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帝都夜迷い備忘録 設定まとめ集

全体公開 6 6 35399文字
2022-10-22 19:18:29

自創作「帝都夜迷い備忘録」の設定をひとまとめにしました。
鯖で話しているうちに生えた設定などもちらほら。

◆自創作「帝都夜迷い備忘録」世界観設定集◆




【本創作の扱いについて】
◆この物語および設定はフィクションです。実在する団体・国家・個人・宗教等とは一切関係ありません。
◆この設定集は、まんまるまろん(https://twitter.com/kurimaru921)の個人創作「帝都夜迷い備忘録」のこまごまとした情報をまとめたものです。
◆本創作の設定や世界観を用いた二次創作(小説・ss・イラスト・漫画等)は、下記の【注意事項】を守ってくださる方であればどなたでも(作者のフォロワー・非フォロワーに関わらず)お楽しみいただけます。
◆本作の世界観をご理解の上、様々にキャラクターを創作してお楽しみください。
 →作者による「本編ストーリー 一覧ツリー」   →キャラ作成診断
 ・【神櫻皇国・帝都住民登録票】https://shindanmaker.com/1077250
 ・【櫻花霊術院学生証】https://shindanmaker.com/1178847
 →キャラクターシート 
◆もし本世界観についてお聞きしたいこと・二次創作に当たってご質問なさりたいことなどございましたら、お気軽に作者までお声掛けください。


【注意事項(必読)】
◆基本的に本創作の二次創作はツイッターにのみご投稿ください(小説投稿サイトで横行している盗作・改悪・なりすましなどの被害を防ぐためです)。その他SNSに投稿なさりたい場合は別途作者までご連絡ください。
◆本創作の二次創作をツイッターに投稿する際は必ず「#帝都夜迷い備忘録」のタグをお付けください。
◆本作に登場するキャラクターの多くは作者のフォロワー様方に許可を得て書かせていただいた「よそのお子さん」です。彼ら・彼女らを侮辱したり、許可なく設定・関係を付与創作することを禁じます(うちよそ関係を持ちたい場合はキャラクターの持ち主様に直接許可をお取りください)。また、キャラクターの持ち主様への誹謗・中傷も禁じます。
◆本創作の自作発言や、世界観・設定・登場人物等を無断使用しての創作物の刊行・販売・別作品としての投稿を禁止します。いかなる場合であっても、本作の世界観や設定・登場人物等を作者に許可を得ないまま使用し刊行・販売・投稿しないでください。


【設定集目次】
1:注意事項・目次(今ここ)

2:大まかな世界観について…………2≫
  └【舞台設定】
  └【舞台『神櫻皇国』とは】

3:歴史的背景について………………3≫
  └【大まかな日本史】
  └【ふわっとした世界史】

4:この世界の住人について…………4≫
  └【種族】
  └【国の敵たる存在】

5:天賦について………………………5≫
  └【天賦の種類】
  └【天賦の「目覚め」】
  └【天賦のリスク】
  └【人外にとっての「天賦」】
  └【天賦の遺伝】
  └【外国人と天賦】

6:「真名」と「仮名」について……6≫
  └【「真名」と「仮名」】
  └【身分証】

7:地理について………………………7≫
  └【霊郷】
  └【邦】
  └【帝都】
  └【帝都スポット紹介】

8:政治・国家体制について…………8≫
  └【政治家】
  └【守護家一覧】
  └【不和五家】
  └【国家体制】
  └【諸外国との交流】

9:科学技術について…………………9≫
  └【エネルギー】
  └【移動手段】
  └【通信手段】

10:幽界鉄道について…………………10≫
  └【幽界鉄道】
  └【『神櫻新駅』と主要路線】

11:教育について………………………11≫
  └【一般教育機関】
  └【櫻花霊術院】

12:呪術について………………………12≫
  └【呪術体系の一例】
  └【禁術】
  └【外国の呪術】
  └【呪具】

13:死について…………………………13≫
  └【種族による死と埋葬】
  └【お盆】
  └【屍徒って死ぬの?】

14:登場組織まとめ……………………14≫




大まかな世界観について


【舞台設定】


・伝承や伝説が強く根付き、あやかしと人が共に暮らす世界線の日本。時代的には2000年代だが、明治~大正時代の生活スタイルや文化が色濃く残る。現実世界の日本とは異なり、「蒸気機関」や「霊力」をエネルギー源とした独自の科学技術が進歩している。他国も同様。
・つい最近開国したばかりで、外国との交流が活発になりつつある。

【舞台『神櫻皇国(じんのうこうこく)』とは】


・極東に位置する島国。
・国の中心に巨大な神樹「大櫻樹(だいおうじゅ)」が根を張っており、国土や国民に様々な霊的恩恵を授けている。
・大櫻樹の恩恵により、国民は生まれながらにして「天賦」という術才を持つ。大体は血統や突然変異によるものだが、稀に「桜花の祝福」と呼ばれる稀少な才を持つ者が生まれる。
・平安の御代から武士よりも陰陽師の政治的権力が強い。よって、天皇を中心に据えながらも、実力と伝統ある陰陽家たちによって国政が回されている。
・あやかしや精霊、神や神獣たちと人間が共存している。基本的に住むエリアは分かれているが行き来は自由。

こんな感じの世界観。
早い話が「大正ロマン×スチームパンク×異能」というまろんの性癖の煮凝り。


歴史的背景について


【大まかな日本史】


●紀元前??年
■■■■による■■■■退治。巨大な「蛇石」に封じられる。

●紀元前??年
神代の時代。現在の京都に一本の桜が芽生え、長い年月をかけて桜の巨木へと成長。



●200年代ごろ
大櫻樹のもとに人々が集落を作り始める

●600年代後半
大化の改新→日本が律令制国家に

●700年代初頭
大櫻樹がもたらす霊的恩恵が明らかになりだす。都が平城京に移る。

●700年代終盤
大櫻樹がこの国の霊力の根源であることが判明。都が平安京に移り、より中央が大櫻樹に近づく。

●800年代
現実日本とほぼ同じような歴史をたどる。

●900年代初頭
菅原道真、■■■■復活の気配を察し対策の必要性を奏上するも、藤原氏の策略にあって左遷、903年死亡。
時同じくして、陰陽家のひとつ・宵ノ山家の当主が狐の娘と婚姻を結ぼうとするも、朝廷の妨害と反対に遭い激怒。長らく友人同士であった道真を貶められたこともあり、910年、朝廷から離反。のち陰陽家4つ(清火山・御榊・晦・神籬)が宵ノ山に追随し朝廷を去る。

●921年
安倍晴明誕生。

●950年前後
蛇石の瘴気が活発化。度重なる自然災害や疫病が人々を襲いはじめる。930年代からは天慶の乱等も起き、武士が力をつけ始める。

●990年
「邪蛇の乱」
藤原道長をはじめとする朝廷の勅命を受け、安倍晴明を筆頭に時の陰陽師たちが連合軍を結成、蛇石の破壊を試みる。朝廷を離反した陰陽五家の暗躍もあり、呪術師、精霊・妖たちも助力を申し出た。瘴気の影響で発生した魑魅魍魎らとの激闘が繰り広げられる中、大櫻樹からの加護も得た朝廷連合軍が蛇石の破壊に成功。■■■■の復活は免れた。皇室はこれ以降、大櫻樹との契約により■■■■を封印するための礎となる。
大櫻樹の加護はそのまま人々の血脈に残り、いつしか「天賦」としてあまねく日ノ本の人間に授けられるものへと変化。以降、この国に生まれた者たちは決まってそれぞれに異なる異能を持つようになる。

