アルマジロのジョン2巻を読んで、書いたお話です。とにかく、1巻のパンケーキといい、2巻のマフラーといい、ドラルクさんのお母さんっぷりがもうね…。
出来ないからやってあげる、ではなく横で出来る様に工夫して、見ていてあげるのが素敵。
この時点では、本誌のナギリさんが出ていないのでこんな感じに書きましたが、読めば読むほど辛い事態になってますね。あの人も幸せになれますように…。
2023/01/08に上げました。
@kw42431393
ロナルドくん、ヒナイチくん。二人にもどうぞ!
「おお!ジョン、俺にも編んでくれたのか!?俺、一生大事にするぜ!」
「私にもくれるのか?ありがとうな。」
真っ赤なマフラーはロナルドくんに、白いマフラーはヒナイチくんに。
二人はこの事務所で暮らす大事な大事な家族だから、みっぴきでつけてお出かけしたいヌ。
この前ドラルク様が、ヌンにマフラーを編んでくれたんだヌ。自分のイメージカラーの紫色で。
だから、ヌンは自分の甲羅と同じ色でマフラーを編んであげようと思ったんだヌ。だけど、器用なドラルク様はなんでもなく、あっという間に作っちゃったけど…ヌンは毛糸が絡まるだけで、何にも出来なかったんだヌ。
うまくいかなくって泣いてたヌンに、ドラルク様は台所にあった牛乳パックと割りばしを使って、リリアン編みキットをその場で作ってくれたんだヌ。
いつも優しいヌンのご主人様。「気にしないで」じゃなく、ヌンでも出来る様に作ってくれて、横でついててくれて、時々見上げると、出会った頃と変わらない笑顔を向けてくれる。
出来たマフラーは、編み棒で作ったよりは綺麗じゃなくて、模様も想像とは違うけど、あなたの満面の笑みが見られただけで、ヌンは満足。
自信がつくと、いつも一緒の他の二人にも編みたくなったんだヌ。
ロナルドくんもヒナイチくんも、いつも薄着で寒そうだし…そう思うと、赤と白と…茶色の毛糸を買いに行った。
「あれ?茶色の毛糸はどうしたんだね?」
…内緒だヌ。
最後の記憶が正しければ、今もボロボロの服を着ているあの人。
『テレビとか見ろ!辻斬りナギリだ。』
辻斬りどころか、あちこちで人助けしてるヌリヌリヌン。あなたに会ってから、新聞やニュースをちゃんと見る様になったんだヌン。
でも、最近新聞とかにも出なくって…大丈夫かヌ。寒い思いをしてないかヌ。
初めて会ったあの路地裏に、今夜もこっそり足を運ぶ。
『ヌリヌリヌンへ』
路地に置いた茶色のマフラーを入れた紙袋。今日も誰も手をつけた気配がない。
「おや?吸血鬼ドラルクの所のマジロでありますか?」
振り返ると、吸血鬼対策課でヒナイチくんの部下のカンタロウさんが、チラシを持って立っていた。
「ヌンヌヌヌ。ヌンヌイヌ?」
「申し訳ないであります。本官はヌー語はよく分からないであります。ヌーくんは、こちらに心当たりはありませんですか?」
困った様に笑う彼は、ヌンにチラシを渡してきた。チラシには『辻斬りナギリにご注意を!』と『探し人 辻田さん』とある。
これ…ヌリヌリヌン?
「いつも本官の辻斬り捜索の協力をしてくれている、辻田さんであります。ある時から、廃ビルにもいなくなって…心配であります。」
泣きそうな顔…この人辻田さんが、辻斬りナギリだって知らないんだヌ。でも…とても大切に思ってる事はヌンにもよく分かったんだヌ。
ヌリヌリヌン、皆あなたが大好きだヌ。怖がらずに帰っておいでヌ。
「ヌーくんも辻田さんを知ってるでありますか?あの人は強くて、親切な人であります。見かけたら、本官に連絡を。」
廃ビルを見上げてから、彼は帰って行った。ヌンは、路地裏の隙間から星空を仰ぐ。大丈夫、あの人は本当に強いからまた…どこかで。
「フン…暖かいな。」
慣れているとは言え、冬場の寒空は体に堪える。丸の匂いが微かにするマフラーをあいつと会った路地裏で拾った。
悪くない…手袋の時と同様、退治人共の目を盗んで持ってきてくれたのだろう。
丸…俺がやっぱり信じるのは、お前だけだ…お前…だ、け。
『辻田さん!今日もよろしくお願いしまああぁす!』
『あんた、強えよな!』
『助けてくれてありがとう!』
『また遊びに来るよ。』
『アシさん、いつもピンチの時に来てくれて…。』
俺はどうしたら、いいのだろう。