両片思い期の本編ドラヒナで、ヒナイチくんの成人式ネタのお話です。
ドラルクさんが、実家に帰ってヒナイチくんに着せる振り袖を選ぶお話。ドラヒナと言ってるけれども、ウスミラ惚気話要素が多めです。格好いいパパを書いたのは初めてかもしれません。
2023/01/15に上げました。
@kw42431393
「ドラルク、おかえりー!パパ、待ってたよー!」
ここはさる栃木の山奥にある吸血鬼の居城…からかなり離れた最寄りの駅で、ご機嫌なドラウスの声が響いていた。それは、そうかもしれない。大戦が終わってから、独り立ちしてより70年程、息子は埼玉のドラルク城で引き籠っていたのだ。
そして、勘違いでロナルドによって城が破壊されてからは、新横浜のロナルド吸血鬼退治事務所…もといドラルクキャッスルマークⅡで、人間達とルームシェアをしている。
引き籠りを辞めたものの、滅多に帰って来ないので、ドラウスの方からまめに会いに行く。
シンヨコに来てからの息子は、今までの分を取り返すかの様に出歩く様になっていて、アポ無しで行った事を差っぴいても、行き違いで会えない事もザラである。それが、借りたいものがあるので、親の居城に里帰りする、というのである。親バカなのもあるが、テンションが上がるのも仕方がなかった。
「お父様、迎えありがとうございま…ぐえっ!?」
「ヌエーン!」
虚弱体質の息子は、父親に抱き潰されて塵になった。
「えーん!ごめんよ、パパつい嬉しくて。」
「いいですよ、いつもの事です。じゃあ、お城に参りましょうか。明日には帰らないといけないので、早く探したいのですよ。」
嬉しそうな父親に対し、ドラルクは少し焦った顔をしている。
「ゆっくりしていけばいいのに。パパ、寂しいよ。それにしても、ミラさんの部屋で何を探したいんだい?」
アンテナを?マークにしながら、ドラウスは首を傾げた。愛妻は今も昔も多忙な人で、滅多に帰ってくる事がない。それでも、いつ帰ってきてもいいように、毎日部屋や棺桶の掃除や手入れはしっかりしてある。
「お母様には許可を取ってありますよ。ご心配なく。」
『そうか、ドラルク。私は構わないぞ。しかし、私が結婚前に着ていたものだ。今でも着れる状態かは分からないな。』
電話の向こうで、忍び笑いをする母…彼女には息子が「それ」を誰に貸したいのか分かっている様だった。
『気にしなくていいんだぞ?祝ってくれるのは、3月の誕生日でもいいんだから。』
困った様に笑う少女の顔が脳裏に浮かんだ。本当は、彼女だって綺麗な格好に憧れがあるのは知っている。そして、それが他の誰より似合う事も…何より…
「私だって見たいんだよ、ヒナイチくん。だから…」
正直、恥ずかしいがあの部屋に入る事にしたのだ。
その部屋に入ると、壁はミラの肖像画や写真に埋め尽くされていた。年代を感じさせる和箪笥に本棚も並び、それぞれに塵ひとつない程、手入れが行き届いている。
ここは、妻であるミラの使わなくなった私物を収めてある物置部屋で、おそらくドラウスがミラを恋しがったり、中の物をケアする時以外は、誰も入らないのに違いない。
『私はもう処分してくれていいと言ってるのに、ドラウスはマメだな。』
この部屋の書籍を手にしながら、呆れと惚気が半々の母親の顔をドラルクは思い出す。確かに、吸血鬼は自分の物に対する執着心が強いのだが、これらが何百年に渡って置かれているのはおそらく父親の方が、妻との思い出の品を捨てたがらないのに違いない。
二人とも、古い血を持つ由緒正しい出だ。兎に角、物持ちが良く、しかも多い。歴史の人物が確実に手掛けた美術品も多い為、◯でも鑑定団に出せばすごい事になるだろう。
一度、この部屋の書籍や衣類を虫干ししている父親を手伝った事があるが、『これはあの時着ていた着物…それは◯◯年の時に旅行に行った先で…』と惚気話が続いて、ゲンナリしたものだ。
「ミラさんの振袖?そっちの和箪笥に入ってるよ。」
ドラルクは、父親の指差す箪笥を開けた。樟脳の匂いと共に丁寧に畳紙に包まれた振袖が姿を現した。それを丁寧に剥がしながら、一着一着机に並べていく。
『彼女に似合いそうな物はありそうか?ドラルク。』
壁にかかっている母の肖像に笑われた気がして、思わず苦笑いが漏れた。