●1000年
邪蛇の乱にて功績を認められた藤原道長が、娘・彰子を一条天皇に嫁がせる。道長は己に従い蛇石の破壊に貢献した陰陽師たちを「朝廷の守りのかなめ」として政治の中枢に据え置くことを決めた。また、乱において朝廷に協力した精霊や妖たちを都に住まわせ、その生活を保障することを約束する。この時から人・妖・精霊・神が入り乱れて暮らすようになる。
道長は影ながら乱の収束に貢献した五つの陰陽家にもポストを用意しようとしたが、藤原家に不信感&嫌悪感の募っていた5家はこれを断固拒否。朝廷とは完全に一線を画すこととなった。

●1000年以降
 陰陽家による政治や朝廷の守護が行われるようになる。



●1100年代後半
源氏と平家の争いが起こる。しかしこの時、平氏と源氏それぞれが■■■■の復活を目論んだため、皇室と陰陽師たちが首謀者らを討伐&争いを仲裁。
ちょうどこの頃、全国各地において「屍徒」と呼ばれる魑魅魍魎が再び出没し始めた。屍徒に抗う術を持つのは陰陽師や僧侶など霊力に秀でた者たちに限られ、朝廷の守りが手薄となってしまう。そこで皇室は、行き場を失くした武士たちに国の治安維持の機能を一部担わせることとした。これによって「陰陽師=政、霊的な秩序の維持」「武士=人的要因による事件・事象の警戒、対処」という分業制が出来上がる。



●1200~1500年代後半
 たびたび皇室から政権を奪取しようと目論む者たちが反乱を起こすも、皇室つきの武士たちや陰陽師たちによって阻止・討伐される。結果、正史と異なり武士たちが政治に台頭してくることはほぼなくなった。
 1500年代後半、織田信長や豊臣秀吉など当時の有力な武家集団が競ってクーデターを狙ったものの、1600年に起きた関ヶ原の戦いの際、謎の屍徒大量発生が起き戦どころではなくなる。武士・陰陽師らが共闘してこれらの浄化・掃討にあたり、どうにか国家の危機は回避された。これをきっかけに、朝廷は従来の陰陽師に加え武士の中でも霊力の強い者たちを陰陽家として国の守護役に用いるようになった。この陰陽・武家の同盟が後に「九十九衆」と呼ばれるようになる。
●1600年代~1900年代
 関ヶ原の戦いの後、江戸に戦禍の難を察知した皇室は京都から江戸へ遷都することを決める。しかし皇室は国の霊力の中心たる大櫻樹とともに「■■■■の◆◆」を封ずる役目を負っていたため、やむを得ず大櫻樹もろとも江戸へと移植することに。どのようにしてこの大樹を移植することができたのかは誰も知らない。
 海外からの宗教や文化の急速な普及に危機感を抱いた武士たちの猛進言を受け、皇室は一部の国以外との交流をシャットアウト。表向き「鎖国」し、国内の文化や治安の安定をはかる。ただし裏では、違法業者による密輸や朝廷による独自の研究のため、少しずつ海外の文化を摂取し、自国流に改造するなどしていた。1900年代ごろにはある程度、海外の技術を盗んで独自に発展したエネルギー機構を構築。霊力と蒸気とで日々のエネルギーを賄えるようになりはじめる。
●2010年代
 海外からの要請やさらなる技術発展のため、ようやく開国。これまで庶民にはご禁制となっていた洋書や洋酒、その他舶来品も広く出回るように。また、海外の人間と結婚する国民も増えてきた。




【ふわっとした世界史】


大まかに言えば、「霊力」や「魔力」といったエネルギーの存在が、正史よりずっと早くに証明されている世界である(産業革命時代には既に魔力と蒸気機関によるエネルギーの併用がなされている)。よって「電力」や「AI」などといったデジタル面での成長は乏しい。
本来世界を揺るがすはずだった世界大戦は、魔術国家同士の呪術戦争にとって代わられており、この時発展するはずだった武器や核兵器、科学技術なども殆ど日の目を見なかった(開発されなかったわけではない。一部の国ではどこかしらに使われなかった兵器を保管しているかもしれない)。もちろん「科学」という分野も知識もあるものの、「魔術」がその代替として十分活用可能なレベルまで高められているためあまり重宝されない、といったところ。
1600年から2000年代直前までずーっと「なんか極東に珍しい国があるってよ」「でもあそこ行ったら呪われるって聞いたぜ……?」みたいな感じで、皇国自体都市伝説のような扱いを受けていた。
色々あってアメリカとかイギリスとかの要請を受け開国し、晴れて国際社会に顔出しできた皇国を見て、諸外国が「シャベッタァァァァァl!!!?」となったのはここだけの話。




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この世界の住人について


 人間だけでなく、妖怪や精霊、髪や神獣が入り乱れて暮らす、多様性あふれる国家である。
 種族や個々の好みによって活動する時間帯が異なるため、たいていの都市部では「昼の町」と「夜の町」が隣接して発展している。
 帝都においては、人間の生活が中心となる昼の町「葉桜町」と妖怪の生活が中心となる「夜桜町」が東西に分かれて存在している。もちろん、両方の行き来はどの種族も自由に可能である。
 この国に生まれ、この国に住み労働・納税等の義務を負うことを約束していれば、たいていの者は国民として認められる。ただし、神や神獣など、強大な霊力を持つ存在は国民として人妖に交ざるに当たり、様々な制約を受けることとなる。




【種族】


①人間(3割)
国民に占める種族の割合は最も多い。一部の血脈の者以外は大きな霊力をもたないが、一般人でも妖怪や精霊の視認・交流が可能。

②妖鬼
異形の獣や半神、精霊や妖怪、鬼神などの総称。人間との立場は対等であり、稀に人間と所帯を持つ者もいる。

▶妖怪(2割)
人の伝承から生まれたものや獣・人が変異したもの。人間と同程度の立場。ただし場合や地域によっては差別・迫害されることも稀にある。歴史的な背景により、そのほとんどが人間に対して害意をもたない。ただし本来「人を害する存在」として生まれた敬意を持つ者はその本能から思いもよらぬ事故を引き起こしてしまうこともある。その場合、彼らも人間同様に法廷で裁かれる。基本的に昼間は外に出てこない者が多い。

▶精霊(1割)
樹木や鉱石、大地や火など、自然界のあらゆるものに宿るモノ。も〇のけ姫のこだまのようなものもいれば、自我を持って人と変わらぬ姿で生活するものまで様々。人間や妖怪のそばに寄り添い見守ってくれるポジション。帝都市民として暮らす上ではとくに制度的な優遇もなく、人間・妖怪と同様の権利・義務が与えられる。が、そもそも自然のままに在ることを好むものが多いので、進んで「市民」として登録して貰おうとする個体はそうそういないかもしれない。たいていは強い霊力を持っており、長寿である。

▶付喪神(1割)
人間が作った器物が時を経て自我・霊力を持ったもの。物として経た年月+人々の思い(愛着≒ある種の信仰)が宿っているため、普通の妖怪よりも若干霊力が強めで、妖怪と下級神の中間ともいえる存在。立場的には人間・妖怪とほぼ変わりない。人と同じ姿を得る者もいれば、自分の本体そのままの姿で活動する者まで様々。社会的には「妖怪」と同じ扱いである。

▶幽霊(1割)
事情があってこの世にとどまっている死した霊魂。より強い思いを宿した霊たちは一般人にも姿が見えるようになる。条件が揃えば悪霊化することは無く、いずれ妖怪へと変異していく(条件はその霊魂によって異なる)。精霊同様、個体によっては帝都市民として登録して生活する者もいる。一般人にも見え、さらに物を動かしたり人と対話することが出来る幽霊であれば、労働も可能。

▶神獣(0.3割)
妖怪よりも高い霊格を得た動物や、神の眷属たる獣たちを指す。市井にしれっと紛れ込んでいる者から人びとの信仰対象になっているものまでこちらも様々。帝都で暮らす場合は扱う術式や行動面に若干の制限がかかる。その代わり労働や納税の義務はない。要は、「好きにすごして頂いて構わないが、くれぐれも人々を混乱に陥れるようなことはしないでください」ということである。

