@lumasann_pix
21話
「了解。カミーユ、帰還します!」
「了解!……口数が多いんだから……。トーレスのやつ、トーストにしてやる!」
「カミーユ・ビダン、帰還しました。」
「コロニー公社のものでした。偽装はしていません。荷物を全て見せてもらいましたから。」
「はい!」
「うるさいんだよ、お前は!」
「はい!」
「ホームシックなんてもんじゃない!」
「なんだって!?この……!」
「馬鹿にしたろ!」
「はい……。」
「はい。」
「お説教なら聞きませんからね。」
「そんなに増長したつもりはありません。」
「寂しい?僕が?」
「本気で言ってるんですか?」
「そんな……。」
「違いますよ!」
「怒鳴らせるなよ。せっかくの休みが無駄になる。」
「あるわけないでしょ。逃げ回ってたんだから。」
「嫌ですよ。」
「そういう言い方、もっと嫌味だぜ?」
「エマさん……甘えているかどうか……。敵は!?」
「探せ!そんなことはないはずだ!Mk-Ⅱ、出るぞ!」
「妙だ……地球でのパターンと同じだ……。そうか、この感覚は……新型が出るな!」
「エマさん!エマ中尉!」
「ただのモビルスーツじゃありません!注意してください!」
「いけませんか!あんた、俺の姉さんじゃないだろ……。来ます!」
「戦艦でもない。モビルアーマーか……?あり得ることだ。」
「あの機動力は間違いない!モビルスーツクラスだ!しかも戦艦の主砲を持っている……!」
「やはり新型か……!」
「エマさん、動いて!」
「エマさん!」
「新型だからって!」
「傷をつけた……。ライフルが……くっ!」
「パイロットの養成にはお金がかかるんです!ネモ、24号!リック・ディアスのポットをアーガマに送れ!」
「上か!?」
「二機いたのか……。」
「ハッチが開いてしまった……!」
「迂闊だった……新型が二機も出るなんて……。これが甘えだと言うのか……。」
「戦場で役にも立てずに……俺は……こんなところで窒息して……俺は……親のとこへ行くのか……。」
「ファ……?」
「どこの戦闘機だ……!?」
「ファ……?」
「が、ガンダムMk-Ⅱも回収したいし、敵はまだ動いている。新型だ!」
「ゼータ?」
「できたのか、ゼータ……。」
「しかし……敵はもう一機いるはずだ……。アーガマからだ!」
「アポリー中尉、見えたのか?」
「違うよ。」
「パイロットは戦場全体のことは見てはいない。宇宙(そら)では何が起こっているか分からないから……。命令違反はなしだ。」
「え?」
「よし!……アーガマ!聞こえるか!」
「エマ中尉の回収は?」
「了解!」
「アポリー中尉!」
「ゼータのマニュアル、コックピットにありませんでしたよ。」
「頼みます!」
「ああ。」
「ファ……会いたかったよ……。しばらくこのままにしておいてくれ……。」
「パイロットになるのかい?」
「無理だよ。」
22話
「はい、なんとか。」
「分かってます。」
「大尉が?」
「ハロ!」
「待てよ、ファ!」
「あのね……。僕に用があったんだろ?」
「本当なのか、パイロット候補生だって……。」
「君には戦争とは別の世界にいてほしかった(けど)……。」
「皆が戦争していたらどうなる?皆が死んでしまった世の中、どうすんだよ!」
「そりゃ乱暴だよ!」
「また新型モビルスーツか。」
「分かったよ!」
「はっ!今後、気を付けます!」
「待てったら!」
「あのさ!」
「!ごめん……。」
「ファ……。」
「!?……な、なんなんだ……。」
「レコア少尉が来るのでしょう?」
「はい。来るはずです。」
「了解!」
「Ζガンダム、出るぞ!」
「カミーユ機、行きます!」
「新型!?どこから……!」
「人!?」
「任せてくれればいい!」
「ファ……なんでお前が……。」
「うぅ……!」
「俺のせいなんだ……ファをこんなにまでイライラさせてしまったのは……。」
「ご無事で何よりです。」
「そうですか……。僕には分かりません。」
「じゃ、また。」
「分かってます。」
23話
「エマさん。」
「掃除ですよ、部屋の。」
「死ぬかもしれないんです。綺麗にしておかなければね。鳥に笑われます。」
「ボードクリーナー(?)って駄目なんですよ、ベッドの隅が……。」
「おおむね済んでます。」
