ひなちゃん
@pandanokurage
握手会を2週間前に控えたある日
僕は今野さんに呼び出されていた
〇:どうしたんですか?
今:実はな、
今野さんは怪訝な表情で話し始めた
今:2週間後の握手会に、こんな予告が届いたんだ
差し出されたのは、新聞の切り抜きが貼られた、いかにも予告状という感じのものだった
〇:『次の握手会、中止にしろ
さもなくば、メンバーが傷つくことになる』
今:現時点では警備を強化し、予定通り握手会を開催することになっている
〇:、、、なるほど
今:そこで、当日は〇〇くんにもメンバーのレーンで警備してほしい
今野さんが真剣な表情でそう言った
〇:わかりました
予告状のことは、メンバーの不安を煽ることになるため、メンバーには知らせなかった
今:予定では〇〇くんは河田のレーンについてもらう
〇:了解しました。
そして、握手会当日
朝から陽菜を迎えに行く
〇:おはようございます
陽:おはようございます!
今日も元気な陽菜
陽:〇〇さん、何か悩み事でもあるんですか?
〇:えっ?
陽:いつもより顔が暗いですよ?
陽菜は意外と観察眼が鋭いようだ
〇:初めての握手会で緊張してるかもしれません
陽:そうですか!握手会は楽しいですよぉ
いつもより目を輝かせて話す彼女
〇:僕も楽しみです
そう言って会場へ車を走らせる
開始1時間前
既にたくさんのファンの方が来ていた
それと同時に警備員の方々も到着した
〇:(人多すぎる)
人混みが苦手な僕は、既にテンションが下がっていた
開始10分前
メンバーと共に各レーンへ移動する
陽:〇〇さん!陽菜のレーンなんですか!?
〇:そうです、よろしくお願いします
陽:よろしくお願いします!!
彼女に手を掴まれ、ブンブンと勢いよく握手される
陽:今回の最初の握手は〇〇さんですね!
待っているファンの方々に申し訳ないが、とても嬉しかった
握手会が始まると、どのレーンも常にたくさんの人が並んでいた
特に怪しい人は見つからず、順調に握手会が進んでいた
しかし、3部が始まった時
険しい顔をしてポケットに手を突っ込んだ男を見かけた
すぐに無線で今野さんに知らせる
〇:今野さん、少し怪しい男が1番レーンの方に行きました
今:了解、1番レーンの方は少し警戒してください
今野さんが、全体に指示を出したその時、
パァン!パァン!
会場に爆竹のような音が鳴り響いた
僕はすぐに陽菜の横に移動する
陽:なんですか!?
〇:大丈夫、落ち着いてください
彼女は僕の袖をギュッと掴んでいた
少しして警備員の方々が音のした方に駆けつける
〇:(あっちは、確か)
音が鳴った方向は、怪しい男が向かった方向とは真逆だった
〇:今野さん!この音は陽動かもしれません!
今:どういうことだ!?
〇:陽菜さん、休憩室に向かってください!
陽:えっ!〇〇さんは?
僕は2人に説明する前に1番レーンに向かった
1番レーンでは、
男:フフッ、菜緒ちゃん、、、
不気味な笑みを浮かべた男が小坂さんに詰め寄っていた
菜:いやっ
その手にはナイフが握られていた
〇:やばっ
全力で小坂さんの元へ走る
男がナイフを振り上げたと同時に小坂さんの前に立つ
菜:〇〇さん!
男:邪魔だ!!
そう言って男がナイフを振り下ろした瞬間、左腕に痛みが走る
男:くそっ!
男がまたナイフを振りあげようとすると
警備員:確保!!
戻ってきた警備員が男を捕らえた
〇:小坂さん、大丈夫ですか!?
菜:はっはい!〇〇さんは腕が!!
〇:これくらい平気です
小坂さんにはそう言ったがめちゃくちゃ痛かった
とりあえず傷口を抑え、今野さんとメンバーの元に行く
今:〇〇くん!大丈夫か!?
〇:はい、それよりメンバーは?
今:みんな無事だ
〇:よかった
ひとまず安心していると、
陽:〇〇さん!腕が!
〇:全然大丈夫ですよ
陽:大丈夫じゃないです!
そう言って陽菜は走ってどこかに行き、パンダのポーチを手に戻ってきた
陽:えっとー、絆創膏はー、、、
どうやら絆創膏を持ってきてくれたようだ
陽:、、、、、靴擦れブロックしかありませんでした
〇:、、、ありがとうございます
いつでも笑っている彼女、隣にいるだけで傷が治る気がした
to be continued