▶神(1割)
創世神からささやかな神まで千差万別。神獣同様、人の世を面白がって市井に紛れ込んでいることが多い。当然労働・納税の義務はない。ただし帝都における行動や使用術式の制限も大きく、選挙権の行使や天賦の使用などは基本的に禁止されている。

③異邦人
日ノ本以外の国からやってきた人間・妖怪などを称して言う。
基本的に皇国の人間と婚姻関係を結んだ人間は国民としての資格を得ることができる。今のところそれ以外で異邦人が皇国の人間となれる方法は(法律的には)ない。今後法整備が進んでいくものと思われる。
こっそりと国内に入ってきた者、皇国の人間を伴侶に選んだ者、政府から招かれた研究者に旅客など、現在では様々な立場の異邦人が国内に滞在している。




【国の敵たる存在】


①屍徒
人や妖鬼がこの世の理を逸脱したり、その道に反する行いをしたりすると異形化し、「屍徒」となる。天賦の過剰使用も原因とされる。屍徒は凶暴で無差別に民を襲ったり「怪異」を引き起こしたりするため、国内では犠牲者が後を絶たない。
対策として、妖魔に対する強い耐性・対抗術を持つ陰陽師たちが屍徒の殲滅・浄化に当たっている。

②夷敵
外つ国からやってきた者たちのうち、公にできないような意図をもって皇国の情勢を探っている者たち。平たく言えば「スパイ」。国が開かれて10年余り、皇国独自の機械技術や霊力発生の原理、大櫻樹の謎などを解き明かそうとする異邦人も増えた。近年は「天賦」という、世界においても類を見ない種の「異能」に世界の関心が集まっており、皇国の中枢、特に防夷庁が異邦人の動向に神経をとがらせている。

③祟り神
神や妖怪、人間などが負の感情に囚われ、その魂を変容させてしまったもの。「屍徒一歩手前の状態」とも言える。屍徒とは異なり、まだ他者とのコミュニケーションが取れる程度には知性が残っている。
「祟り神」への成り方は人それぞれである。強い恨みを抱いたり、蠱毒などの術式によって魂をゆがめられたり。それが行き過ぎてしまえば最後、人だろうと妖だろうと獣だろうと、みな「屍徒」となる。

≪参考資料:人・妖・獣の種族転移例&屍徒化メカニズム≫





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天賦について


平安時代の大災厄をきっかけに、大櫻樹から日ノ本の民にあまねく与えられるようになった加護の力。いつしか血が入り混じったり突然変異を起こしたりする中で、個々によって様々な効果・性質をもつものへと変化していった。
天賦には主に次のようなものがある。




【天賦の種類】


①継才(けいざい)祖先から受け継いできた力。

②天授(てんじゅ)血統によらず、突然変異によってもたらされた才。強大で扱いにくいものが多い。

③桜花の祝福ごくまれにもって生まれる力。浄化に特化しており、陰陽家たちの間ではたいへんレアとされる。この力を血脈に組み込むため、家によっては祝福を持つ者を探して市井から連れ去ったりも……




【天賦の「目覚め」】

天賦は皇国の人間ならばだれしも有するものだが、その発現時期やきっかけは人によって異なる。
大体は幼少期から発現することが多い。が、大人になってからという者も、年を取ってからようやく気付く、という者もいる。また、「実はとっくに発現しているのだが性質上自分では気づけない」というパターンもある。
天賦が目覚めるきっかけも様々。性質によっては日常生活の中でいつの間にか使っていたり、ある事件や体験をきっかけに急速に開花することもある。




【天賦のリスク】

天賦は基本的に無尽蔵に使えるものではない。「能力の威力(影響する範囲や能力の持続時間などによる)」は「消費霊力」に比例する。この「影響力」と「消費霊力」は必ず釣り合うため、強大な威力を持つ天賦ほど消費する霊力の量は大きくなる。また、度を越した天賦の使い過ぎは持ち主の魂を本来の在り方から乖離させる。結果、魂の変質が起き「屍徒」となってしまうこともあるので、天賦の使用には注意が必要。




【人外にとっての「天賦」】

妖怪や神などもともとの性質として「異能」を持っているものにとっては、「天賦」はその性質にブーストを掛ける形となることが多い(桜の精霊の、「桜へ開花を促す」という性質が天賦によって強化→どんな花でも瞬く間に開花させられるようになる など)。ただ、人外への天賦が必ずしもその力をブーストするものになるとも限らず、種や性質に全く関係のない天賦(天授)を授かるケースもある。




【天賦の遺伝】

天賦はその人の血脈に宿ることが多く、そのため親から子へ、孫へと遺伝していくケースが多い。このように遺伝によって継承されていくタイプの天賦は「継才」と呼ばれる。
天賦にはものによって「遺伝のしやすさ」があるが、父親・母親どちらの天賦が継承されるかはわからない。
また、両親の天賦の性質がミックスされ新しい天賦として子に引き継がれることもある(この場合は継才扱い)。




【外国人と天賦】

基本的に大櫻樹の加護はこの皇国の血を受け継ぐ者たちにのみ適応されるが、外国の妖怪や神が大櫻樹の加護を得て天賦を授かることも稀にある。ただしたいへんなレアケースなため、その現象がなぜ起こるのかはまだ解明されていない。
また、故郷を離れて皇国にやってきた妖怪が皇国で子を成した場合、(相手が皇国の人間でもそうでなくても)その子は天賦を授かる。




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「真名」と「仮名」について


【真名と仮名】

屍徒に限らず、妖鬼は皆人間や己より下級の妖鬼の真名を握ると「その魂を好きにできる主導権」を握ることができる。
真名はその人の魂に結びついているため、よろしくない妖たちに真名を握られたが最後、神隠しされたり眷属にされたり、とにかく魂を好き放題されてしまいかねない。
そこでこの世界に生きる人間や一部の妖鬼たちは自身の「真名」を隠し、「仮名(呼び名)」をもって周囲とのコミュニケーションを行う。

「真名」も「仮名」もほとんどの場合両親が付ける。日常生活の中で主に使われるのは「仮名」の方。
真名はその人の魂と紐づいているため、たとえたまたま自分の真名と同じ名前を巷で耳にしたとしても、それが「自分に対して向けられたもの」でない限り支障はない。
ただ、聞いてしまった側は気が気ではないし、その様子から真名を推察されるケースもありえなくはない。
そういう事情もあって、仮名はなるべく「とんちきなもの」「逆にありきたりすぎてだれもそんな名前つけんやろ、というもの」などから選ばれることが多い。また、シンプルで極力凝らないものも好まれる(変に願いや思いの籠った名前を付けると、それが「真名」としての力を持ち始めてしまうため)。
外つ国の文化も入ってきた今、西洋風の仮名を名乗る者たちも多い。

「仮名」は自分の意志で自由に変えることができるが、変更の際は役場に届け出る必要がある。
成人して仕事に就くと、職場で新たに「仮名」を与えられることもある。




【身分証について】

国民と認められた者たちのみ発行してもらえる。紙のカードではなく、薄くて頑丈な加工のされた桜の木の板に組紐のついたもの。
ぱっと見、普通の板に国章と仮名が焼き付けられているだけだが、政府施設などに持って行って専用の器具に通せばその人の真名が浮かび上がる。


◇身分証ありのメリット
帝都市民としての福利厚生が受けられる(種族関係なし)。一応保険制度とか医療費の補助とか、現代日本とそう変わらない仕組みがある。また、帝都内なら自由に居住・労働する権利を得られる。