「持てますよ、エマさん。」
「まさか……自分が殺してしまったパイロットのことを考えるようになっています。」
「無宗教ですけどね。」
「いつ終わるんですか、この戦争は。」
「大尉、来るんですか!?」
「ごめん!ブリッジに上がるんでしょ!」
「トーレスに渡すものがあるんです。」
「でも……!」
「なんだよ、ファ!」
「そうかい。」
「ん……、さっきのは冗談かと思ってたけど。エマさん、ファに教えてるのかよ……。」
「エマさん……。じゃあ、あれは……。」
「考えてみれば、男の戦場にこんなにまで女性が前に出てくることは異常だ。……世界が変わってきている……。」
「ハロ!」
「二人とも!」
「カツ!サンフランシスコの二の舞はごめんだ!」
「はい!」
「Ζガンダム、出ます!」
「味方のモビルスーツを出しておいて、よくも対空砲火を撃てる!」
「船を沈める……!」
「!ファ……!」
「あれか……!」
「大丈夫か!?」
「ここは戦場だ!」
「なに!?モビルスーツ隊が……!」
「クワトロ大尉……!」
「もらった……!」
「……!?この不快感は……。」
「はぁ……はぁ……。」
「!」
「!大尉!」
「ああ。」
「え?……ああ、よかったな。」
「ファ。今のうちに休んだ方がいい。次の作戦はすぐ始まるらしい。」
「慣れないうちはあんなものだ。よく頑張ったよ。」
「本格的な戦闘で興奮しています。頼みます。」
24話
「ハロの調子が悪くなった。直しとけ。」
「フォン・ブラウン市だ。」
「そういう任務もあるんだ。」
「では。」
「分かってます。フォン・ブラウンの市民が、どのくらいティターンズ寄りかも調べるってんでしょ。」
「了解!」
「はい。味方に殺されたくありませんからね。」
「分かってるよ。」
「ああ。ミドゥサカレッジの一年生、シリー・クライム、十八歳。」
「この前のやつだ。」
「ええ?そんなのありました?」
「身分証明書ならあります!」
「返してくれ!」
「警備兵にでもつき出したらいいでしょ。」
「僕はニュータイプなんかじゃない!」
「あなた、そればっかりだ……!」
「僕がいなくたってエゥーゴは立派に戦えます。」
「カツ。」
「そんなのどうでもいいだろ。」
「アーガマが来ているんだろ。」
「そうかい……?」
「何も感じないのか!?戦闘が始まった時みたいな感覚を!」
「いや!」
「……メタスと……もう一機は……。あの女パイロット……?」
「カツ、やめろ。」
「ああ。」
「よせ、カツ。」
「どっちが悪くても、一番迷惑を受けているのはフォン・ブラウンの市民だ。」
「!Ζガンダムが来る……!」
「行くぞ、カツ!」
「カツ!」
「すまない、カツ!」
「レコアさん!」
「後ろ!」
「大丈夫です!」
「カツ!」
「お願いします!」
「レコアさん……。カミーユ、行きます!」
「やらせるか!」
「貴様、遊びをやっているつもりか……!」
「子どもなものかー!」
「何を!?逃がすか!」
「エマさん!」
「でも……!」
「……分かっています……!」
「しかし、いいんだ。生き残ったんだから……。でも、ブレックス准将、クワトロ大尉は無事なんだろうか……。」
25話
「え?」
「白旗?」
「サイド4のコロニーが動き出しているというのは事実なのでしょう?」
「あ、はい。」
「(はい。)」
「すみません。」
「こんな所にいると、また怒られるぞ。」
「誰に頼まれて、わざわざ敵のど真ん中まで来たんだい?」
「質問に答えて。……コロニー落としの作戦を信じただけだ。でも、それだけでハイザックでティターンズから抜け出せるわけがない。」
「そう言えば、人は騙せると奴に教わってきたのか?」
「パプテマス・シロッコ。木星から帰ってきたジュピトリスの隊長か。」
「エゥーゴの情報網だって、そのくらいのことは分かってる。」
「コロニー落としが成功してしまえば、シロッコにとって都合が悪いということか。」
「……君は強化人間なのか。」
「……あの子は危険だ。」
「ああ。味方になってくれればいいと思ってるさ。しかし、テストは厳しくしなくっちゃ。」
「当番に返しといてくれ。」
「あの子には近づかない方がいいよ、カツ。」
「今の言葉をアムロさんが聞いたら、どう思うかな?」
「カツの告げ口かい?」
