~うちの子三連ピックアップガチャ~
UR[戦場の鬼神]雨辻湊 過去話 ちょっと暗い
@lianmiso
迎えに行くのが嫌でした。とは昔のスタッフの証言だった。
事が終わった現場に向かうと、いつも彼1人立っていた。
1人だけ。
足元に転がる動かぬ者や破片が彼の強さを表していた。敵も味方も関係ない。ただ1人剣を降ろし、天を仰いでいた。迎えに気づくと、顔はこちらに向くのだが、焦点が合わない。瞳が風に揺らされる水面のように揺れていた。
という話を霧凍が休憩中に勉強していた湊に伝えると、あー………と口をもごもごさせた。
「戦場の鬼神なんて呼ばれていたみたいじゃないですか。そぐわない名前ですねぇ。恥ずかしかったでしょう。」
「実は三十木にいた時の記憶、曖昧で。」
「なんですって?」
「無意識に能力を使って、認識を鈍らせていたのかな。」
感覚操作は当時自分で認識こそしていなかったが、能力は自分の身の守るために身につく。無意識に使っていてもおかしくない。
「自己防衛に、ですか。」
「だと、思います。あの頃は………友人たちの幸せを願うだけだった。二度と争いに巻きまれないように………」
友人と、戦いの中で生まれた友人の幸せをただ漠然と願い、腕を振って、指を引く。それだけ。
「配属先のせいもありますが、戦場の鬼神なんて言葉、貴方には過ぎた言葉です。あの時、貴方は海底の底に沈み、濁り切った顔でした。戦場の空気を振り切るだけの力もない。切り替えもできなければ、士気を落とすだけです。」
霧凍の言葉に湊が頷く。自分の手のひらを見つめた。自分でもよくわかる。大人が怖かったこともあるが、戦場に引き摺られていた。
「適所適材。遅いですが、最低限きちんと仕事もしてくれます。今の貴方のぽやっとした顔の方がマシですね。………もう少し早いと、私としても面倒がなくて良いんですけどねぇ。」
そんなことを言って、霧凍は部屋の外へ出ていった。
「え?ありがとうございます?がんばります?」
慰めてくれてる?褒められた?
少し遅れて、湊は顔を赤らめた。
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