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温かい家

全体公開 793文字
2022-10-15 23:28:12
Posted by @uk_plus_



 仕事に疲れて帰宅すると先に帰宅していたらしい月光が玄関で出迎えてくれた。そんな休日の前夜。

 「おかえり」
「ただいまー!あああーもうすごい疲れたよー」

ソファにどさりと通勤鞄を投げ捨てて己の身も投げ出せば、搾りかすのような声が出てしまう。そんな私の可哀相な鞄を拾い上げた月光が声をかけてくる。

「夕飯は出来てるぞ」
「ありがとう」
「風呂が先でも構わない」
「ありがとうー

ぐったりとソファに倒れる私の背中を擦りながら、月光は理路整然と言った。その言い方がなんだか面白くて、私は擦られて温い背中を持ち上げる。

「月光ーなんかそれさぁ」
「なんだ?」
「奥さんみたいだねえ」

なんてことを言ってみると、びしりと月光の体が硬直する。

「何を言っている」

冗談はやめろというその声音が本当に嫌がっていることを私に伝えているが、それがなんだか面白くてくすりと私は笑ってしまう。

「あはは、ごめんごめん」

笑いながら立ち上がれば、呆れたようなため息が聞こえてきた。

「とりあえず着替えてこい」
「はいはーい」

声に促されてゆったりと立ち上がると、軽くぽんと背中を押される。ふらりとリビングを出れば、帰宅後すぐには気付かなかった味噌汁のいい匂いが漂っていた。
 着替えた後に私を待ち受けているであろう幸福を想像して、温かくなった胸をそのままに私は着替えるために自室へ入った。


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「ほーんと月光はいい奥さんになるよ」
「こら」
「えっへへーごめんごめん」



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