◆身分証ありのデメリット
納税の義務が課される。また、神獣・精霊・神たちは帝都内において使える力に制限がかかる。

一応労働については、帝都の身分証無しでも働ける口はなくはない。しかし何かあった時のセーフティネットがないため、有事の時は全て雇い主と労働者の自己責任となる。たいていの職場はそれが面倒なので、身分証を持っている者を優先して雇う傾向がある。
個人経営の場合は必ずしもそうではなく、流れの商人なども平然と商店街に店を出したりしている(ただし屍徒が跋扈するこの世の中で、セーフティーネット無しで生きていくのは明らかにハイリスクである)。




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地理について


【霊郷】

この世界線では、「土地に流れる霊脈の流れ」をもって行政区を分けている。
正史の日本における「県」にあたるのが「霊郷(れいごう)」と呼ばれるもの。単純に「郷」とも呼ぶ。全部で24に分かれる。
霊郷の名は二十四節季に由来。各郷はそれぞれの郷名を冠した陰陽家が管理・運営する。
霊郷の名には音読み(例:春分→シュンブン)を、その土地を治める家柄の名には訓読み(例:春分→はるわき)を当てるのが慣例。




【邦】

3つの霊郷をまとめた、より大きな行政区。その一つ一つは「邦(くに)」と呼ばれる。全部で8つに分かれる。
それぞれの邦名は自然界の主要要素にちなんで名づけられる。各邦はそれぞれの邦の名を関した陰陽家が管理・統括する。


≪参考資料:皇国地図≫





【帝都】

帝都は正史における「東京」とほぼ同じ場所に位置する(この世界においては「『風間の邦』の『春分』に位置)。ただし、街のつくりは平安時代の平安京をもとにしているため、通りは京都のように碁盤目状になっている。
基本的には西側に「夜」を拠点として活動する者たちの居住区、東側に「昼」を拠点として活動する者たちの居住区がある。
しかしはっきりと両者の住む場所が区切られているわけではなく、人間が西に住もうが妖が東に住もうが何の問題もない。
中央の大通りをまっすぐ行くと大櫻樹の根付く神域があり、その背後に守られるようにして摩天楼街(帝都公営企業・組織の本部ビル街)が、更にそれに囲まれるようにして帝央政府の施設がある。
その施設の奥には陰陽衆の総本部、そしてその背後、最も奥まったところに天皇が住まう皇居がある。
地図中のクリーム色で塗られたところは商店街や繁華街などが軒を連ねる商業エリア。
最奥の北側、あずき色で塗られているところは「邸宅区」という、いわば高級住宅街。


≪参考資料:帝都地図≫





【帝都スポット紹介】


▶神櫻新駅
他地域と帝都、昼の街と夜の街、そしてあの世とこの世とを繋ぐ主要公共機関。

▶大櫻樹文書館
皇国の知識が集積される国内最大の国立図書館。様々な知識人たちが研究を行う場でもある。

▶呪具資料館
国内外で作成・使用される「呪具」の研究や展示を行っている。いわくつきの品の鑑定や解呪、封印などを請け負うこともある。

▶幻燈局
国営の放送局。この世界に電力は無いが、霊力と蒸気の力で映像を作成し配信することができる。ここはそうやって作られた映像を各家庭へ届けるための施設である(大体の家庭には一昔前のブラウン管テレビのようなものが置いてある)。
報道映像やドラマ、アニメーションなど様々な映像の作成を手がけているが、現代のように放送局の数も多くはないためチャンネルはさほどない。

▶天紡社
皇室直属、国営の天文台。空の星たちの動きを見て未来を見通す、いわば占星術を生業とする「星読み」たちが働いている。星辰の動きは政に大きく影響するため、この国の権力者たちにとって「星読み」は欠かすことのできない人材である。

▶大櫻樹・大櫻樹神域公園
大櫻樹は皇国全体の霊力の源となっている巨大な桜の御神木。皇国の民らが天賦を授けられるのも、年中安定した霊力をエネルギー源として利用できるのも、みな大櫻樹の恩恵によるもの。その寿命は数千~1万年と言われているが、真相は定かではない。
大櫻樹の周辺は神域となっているため、一般人は立ち入ることができない。また傍に寄ったとしても、何重にも特殊な結界が張ってあるため、大櫻樹そのものに直接触ることはできない。
ただし、神域の手前、大櫻樹神域公園は一般市民にも解放されている。休日には親子連れや観光客らが訪れる、帝都の憩いの場所。

▶無間街
皇国最大の「夜の街」。妖鬼たちが多く暮らし、夜になると少し風変わりな店たちが一斉に提灯を灯す。街の明かりに蒸気が煙る様子は幻想的で、他地域からの観光客も多い。
飲み屋や雑貨屋、また遊郭なども存在し、まさに「夜の街」といったほの暗い賑わいを楽しめる。

▶工房街
葉桜町にある、職人たちの工房が集うエリア。呪具や着物・装飾品・日用雑貨など、ありとあらゆるものがここで生まれる。クリスマスや正月など、一年の節目節目のイベント時にはとんでもなく多忙になる。


政治・国家体制について


【政治家】

政を行う政治家たちは皆、強い霊力を持った陰陽師たちの中から選ばれる。陰陽の才能は血筋に由来することが多いため、大部分の政治家たちは高名な陰陽家の出身。一応民主主義的に選挙も行われるが、実質的には世襲制と変わらない状況である。
皇国の陰陽家はそれぞれ家ごとに階級や役割が決まっている。階級は上から順に以下の通り。

①皇室御仕 三家
・安倍家、土御門家、蘆屋家の三家。
・皇室のお抱え陰陽家であり、国政の中枢。

②御国守護 八家
・火野・泡沫・土師・風間・木場・金山・雷同・岩永
・皇国を構成する八つのエリア(邦)の総統括職。二十四家の直接の上司に当たる。

③地方守護 二十四家
・二十四節季にちなんだ名を持つ陰陽家たち。各霊郷を守護・統括する首長。要するに県知事。

④九十九衆(つくもしゅう)
・①~③以外の陰陽家で、国の認可を受けて屍徒狩りをする者たちの総称。「陰陽衆」とも呼ばれる。元々は陰陽道に長けた者達のみを指していたが、近代以降は屍徒に対する何らかの対抗策を持つ者として仏教や神道などに通じる者たちをも含むようになった。




【守護家一覧】

(★=皇室御仕三家 〇=御国守護八家/▶=地方守護二十四家)

★安倍家
安倍晴明直系の家柄。皇国で最も強い霊力と権能を持った陰陽家。

★土御門家
安倍家と流れを同じくする、もう1つの安倍晴明直系の家柄(正史ではこちらが嫡流)。関ケ原の戦い後、皇室の守護を固めるために置かれた。歴史が浅いため、他の二家にはやや軽んじられる傾向にある。

★蘆屋家
安倍晴明と因縁のあった蘆屋道満の子孫の家系。元々道満は非官人であったが、平安時代の邪蛇の乱において功績を立てたため、皇室の守護に取り立てられた。安倍家に次いで2番目の権能を持つ。

〇風間(かざま)家
思慮を尊ぶ。たぶん八家で一番大きい。代々温厚で思慮深い当主が治める。
▶清明(きよあき)家
従順で穏やかな家柄。
▶春分(はるわき)家
良からぬことを企んでいる。具体的には、風間家の失脚とか。
▶穀雨(たなつめ)家
伝統を重んじる家柄。

〇雷同(らいどう)家
義に篤く武人魂を尊ぶ。しかし力で他をねじ伏せようとする軍部(防夷庁)のやり方には危機感を抱いている。代々、風間家と仲良し。
▶霜降(しもおり)家
▶寒露(さびつゆ)家
▶啓蟄(ひらごもり)家

〇泡水(あわみ)家
自然を尊ぶ。帝都から離れたへき地を治めているため、八家の中では発言力が弱い立場。
▶大寒(おいさび)家
中央に対し強く出られない泡水当主に反感を持っている
▶小寒(こさび)家
▶冬至(ふゆみち)家