「あのねぇ!」
「いきなりアップになるな!」
「当たり前だ!」
「そ、そりゃあ……おかしいよな。悪かったよ。謝るよ。」
「あるわけないでしょ!」
「カミーユ、Ζガンダム、行きます!」
「始まった!」
「あそこか!」
「うあ!!あいつ……手強いぞ……。」
「つ、強い……!」
「つ、強い……!」
「まだ……!」
「下から……?やはり……。当たれよ……!」
「カツが敵の死角を教えてくれて助かったけど。」
26話
「ドゴスギアは普通の戦艦じゃありません。」
「Ζガンダムの整備、終わったもので……。」
「はい。あの船にはものすごいプレッシャーを感じるんです。」
「はい。」
「はい!」
「!はぁ……はぁ……はぁ……。夢か……。」
「……はぁ……。……違う!夢なんかじゃない!エマさんが危ないんだ!出動します!Ζガンダムの発進許可、お願いします!」
「エマさんが危ないんです!行かせてください!」
「感じるんです!エマさんが救いを求めているんですよ!」
「そうですよ!行かせてください!」
「ブライトキャプテン!」
「ありがとうございます!」
「Ζガンダム、行きます!」
「エマさん!逃げて!」
「性懲りもなく、また来る!……こいつ!」
「Mk-Ⅱは……どこだ……!?」
「後ろか……?どっちから来る……!」
「戦い慣れしているようだが、精神的プレッシャーは感じない。ただ強いだけで……。しかし……!」
「エネルギーが……!」
「向こうが来るか……待ち伏せか……。」
「なんで僕の名前を……!?」
「そうさせたのは、ティターンズだろ!」
「うわぁ!」
「誰かいる!」
「まだぁ!」
「くぅ!」
「そんなもの……!」
「カツ!」
「エマ中尉!」
「しかし……!」
「分かりました!」
「中尉もカツのことも気になる……中尉!!」
「エマさん!」
「いえ、中尉のおっしゃる通りです。もう少し戦いに集中します。……カツ、ありがとう。助かった。君がいなければやられていた(逃げられていた?)。」
「ヘンケンキャプテンに絞られるんだな。」
「いいえ。カツのおかげです。助けてくれました。」
「本当ですか!」
27話
「ファ、何やってるの?」
「今度の戦闘はハードなんだから……それじゃあ、パイロット失格だな。」
「あのねぇ……!」
「分かったよ!」
「別に。」
「レクリエーションですよ。」
「ファと話しているといつも喧嘩になっちゃう。どうしてですかね。そんなことです。」
「口だけは偉そうにして!」
「はい!」
「どうしよってんだよ。」
「Ζガンダム、行きます!」
「う、く……!」
「!誰かが見ている……。誰だ……?」
「このぉ!」
「……!また……!」
「……!?撃つな!!」
「消えた……!」
「ファ!ファってば!」
「ファ……。もう僕らがいがみ合っていられる時じゃないんだよ。いつ死んでもおかしくない時なんだよ。僕にだって悪いところはあるだろうし、それはいくらでも謝る。でも、ファだってちょっとばかり、甘えすぎだな。お互い子どもじゃないんだから。」
「じゃあな。」
28話
「これが戦艦の側で拾ったやつ?」
「動くんですか、こんな旧式。」
「でも、見張りぐらいにしか使えないな。戦闘は無理でしょ。」
「なんです?」
「レコア少尉が?」
「ジュピトリスってあの木星にいた……。」
「レコアさん……。ジャブローの時みたいに……。」
「ファ!レコア少尉、見なかった?」
「そう。」
「……レコアさん、敵の戦艦に潜入するんだって。」
「普通じゃないよ。あの人のやること。」
「レコアさん!ジュピトリスに潜入するって本当なんですか!?」
「レコアさん!」
「ジャブローの時だって、もう少しで……。危険ですよ、そんな!」
「ご自分で志願なさったんでしょ!?もっとご自分を大切にしてください!」
「どういうことです?レコアさん。」
「よくありませんよ!いつまでも子ども扱いしないでくださいよ!」
「なんだよ。」
「どう思う?」
「レコア少尉のことさ。」
「どうして?」
「そんなことを言ってるんじゃない!」
「なに一人で決めてんだよ!」
「あ、ああ……。」
「なにうろうろしてるんだ、こんなところで。」
「な、なんだよ!」
「話なんてどこでもできるだろ!」
「だから!無茶を心配してるんだ!」