先日の事だ。たまたま、テレビのCMで成人式向けの振袖の映像が流れていて、思わず私は見いってしまった。大抵、着物のCMだと私の好きなアングルがアップで映し出される。
着物で一番の見所は、後ろ姿である。というより、まあ私の…引いては吸血鬼に多い性癖だが、白くて健康的なうなじだ。
もうそんな時期か…そういえば、うちのお嬢さんはどうするのだろう。
ドレスも悪くないが、200年以上生きた私の目から見ても彼女のうなじは、美しい。アップスタイルにして、簪を挿して、薄く化粧をして…想像すると見てみたくて堪らない。
別にイヤらしい意味でなく、一緒にこの事務所で暮らしている家族なのだ。祝いたいのは当たり前だ…地元でやるのだろうか、それともシンヨコでやるのなら、レンタルだろうか?コーディネートなら私に任せて欲し…
「何、テレビ見てニヤニヤしてんだ。気持ち悪いな。」
「ヌー。」
急に後ろから聞こえてきた同居人の声で我に返る。私、そんな顔をしていたかね…。
「成人式か…早えな。この前、新年迎えたばっかだってのによ。」
「そういえば、ヒナイチくんは成人式どうするか聞いてないかね?」
予約するなら早くしないと…時期が時期だけにいいのがなくなってしまうのではないだろうか。
「あー、あいつな。成人の日ってよ、皆羽目を外すだろ?俺達もだけど、ヒナイチも駆り出されるって聞いてるぜ。」
「えっ?それは可哀想じゃないかね。一生に一度しかないのに。」
これだから、ワーカホリック達にも困ったものだ。
「気にしなくていいぞ?署で簡易的なものだが、成人式をやる予定なんだ。その後で仕事だがな。」
さらに後ろから、ヒナイチくんも姿を見せた。当たり前の顔をしているのが、尚更気の毒な気がした。
「折角だから、休みをとれば良かったのに。君の晴れ姿、私も見たかったな。」
「お前が見たいのは、こいつのうな…ギャア!」
喧しいね、このゴリラ!私は、ロナルドくんの前にセロリをちらつかせた。泣きながら逃げていく彼を見送って、ため息をつく。失礼な!今回はそういう欲は抜きで…あわよくば見たいが、大人となる彼女を祝いたいだけなのだ。
「ハハハ…気にしないでくれ。成人といっても、私は早生まれだからな。パーティーに行ってもお酒を飲める訳ではなし、いいんだ。」
「うーん、じゃあせめて非番の前日にここでお祝いをしようか?ご馳走も作るよ?私は着付けもできるし、記念撮影もしようじゃないか。」
「ご馳走!?い、いや。でも…気にしなくていいんだぞ?祝ってくれるのは3月の誕生日でもいいんだ。」
私はお前達といられるだけで十分だから…困った様に笑う君の顔。
我々吸血鬼は執着心の強い種族だ。そんな顔をされると、よけいにやりたくなるものだ。
「それに、もうどこも予約いっぱいじゃないか?時期が時期だからな。」
それは思う。着付けと化粧とヘアセットは自信がある。問題は、振袖と小物一式だろう。さっきも気にしたが、いいのはとっくに予約されているに違いない。しかし、私には目算があった。
「大丈夫、期待してて?」
「ちん?い、いや。そこまでしなくても…。」
「私がしたいんだよ。だって…」
君も私達の家族じゃないか
彼が栃木のドラウスの元に来たのは、そういう訳だ。あの事務所で洗濯など家事全般、暇があれば靴まで磨く彼は、住人の衣類のサイズや好みも知っている。小柄なヒナイチと母ミラの背格好が、ほぼ同じ事を知っているのだ。
『ドラウスとキスをするのは、大変でな…何せ身長差が30㎝近くもあるんだ』
『やだぁ、ミラさんったら。ドラルクの前で…パパ恥ずかしい。』
そういって、両親が惚気たのはいつの事だったか。だから、少しでも近い目線でいたい、と今でもヒール付きの靴を履いている。本当は、ヒナイチとあまり背も変わらないはず…そこは問題なかった。問題は…
「困ったね、ジョン。なかなか一つに絞れない。」
「ヌー。」
机の上に広げられた振袖を着た彼女を思い浮かべると、どれも似合ってしまうのだ。
「あえて言うなら、祝いだし白に黄色と華やかなのにしてあげたいけど。これは我々のサガだね。」
苦笑いををしながら、黒や紫の布地に艶やかな桜、椿、あるいは鶴や扇の模様が織り込まれた着物を裏返してみる。
夜を生きる吸血鬼には、黒や紫は馴染みやすい色だ。どうしても、そちらが多くなる。
『ドラウスも黒が好きだからな。棺名もクロ、だろ?』
