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朝起きたら、この世から僕の存在が消えてました6

全体公開 1 1
2023-03-03 22:02:42

かとし

いつからだろうか

史:ごみ捨て行ってくるね〜

〇:えっ、僕が行くよ

史:いいからお姉ちゃんに任せといて〜

史帆姉がお姉ちゃんということを認識する度

胸がキュッと痛むようになったのは


史:〇〇〜、膝貸して〜

〇:はい、いいよ

史:ありがと〜♪

いつからだろうか

史帆姉に甘えられて

ドキドキするようになったのは


気づいている

もう僕は

「史帆姉を女性として好きになっていた」


史:どうしたの〜?

〇:なにが?

史:真剣な顔してたよ

〇:ちょっと考え事してたの

史:困ったら相談してよ〜、としちゃんは

「〇〇のお姉ちゃんなんだから!」

出会って数ヶ月

赤の他人だった僕と史帆姉

いくら姉弟になったとは言っても

いきなり男女が共に暮らすこと

相手のことを意識する要因としては十分だろう

その辺り、史帆姉はどう思っているのか

「史帆姉は僕のこと好き?」

なんてストレートに聞く事は出来ない

史:〇〇〜

〇:ん?

史:甘いものが食べたい!

〇:甘いもの、、か

昼食のカレーが少し辛すぎたのかな

〇:例えば何食べたい?

史:どら焼き!

〇:、、、

作るにしては難易度が高い

そう思ったが

幸か不幸か、ちょうど家には粒あんがあった

たしか史帆姉がお仕事でもらったと言っていた

〇:少し時間かかるけど、作ろうか?

史:ほんと!?やった〜♪

作る前からこんなに嬉しそう

おやつの時間には完成できるように

スピード重視でどら焼き作りを開始する

史:どどどどどどどどどっど〜らえもん〜

〇:ずっとそれ歌ってるね

史:どら焼き食べたい時は歌うんだぁ〜

生地を休ませている時も

僕の耳には、どが永遠と入ってくる

史:もうできたの!?

〇:生地休ませてるの

史:早く休まないかなぁ〜

史帆姉の願いは叶わず

生地は決められた時間、しっかり休んだ

フライパンで焼き始めると

甘い香りが広がる

史:あぁ〜!いい匂い!

〇:さすが匂いフェチだね

フライパンに顔を近づけ

深く鼻で呼吸をしている

〇:危ないから離れて?

史:としちゃんの幸せがぁ、、

〇:できるまでのお楽しみ

史:はぁい

ソファに倒れ込み、クッションを抱きながら待っている

その姿に愛おしさが込み上げてきた

10分後

〇:できたよー

史:すごおぉい!!!

自分で言うのはあれだが

見た目は売られているどら焼きと遜色ない

史:食べていい!?

〇:どうぞ

史:いただきます!

思いっきり齧り付く

史:ん!んん!!

〇:どう?

史:んんん〜!!

〇:、、よかったぁ

なんと言ったかわからないが

その表情から、喜んでくれているのが伝わってくる

僕が1つ食べ終えると

残りの3つは既になくなっており

史:おいしかったぁ〜♪

史帆姉は満足気に、膝に頭を預けてきた

史:ありがとね〜!

〇:また今度作ってあげるね

史:明日ね!!

〇:はいはい

リピートメニューになりそうだ

史:さすがとしちゃんの弟だなぁ



やっぱり引っかかってしまう

目の前でニコニコしている史帆姉

その笑顔のせいなのか

〇:史帆姉はさ、僕のこと好き?

何気ない雰囲気のまま

聞きたくても聞けなかった質問をした

史:好きだよ!

〇:それは、、弟だから?

史:、、、

ほんの一瞬

無音の空間ができた

それは僕が核心をついた質問をしたから

史:違う、〇〇だからかな

〇:えっ

史:ししは〇〇が好き!

予想外の答えに頭が回らなくなった

史:〇〇より優しい人なんていないからね〜

自分が抱いていた気持ちは良くないこと

その固定概念を打ち砕いた言葉

目頭が熱くなるのを感じ

数滴の雫は僕を見上げる史帆姉の頬に

史:ちょっと!泣かないでよ〜!

今度はお姉ちゃんらしく

史帆姉が僕を包み込んでくれた

言葉が出ない

ただ涙を流すことしかできなかった

史:としちゃんはアイドルでしょ?

〇:、、うん

史:だから〇〇は弟なの

〇:どういうこと?

史:アイドルを卒業したら、、弟じゃなくなるね!

姉弟の終わりは新たな関係の始まり

史帆姉との想いが1つになって

安心感のようなものが心を満たす

〇:ありがとう

史:にっしっしっ〜♪

〇:あと1つだけ言いたいことあって

史:なに〜?


〇:口の周りに餡子ついてるよ

史:うそっ!

〇:ほら

手鏡を向けてあげると

目をまん丸にして餡子を視認した

史:食べてぇ〜!

〇:、、食べて?

史:〇〇が食べて〜!!

お互いの隠されていた想いが明かされ

それを機に、大胆な行動を取り始めた史帆

史:指で取らなくてもいいじゃん、、

〇:キスはだめ

史:え〜、、

〇:まだ弟だからさ

史:、、そうだね〜♪

すぐに抱きついてくる

ハグは姉弟でも当たり前らしい

〇:これからもよろしくね

史:うん!ずっと大好きだよ〜♪


テーブルに並ぶマグカップは

これからの2人を表すように

隙間なく寄り添いあっていた

end


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