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握手会に行ってみたら、推しに一目惚れされました1

全体公開 2 7 1
2023-03-03 11:54:21

ひなちゃん

〇:す、すげぇ

日向坂46、握手会

まだ春は訪れていない寒空の中

こんなにもたくさんの人が会場に足を運んでいる

紛れもないこの事実が

彼女たちの人気を証明していた

そんな中、握手会初参戦

人の多さに圧巻されているのは

僕だけではないはずだ

〇:はやく並ばなきゃ!

負けじと人混みの中に足を踏み入れ

推しのレーンに並ぶ

考えることはただ1つ

陽菜ちゃんに何を伝えるか

伝えたいことなんて山ほどある

その中から選び、且つ短い時間で伝える必要がある

言葉選びが大切になってくるのだ


「いつも応援してます!」

握手会初心者にありそう

ストレートで伝わりやすいが

ありきたりすぎてイマイチな気がする


「釣ってください!」

これも結構言う人が多い印象がある

たしかに目の前で推しが釣ってくれるのは嬉しいし

握手会の楽しみ方としてもいいと思う

ただこれは僕の考えすぎかもしれないが

陽菜ちゃんはそういうのが得意じゃないと思うのだ

やってくれるにしろ、できれば無理はしてほしくない


「〇〇って言います!覚えてください!」

これは握手会場上級者が言いそう

僕はきっと言えない

コミュ障すぎてそんなこと口に出せない


一歩一歩、確実に進んでいくにつれて

指先の感覚がなくなっていく

この手の冷たさは冬のせい

そう思うことで少しでも緊張感をなくそうとした

気を紛らわそうとしても

やっぱり楽しみにしてた分

緊張も収まらない

〇:や、やばい

いよいよ先頭の人が見えてきた

未だに何を言おうか決められない

握手を終えて幸せそうな表情で出てくるファンの人

この人たちは何を言ったんだろう

やっぱりシンプルに伝えるべきか

陽菜ちゃんの気持ちになって考える?

いや、それは流石にやりすぎか

「お時間でーす」

結局考えはまとまらず

次は僕の番

ここまで来るともはや何も考えられない

あと数秒後には陽菜ちゃんと、、、

「お時間でーす」

震える膝を叩き

ドキドキしながら仕切りの先へ

陽:あっ!

〇:えっ!?

挨拶しようとしたら

陽菜ちゃんの方から先に声を発した

しかもどんな意味を込められたのかわからない言葉

〇:は、はじめ、、

陽:君!初めましてだね!

〇:なんでわかるんですか!?

陽:それくらいわかるよ〜!

陽菜ちゃんにとっては初めての人なんて珍しくないかもしれない

でもこんな反応をしてもらえたら

僕にとっては強く印象に残る

それ同時に僕の中から緊張という2文字が消えた

構えている陽菜ちゃんの手に自然と手を合わせる

小さいながらも、温かみがあって包み込まれるような感覚

〇:、、好きです!

陽:陽菜も!君のこと好き!

〇:はっ、、、

心からそう思っていなくても

言葉として返してもらえるだけで昇天しそうだ

「お時間でーす」

陽:じゃあまた後でね〜!

〇:はいっ!

最後は手を振ってお別れ

きっと僕も、さっき見ていた人たちのような顔になっているだろう

しばらく幸福の余韻に浸ったあと

時間を見れば終了時間まであと少し

〇:やば!グッズも見たかったんだ!

ふと我に返り急いでグッズコーナーへ

目に止まるのは直接話した陽菜ちゃんのものばかり

今日だけはと思い、自分の欲しいと思ったものを買いまくった

〇:よかったぁ

陽菜ちゃんと話せて

グッズをたくさん買えて

今日の目的を全て果たすことができた

大きい袋を両手に持ち

人の流れに沿って会場の出口へ

せっかくの記念に

会場に来たことを写真に残そうと

出入口付近で滅多にしない自撮りを

こんな人混みの中での自撮りは抵抗があったが

羞恥心が思い出に勝ることはなかった

〇:よし!

もう思い残すことはない

お世話になった会場を後にしようとしたその時

チョンチョン

二の腕に外部からの接触を感じ

反射的に振り向く

〇:はい?

立っていたのは帽子を深く被った警備員さん

着いて来いと言わんばかりに人の少ない方向へと歩き出した

〇:なんだ?

不思議に思いながらも一応着いていく

僕がなんかしたのか?

その思考が頭の大半を占めていたが

人気のない所へ到着すると同時に

警備員さんのおかしな所に気づいた

〇:(なんかこの人、、小さい)

身長175cmと高くも低くもない僕に対して

彼女は頭一つくらい小さかった

〇:あの、僕何かしました?

無言で立ち止まった警備員さん

こちらに振り向き、深々と被った帽子を取ると

陽:やっほ〜!

〇:陽菜ちゃん!?

陽:しーっ!

大声を出した僕に

人差し指を突き立てて静かにするよう促した

〇:、、、なんで?

陽:言ったじゃん!また後でって!

〇:、、、

フラッシュバックしたのは握手会の最後の方

"じゃあまた後でね〜!"

あの時の僕は何も考えずに

元気に返事をしていたが

よく良く考えればおかしい

〇:もしかして来てくれたファンの方を一人一人、、

陽:違うよ!君にしか言ってないから!

〇:えっ、、えっ?

もう頭が回らない

混乱すると人間はまともな言葉さえ発せなくなる

〇:えっと、、なんで僕に?

混乱が落ち着き始め、やっとまともな質問を

しかし陽菜の答えに

陽:君が好きだから!

〇:、、、えっ?

再び混乱状態に陥る〇〇

そんな〇〇の目の前には

曇りのない笑顔ではっきりとそう言いきった推しがいた

to be continued


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