〇土師(はじ)家
忠義を尊ぶ。お上からの命令は絶対遵守。そのため様々なしがらみの中で板挟みになることが多い。お上に都合よくつかわれるきらいがある。
▶大雪(おおゆき)家
▶小雪(こゆき)家
▶立冬(たてふゆ)家

〇岩永(いわなが)家
中庸を尊ぶ。何事も中立の立場にあって自身の利を図ったり他を貶めたりはしない家柄―――だったが、どうにも最近就任した当主の動きが怪しい。
▶雨水(あまみ)家
岩永の新当主を推薦した、岩永の最有力者。やたら新当主と仲良し。
▶秋分(あきわき)家
▶立春(たてはる)家

〇金山(かなやま)家
合理を尊ぶ。あらゆる手段を尽くして邦の利益を追及する。周囲からの反感を買うこともあるが、自身の邦民たちからは圧倒的な支持を得る。独自の術式を研究・開発しているらしいともっぱらの噂。
▶白露(しらつゆ)家
代々とても善良な当主が治める。今代もその例に漏れない。金山家や他の二家の動向が気にかかっている。
▶立秋(たてあき)家
西の諸外国との貿易の要。莫大な利益を得ている。
▶処暑(おりなつ)家
大きな霊脈の通る地域で、霊力の研究や新エネルギーの開発が盛ん。軍部に対しなんらかの発明を提供しているらしい……

〇木場(こば)家
創造を尊ぶ。国の監督の元、独自に海外との交易を推し進めている。保守的な金山家からは毎度白い目で見られていたり。
▶立夏(たてなつ)家
▶芒種(のぎくさ)家
▶小満家(こみつ)家

〇火野(ひの)家
人情を尊ぶ。生活困窮層への補助が手厚く、教育も盛ん。ゆえに歴史に残る優秀な人材を多く輩出する。ただ、それゆえに御三家から危険視されつつある。
▶夏至(なつみち)家
▶小暑(こなつ)家
▶大暑(おいなつ)家




【不和五家】

上記のほかにも、古くから存在する陰陽家でありながら中央政府(=朝廷)に反発・離反した家柄も存在する。その主だった五つの家は「不和五家」と呼ばれている。
彼らは朝廷に直接刃向かいはしないものの、常に朝廷や他の陰陽家から危険視されている。しかし五家はいずれも由緒正しい家柄であり、その実力は折り紙付き。中枢を離れてひっそりと己の根付く土地を守護し、地元の民たちから慕われている。

▶宵ノ山(よいのやま)家
五家の中でも最も古い家柄であり、平安時代、最初に朝廷から離反した一族。当時の当主が妖狐を嫁に娶ろうとしたのを朝廷に猛反対されたこと、そして当主の友人だった菅原道真公が不当に左遷されたことなどが離反の理由らしい。

▶晦(つごもり)家
宵ノ山家の親戚にあたる。代々快活で楽天家な血筋。宵ノ山家当主を慕って追従し、朝廷から離れた。

▶神籬(ひもろぎ)家
代々身体能力にすぐれ、神楽舞の名人を数多く輩出してきた家柄。当時の当主が宵ノ山当主と親友同士であり、宵ノ山家が離反したその日のうちに都から姿を消した。

▶御榊(みさかき)家
のんびりとした気質を代々受け継ぎ続ける寛容な一族。宵ノ山家当主が妖狐と恋仲になったのとほぼ同時期に、当時の当主がとある精霊と恋仲になる。そんな折に宵ノ山が朝廷から誹謗中傷されているのを目の当たりにし、離反を決意。

▶清火山(せいかざん)家
知識と勤勉を重んじる厳格な家柄。陰陽師による政治の在り方に疑問と不信感を抱き、宵ノ山家に追随する結果となった。




【国家体制】

国の政治を回す基本的な組織は以下の五つ。

①陰陽庁
・政を司る二十四家(地方守護)・八家(御国守護)・御仕三家(皇室御仕)と対屍徒専門治安維持組織である九十九衆を統括する。
・九十九衆(陰陽衆)とは
全国に散らばり、屍徒の討伐・浄化に当たる。各邦に一つずつ、そのエリアの陰陽師を束ねるための本部がある。警察署と同等の扱い。帝都を有する邦・風間だけは陰陽師総本部が地域の本部も兼ねている。
・陰陽師たちは仕事用に支給されている霊信機(現実におけるケータイ)の他、式神を使った伝令などで本部と連絡を取り合い活動する。
・九十九衆は屍徒を祓ったり悪い術者を取り締まったりはするが、彼ら自身に罪人達を裁く権能はない。

②司法庁
・法と裁判を扱う。人間の法と妖の法、両方に対応。また、精霊や神など、細かな種族に対応した法を整備・執行している。

③警察庁
・人や妖の犯した犯罪や事件を扱う。屍徒による事件は専門外。もともとは防夷庁と一体で、怪異や屍徒によるもの以外の事件を扱う部署だったが、開国に伴う法整備により業務の増えた防夷庁から分離。仕事内容としては現在の警察とほとんど変わりないが、事件が屍徒や呪術によるものだった場合、陰陽師たちが捜査に介入できるよう便宜を図ったり解決を依頼したりすることもある(不本意だが)。

④防夷庁
・いわゆる軍部。外国からの襲撃や内部での乱の鎮圧を担う。
・平安時代からの武士の流れを汲んでいる。歴史的に陰陽師たちに押さえつけられてきた立場の一族が多く、そのうっぷんは1000年近く溜まりに溜まっている。10年前の開国の際も強く反対していた。
・今でも国にじわじわと浸透してきている海外の文化・思想・人を疎ましく思っている。

⑤皇務庁
・天皇や皇族に関わる庶務や儀式をつかさどる。その内情を知る者はほとんどいない。




【諸外国との交流について】

開国後10年、きちんと国交を持っている国もまだ少ない。
基本的に「西洋(ヨーロッパ諸国+米国)」「唐国(からくに、中国や韓国)」「その他(東南アジア・東アジア・アフリカ)」などの品々は少しずつ国内に入ってきている。
お酒やたばこなどの嗜好品や玩具は浸透がわりと早かった。
今のところ、洋酒はバーなどで楽しめ、一般家庭でも入手が可能。海外のボードゲームやアクセサリーはたまに売られてるのを見て「珍しい!」と思われるくらいである。
クリスマスやバレンタインなどの海外のイベントも書籍や報道を通じて紹介されており、近年は商業施設や公立学校などでも楽しまれ始めている。
開国して10年経つ現在でも、未だ海外とのやり取りを円滑化する政府の部署は設立されていない。防夷庁からの圧力があるため、などと噂されているが詳細は不明。ただ陰陽庁の関係者によると、近いうちに新しい庁が設置される見込みではあるという。




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科学技術について


【エネルギー】


・基本的に電気は一般的でない(発電機よりはるかにコンパクトな設備で効率的に運用できる蒸気機関が開発された為)。
・機械や乗り物は蒸気機関か霊力のどちらかで動くものがほとんど。

▶蒸気
・大きな機械や大がかりな施設を動かす動力源となる。
・蒸気を発生させるために使われる燃料は主に「桜鉄炭」。地下深くで化石化した桜の古木から造られる。わりと全国各地に産地があり、埋蔵量は「まだ」潤沢。
・特殊な技術で精錬した桜鉄炭に火をつけると紅く燃え上がり、親指の先ほどの大きさがあれば一月は燃え続ける。
・こぶし大の桜鉄炭一つで、一台の車が1か月程度走れる。

▶霊力
・コンパクトに持ち運べる道具や呪具・術式を発動させるための動力源となる。
・術者や専門の業者が呪具や道具、石などに霊力を宿し、それを電池のようにして使うことが主流。
・メジャーなのは雷瑪瑙に霊力を宿したもの。エネルギー効率がよく使いやすい。霊力で動く道具の多くには、そういった霊石をセットする用のソケットがついている。