「そんなことはないよ。」
「分かってるよ。」
「分からないな!」
「ファ、だいたいレコアさんは大人だよ。少女じみた感傷をぶつける方がよほど分からない話じゃないか。」
「レコア少尉!」
「Ζガンダムでレコアさんの後方支援をします。」
「はい!」
「カミーユ機、行きます!」
「三十分経ったな……。大丈夫だろうな……レコアさん……。」
「!なに!?なぜ見つかった!?」
「やる……!いや違う!」
「しかし、あのモビルアーマー、あの例の男のやつのはずだ……。」
「このパワーのモビルスーツ……!」
「その声……!サラ・ザビアロフ……!」
「しまった……!」
「まだライフルがある……!」
「ファ、どうして……!?」
「グレネードランチャーを!」
「ファ、無理するな!」
「避けられた……!」
「レコア少尉……!」
「背中……!どこを見ている……!」
「逃げた……。いい間合いをしている……。生かしておいてはいけない敵なのか……?」
「メタスは僕が引っ張って行きます!レコアさん、先に行ってください!」
「ファ、よく来てくれた。助かったよ!」
「ゼータに乗ってゆけ。後方の警戒を。」
29話
「おはようございます、レコア少尉。」
「早いんですね。」
「いいことですよ。しょっちゅう戦闘じゃ、それだけで殺されてしまいます。」
「ファはどうしたんです?」
「あいつ……。連れてきます!」
「そうはいきませんよ!」
「フォウ……。」
「それ……!」
「おい!」
「なんだ……?」
「え?」
「おい……!」
「待てよ!行ったぞ!」
「あ、ああ……。」
「ち、違うよ。チビ達がどうなってるのかなぁって。」
「今度、手伝おうか?」
「おー、こわ……。」
「すごい迫力だ、ファ。」
「そのパワーなら十分パイロットになれる。うん、そう思う。」
「あ!?」
「了解!Ζガンダム、行きます!」
「隕石……!?いや、ダミーだ。アレキサンドリアか!」
「直撃できれば……。」
「当てるんだよ……!」
「敵を呼んだか……!」
「やはり毒ガスを使う……!」
「あの作業、やめさせなくては!」
「どっちへ出るか……。……こっちか……!」
「なんというパイロットだ……!」
「コロニーに近づけない……!」
「建設中のコロニーか……。」
「ガブスレー、どこから来る……!?」
「来たっ!」
「トリガーが引けない!」
「うわぁぁ!」
「こ、こいつら……!」
「こんな距離でやると、自分も死ぬぞ!」
「お前も死ぬぞ!」
「カツか……!?」
「よく間に合ってくれたな、カツ!」
「そうか……。カツは感じなかったか?何か歪んだもののプレッシャーを……。」
「そうだな。それが戦場だ。覚えておけば、死なないで済む……。」
「はぁ……。」
「命拾いしましてね……。」
「ファ、ここだよ。」
「そこ。」
「ファは元気だな。」
「あ、どこ行くんですか?」
「僕も行っていいですか?」
30話
「遊んでやれよ!」
「いつ戦争になるか知れないんだぜ?」
「だから、それは俺が……!」
「ブライトキャプテン……。」
「ですが、キャプテン。」
「分かりました。」
「Ζガンダム、行きます!」
「この前の生き残りか……。ジェリド中尉はいるのか……?」
「ええ、こちらの動きを待っているような……。」
「エマ中尉!後ろで火線(かせん?)が!」
「自分は戻ります!」
「アーガマが……!」
「来る……!」
「よくもっ!」
「ジェリド?」
「なにをっ!」
「まだだ……!」
「まるで違う……。これはジェリド中尉なよか……?」
「なんだ!?」
「アーガマが苦戦……!?」
「このまま事態が止まっているわけがない!」
「もう一機いたのか!」
「!危ない!そっちに行くな!!」
「そこ……!」
「なに!?」
「ジェリドか……!」
「じ、自分の身体を盾にするのか!?」
「なんだ……今の感覚は……。マウアー?マウアーだって……?」
「俺だって!まだ死にたくない!」
「なに!?まだ戦えるのか!」
「なんだと……!」
「エマ……!」
「あれは普通じゃない!!」
「なんで……あんなにもったんだ……。ジェリド……メサ……。」
「中尉……。」
「エマ中尉……。」
「ファ。」
「しかし……俺は見たんだ……。死んでいった者は、涙はないんだよ……。」