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朗読劇1

全体公開 727文字
2022-11-19 23:59:36
Posted by @uk_plus_



 「越知の声って落ち着くよね」

昼休みの終わり頃。昼ご飯を食べ終えた越知に前の席の彼女が言った。

「あ、ギャグとかじゃなくてね」
「なんだ突然」
「突然っていうかいつも思ってた。その声で朗読とか聴いたら眠くなるなぁって」

 いつも越知の声を聞く度に思っていたことだと彼女は言って、越知の机に彼女は頬杖をついた。適度に低くてそれでいて通る声は安眠に丁度良いのではと思っていたという。そんなことを言われて越知は困惑の表情を浮かべた。

「それは何か馬鹿にしてないか?」
「そんなことないよ、褒めてるよ」
「褒められているのか?」

褒めてる褒めてると言いながら彼女は越知に詰め寄った。そしてにやりと笑って、未だ困った表情をしている越知にこう提案する。

「ね、今度何か朗読してよ」

突然の提案に越知が固まっていると、彼女はまたひとつにこりと笑って見つめてきた。ひとしきり絶句してから、越知は左右に首を振って溜め息を吐いて両手で顔を覆った。

「勘弁してくれ」
「いいじゃんちょっとくらい」
「程度の話なのか?」

少々げんなりしたように越知は頭を掻く。そんな様子の越知を見て彼女は楽し気に笑う。その笑顔を前に断る空気を見失った越知は、再び頭を掻いて降参した。

……少しだけならな」
「やったね!」

そうしたら今度予定空けてよとまたにっこりと笑う彼女に、越知は渋々首を縦に頷くのだった。


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