ひなちゃん
@pandanokurage
「河田陽菜はパンダと暮らしたい!」
ある日のお昼過ぎ
陽:ただいま〜!
朝早くから張りきってどこかに出かけていた陽菜が帰宅した
〇:おかえりー
陽:動かすよ〜
〇:ん?
玄関からは訳のわからない返答が
〇:誰かいるの?
陽:〇〇も手伝って〜!
それ以前に噛み合わない会話
呼ばれたのでひとまず玄関へ
するとそこには見慣れない大きめの箱のようなものが
〇:これなに?
陽:パンダ!
〇:パンダ?
陽:おいで〜!
箱の中に手を入れて
何かを持ち上げた
出てきたのは
〇:、、パンダだ
本物の生きているパンダ
赤ちゃんだからか陽菜でも持ち上げられるサイズ
抱き抱えられたままモゾモゾと動いている
陽:今日から飼うことにしたの!
〇:えっ、大丈夫なの?
陽:大丈夫だよ!ね〜?
そんな事を聞かれても
パンダさんは何も知らない
箱のようなものはケージらしく
外出時に使うらしい
まあ一緒に外出はしないと思うが
〇:ちょっと、色々聞きたいからリビング行こう
陽:行こ〜!
陽菜は事の重大さを認識していない
〇:まずなんでこの子を連れてきたの?
ソファに座る僕たちの間で行儀よく座っている
陽:パンダを飼いたかったから!
〇:1回相談してよ、、
陽:パンダ飼ったらダメだった?
そんな切ない顔されると
これ以上聞きたいことも聞きずらくなる
〇:、、いいけど、びっくりしただけ
陽:やったぁ♪
〇:ちなみに名前は決まってるの?
陽:ボンちゃん!
〇:へぇー
独特すぎず、ありきたりすぎず
なんともコメントしずらい
陽:ボンちゃ〜ん!
陽菜が手を差し出すと
ちょこんとその上に手を乗せる
陽:かわいい〜♪
〇:、、ほんと可愛い
ボンちゃんと戯れている陽菜が可愛い
もちろんボンちゃんも可愛いですよ
陽:そうだ!ご飯あげよ〜!
〇:お米食べるの?
陽:ボンちゃんは笹だよ!
ケージの大きさに気を取られて気づかなかったが
笹も一緒に持って帰ってきていた
陽:はいどうぞ〜!!
ボンちゃんに笹の葉を渡し
陽:はいっ!
流れで僕にも
〇:いらないよ
陽:だめ!みんなで食べるの!
〇:じゃあ陽菜も食べるの?
陽:当たり前でしょ〜!
僕とボンちゃんよりも大きな笹の葉を
豪快に齧る
陽:んー、、普通!
陽菜で普通
ということは僕だと
〇:、、、おいしくない
陽:残りは全部ボンちゃんにあげようね!!
普通に生きていれば通らない道
笹の葉を食べるということ
貴重な経験にはなったかな
しかもパンダと一緒に食べたとなると
中々レアなのではないだろうか
もぐもぐと口を動かすボンちゃん
その頭を撫でると少しこちらを向いてつぶらな瞳でロックオン
〇:かわいいなぁ
陽:可愛いよね!!
〇:、、かわいい
そんなボンちゃんでも陽菜には敵わないのかな
ボンちゃんの食事を見守る会は
2つのかわいいで溢れかえっていた
この日の夜
だいぶこの家に慣れてきたのか
少しずつ部屋を歩き回るようになったボンちゃん
怪我などがないよう、ボンちゃんを見張りながら
平和な時間を過ごす
陽:この家、気に入ってくれたかなぁ?
〇:きっと大丈夫だよ
陽:寝る時も安心するように笹の葉いっぱいにしとく!
ケージは既に森林と化している
〇:入れすぎてもボンちゃん動けなくなっちゃうよ
陽:そっか、じゃあ少し減らす!
なんやかんやでボンちゃんの寝床が完成
僕たちが寝ている間は
ケージの中で過ごしてもらう
陽:ボンちゃん!おやすみ!
コロンとケージの中で転がったボンちゃん
〇:さ、僕たちも寝よ?
陽:寝よ〜
一日お世話で疲れたであろう陽菜
布団に入ればいつものようにくっついてくる
〇:陽菜あったかい
陽:ぽかぽかだよ〜♪
〇:すぐ寝ちゃいそう
陽:陽菜も寝るも〜ん
その言葉を最後に、胸元から寝息が聞こえる
自然体の彼女を写し出したその寝顔
〇:かわいいな
日常のどの場面を切り取っても
やっぱりボンちゃんよりも可愛い陽菜だった
ーーー
美:すごい!パンダと暮らしてる!
陽:いつかこんな生活してみたいなぁ〜♪
レッスン終わり、控え室で妄ツイを楽しむ2人
美:陽菜はパンダよりも可愛いんだって!
陽:パンダの方がかわいいよ!
美:私は陽菜の方が可愛いと思うな!
陽:んふふっ♪
イチャイチャする2人の元に
菜:なあなあ
陽:どうしたの〜?
菜:今度〇〇と会う予定ある?
美:まだないけどなんで?
菜:次会う時にこれ渡そうや!
菜緒の手に握られた紙切れ
それはおひさまの誰もが欲しがり
また、特別なことがない限り誰もが手に入れられない伝説の品とでも言おう
「ご招待」と丁寧に書かれたチケット
その価値は計り知れないもの
そんなことは微塵も考えていない〇〇
〇:、、違うなぁ
今日もまた、頭の中で自分の世界を作り出していた
to be continued