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あなたにも渡したい

全体公開 ジョンのお話 1 29 1655文字
2023-02-13 16:41:39

アルマジロのジョン2巻を読んで、書いたお話です。とにかく、1巻のパンケーキといい、2巻のマフラーといい、ドラルクさんのお母さんっぷりがもうね
出来ないからやってあげる、ではなく横で出来る様に工夫して、見ていてあげるのが素敵。
この時点では、本誌のナギリさんが出ていないのでこんな感じに書きましたが、読めば読むほど辛い事態になってますね。あの人も幸せになれますように
2023/01/08に上げました。

Posted by @kw42431393

 ロナルドくん、ヒナイチくん。二人にもどうぞ!

 「おお!ジョン、俺にも編んでくれたのか!?俺、一生大事にするぜ!」
 「私にもくれるのか?ありがとうな。」

 真っ赤なマフラーはロナルドくんに、白いマフラーはヒナイチくんに。
 二人はこの事務所で暮らす大事な大事な家族だから、みっぴきでつけてお出かけしたいヌ。

 この前ドラルク様が、ヌンにマフラーを編んでくれたんだヌ。自分のイメージカラーの紫色で。
 だから、ヌンは自分の甲羅と同じ色でマフラーを編んであげようと思ったんだヌ。だけど、器用なドラルク様はなんでもなく、あっという間に作っちゃったけどヌンは毛糸が絡まるだけで、何にも出来なかったんだヌ。
 うまくいかなくって泣いてたヌンに、ドラルク様は台所にあった牛乳パックと割りばしを使って、リリアン編みキットをその場で作ってくれたんだヌ。
 いつも優しいヌンのご主人様。「気にしないで」じゃなく、ヌンでも出来る様に作ってくれて、横でついててくれて、時々見上げると、出会った頃と変わらない笑顔を向けてくれる。 
 出来たマフラーは、編み棒で作ったよりは綺麗じゃなくて、模様も想像とは違うけど、あなたの満面の笑みが見られただけで、ヌンは満足。
 自信がつくと、いつも一緒の他の二人にも編みたくなったんだヌ。

 ロナルドくんもヒナイチくんも、いつも薄着で寒そうだしそう思うと、赤と白と茶色の毛糸を買いに行った。

 「あれ?茶色の毛糸はどうしたんだね?」
 
 内緒だヌ。

 最後の記憶が正しければ、今もボロボロの服を着ているあの人。

 『テレビとか見ろ!辻斬りナギリだ。』

 辻斬りどころか、あちこちで人助けしてるヌリヌリヌン。あなたに会ってから、新聞やニュースをちゃんと見る様になったんだヌン。
 でも、最近新聞とかにも出なくって大丈夫かヌ。寒い思いをしてないかヌ。

 
 初めて会ったあの路地裏に、今夜もこっそり足を運ぶ。
 『ヌリヌリヌンへ』
 路地に置いた茶色のマフラーを入れた紙袋。今日も誰も手をつけた気配がない。

 「おや?吸血鬼ドラルクの所のマジロでありますか?」
 振り返ると、吸血鬼対策課でヒナイチくんの部下のカンタロウさんが、チラシを持って立っていた。
 「ヌンヌヌヌ。ヌンヌイヌ?」
 「申し訳ないであります。本官はヌー語はよく分からないであります。ヌーくんは、こちらに心当たりはありませんですか?」
 困った様に笑う彼は、ヌンにチラシを渡してきた。チラシには『辻斬りナギリにご注意を!』と『探し人 辻田さん』とある。

 これヌリヌリヌン?

 「いつも本官の辻斬り捜索の協力をしてくれている、辻田さんであります。ある時から、廃ビルにもいなくなって心配であります。」

 泣きそうな顔この人辻田さんが、辻斬りナギリだって知らないんだヌ。でもとても大切に思ってる事はヌンにもよく分かったんだヌ。

 ヌリヌリヌン、皆あなたが大好きだヌ。怖がらずに帰っておいでヌ。

 「ヌーくんも辻田さんを知ってるでありますか?あの人は強くて、親切な人であります。見かけたら、本官に連絡を。」
 廃ビルを見上げてから、彼は帰って行った。ヌンは、路地裏の隙間から星空を仰ぐ。大丈夫、あの人は本当に強いからまたどこかで。


 「フン暖かいな。」
 慣れているとは言え、冬場の寒空は体に堪える。丸の匂いが微かにするマフラーをあいつと会った路地裏で拾った。
 悪くない手袋の時と同様、退治人共の目を盗んで持ってきてくれたのだろう。

 丸俺がやっぱり信じるのは、お前だけだお前だ、け。

 『辻田さん!今日もよろしくお願いしまああぁす!』
 『あんた、強えよな!』
 『助けてくれてありがとう!』
 『また遊びに来るよ。』
 『アシさん、いつもピンチの時に来てくれて。』
 
 俺はどうしたら、いいのだろう。

 


 
 


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