仕事中に思い付いた話を、ご真祖様の誕生日なので一気に書き上げたものです。
真ミナが初めて出会ったお話です。捏造しかありません。さりげに、ドラヒナが少し出ます。ルーマニア語は、Google翻訳をそのまま使っているので間違ってるかもしれません。
2022/11/10に上げました。
@kw42431393
「ハロー、ドラルク。お暇?」
ふっと、そんな気分になったので、私はシンヨコに遊びに来た。いつものロナルド退治事務所、ドラルクキャッスルマークII。孫を退屈させないここに私が来る事はあまりないが、私もここに来ると楽しい。
「げっ!?お、お祖父様!」 「あ、ドラルクの…。」
事務所でドラルクは、ジョンと赤毛のお嬢さんとクッキーを食べながら何かをしていた。何しているのかな、楽しそうなら混ぜて貰おう。
「ひ、暇じゃないです!ヒナイチくんにルーマニア語を教えてて!」
「ヌヌヌイヌ、ヌヌンヌヌ!」
ドラルク達が必死に否定している。お嬢さんにも聞いてみようかな?
「ești liber acum?(今、お暇?)」
「ちん!?す、すまない。まだ、日常会話もまだなんだ。えっ、えっと…da…でいいのか?」
動揺した彼女が、助けを求める様にドラルクを見上げてる。ピコピコ跳ねるアンテナが、?マークを描いてて面白い。
「「はい」じゃない!ダメ、言っちゃダメ!日本語でいいから断って!」
「ち、ちん!まだ、勉強の途中で…、そ、そのぅ、すまない。」
今度は、アンテナがシュンと垂れていて面白い。うん、誰かとよく似てる。
「ん~、残念。私も教えるの上手だよ。」
「お祖父様のレッスンなんか受けたら、命がいくつあっても足りませんよ。」
「そんな事ないよ。でも、もう帰る。二人のお邪魔したくないし。バイバイ。」
全身を蝙蝠にして、外に飛び出す。背後で孫のため息が聞こえたが、いつもの事だ。
それにしても、懐かしいものを見た。心臓に手を置いて、ずっと昔に聞いたあの声を思い出す。
あの子に初めて会った夜。月明かりで明るかった花畑。頭のアンテナをピコピコさせながら、うんうんと唸りながら本と向き合っていた昼の子。
「ハロー、お嬢さん。お暇?」
「お暇じゃないぞ。勉強してるんだ。」
「こんな時間に?昼の子はもうお帰り。危ないよ?」
「女が勉強するのを、皆いい目で見ないんだ。だから、こうして月が明るい時だけこっそり勉強してるんだ。本当は、世界を回って色んなものを見たいけど尚更、無理だろうな。」
「…教えてあげようか?書斎に本なら沢山ある。」
「いいのか!?助かる、独学では限度があってな。困ってたんだ!」
「いいよ、色んな所にも連れて行ってあげる。…君が私を暇にさせないなら。」
「なんだ、そんな事でいいのか?」
「うん、暇は嫌。だから、明日も遊んでくれる?そう…ずっと…。」
「ウフフ、変なやつだな。いいぞ、明日もここで会おう!そういえば、名前を言ってなかったな。僕の名前は…」
君だけだった。私を暇だと言わせなかった人。誰もが畏れる私と初めて遊んでくれた君。私に家族を残してくれた妻。残虐な串刺し公と恐れられた私を変えてくれた女性。
明日は、私の誕生日だ。ミナの大好きだったご馳走とデザートを作ってあげよう。心臓に手を当てる。
ミナ、会いたいよ…また暇になってきた…