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本と君 中編

全体公開 2
2023-03-03 22:08:28

こさかな

新学期二日目にして席替えをした

初めて席替えが嫌だと思った

せっかく、話す人が隣にいたのに小坂さんとは席が離れた

それ以降、小坂さんは女子二人と仲良くなっていた

女1:菜緒、おはよ!

女2:おはよー!

菜:あっ、おはよ、、

前言撤回

仲良くなっているというよりは、行動を共にしているが正しいか

あの二人と小坂さんが楽しそうに話しているのは見たことがない

でもあまり気にせずにいつも通り本を読んでいると

ポトッ

小坂さんが僕の横を通った時にハンカチを落とした

〇:小坂さん、これ落としたよ

ハンカチを拾い手渡すと

菜:スッ

無言で受け取りそのまま行ってしまった

いわゆる無視だ

何か彼女を怒らせたかと思ったが

なにかした覚えはない

何故か分からず、少し考えていると

後ろの方で

女1:無視されてやんの笑

女2:それな笑

そんな声が聞こえた

たいして頭の良くない僕でもわかる

あの二人の仕業だろう

確信はないが、小坂さんはきっと言われてやっているはず

そう考えることでショックを受けずに済んだ

この推理が確信に変わったのが次の日だった

放課後、少し残って勉強をしていると

女1:早くやってよ!

菜:、、、でも

女2:私たち友達でしょ?

菜:、、、

廊下の方からこんな会話が聞こえた直後

ペットボトルを持った小坂さんが隣に来る

とても辛そうな表情でこちらを見つめているので

〇:気にしないから、早くかけなよ((ボソッ

廊下にいる二人に聞こえないようにそう呟く

少し躊躇しながら僕に水をかけた

女1:ハハハッ面白い笑

女2:さすが菜緒!笑

菜:、、、

僕は俯く小坂さんを後にすぐに家に帰ることにした

幸い、暖かい日々が続いていたため風邪をひくことはなく次の日も学校に向かう

この日は何もされることはなく、時間が過ぎていった

ただ一つ起きたことといえば

昼休みに少し席を外したら、机の中の本がなくなっていた

しかもその本は、僕が一番大切にしていた本を好きになるきっかけになった本だ

放課後になっても見つからなかったので諦めて帰ろうとしたが

玄関を出て、やはり見つからないのは嫌だと思い教室に引き返すことに

菜:さすがにそれはできないよ

女1:あいつのだから別に大丈夫だって!

菜:でも、この本はだめだよ

女2:えー?なんかノリ悪くない?

女1:たしかに、もう帰ろー

教室から二人が出てきたので咄嗟に男子トイレへ駆け込む

しばらく待機して再び教室に戻ると小坂さんの姿はなく

僕の机の中に本があった

おそらく、二人が僕の本に何かしようとしたのだろう

だが、今回は小坂さんが止めてくれたみたいだ

心の中で感謝して教室を出る

本が無事であったことで、少し心が軽くなった

明日は何もされないようにと願いながら一日を終えた


次の日

願いがかなったのかこの日は何もされずに放課後を迎えることができた

もう完全にいじめられなくなったのか確かめるわけではないが

この日も少し教室に残ってみることにした

ほとんどの生徒がいなくなり、教室には僕と小坂さんとあの二人になった

ただ今回は何かしてくる様子がない

僕がいじめの標的じゃなくなったんだと思い、帰ろうとしたその時

ジャバー

バケツをひっくり返す音が聞こえた

ただ僕は濡れていない

音のした方を振り向くと

女1:フフっいい気味笑

女2:私たちに逆らうからだよ笑

菜:、、、

そこにはずぶ濡れになっている小坂さんがいた

女1:じゃあまた明日ねー笑

そう言って教室を出た二人

必然的に教室には僕と小坂さんが残っている

〇:大丈夫?

たまたま持っていたタオルを彼女に差し出す

菜:なんで、、、

〇:ん?

菜:なんでそんなに優しくするん!!

小坂さんは目に涙をためて、いきなりそう叫んだ

菜:うちは昨日までいじめてたんやで!

〇:、、、だって小坂さんやりたくてやってた訳じゃないでしょ

菜:え?

〇:自分がいじめの標的になるのが怖かったんでしょ?

菜:、、、

〇:だから、小坂さんは何も悪くないよ

菜:、、、うぅ

ポロポロと涙をこぼす彼女にそっとタオルをかける

〇:風邪ひいちゃうから早く帰ろ?

菜:、、、うん

この日は小坂さんを家まで送ることにした

菜:ブルッ

水に濡れた小坂さんは身体を震わせる

〇:これ着ていいよ

菜:、、でも、濡れちゃうし

〇:いいから、はい

菜:、、、ありがとう//

僕のブレザーを羽織らせた

気まずい空気が流れ、無言の状態で帰る

彼女の家の前に着くと

菜:ほんとにごめんなさい

〇:大丈夫、気にしてないから

菜:またうちと、友達になってくれる?

〇:もちろん、僕の友達は本だけだったからね

菜:それはうちもや笑

クスッと笑う小坂さんは少し元気を取り戻したように見える

〇:明日、学校来れそう?

菜:、、、うん

〇:なんかあったら声かけてね

菜:うん、ありがとう!

彼女が家に入るのを見届け、僕も家に帰る

明日こそは何も起きないことを願って

to be continued


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