@pandanokurage
この家に来て数ヶ月
だんだんと生活に慣れてきたある日
史:もしもし〜
電話に出ている史帆姉
史:ごめんね、今日は予定あるんだ〜
何かの誘いを断っている
史:うん、またね〜
〇:誰からだったの?
史:京子だよ〜
〇:そっか
何事もなかったかのような表情
史:〇〇、膝〜
〇:あ、うん
膝、というのは膝枕の合図
史帆姉は僕の膝枕がお気に入りらしい
休日はほとんどこの体勢でいる
〇:今日の予定は?
史:なにもないよ〜
〇:え?さっき予定あるって言ってなかった?
史:、、あれは断るためだから
〇:なんで断ったの?
史:、、、
ずっと史帆姉と暮らしてきたからわかる
史帆姉は嫌なことがあればしっかり断る
ただ、誤魔化して断るようなことはしない
ましてや、京子さん相手にだ
〇:僕のせいだよね
史:えっ!違うよ!
〇:僕が家にいるからでしょ?
史:、、〇〇は悪くないから!
史帆姉なりの優しさ
お仕事の間は一人でいる僕に
休日は一緒にいてあげようとしているのだろう
それはもちろん嬉しいが
自分が史帆姉の行動を制限してると思うと
申し訳ない気持ちになる
〇:僕のことは気にしないで、京子さんと出かけてきなよ
史:、、、わかった
一度席を外し、折り返しの電話をしに行った
寂しいことは寂しい
でも、史帆姉はちゃんと帰ってくる
僕が少しだけ我慢すればいいだけ
史:お昼すぎに駅で待ち合わせだって
〇:そっか、じゃあお昼ご飯早めに作るね
史:うん、ありがと〜
史帆姉の準備が間に合うように
素早く作れるチャーハンにした
史:ん!おいしい!
〇:ありがとう
心から思ってくれているであろうその言葉
しっかり伝えてくれるのはとても嬉しい
自然と頬が緩む
史:そんなにゆっくり食べてていいの〜?
〇:なんかあったっけ?
史:〇〇も一緒にお出かけするんだよ!
〇:え!?
史:言ってなかったっけ?
〇:そんなの聞いてないよ!
史帆姉だけが行くと思っていた
史:京子もいれば3人だし、カップルとは思われないでしょ?
〇:そういう問題なのかな、、
この後も一人じゃない
史帆姉と一緒にいられる
心の中でそう理解した時
チャーハンを口へ運ぶスピードは自然と早くなっていた
史:〇〇の服はとしちゃんが選ぶ!
〇:お願いします
しっかりと寒さ対策ができた上着
それに合う、ブルーのジーンズ
やっぱり史帆姉のファッションセンスは抜群だ
史:忘れ物ない?
〇:スマホしか持ってないよ
史:お財布とスマホと鍵とハンカチと、、
約5分間にわたる持ち物チェック
しかも史帆姉のセルフで
ただただ隣で眺めているだけだった
史:よし!行こ〜!
〇:久しぶりに外出るなぁ
最後に出かけたのは京子さん達に見つかった時
ほんとにここに来たばかりの時だ
その頃とは違い
空気はひんやりとして
ポケットに手を入れたくなるほどだ
史:あ、京子もう着いたって〜
〇:あと何分くらいで着くの?
史:20分くらいかな〜
〇:え!急ごうよ!
史:ゆっくり行こうよ〜
1ミリも焦らない史帆姉を急かし
早歩きで駅に向かう
京:あ!遅いぞ!
史:ごめんごめん
〇:おまたせしました
京:その服いいね!
〇:史帆姉が選んでくれたんです
すぐに褒められた
モデルさんって凄いんだな
京:じゃあ今日は私が選んであげる!
〇:僕の服をですか?
京:それしかないじゃん
〇:いやいや大丈夫ですよ
京:なに、嫌なの?
〇:僕のために時間使わなくていいですから
京:いいから黙って着いてきな
そう言ってすぐに歩き始めた
そのやり取りをニコニコと聞いていた史帆姉
〇:史帆姉も何か言ってよ
史:いいんじゃない?京子に選んでもらいなよ〜
2人してノリノリだった
せっかくのお休みなのに
わざわざ僕のために時間を使うなんて
京:んー、こっちの方がいいかな
史:これ似合うよね!
京:それいいじゃん!
僕に服を当てては意見を共有する
しかも大体2人の意見は一致するのだ
意見の一致は購入に繋がり
京:これくらいでいいかな!
史:としちゃんが払うよ〜
京:いいのいいの!私が誘ったんだから!
結局、京子さんに買ってもらった
〇:ほんとにありがとうございます
京:今度遊ぶ時はそれ着てきてね!
ついでにまた遊ぶ約束までしてもらった
史:この後どうする〜?
〇:僕は2人に任せるよ
京:カラオケ行きたい!
史:いいね〜!
京子さんの提案で近くのカラオケに
3人がちょうどいいくらいの部屋に案内され
なぜか僕が2人の間に座った
京:歌う前に一つだけお願い聞いてくれない?
〇:なんですか?
京:京子お姉ちゃんって呼んでみて!
〇:別にいいで、、
史:だめっ!
了承の意を伝えようとすると
左からストップがかかった
京:いいじゃん!1回だけ!
史:え〜
〇:服買ってもらったしさ、そのお礼ってことで
史:、、1回だけだよ〜
しょうがなくだが許可が出た
〇:いきますよ
京:うん!
〇:京子お姉ちゃん
京:はぁ//弟可愛い〜♡
史:あー!ししの〇〇に抱きつくなぁ!!
暴走した京子さんに
僕を引き剥がそうとする史帆姉
この争いはしばらく続き
あまりの疲労に1曲も歌うことなくカラオケを後にした
京:〇〇!また遊ぼうね!
〇:はい、是非
史:京子とは遊んだらだめ!
京:またね〜!
史帆姉の言葉を聞かずに去っていった
史:も〜、、
〇:そんなに怒らないで?
史:ししの〇〇なのに
少し不貞腐れたように歩き始める
〇:僕は史帆姉が1番大切だから
史:ほんと!?
〇:うん、絶対だよ
史:ふふっ、、じゃあいいや〜♪
一瞬にして機嫌を直した史帆
並んで帰る2人の姿は
姉弟ではなく
まるでカップルのようだった
to be continued