【移動手段】

主なものは以下の通り。

①蒸気車
いわゆる自動車。燃料と蒸気で動く。現代のものよりもレトロでややごつめ。

②蒸気機関車
要するにSL。民間員最も多く利用されている。

③馬車
普通に公道を走っている。扱いは蒸気車と同じ。個人所有のものもあるが、乗り合い馬車など公共の移動手段としても用いられる。

④鉄馬車
蒸気もしくは霊力で動く機械の馬が引く馬車。普通の馬車よりもスピードが出る。政府高官たちの主な移動手段。

⑤蒸気二輪
バイク。基本構造は蒸気車と同じ。狭い路地やちょっとした遠出に便利。

⑥飛空艇
翼やプロペラで動く空の交通機関。一般人はめったに乗る機会がない。物資などの大がかりな輸送や高級官僚たちの娯楽施設として使用されることが多い。

⑦飛行翼
背中に背負うタイプの翼、もしくはプロペラ機。人間でも空を飛べるようになるが扱いが難しく、この世界では一般的ではない。まだ開発段階であり、実用に向けた試行錯誤が続いている。開発所や研究所が国の許可を得て発行する「試運転許可証」があれば試運転モニターとして使用させてもらえる。試運転に参加し一定期間つつがなく生き残r運転することができた者には報酬があるので、飛行技能をうまれつき持っている者たちが小遣い稼ぎに参加することが多い。




【通信手段】

遠く離れた相手との通信に使われるのは、次の四つの方法がメイン。

①手紙
郵便制度は現代とほとんど変わらない。この世界においてはまだ手紙の需要が高く、通信手段として一般的である。

②式神
陰陽師や公的機関が交信するために用いられる。主に鴉の姿をした式神が使用されることが多いが、特に警察が使うのは「一ツ目鴉」。一見普通の鴉だが、その目玉は一つしかない。

③霊信機
現代における「ケータイ」。内蔵されている鉱石に相手の霊力を刻み込み、それを頼りに相手の霊信機に接続して通話ができる、という仕組み。
ただし一つの鉱石につき10~20人分ほどしか霊力の「登録」ができないため、大人数とやりとりしたいときは石のストックが必要。石も霊信機本体もそこそこいいお値段であるため、庶民への普及率は40パーセント程度にとどまっている。

④通話機
現代における「電話」。霊力で動いているという点以外は現代とほとんど変わりない。しかしまだコードレスの物はなく、昔懐かしの黒電話のような外見をしている。一般家庭にも普及しているが、家庭用の通話機は30分以上連続で通話し続けることができないなど、機能面での課題が多い。




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10幽界鉄道について


【幽界鉄道】

妖の町と人間の町、あの世とこの世をつなぐ鉄道。日本全国に路線が敷かれ、日々多くの人間や妖鬼たちが利用している。
もともと各世界をつなぐ交通機関は平安時代からあったが、西洋の文化が少しずつ入ってくるようになって独自に鉄道というシステムに整っていった。




【『神櫻新駅』と主要路線】

皇国において最大の鉄道駅舎は、帝都に立地する「神櫻新駅」。ここを通る路線のうち、主なものは次の3本である。

①陰陽線
・人間街(昼の町)⇔妖霊街(夜の町)。
・最も一般客に利用される路線。昼も夜も多くの客が利用するため、夜間でも運行している。帝都においては葉桜町と夜桜町のほか、他地域と帝都とをつなぐ重要なライフラインとなっている。

②黄泉路線
・現世⇔地獄。
・死した魂を、裁判のために地獄へと連れていく列車。毎月日付に4がつく日の深夜2時(丑三つ時)、旧駅舎の4番ホームから出発する。この時間帯は一般人の旧駅舎への立ち入りは禁止される。当直に当たった駅員たちは皆黒ずくめの制服でホームに一列に並び、地獄へと向かう死者たちを見送る。

③天界線(幽世線、銀河線とも)
・地獄⇔天界
・地獄で無事「善人」という太鼓判を押された魂のみを天界へと連れていくプレミア列車。ある特別な「運転手」がいるのだとか
・真夜中の夜空を天界に向かって走る。その姿はたびたび一般人にも目撃されており、その幻想的な姿から「銀河線(銀河鉄道)」とも呼ばれている。




基本的に陰陽線以外の路線は「死者専用」であり、生者が利用することはまずできない。
……しかし、ひとつだけ例外の路線がある。

④地獄直行専用列車
・大量殺人や屍徒に関わる犯罪、また国家機密の漏洩にかかわったりなどの重罪を犯した者は、「生きたまま地獄行の汽車に乗せられる」。線路を走る黒鉄の汽車。別名「霊柩車」。
・要は、「極悪人を生きながらにして地獄に叩き込むための手段」。
・乗客は罪人一人。乗務員は黒ずくめの軍服(のようなもの)を着た影のような「ナニカ」が八体。
・運転手はいない。本来なら「地獄⇔現世」を行き来する「黄泉路線」の運転手には「火車」が就いているが、霊柩車にはかじを取る存在が誰も居ない。
・よってこの汽車は、誰の意志にも左右されずただ真っすぐに地獄へ下っていくだけの車両である。


実は、陰陽線も黄泉路線も霊柩車も銀河線も、「汽車自体」は普通の機械、ただの汽車である。
様々な境界を越えていけるのは汽車に備わった機能ではなく、汽車が走る「線路」のはたらきによる。
よって、「霊柩車」を使わずとも、生きている人間が誰でも乗れる「陰陽線」の汽車を地獄行きの線路に切り替えることで、生者を大量に地獄行きにすることも可能である(あくまで理論上の話。実際はそのような事態に陥らぬよう、神櫻新駅には様々な対策が施されている)。




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11教育について


【一般教育機関】

・初等教育(小学校)6年が義務教育、中等教育(中学校)3年が権利教育、それ以上(高等教育など)は自由。
・初等教育では主に読み書きそろばん、簡単な呪術や歴史、科学(現代と比べやや未発達)・生物などの知識を習得する。「天賦」に関する授業などが行われることもあるのかもしれない。
・中学校の「権利教育」とは、「教育を受ける権利の行使により、無償で受けられる教育」のこと。義務でない以上必ずしも受ける必要はないし、また必要であるならば年齢問わず、いつでも無償で受けられる。
・中学校の上には高等教育(高等学術院)、更にその上には大学(櫻花大学寮)がある。教育内容は現実世界における高校・大学とそう変わりない。
・どの教育課程においても飛び級ができる。
・大抵の子供たちは小学校を卒業した後、それぞれ就職したり、工房や陰陽師の養成塾(養成院。いわゆる「私塾」のようなものが多い)に通ったり、術師・技術屋の私塾に入ったりする。

【櫻花霊術院】

・帝都郊外にある、術者養成専門の教育機関。先述した陰陽寮よりもより各分野に専門的かつ公的な教育・研究を行っている。有能な術者を目指す者たちが多く通うが、入学の際は資質や能力などを厳しく精査される。
・入学可能な年齢は13歳(成人しても入学試験は受験できる)。6年制。
・基本的には全寮制で、週末や長期休みの時は実家に戻る生徒が多い。
・生徒人数は学科や年度によって若干異なるが、1学級15人の少人数構成を基本とする。学科の人数は少ない方から「式科(式神使役の適正者が少ないため)→降霊科→退魔科→浄穢科→結界科(素質に乏しくても入学可能なため)」となっている。

