@pandanokurage
いつからだろうか
史:ごみ捨て行ってくるね〜
〇:えっ、僕が行くよ
史:いいからお姉ちゃんに任せといて〜
史帆姉がお姉ちゃんということを認識する度
胸がキュッと痛むようになったのは
史:〇〇〜、膝貸して〜
〇:はい、いいよ
史:ありがと〜♪
いつからだろうか
史帆姉に甘えられて
ドキドキするようになったのは
気づいている
もう僕は
「史帆姉を女性として好きになっていた」
史:どうしたの〜?
〇:なにが?
史:真剣な顔してたよ
〇:ちょっと考え事してたの
史:困ったら相談してよ〜、としちゃんは
「〇〇のお姉ちゃんなんだから!」
出会って数ヶ月
赤の他人だった僕と史帆姉
いくら姉弟になったとは言っても
いきなり男女が共に暮らすこと
相手のことを意識する要因としては十分だろう
その辺り、史帆姉はどう思っているのか
「史帆姉は僕のこと好き?」
なんてストレートに聞く事は出来ない
史:〇〇〜
〇:ん?
史:甘いものが食べたい!
〇:甘いもの、、か
昼食のカレーが少し辛すぎたのかな
〇:例えば何食べたい?
史:どら焼き!
〇:、、、
作るにしては難易度が高い
そう思ったが
幸か不幸か、ちょうど家には粒あんがあった
たしか史帆姉がお仕事でもらったと言っていた
〇:少し時間かかるけど、作ろうか?
史:ほんと!?やった〜♪
作る前からこんなに嬉しそう
おやつの時間には完成できるように
スピード重視でどら焼き作りを開始する
史:どどどどどどどどどっど〜らえもん〜
〇:ずっとそれ歌ってるね
史:どら焼き食べたい時は歌うんだぁ〜
生地を休ませている時も
僕の耳には、どが永遠と入ってくる
史:もうできたの!?
〇:生地休ませてるの
史:早く休まないかなぁ〜
史帆姉の願いは叶わず
生地は決められた時間、しっかり休んだ
フライパンで焼き始めると
甘い香りが広がる
史:あぁ〜!いい匂い!
〇:さすが匂いフェチだね
フライパンに顔を近づけ
深く鼻で呼吸をしている
〇:危ないから離れて?
史:としちゃんの幸せがぁ、、
〇:できるまでのお楽しみ
史:はぁい
ソファに倒れ込み、クッションを抱きながら待っている
その姿に愛おしさが込み上げてきた
10分後
〇:できたよー
史:すごおぉい!!!
自分で言うのはあれだが
見た目は売られているどら焼きと遜色ない
史:食べていい!?
〇:どうぞ
史:いただきます!
思いっきり齧り付く
史:ん!んん!!
〇:どう?
史:んんん〜!!
〇:、、よかったぁ
なんと言ったかわからないが
その表情から、喜んでくれているのが伝わってくる
僕が1つ食べ終えると
残りの3つは既になくなっており
史:おいしかったぁ〜♪
史帆姉は満足気に、膝に頭を預けてきた
史:ありがとね〜!
〇:また今度作ってあげるね
史:明日ね!!
〇:はいはい
リピートメニューになりそうだ
史:さすがとしちゃんの弟だなぁ
弟
やっぱり引っかかってしまう
目の前でニコニコしている史帆姉
その笑顔のせいなのか
〇:史帆姉はさ、僕のこと好き?
何気ない雰囲気のまま
聞きたくても聞けなかった質問をした
史:好きだよ!
〇:それは、、弟だから?
史:、、、
ほんの一瞬
無音の空間ができた
それは僕が核心をついた質問をしたから
史:違う、〇〇だからかな
〇:えっ
史:ししは〇〇が好き!
予想外の答えに頭が回らなくなった
史:〇〇より優しい人なんていないからね〜
自分が抱いていた気持ちは良くないこと
その固定概念を打ち砕いた言葉
目頭が熱くなるのを感じ
数滴の雫は僕を見上げる史帆姉の頬に
史:ちょっと!泣かないでよ〜!
今度はお姉ちゃんらしく
史帆姉が僕を包み込んでくれた
言葉が出ない
ただ涙を流すことしかできなかった
史:としちゃんはアイドルでしょ?
〇:、、うん
史:だから〇〇は弟なの
〇:どういうこと?
史:アイドルを卒業したら、、弟じゃなくなるね!
姉弟の終わりは新たな関係の始まり
史帆姉との想いが1つになって
安心感のようなものが心を満たす
〇:ありがとう
史:にっしっしっ〜♪
〇:あと1つだけ言いたいことあって
史:なに〜?
〇:口の周りに餡子ついてるよ
史:うそっ!
〇:ほら
手鏡を向けてあげると
目をまん丸にして餡子を視認した
史:食べてぇ〜!
〇:、、食べて?
史:〇〇が食べて〜!!
お互いの隠されていた想いが明かされ
それを機に、大胆な行動を取り始めた史帆
史:指で取らなくてもいいじゃん、、
〇:キスはだめ
史:え〜、、
〇:まだ弟だからさ
史:、、そうだね〜♪
すぐに抱きついてくる
ハグは姉弟でも当たり前らしい
〇:これからもよろしくね
史:うん!ずっと大好きだよ〜♪
テーブルに並ぶマグカップは
これからの2人を表すように
隙間なく寄り添いあっていた
end