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【礎の紋章士は誰なのか?考察】

全体公開 2 147 3110文字
2023-01-28 21:22:55

FEエンゲージの礎の紋章士・零番目の紋章士とは誰なのか?
正体についての考察と、エンゲージのストーリーへの感想
(ネタバレなので未プレイの方は閲覧注意です)

Posted by @souenLethe

【礎の紋章士は誰なのか?】
孤独な邪竜ソンブラが唯一繋がった相手、圧倒的な力を持つ個の英雄、零番目(礎)の紋章士とは……
おそらく「勇者アンリ」のことだと思います

アンリはFE第一作目の「暗黒竜と光の剣」マルスの物語よりさらに100年前の英雄で、マルスの時代にはすでに伝説として語り継がれていた人物です
作中ではその名が語られるのみで、見た目すら詳細に明かされてはいません
彼は一人で敵国(ドルーア帝国)に立ち向かい、神剣ファルシオンを手にして、親玉の暗黒竜メディウスとの死闘も制して世界を救いました
(なんとたった一人で!!)
マルスは「暗黒竜の光の剣」で、このアンリ伝説(アンリサーガ)に倣ってメディウスを打ち倒すわけですから、
アンリはまさに『はじまりのエムブレム』であるマルスより前の、『零番目の紋章士』といえます
(【野望】というのがちょっと引っかかりますが)

もう一つのポイント、「孤独」というところもアンリに合致します
アンリは前述したように世界を救った英雄となり、アリティア王国を建国するにまで至りますが、
最愛の想い人であるアルテミスとは結ばれることができませんでした(アルテミスの定め)
そしてアルテミスへの愛のために生涯独身をつらぬき、子をなすこともせず、弟に国を託して没します(余談になりますが、つまりマルスは実はアンリの直系ではありません)
リュールが「一人きりで闘ったゆえに孤独の辛さを誰よりも理解していたのではないか?だから追放されたソンブラを見守っていて、ソンブラがこの世界で新しい絆を持てたから安心して消えたのではないか?」と言うところが、印象的ですね……

ちなみに「個の英雄アンリ」と「群の英雄マルス」は対比になっていて「紋章の謎」でもその違いが良く語られます
実際にマルス自身も「ぼくはアンリ王のような力はない。だが、ぼくには仲間がいてくれる。」と話すシーンもあったり。
(アンリの道での一幕です。アンリは過酷な魔境を一人で踏破しています。マルスはここを仲間とともに力を合わせて進軍していきます)
思い返してみるとアンリは不思議な人物ですよね
紋章〈マルス〉にしろ、聖戦〈シグルド〉にしろ、覚醒〈クロム〉風花雪月〈ベレトス〉エンゲージ〈リュール〉にしろ、
仲間との絆や愛にスポットを当てているファイアーエムブレムという作品の中で、
英雄側なのに共闘とは無縁で、ただ一人で世界を救い、しかも悲恋で終わってしまうというのはとても珍しくて、異質な存在とも思えます

そういえば、今はもう見れないですが十年ほど前まで公開されていた、紋章の謎のライナーノーツ(FE原作者の加賀さんが語るアカネイア大陸の舞台設定と歴史設定)で
「マルスたちのお話より前に叙事詩〈サーガ〉が浮かんでいた。FEの構想はここから始まっていた」というようなことをおっしゃっていたことも思い出しました
アンリサーガは本当の意味でFEの原点、礎なのかもしれないですね……(もし叶うならこのあたりのことを成広さんに直接聞いてみたい……


【以下余談。エンゲージのストーリーについての感想】
酷評されがちなエンゲージのシナリオですが、私は楽しかったなと思ってます(テキストのクセの強さは確かにあると思ってます)
・個人的に面白いと思った点