①学科について
・退魔科
鬼や魔を祓う術者を育成。生まれつき破魔の素質があったり、九十九衆の家柄に生まれた者たちが通うことが多い。学科カラーは赤。
・式科
主に式神を使役する術者を育成。高名な陰陽師の家柄や神道家の子息たちが多く所属。学科カラーは黄。
・降霊科
霊とのやりとり(憑依や降霊術の類)を専門とする。イタコやユタなど、地方の霊能者たちの血縁者が多く所属。学科カラーは紫。
・浄穢科
場や霊魂の浄化に特化した学科。神道家や仏家などに縁のある者が多く通う。一般的な出自であっても浄化に才のある者たちを幅広く受け入れる。学科カラーは青。
・結界科
結界術に特化した学科。結界術は道具などの補助を得れば一般人でもある程度使用できるため、学内では最も人数が多い。学科カラーは緑。


②花格
・学年とは別に、成績や資質などを加味したランク付け。下から「蘭」「葵」「椿」「菊」「桜」となる。「桜」までいくと超エリートの特待生。
・花格は学内で何らかの術を使用したときの「霊影(要はエフェクト)」に反映される。蘭なら蘭の花が、葵なら葵の花が舞う。
・花格は本来、教師や力のある生徒たちが「有事の際、優先して力の弱い者たちを守れるよう」にするためにできた、いわば「目印」。「椿」以上になると、霊影を見ずとも他の生徒たちの花格が判別できるようになる。「椿」以上の花格を持つ者たちは花格認定の際に、「有事にあっては教員と協働して他の生徒を率先して守ること」を誓わされる。また、花格を理由としたいじめや差別なども禁じられている(が、裏ではけっこうあったりもする)。


③入学試験
・弥生の初め頃、基礎学力検査・適性検査・面接試験 の三つが実施される。受験者は予め希望の学科を申告し、その内容と各試験の結果を加味して合否および入学学科が決定される(希望がすべて通るわけではない)。

④昇格試験
・花格の昇格を決める試験。どの生徒も入学時点では全員「蘭」からスタートする。その後、1年で3回ある各学期の終業式で霊力のこもった水入りのガラス玉を授けられ、その中に咲く花が何かによって該当の花格を授けられる。
・ただしこの時、花格が必ず上昇するとは限らない。現状と変化がない者もいれば、現状よりも花格が下がってしまう者もいる。


⑤教科について
それぞれの学科や学年における必須教養の他、個人の興味・関心・特性に応じた科目を選択することも可能。
履修可能科目は以下の通り。
・妖怪学
妖鬼に関する学問。
・結界術
結界の展開・維持の手法を指導する学問。
・退魔術
退魔の術式や手法についての学問。
・浄化術
場や霊魂の浄化・お祓いの技術を身に着ける学問。
・式術式神使役の技術を磨くための学問。
・卜占術
古今東西の様々な占術について扱う学問。
・天文学
主に東洋天文学に基づいた学問。
・体術
走る・投げる・跳ぶ・泳ぐなど、基本的な運動技能を鍛えるとともに、柔道・剣道・空手・合気道・弓道などの武術から1つを選択し履修する。
・呪具作成
様々な素材を用いて呪具を作成する。
・呪詛学
あらゆる呪いへの対抗手段や解呪手段を学ぶ。
・本草学
薬草や香草など、霊的な効力のある植物についての知識や薬の調合法などを学ぶ。
・神事
八百万の神との向き合い方や様々な儀式・作法について学ぶ。舞や音楽の単元もある。
・神霊学
神や精霊、怪異など、目には見えない存在やその扱い方について学ぶ。
・宗教学
古今東西の宗教について学ぶ。あくまで宗教への理解を深めるための授業であり、宗教への実際の関与を勧めるものではない。どちらかというと「倫理」や「哲学」の授業内容に近い。
・西洋魔術
西洋から渡来してきた魔術や呪術について学ぶ。
・東洋魔術
東洋に伝わる魔術やまじないについて学ぶ。

また、各学科における必修科目は以下の通り(6年間の内に要履修)。
・退魔科
退魔術、妖怪学、体術、浄化術、結界術、呪詛学、本草学
・式科
式術、神霊学、妖怪学、東洋魔術、西洋魔術、宗教学、神事
・降霊科
神霊学、宗教学、卜占術、浄化術、呪詛学、神事、退魔術
・浄穢科
浄化術、神事、神霊学、本草学、呪詛学、呪具作成、東洋魔術
・結界科
結界術、呪具作成、天文学、妖怪学、神霊学、呪詛学、浄化術


⑥教員について
・基本的には一般の高等学校のような形で、校長・教頭を筆頭とする。
・各教科に4~5人専門の教員がついており、その中から各学級の担任・副担任、寮監の教員が選ばれる。
・教員は家庭持ちであれば校外で生活し、仕事のために学校へ出勤してくる。独身、もしくは本人の希望があれば校舎の「教諭棟」に生活用の私室を与えられる。
・「寮監」となった教員は年間を通し「学生寮」で寝起きする。


⑦制服について
・学科ごとにカラーの違う羽織・袴。男女問わず着物(女物・男物)と袴(行灯・馬乗り)はすきな方を選べ、履物や着物の下に着るものは自由。


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12呪術・呪具について


【呪術体系の一例】

この世界においては、「科学」より「呪術」「陰陽術」の類がはるかに発達している。
長い年月を経て、この国における「呪術」は幾つもの体系を成すに至った。
主なものとして次のような術系統があげられる。

①結界術
四方に塩を盛ったり、縄で囲ったり、鳥居を置いて区切ったりと様々な手法で「空間」を作り出し、そこに「意味」を持たせることで霊力を作用させる場(結界)を確保する術式。
結界にどのような「意味(役割)」を持たせるかで、その効果が変わってくる。

≪例≫
▶守護
 結界を限定的なシールドとして展開し、内部のものを外界から守る。
▶封印
 結界によって内部のものを外界から隔離する。
▶隠形
 結界により外部の者たちから姿や場所を隠す。

他にも、意味を持たせようと思えば術者次第で色々な効力を発揮する。
大規模なものほど霊力を大きく消費し、祝詞や真言の詠唱時間も長くなる。

②陣術
「結界術」を応用した戦闘呪術。具体的には結界を戦における「陣」として展開し、その内部に封じた標的を意のままに蹂躙する術式である。内部に閉じ込められた者は己の力のみでは「陣」の外に出ることができない。
結界術同様、規模を大きくしたり凝った仕掛けにしたりするには時間もコストもかかってしまう。

③式術
契約した式神を召喚・使役する術式。精霊や下級の神・妖怪と直接契約を結ぶ方法もあれば、人形や式札などに霊魂を宿し人格を与えてやる方法など、術者によって様々。
契約には霊力が必要であり、契約する式神が多ければ多いほど、式神が強ければ強いほど術者の消費霊力は大きくなる。
また、式神によっては契約に霊力以外の「対価」を要求される場合もあるなど、術式の中ではリスクが高め。術者には相応の力量が求められる。

④退魔術(破魔術・破邪術)
陰陽師、特に「九十九衆」らにとっては必須の術。
悪霊や怨念、穢れなどを祓う。負の感情や呪いに対してある程度の耐性が無ければ使用できない。
祈りや儀式によって魔を退けたり、武器に破邪の力を込めて物理的に対象を滅したりと、様々な応用が可能な術式である。

⑤祈祷・占術
祈りによって神仏の加護を得たり、神託を授かったりするための術。現代で言えば「バフ」「デバフ」のような効果を得るもの。
神に好かれる霊魂の持ち主はより強力な術式を展開することができると言われる。ただし、祈祷をするにも占うにも相応の場の「準備」が必要なため、使用には時間と手間がかかってしまう。




