@pandanokurage
クラス替え
それは学生にとって一年間を決める大事なもの
まぁ本が友達の僕にはあまり関係ない
去年、高校に入学してからずっと本を読んでいた
友達はできなかったし、幸いいじめなどもなかった
なにか特別な努力をすることも無く
一年が終わった
そして高二になり、クラスが変わった
今年も本を読んで、少しずつ受験勉強を始められればいい
そう思い新しいクラスに向かう
廊下に貼ってある座席表を見ると
一番後ろの窓側だった
僕の苗字は渡辺なのであいうえお順かと思ったが
周りの席の子の苗字を見る限り
ランダムで当たりの席を引いたようだ
大人しく席に座り、時間までいつも通り本を読む
先生が来るまで僕の読書は誰にも邪魔されなかった
まずは毎年恒例の自己紹介が始まる
運悪く、僕から横に流れていく順番になった
〇:渡辺〇〇です、趣味は読書です。よろしくお願いします
、、パチパチ
小さな拍手が起きるなか席に着く
そして僕の隣の子が自己紹介を始める
菜:小坂菜緒です、私も読書が好きです。よろしくお願いします
パチパチパチパチ
内容は同じはずなのに拍手の量が違いすぎる
それはそうだろう
小坂さんは誰が見ても美少女と言うくらいかわいい
きっとクラスの中心的存在になるんだろうなぁ
そんなことを思いながら、他の人の自己紹介を聞く
特に印象に残る人がいないまま自己紹介が終わった
この日は初日ということもあってすぐに下校になった
何も用がないので帰ろうと思い、教科書などをバッグにしまっていると
手を滑らせ、本を落としてしまった
菜:はい、これ
〇:、、どうも
菜:なんの本読んでるの?
〇:んー、、人間についての本、、、かな
別に隠すことではないのだが、僕が呼んでいる本はちょっとダークな人間関係の本だった
菜:見せてよ
〇:いいけど、、、
彼女が表紙をめくり、タイトルを確認した途端
菜:これ読んだことある!
〇:ほんとに!?
まさか同じ本を知っている人がいるとは
菜:もう最後まで読んだ?
〇:うん、何回も読んでる
この質問は恐らく、ネタバレなどを考慮してくれたのだろう
ここからの小坂さんは人が変わったようにこの本について語り始めた
菜:、、、あ!もうこんな時間!
小坂さんの話は面白く、聞いている僕でさえ時間を忘れていた
〇:結構話してたんだね
菜:ね!初めて同じ本を読んでる人に会ったからつい、、
〇:また今度聞かせてよ
菜:ええの!?
〇:えっ、ええよ?
いきなり出た関西弁に戸惑いながら返答した
菜:ごめん!うち仲良い人とは関西弁になるんよね
〇:全然関西弁でいいよ、その方が話しやすいでしょ
菜:ありがとう!
彼女の笑みは今まで見てきた笑顔の中で一番輝いて見えた
菜:明日、うちの一番おすすめの本持ってくる!
〇:それなら僕も持ってくるよ
菜:楽しみにしとるで!じゃあ、また明日!
〇:うん、またね
玄関で別れ、家に帰る
帰ってすぐに忘れないように本をバッグにしまうと
謎の疲れを感じてベッドに横になる
〇:久しぶりに人と話したからかな
そのまま意識を手放した
翌日
いつも通り学校に行き、読書をしていると
菜:おはよ
〇:おはよう
高校に入学して、初めて先生以外の人と挨拶をした
菜:本持ってきたで!
〇:あー僕も
菜:せーので見せよ!
〇:、、いいよ
子供みたいに楽しそうにしている彼女
菜:せーの、
二人が持ってきた本は違う本なのだが
菜〇:これ読んだことある!
なんと二人ともお互いの本読んだことがあったのだ
菜:それめっちゃ好きなんよ!
〇:これは僕が本を好きになるきっかけになった、大切な本なんだ
菜:うちはこれで本が好きになったんよ!
〇:思い出の一冊だね
菜:そうやなぁ
朝からそんな会話をしていた僕たちを
女1:あいつ陰キャのくせにウザくない?
女2:たしかに、今年はアイツだね
良くない眼差しで見ている人がいた
to be continued