そういう意味もあって、母の服も黒や紫が多いのは仕方がないのだろう。ヒナイチは肌が白くて見事な赤毛をしている。寒冷色の服は肌の白さを引き立たせて、凛とした雰囲気を醸し出してくれるし、暖色の服は赤毛に映えて、彼女の無邪気な愛らしさを表現してくれるのだ。
「いいのは見つかったかい?帯や草履、髪飾りも持ってきたよ。」
後ろからドラウスの声がした。さらに紅茶の匂いもしている。休憩しないか、の意味なのだろう。しかし、あまりにも息子が真剣な顔をしているので、一段落つくのを待っていたに違いない。
「ありがとうございます。ジョン、休憩しようか。」
「ヌーイ!」
両手を上げて大喜びするジョンと、席についた。ジョン用にドラウスが焼いたチーズケーキも置いてある。嬉しそうに頬張る使い魔を撫でる息子を、ドラウスは穏やかな顔で眺めた。そんなドラウスの元でも、彼の使い魔のチュー男とチュー子も嬉しそうにケーキを齧っている。
「それにしても驚きましたよ。本当に大事にしてらしたのですね。」
ドラルクが紅茶を飲みながらしみじみと漏らした。何せ何百年も前の代物である。しかも、既婚者のミラはもう着る事がない。娘でもいたら別だろうが、息子なのでただ箪笥に眠るだけの着物なのだ。
いかに父親が、愛妻との思い出の品を大事にしていたかを如実に示している。
「ミラさんからは捨てていいって言われてるんだけど、私がその気になれなくて…でも、よかったよ。こうして、役立つ時が来たのだからね。」
こうして見る父親は、シンヨコでいつもトラブルに巻き込まれて泣いている男と同一人物とは思えない。
こんな風にお父様と素直に会話するのは、久しぶりかもしれないな。私も意地を張っているのは、認めなくてはならないだろうね。
そんな事を考える。ドラウスに対して、最近カリカリする理由は明らかだ。疑似家族の生活で、年長者のドラルクは「親」の様な立ち回りである。それが、いつまでも子離れしないドラウスがやって来て、同居人の前で子供扱いされるのが煩わしいのである。
『ドラルクは家族に愛されているな。』
ミラの起こした騒ぎで、笑ってくれたヒナイチの言葉を思い出す。
そうだね。感謝しなくてはいけないよね…
「お父様は、本当に嬉しいよ。ドラルクに、お母様の着物を着せたい相手が出来たって事だからね。」
「お、お父様!あの子は、まだ…」
子供です…という言葉は飲み込んだ。子供から大人になるのを祝いたかったはずだ。最近、特に綺麗になってきたと感じるだけに、よけい。
「フフフ、あの子…か。安心したよ、アンテナ族に悪い奴はいないからね。おっと、お父様からは聞かない事にしようか。でも、予想が当たってるとしたら…いや、当たってなくてもパパは応援してるからね。それだけは、忘れないでおくれ。」
昔から変わらない。甘やかしといえばそうだが、息子の意見を無条件に肯定してくれる優しい笑顔。
強大な竜の血族の嫡孫でありながら、どうにもならない虚弱体質の上、何の能力にも目覚めなかった幼かった自分のコンプレックスを打ち砕いてくれたのは、この人なのだ。
「お父様…その…私、昔から…」
「ん?何だい?」
都合のいい時だけ甘えて、ごめんなさい。
喉まで出かかった本音は、口からは出なかった。父は、微塵もそんな風に思っていないに違いない。
「…何でもありません。そろそろ再開しませんか?」
「振袖、決めたかい?」
「はい、帯や小物もあわせないと。手伝って頂いてもよろしいですか?」
「いいの?パパ、嬉しい!」
愛息子に頼られて輝く笑顔に、思わず苦笑する。でも、たまにはこういうのも悪くはない、とドラルクは思った。半端でない惚気話を聞かされ続けた訳だが、この時ばかりはそれも嫌ではなかった。
「すげえな!これがクッキーモンスターのヒナイチか?」
「ヌヌイヌヌン、ヌヌイヌヌ。」
あれから数日後、肝心の成人の日は人間も吸血鬼も羽目を外して、想像通りポンチ共の大騒ぎがあり、ロナルドくん達も激務だった。やっぱり、成人式に出るのはやめておいて正解だったらしい。
そして、やっと明日はヒナイチくんの非番の日となった夜だ。母の振袖は、うちのお嬢さんのお気に召すだろうか。
「は、恥ずかしいな。私、変じゃないか?」
「変な訳ないでしょ?さっ、目隠し取ってみて?」
着付けの間に付けさせていた目隠しを、ヒナイチくんが外した。さぁ、どうかね?
