~うちの子三連ピックアップガチャ~
SR[願望]杉並壱樹
日常
@lianmiso
『あなたの願い事を聞かせてください!』
夕飯が終わり、食器を片している時だった。TVの中のアナウンサーが弾けた声を上げる。神社の前で参拝客の願い事を聞いていて、お揃いのマフラーを巻いているカップルにインタビューをしていた。
ソファに腰掛けていた理央が興味深そうに幸せに顔を染めた2人のカップルを凝視している。自分の店を持ちたいという野望を持った若い男に変わっても興味は失われておらず、画面に集中していた。
「理央はなんか願い事あるの?」
「そういう君はどうなんだい。」
質問を質問で返された。ガシガシと頭を掻き、壱樹は自分の願いに思いを巡らせた。
「うーん………」
「意外だな。君が悩むなんて。スパッと答えると思っていたよ。」
「理央は俺のことなんだと思ってるんだ。願いはたくさん………姉…周りの奴に上手くいって欲しいとか…なんか違うな…?」
ぶつぶつと呟きながら、壱樹の姿がキッチンの奥に消えた。
逃げたか?
CMが終わる頃、理央の予想に反してトレイを持った壱樹が現れた。前にティーカップが置かれる。芳醇な香りが理央の気持ちを落ち着かせた。
「たとえばこんな穏やかな時間が続けばとか。」
チョコチップの入ったスコーンを置きながら壱樹がにっこりと笑いかけた。少々不恰好なのは手製だからか。いつのまに焼いたのか。
「安い願いかと思いきや、特にうちの事務所じゃ難しい願いだな。」
「いつもはいつもで楽しいんだけどよ、エレガントな俺にとってはこういうも大事なんだ。」
「君が優雅で上品かはさておき。」
「ひでぇ!!」
表情を崩す壱樹を横目に理央はカップに口付けた。
~うちの子三連ピックアップガチャ~
SR[願望]杉並壱樹