@pandanokurage
僕がこの仕事で1番気が楽なのが
メンバーの撮影の付き添いに行くこと
チーフがいないこの時だけは
純粋にメンバーと向き合える
〇:15時戻りか、、
車の中で今日のスケジュールを確認中
美:おはよー!!
〇:わっ!
菜:朝から声でかすぎ、、
〇:おはようございます
後部座席に
テンションの合わない2人が乗り込んだ
美:〇〇朝ごはん食べた?
〇:食べましたよ
美:菜緒は〜?
菜:食べてない
美:じゃあこれあげる!
菜:なにこれ?
美:昨日暇だったから作ったマフィン!
菜:〇〇、口開けて?
〇:なんで毒味させようとするんですか
菜:ええから
できるだけ小さく口を開けるが
思いっきりマフィンをねじ込まれた
〇:、、、
美:おいしい?
〇:、、、ん
菜:やったらうちも食べる
美:はいっ!
後ろで朝食を取り始めた
その隙に目的地に向けて車を出発
〇:今日は15時に事務所で解散になります
菜:はーい!
〇:、、元気になりましたね
菜:朝ごはん食べたから!
美:私のおかげだね〜!
菜:、、、
〇:、、、
美:無視しなくてもいいじゃん!!
菜:はいはい、そんなに怒らんの
美:菜緒が悪いんだからね!?
騒がしくなってきた車内
2人のやり取りを聞いているだけで
自然と頬が緩む
〇:ほんと仲良いですよね
美:当たり前でしょ!
〇:同い年だからですかね
菜:それはあるなぁ
美:てか、〇〇も同い年なんだからタメ口!
〇:僕はマネージャーなので
菜:美玖はほんま、そこ気にするよなぁ
美:だって壁感じるんだもん!
菜:仕事なんやからしゃあないやろ
美:じゃあ仕事終わったらタメ口で!
〇:、、考えときますね
このタメ口問題はこの先も長く続きそうだ
〇:到着です
菜:行くか〜
美:おー!
元気な2人の後に続き
荷物を持って撮影現場へ
菜:これ充電しといて〜
〇:了解です
菜:うちのバッグにバッテリー入っとるから
〇:それは自分で取ってください
菜:嫌や、任せた
〇:ちょっと、、
美:〇〇〜!!
〇:はい?
美:ブログ用の写真撮って!
〇:、、今じゃなきゃダメですか?
美:はーやーくー!
撮影の付き添い
撮影が始まるまでは忙しい
しかし、始まってしまえば
2人を見守るだけ
普段とは違う表情が見れて面白い
改めてメンバーの凄さを感じる
滞りなく撮影は進み
〇:お疲れ様でした
菜:おつかれさん!
美:お腹空いた〜!!
菜:お昼食べてたやん
美:でもお腹空いたの〜!
菜:太るで
美:、、、〇〇!帰りにどっか寄って帰りたい!
〇:コンビニでよければ
美:決まり!
事務所到着に少し遅れそうだが
今日の仕事を頑張った彼女の要望を
断ることはできなかった
〇:待ってるんで行ってきてください
美:菜緒!一緒に行こ!
菜:え〜
美:好きなおやつ1個だけ買ってあげる!
菜:ええよ
意外とチョロい一面が見れた
美玖に手を引かれコンビニへ
そのまま待つこと5分
〇:、、、
2人が帰ってくる気配がない
遅いと思いながら待ち続けてさらに5分
〇:なんかあったのかな
ほんの少しの不安がよぎったが
店内には笑顔で商品を選ぶふたりの姿
数少ないプライベートの時間を楽しんでいた
そう思うと呼びに行くのは可哀想な気がして
美:お待たせ〜!
菜:美玖がはしゃぐから、、
〇:大丈夫ですよ、とりあえず事務所向かいますね
美:うん!
嬉しそうにお菓子を食べる2人
バックミラー越しに見えたのは
アイドルではなく
普通の仲のいい女の子
美:それ1口ちょうだい!
菜:ええよ、交換な?
美:はい!
行きも帰りも和みまくる車内だった
〇:今日はここで解散になります
菜:今空いてる会議室ある?
〇:多分あると思いますよ
菜:そこ少し使ってもええ?
〇:わかりました、帰る時だけ連絡ください
菜:ありがと!
美:お菓子パーティー♪
どうやら仕事終わりのパーティーが開催されるらしい
会議室までの道中
チーフ:おい〇〇
〇:お疲れ様です
チーフ:今日何時戻りだ?
〇:、、15時です
チーフ:今は?
〇:16時です
チーフ:どこで道草食ってたんだよ
〇:すみません
美:違うんです!私が、、
〇:菜緒さん、美玖さん連れて会議室行ってください
菜:、、、
〇:大丈夫ですから
菜:、、わかった
美:えっ!
チーフ:少し話があるから来い
菜緒さんたちが進む方向と逆の方向
別の会議室へ場所を移した
美:絶対私のせいだ、、
菜:そんな落ち込まんでええって
美:でも〜
菜:〇〇が大丈夫って言ってたやろ?
美:、、うん
菜:ほら、いっぱい食べ
美:んん!
コンビニで買ったポップコーン
一掴みを無理やり美玖の口へ突っ込んだ
菜:ははっ!リス見たい
美:ん〜!!
菜:それ食べとる間に飲み物買ってくる〜
モグモグしている美玖を他所に
会議室を後にする
向かったのは自動販売機
とは反対側にある、〇〇が連れていかれた会議室
良くないと思っていても
ドアの前で聞き耳を立ててしまう
ーーー
チーフ:なんでこんなに遅れたんだ?
〇:自分の仕事が遅いからです
チーフ:遅い自覚はあるんだな
〇:はい
チーフ:なんで遅いかわかるか?
〇:、、効率的に動けないからです
チーフ:違う
〇:違う?
チーフ:お前はメンバーと無駄なやり取りをしすぎるからだ
〇:、、、
チーフ:やれと言われたこと以外話す必要ないだろ
チーフの言っていること
自分の考え
どちらが正しいかはわからない
ただ意見が180度違うことは明らかだった
〇:1つ、聞いてもいいですか
チーフ:なんだ?
〇:チーフにとって、アイドルのマネージャーってなんですか?
チーフ:そりゃあ
「商売道具を上手く動かす仕事だろ」
チーフ:アイドルなんて所詮は金を稼ぐための商売道具だ
〇:、、、
チーフ:売上の数字だけが俺たちの成果、それ以外に何がある?
〇:、、わかりました
身体が熱い
内側から込み上げる感情が
勝手に血液の流れを促進してるみたい
チーフの言葉で
僕の頭はどうにかなりそうだった
チーフ:そろそろ今後の人事でクビも有り得るからな
〇:、、、はい
チーフ:もう少し考えて行動しろ
〇:、、、
そう言い残しチーフは会議室を去った
〇:商売道具、、、か
別に心が折れたり
この仕事を辞めたいと思った訳じゃない
ただわからなくなっただけなんだ
アイドルのマネージャーってなんだろう
to be continued