しているのならば杞憂であるぞ』
「!」
『そなたが死ぬのは誠惜しい。故に生き永らえさせるために護身として授けておるにすぎぬ。貢いでいるなどとよく言えたものよ』
「………」
『それは生涯離れる事は決してない。手に取った時点でそなたは我の加護を受けておる。努努忘れるな』
「あなたのやりたい事が分かんない。やっぱり嫌いだよ…」
【ハンモック】
「あれ…ここってこんなに家具なかったよね。買ったの?」
『そなたはここに入り浸るであろう。退屈せぬようにな』
「…それはどうも。これ何、ベッド?浮いてる…」
『………』
「?乗って何するの」
『来い』
「…………」
『どうした。試したいのだろう』
「なんであなたが先に乗るの」
『共に眠る寝具だと聞いているが』
(誰に聞いたんだ…)
「まぁいいや…ちょっと、自分で乗れ…もー過保護!」
『して、どうだ』
「揺れるけどゆっくりだ。確かによく眠れそう」
『そうか』
「よしお邪魔します」
『む』
「今からあなたは僕の枕です」
『不敬』
「今更でしょ。……ふぁ…」
【BJ】
「……」
『22』
「口にしなくていいから。あぁ…上回っちゃったか」
『そのようだな。では諦めるか?』
「まさか。そんなつもりもないし、あなたもそうでしょう?」
『ク、ハハハ。左様。我であるぞ。ここにきて勝ちを逃す訳があるまいて』
「そう。だから任せたよ。…僕のハスター」
『ハハ…ハハハハハハ!あぁ、我は今最高に気分が良い!承った、そなたのために勝利を手に入れてやろう!』
【先の話を、あなたと】
「あなたは僕が死んだ後どうするの」
『さてな。先の事は未知故、思案するだけ無駄であろう。だが…そうさな。逆に問おう、ノートンよ』
「なに」
『全てを終え、その後そなたは生き永らえたいか』
「……さぁ。考えたこと、なかったな」
『そういう事だ。精々今を生きるがよい。人間はそれが精一杯であろ』
「そうだね。ご忠告をどうも。……」
(あなたの隣を想像したなんて言ったら、このひとはどんな反応をするんだろうか)
「どうせ鼻で笑うんだろうな」
『どうした。不満か』
「いいや、なんでも」
【改めて】
「……ハスター」
『どうした。また胎内が疼くか』
「言い方。…ここ、あの人がいて嫌だ。部屋に戻ってもいい?」
『……。あの者か』
「あの人、電気を使うみたいで僕の調子が悪くなる…。…ハスター?」
『………』
「ねぇ、ハスターってば。ハスター!」
『気に入らぬな…』
「っ!?…は、ハスターっ!!」
『!』
「ひっ…」
『…戻るのであったな。よかろう』
「う、うん」
(怒った声、久しぶりに聞いたな。そうだ、このひとは悪いかみさま)
(そして僕は、ただの人間)
『ノートンよ』
「…なに」
『案ずるな。…いや、違ったな』
「?」
『そなたにはこう宣言するのがよかろう。我の元から離れられると思うな』
「!……見透かさないで。恥ずかしい」
【拒みたい、のに】
「……ひ、ぅ…こんな想いするぐらいなら……こんな所に来るんじゃなかった!…ゲホッ…」
『………』
「もう僕に関わらないで!僕に近寄らないで!あんたといると僕が僕でいられなくなる!!」
『そうか』
「そうかって……他に言う事ないのかよ!そうやって…っ…そうやっていつも余裕で…僕だけ一杯一杯で馬鹿みたいだろ!!突き放してくれよ!なぁ!」
『否。ノートンよ』
「……っ!」
『全て、異なるな。そなたの答えは』
「!?な、で…何で!!」
『突き放そうと思えばいつでもそなたから可能であった』
「!!」
『そなただけではない。我とて人とは何か、そなたとは何かを思案していた』
「やめろ!それ以上言うな!」
『現の我はもはや過去の我ではない。それはそなたもだ』
「やめて!!」
『互いにだ。拒まなかった時点で互いに狂い始めたのだ。よもや戻る事が出来たら、などと思うまいな?』
「う……僕のせいじゃない…僕のせいじゃない!」
『そうさな。こればかりは時の運…というやつよ』
「運命だって言うのか!認めない。認めない!認めないっ!」
『クク…それでよい。我とてすぐに堕ちてしまわれては楽しみようがない。耐えよ耐えよ。我はそれが見たいのだ』
【言葉につまるほど】
※summer vacation ! https://privatter.net/p/9178563 の話をほんのりと。
「雨で全試合中止、全員本日はオフ。…余計な事はするな、ってね」
『そう言うな。貴重な休息、そなたら人間は必要であろう』
「最近オフの方が多いんだけど。施設の故障だとか、……リゾートに行ったりだとかさ」
『しかし貴重な体験も出来る』
「……何が言いたいの?」
『我とて殺戮の限りを尽くせぬのは物足りぬが、さりとて数多の娯楽も…何よりそなたの興味の目が我を飽きさせぬのでな』
「!?ずっと僕見てたってこと!??」
『ふむ…そなたは雨を好むと言っておったな。座るがよい。特別に許そう』
「な、ばっ…話聞かないな…!?言いたい事山程あるんだけど!?」
『ならば好都合というものよ。確と聞き入れてやろう。こい』
「〜〜〜〜!今だけだからね!」
【ぐずる】
「……ねむ…ぅ…」
『好きにせよ。ここには丁度良い寝具がある』
「う…でも」
『ノートン』
「うー」
『何か約束でもあるのならば強いはせんが』
「な、い……ない…」
『ならばよかろう。そら』
「ひっぱらないで…うぅ……駄目だ…眠たい…」
『ならば眠れ。人間は睡眠をとらねば無用であろうて』
「………んー」
『…フ。生返事というやつか。良い、よい、ノートンよ』
「……………」
『そなたの仲間達がこの様を見ればどう反応するのだろうな…』
……………………
「あいつどこにも居ないんだが視えるか?」
「他人のプライベートを覗くものじゃないんだ。まぁ私の勘だけど今探すべきじゃない」
「なんで」
「馬に蹴られて死ぬよ」
「?なんだそりゃ」
…………………
「んがっ。え、あれ…寝てたか」
『起きたか』
「うわびっくりした。そうだあなたのこれで寝たんだった…」
『随分寝入っていたぞ』
「……もしかして夜…ご飯…」
『とうに過ぎた』
「なんで起こしてくれないの!」
『声はかけた』
「叩いて!」
『行使したぞ』
「………〜〜〜!」
『いつもであれば起床するはずだがな。今宵は珍しく反応が皆無であった故、疲労が蓄積しているのだろうと放置した』
「うう……お腹空く…」
『そう予想していたのかあの傭兵が持ってきていたぞ』
「え。ナワーブが?」
『左様』
「あのナワーブが!?」
『そなたは誰に対しても不敬よな』
【ほんとはさ】
「あなたにこの居館を貰って初めは疑ってたけど、今はここが好きだよ。水の音も落ち着くし魚も見える」
『それだけではなかろう』
「…そうだよ。外にいたら聞こえた煩い声、ここだと聞こえなくなるから。あなたといても多少は聞こえてたのにここにいると聞こえないんだ」
『………』
「ここは、なんとなくアッチの世界に近い気がするしね」
『なるほど。それが本心か』