@pandanokurage
菜緒と付き合ってから約二週間
菜緒に言われた通り、コンビニデートや中庭デートをしたり
この病室で映画デートだってした
僕らなりに楽しく思い出を作っていたのだが
ある朝、目を覚ますと
〇:、、、
いつもなら菜緒が仕切りのカーテンを開けてくるはずなのだが
今日に限って何もしてこない
シャーッ
やっと菜緒が声をかけに来たかと思いきや
看:おはようございます
菜緒ではなく看護師さんだった
ふと隣のベッドを見るとまだカーテンが閉まっている
〇:菜緒?
菜:なんやー
〇:なんでカーテン閉めてるの?
菜:、、そういう気分なんよ
むりやりカーテンを開けることもできる
ただ、なぜか開けてはいけない気がした
そのまま菜緒と顔を合わせずに朝食を済ませる
テレビを見ているだけの生活がどれほどつまらないか身に染みる
そんな所へ
菜母:〇〇くん、こんにちは
〇:あっ、どうも
菜緒のお母さんがお見舞いに来た
ちなみに菜緒と付き合ったことは報告済みだ
菜母:菜緒ー?
シャーッ
菜:ママ!
やっとカーテンを開けた彼女
菜母:〇〇くんと一緒にいないなんて、珍しいわね
菜:、、、ちょっと眠かったんよ笑
気のせいだろうか
菜緒の顔色が少し悪いように見えるのは
なるべく二人の時間を邪魔しないように
音の出ていないテレビに目を向ける
楽しそうに話している声だけが僕の耳に
一時間ほどたっただろうか
僕はトイレに行くために病室を出た
用を足し、病室に戻ると
菜:グスッ、、うぅ
菜緒が一人で泣いていたのだ
〇:菜緒!?
すぐに駆け寄る
菜:〇〇、、、
〇:どうした!?
菜:、、、怖いよ
〇:怖い?
菜:今日な、朝から具合悪かったんよ
僕の中で全てが繋がった
菜緒は体調が悪いのを悟られないために
朝からカーテンを閉めていたのだ
お母さんの前では元気な自分を演じていたのだろう
菜:うち、もう死ぬんかなぁ、、、
再び涙ぐむ菜緒を優しく抱きしめる
〇:そんなこと言ったらだめだよ
菜:でも、、
〇:でもじゃない、菜緒が死ぬなんて考えたくないんだ
菜:、、、
〇:もっと楽しい思い出いっぱいつくろ?
菜:、、そうやな
菜緒への想いが溢れると同時に
何もしてやれない自分が嫌になる
そんな僕が今できることは
〇:今日は何したい?
少しでも菜緒を元気づけること
菜:ん〜、、お昼寝!
〇:えー、寝るの?
菜:体がだるいんやもん
〇:じゃあ、しょうがないか
菜緒から離れ、自分のベッドに戻ろうとすると
菜:待って!
〇:ん?
菜:一緒に寝よっ///
〇:、、、しょうがないなぁ
弱々しく上目遣いで頼まれると断れない
〇:おじゃましまーす
菜緒の隣に横になる
見た目は僕の枕と全く同じなのに
菜緒の甘い匂いがするだけで
こんなに寝心地のいい枕に感じるとは
菜:もっとくっついてや//
〇:菜緒がこっちに来てよ
菜:、、しゃあないなぁ///
ゆっくり近づいてきた菜緒は
ギュッと僕の腕に抱きつき
菜:、、、おやすみ
そう呟いて目を閉じる
そんな彼女の寝顔は少し微笑んでいるように見えた
to be continued