【禁術】

呪術の中でも、使用・作成が全面的に禁じられているのが「蠱毒」と呼ばれる術式である。
主に対象を呪いによって害する目的で使用される。
大昔に大陸から伝わった呪術だが、その手法の残虐性と発動時の被害の大きさから、古来より禁術とされてきた。
元々は動物を用いた呪術のことを指していたが、現代においては「生けるもの(妖鬼含む)を生贄や呪詛の媒体に用いて作成・発動させる呪術全般」を指す。
この世において最も大きな霊力エネルギーは「生けるものの魂」である。それを手軽かつ容易に呪いへ使用できるという点でたいへん実用にすぐれた呪術―――と言えるが、これはつまり「生き物の命さえあれば手軽に強大な呪いをもたらすことができてしまう」ということを示している。その性質の悪さから、万が一この術に手を染めれば極刑は確定、専用列車で地獄行きである。

蠱毒によって呪われるのは対象だけではない。当然ながら術を行使した術者の魂も徐々に蝕まれていく。蠱毒によって歪み、蝕まれ、穢れの溜まった魂を抱えた術者はいずれ「屍徒」へと変貌する。
近年の帝都周辺における屍徒の増加には、この「蠱毒」の蔓延が影響しているようだ。




【外国の呪術】

皇国はまだ開国したばかりであるため、異国の術式については未知数の所も多い。
そこで近年では文書館や呪具資料館、大学などに専門の研究員が置かれ、異国独特の術式の解析や解呪の方法が模索されている。




【呪具】

呪具とは、使用者や使用対象に対し、呪いや加護など様々な効果をもたらすものの総称である。
帝都においては東にある「工房街」にて多種多様な呪具が生産されている。アクセサリーのように普段使いできるものから、神に捧げる供物や儀式の道具として用いられるものまで様々。

加護を与えてくれるような無害な呪具なら、市井に出回っても何の問題もない。
しかし、人に害を及ぼすために作られた呪具は国によって固く規制・禁止されている。
「人に害を及ぼすタイプの呪具」にはランクがある。
上から順に、

①「害」
呪いの対象になるのが精々1人程度。被害は些細。

②「悪」
呪いの対象になるのが大体1人程度。被害やや大。

③「難」
呪いの対象になるのが2,3人~10人ほど。被害大。

④「災」
呪いの対象が一族もしくは複数世帯。被害は感染・拡大する。最悪の場合は町ごと呪いの影響を受ける。被害甚大。

⑤「禍」
呪いの対象が不確定。要は「条件さえそろえば無限に増える」。被害極大。国家存亡の危機を招く恐れがある。

「害」~「悪」までは、影響する範囲は「個人」で済む。が、「難」になると複数人まで対象が広がり、「禍」になると国家レベルで害を及ぼすもの、となる。刑罰の差こそあるもののいずれも法律で禁じられている。




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13この世界における「死」について


【種族による死と埋葬】

人も妖怪も、「その存在としての活動を終える」時、魂が肉の器を離れ輪廻の輪に入る。
ただ、精霊や神などにはそもそも「死」という概念がないため、地獄の沙汰は受けず消滅あるいは自動転生という流れになる。
帝都で死した魂たちは、神櫻新駅で「黄泉路線」の汽車に乗り、地獄へ行く。そこで閻魔大王はじめ十三王のお沙汰を受けて、転生先を割り振られる。
転生先が「天界」であれば、幽界鉄道の「銀河線」に乗って天界へ。
「畜生道・人間道」であれば再び「黄泉路線」に乗って現世へ。
「阿修羅道・餓鬼道・地獄道」ならばそのまま地獄でそれぞれの場所へと獄卒によって運ばれることになる。

ちなみに、妖怪には「死後も骸が残るもの」と「残らないもの」がいる。獣や人由来の妖怪たちは骸が残ることが多い。
人体の埋葬方法は現代日本とあまり変わらず、基本火葬か土葬。また、少数だが鳥葬や水葬なども一部の家系で行われる。
ただし死体を長く地上に置いておくと屍徒の餌になってしまうため、よほど特殊な立地でない限り後述二つのような埋葬方法は行われない。




【お盆】

お盆は、大体の故人(妖)は家族が作ってくれる精霊馬に乗って帰ってくる。
死者の霊魂は相当な思いの強さが無い限り一般人には見えない。とはいえ帝都にはそれらが「視える」人も多いため、お盆の間の帝都は大変賑やか。
ただ、精霊馬を作ってくれる家族が居ない人たちは幽界鉄道のお盆特別急行に乗って帰ってくる。この時期の神櫻新駅は大変な忙しさで、駅員が総出で交代を繰り返しながら昼夜を問わず働いている。




【屍徒って死ぬの?】

陰陽師に退治された段階で屍徒の魂はこの世から消える。
生前悪いことをしていた魂ならば駅舎を介さず直接閻魔様の手にゆだねられ、もとが善良な魂であった場合はその場で魂が分解し、新たな輪廻の輪に吸収される。




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14登場組織まとめ

本作中には様々な「組織」が登場する。
その一覧をここに記載する。

【国家組織】

【防夷庁直属・夷敵対策室実動部隊「八咫烏」】
日々増え続ける外つ国がらみの怪異事件や呪具テロ、スパイ対策のために最近結成された、防夷庁直属の部隊。
室長は自称イギリス出身の魔術師「シアン」。色々縁あって皇国の為力を貸すこととなった。
一応『軍』という扱いを受けるが、入隊の際は軍らしい腕っぷし以上に
・西洋の知識に明るいもしくは因縁を持つ者であるか
・他国の文化に触れながらも皇国を決して裏切らない者であるか
ということが最重要視される。
組織所属のメンバーは軍人か、元警察関係者などが多い。もちろん市井から採用されたり招集されたりした人もいる。
仕事用の仮名としては「ツジヤ(228)」のように、職員番号(コードネームみたいなものなのでランダム。数字の大小には特に意味はない)を名前風に当て字したものが使われる。
もし法に触れるような闇取引が見つかった場合、基本的には警察の方が叩きに行くが、より西洋魔術についての知識が必要になる案件・もしくは国家機密や国際問題に抵触しかねない案件である場合(例:マジでアウトな呪具の取引・西洋呪術を用いた犯罪・西洋にルーツのある怪異や妖が起こした事件 等)には八咫烏が出張ることとなる。

・情報班(異国の怪異の情報や国内でのスパイ情勢について情報収集)
・研究班(情報班からの情報を元に、怪異サンプルや被害者の症状等について研究・分析)
・執行班(現場に赴いて怪異の調査をし、事件の解決・収拾を図る。ツジヤたちの所属班)
・特専班(正式名称「特別専門班」。異国のありとあらゆる呪術に精通している専門家集団。執行班の要請に応じて出動し、怪異の封印や退魔、呪具の破壊などを行う)

の4班とシアンたちの「統括室」、計5チームで構成されている。



【黒有頭商会】(くろうずしょうかい)
・交易で莫大な利益を上げている金山・立秋の大貿易商会。
・表向きは国の御用聞きとして諸外国とのやり取りをしているが、裏では表に出せないような呪具や知識・情報の取引をしている。
・もともとは普通の大企業だったが、10年ほど前に今の社長に代替わりしてからどうもおかしくなったらしい(しかしそれすら表には漏れていない



【冥遊商会】(めいゆうしょうかい)
・国内外問わず、人ならざる者の息のかかった商品を売買すると噂されている組織。「噂」というのも、未だかつてこの商会と接触し取引をした者がほとんどおらず、その商売の全容から構成員まで全てが謎に包まれているからである。
・噂によれば、この商会の扱うものはどれもこれも「国家機密」「見つかり次第極刑レベル」の危険なものばかりであるという。



【外国組織】

【セント・ハイルヴェント教会】
・表向きは某宗教系列の慈善団体。
・だが内実は、身寄りのない子供を海外に売り払ったり違法薬物の生産・売買を行う闇組織。
・教祖や幹部たちの持つ強力な治癒魔法によって信者の数を増やしている。
・皇国の霊術体系や天賦のメカニズムなどを解明しようとしている。

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