「え…。ほ、本当にいいのか。こんな綺麗なのを一式借りて。」
当のヒナイチくんは、驚きの余り硬直していた。いつも綺麗な翡翠の瞳が、鏡に釘付けになる。
選びに選んだ振袖は、足元から左肩にかけて濃い紫から赤紫へ…そして、最後は朝陽の様な朱色のグラデーションの布地を艶やかな桜が彩っているものだ。その中を朝陽に向かって色とりどりの群蝶が、飛び立つような模様である。
金色の帯は、鱗紋だ。竜の血族に嫁入る決意をした母が、鱗紋の帯を好んで用いていた事から、他の紋様が見つからなかったので少し地味だがこうなった。
丁寧に編み込みながらアップした髪は、椿が描かれた鼈甲蒔絵の簪に彩られている。どちらかといえば、シックに纏められた姿は、彼女を大人びて見せていた。
「いいの、いいの!なんならあげてもいいってさ。もう、お母様は着る事がないんだから。」
「そ、それは、あまりにも…。今度、お父上達にお礼をしなければならないな。」
生真面目だねえ、と私はため息をつく。それにしても、我ながらよく出来た。あまりに集中していたので、あの綺麗なうなじを撮影し忘れたのだ…今なら…ちょっとぐらい。
「ちん?どうしたんだ?」
あぁ、惜しい。思い出して撮影しようと思ったのに、振り返られてしまった。
「ンフフ。なんでもないよ。気に入って貰えて何より。腕を振るった甲斐があったというものだとも。」
まあ、後で撮影会はするのだから。それより…
「ロナルドくん、首尾はどうかね?」
私は、背後でキョトンとしている彼を見やる。戻ってきたという事は、準備はできたのだろう。
「おうよ。マスターも準備出来てるってさ。成人の日は大変だったから、今回は皆も休み取ったんで揃ってるぜ。」
「何の話だ?」
アンテナを?にしながら、ヒナイチくんが、私達を覗き込む。
「ウフフ、新横浜ハイボール貸し切っちゃった!主役は君だよ。レディ、お手を。参りましょう。」
芝居がかった仕草で、彼女を促す。ますます、慌てる姿が可愛らしい。やはり、サプライズとはこうあるべきだ。
「か、貸し切りって!?そんな、いいのか?お金だってかかるだろ?」
「安心しな、ヒナイチ。俺たちの割り勘の他に、結構アニ…お前の所の隊長さんも出してくれたんだよ。一生に一度の思い出だからってさ。」
「隊長が…。」
そうだよ。君は固いところがあるけど、本当に街を思ってる事を皆知っているからね。めいいっぱい、楽しんでくれ給えよ。
「う、うん。ありがとう。なんて言ったらいいのか。」
ジワリと滲んできた涙を拭いてあげる。おやおや、折角の化粧が落ちてしまうよ?
「はい、チーンして~?」
続いて鼻にティッシュを宛がって言うと、そのまま鼻をかんでくれた。
「ちん?お、お前!からかうな!」
「フフ、ごめんて。」
顔を真っ赤にして怒る君を見て、少し安心した。自分で選んでなんだが、この振袖を着た君を見て…着物の柄と同様に、美しく羽化した君が私の手の届かない世界に飛び立ってしまう気がしたのだ。
虚弱な私は太陽の下に出られない、そうなったら追いかける事もできない、それが一番恐ろしい。
「どうしたんだ?ドラルク?」
いきなり、ヒナイチくんの顔が近い所にあって驚いた。そういえば、母の草履も履いていたのだ。もれなくそれも底上げされているので、いつもより身長差がなくなっていた。
「わっ、ビックリした。近いよ。」
「お前がボーッとしているからだぞ?しかし、これ結構高いんだな。なんだか…不思議な感覚だ。」
「そうかね?」
「うん…お前の顔が近くに見れる…というのか。悪くないな。」
少し照れた様な君の顔。母もそんな感じでその草履を愛用していたのだろうか。
『ドラウスの顔を少しでも近くで見たくてな…。』
母がそう言ってたっけ。いつか、この子も同じ事を言ってくれるだろうか。そうなると、私も誰かにこの子の事を惚気たりするのだろうか。
「おーい、お前達!先に行ってるぞー!」
「ヌヌヌンヌー!」
「ちん!?待ってくれ。ロナルド、ジョン。」
後を追いかけようとしたヒナイチくんが、転けそうになる。咄嗟に手で支えて…なんとか反作用で死ぬのは耐えた。
「す、すまんな。ドラルク。こういうのは、慣れてなくてだな。」
いつもより近い君の顔。そうだね、成人したらヒール靴を履いたり、お酒を飲む機会も増えるだろう。教えていくのも私の紳士力と指導力が試され…あ、このアングル、マジでヤバ…。
「お、おい?何で死んだんだ?」
うん、近くなった君のうなじに驚いただけだとも…。さて、おふざけはこのぐらいにしておいて…。
「何でもないよ。慣れない足元に気をつけて。改めて、お手を。レディ?」
今宵のエスコートは任せてくれるかね…君が嫌でなければその先も…。
「う、うむ。エスコートは…よ、よろしく頼む…ぞ。」
承りましたよ、私の未来のお嫁さん。