①紋章士を巡るストーリーとFEの歴史とのリンク
今作の紋章士を巡る物語が、そのままFEシリーズの変遷を示唆していることは間違いないと思います
紋章士についての説明自体はかなりあっさりした扱いでしたが、最初にマルス[暗黒竜]とシグルド[聖戦]が仲間になり、
それからセリカ[外伝]にロイ[封印]と次々に加入していく流れはFEの歴史「加賀さんの作品→GBAテリウス→3DS(現在)〜」を辿るようで面白かったです。

また中盤にはそれまで集めた指輪を全て失い、手元には新たに仲間になった2人の紋章士、ルキナ[覚醒]とリン[烈火]のみが残る所も良かったです。
リンは海外では初のFE作品となった烈火の主人公、ルキナはシリーズの集大成を謡いかつFEに大きな変革をもたらした覚醒のキーキャラクターで、
FEシリーズの転換を象徴する2作品の紋章士なだけに、この展開はシリーズファンとしては感慨深いものがありました。
特に主人公リュールのパートナーがマルスからルキナへと変わるのは、紋章と覚醒のそれぞれの関係性(継承と変化)から考えてもなかなかにアツい。

過去作の主人公たちと同様に、
「エンゲージの主人公」であるリュールもまた、13人目の紋章士として選ばれる展開は「なるほど!」と思えましたし、かなりグッときました!
最後の最後にアンリを零番目として持ってきたことはただただすごい。
これはやられたなあ!!と驚かされましたし、感動しました
そしてエンディングロールのあとのムービーシーン。
自分はこれを「ファンが望めば、シリーズ作品をプレイすることでいつだってマルス達とエンゲージ(再会)することができるんだ」という意味に勝手にですが解釈して、
胸が熱くなりました


②絆(孤独)がテーマのストーリーテリング
エンゲージでは冒頭でリュールとルミエルの親子のシナリオから始まり、
ブロディア国のモリオン王とディアマンド王子(とスタルーク)、イルシオン国の父ハイアシンスと娘のアイビー・オルテンシアの決別、そして敵方の四狗とヴェイル達の各々のつながり、ルミエルとの再会と独白、最後に親玉の邪竜ソンブルと礎の紋章士と、
全体を通して絆とそれに付随する別れと「孤独」に焦点を当てたストーリーテリングがなされていると思います。
ディアマンドの先王への思いや、25章でのルミエルの独白、最終盤の四狗の孤独と家族のお話しは心を打たれました。(セピアとグリのムービーはかなりエモくて大好きです)
グリの最後のセリフが好きだ……
セピアはクリア前と後で大きく印象が変わったキャラクターだと思います。後半のたたみかけがとても良い。エンゲージで好きなキャラを1人選ぶならセピアかなと。

確かに、よく突っ込まれがちな展開の急さ、描写が足りていなくてもったいないと思う所もありました
具体的には「キャラクターが抱えてる背景や歴史」と、「実際に作中で描写されている内容」に隔たりがあって、
シナリオの説得力を削いでしまっているかもなーという感じです。
例えばイルシオン国が邪竜信仰に至った経緯や、過去のハイアシンス王の姿が垣間見えるエピソードがストーリーの道中にあれば、
異形兵となったハイアシンスとの最後の戦いや死に際の謝罪、アイビー達の父との決別に、
今よりもっと!さらにさらに感情移入ができてドラマチックに感じることができたかもなーと思います
実際にはキャラクターそれぞれにそれまでの背景や思考があるのでしょうが、プレイヤーからはそれを感じ取りにくい作りだったかもなと感じました
(ルミエルやブロディア国のお話も同様に)


でも、これは私がそのほうが分かりやすかったかもな?と勝手に思ってるだけで、
アイデアやテーマ自体がすごく面白くて魅力的ですし、キャラも楽しいし、
20章からの終盤の展開がかなり面白いので、
私はエンゲージはゲーム性や過去作ファンへのファンサービス精神だけでなく、
メインのストーリーも含めて好きだし、楽しいゲームだったなと思います!

長々とすみませんでした!
もしここまで読んでくださった方がいましたら、お付き合いいただきありがとうございました!
駄文長文失礼いたしました!


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